ダウンワード・パラダイス

「ニッポンって何?」を隠しテーマに、純文学やら物語やら、色んな本をせっせと読む。

「心」とは何かを考えるための5冊

2019-07-06 | 雑読日記(古典からSFまで)
 卒爾ながら、本日はこのお題にて。
「教養って何?」シリーズ。今回は、「心」とは何かを考えるための5冊。分冊になってるのもあるんで、実際にはもっと多いですが。



① 心の仕組み 上 下 スティーブン・ピンカー ちくま学芸文庫



② 人間の本性を考える ~心は「空白の石版」か 上 中 下 スティーブン・ピンカー NHKブックス




 なんといってもピンカーさんは外せない。




③ MiND 心の哲学 ジョン・R・サール ちくま学芸文庫






 大御所サールの主著がようやく文庫に。



④ 心はどこにあるのか ダニエル・C・デネット ちくま学芸文庫



 サールと対立するこの人の本もちくま学芸文庫に入っている。ここはぜひとも併せて読んどきたいところ。


⑤ 脳はいいかげんにできている: その場しのぎの進化が生んだ人間らしさ デイヴィッド・J・リンデン 河出文庫







 ケーハクな題名だけど中身は充実。



 サールさんは哲学者で、デネットさんも哲学寄り。ほかの人たちは科学畑。
 「科学の精緻化・深化によって、哲学をはじめとする人文系は消滅する」みたいなことをいってる橘玲さんのような人もいるけど、そんなシンプルな話じゃない。「科学」の言説だけではどうしても追い詰めきれない領域があって、『MiND』と『心の哲学』を読めばそのあたりが見えてくる。とはいえ今や、生粋の哲学者であっても量子力学や脳科学や進化生物学の知識がなければ話にならない、のは確かなようです。