一瞬悪夢が頭を過ぎりました。 もしかして彼女は私を物乞いと思って施しをしたのではと思ったのです。長旅で疲れた顔をしていましたし、腰も少しは曲がっていたかもしれません。でも一応きちんとした身なりをしていましたし恵んで欲しいなどとは口が裂けても言ってません。
このままにしてはおけないので何か無いかとリュックの中を探しましたが、そんな気の利いたものはありません。トイレを済ませて彼女の席に立ち寄り、払って頂いた御礼を言うとともに日本から絵を描きに来たことを話し、ヴェニスやアマルフィで描いた絵を見せました。よく見ると歳は21-2才くらい。落ち着いた感じの洋服を着ていましたのでこちらでデザインか何かを学ぶ学生さんかなと想像しました。もし私が40-50才若ければお返しに食事にでも誘って・・・・・そこで意気投合すればミラノ再訪となったかもしれません。久しく忘れていた ときめき を感じました。
物乞いの件については、なおわだかまりが残っていたので、恐る恐る添乗員さんにいきさつを話したところ、イタリア女性は少しでも親しくなると奢ったり親切にしたがるところがあるとのこと。「それに立ち飲みは椅子席より安く、せいぜい2ユ-ロほどなので負担に思わないでしょう」と言われたので少し安心しました。
絵はミラノのランドマ-ク「ドゥォ-モの見える通り」です。最後にハップニングがありましたがこうして旅は終わりました。
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旅の最終日に訪れたミラノでは半日のフリ-タイムがあったので、一人で描きに出かけました。中心地に近いところで絵にあるような教会を発見、スケッチしました。絵を覗きに来た女性に教会の名前を聞きましたが知らないようでした。
周りの雪山から吹きつける山颪が冷たく、トイレを催しました。運良く小綺麗なカフェを見付け、外のテ-ブル席でお茶を飲んでいた二人連れの女の子のうちの一人に「ここでトイレを利用できるか」と英語で尋ねました。よく見ると私の好きなアメリカ女優メグライアンそっくりの美人です。「地下にあります」とのこと。「何か注文すればいいんですよね」と言うと頷いたので御礼を言ってから中に入り、カプチ-ノを立ち飲みしました。
代金を払おうとするとボ-イから「お代はあの若い女性が支払ったので結構です」と言われました。彼女がいる外の席からカウンタ-までは10M近くあります。何時の間に なぜ どうして ??? 予期せぬ展開に頭が混乱しました。(続)
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ヴェニスではゴンドラに乗って狭い運河を巡りました。運河に面した家々の窓には花台が置かれていました。行ったのは3月、まだ花は咲いていませんでしたが花を咲かせてみました。
花で思い出しましたが30年前初めて欧州を旅行したとき、家々の窓を飾る花を見てカルチャ-ショックを受けたことがありました。我が家でもなんとか咲かせたいと思って、フランス人の添乗員に書いてもらった略図と「アイビ-ゼラニウムの種」という紙切れを握りしめて、セ-ヌ河畔にある園芸店を訪れました。こぼれるように咲く花を期待していたのですが、高温多湿の日本には合わないのか上手く育てられませんでした。
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先日旅行会社から送られてきた案内を見ると、この5月に相次いでイタリアスケッチ旅行が企画されています。「服部久美子先生と行く東リヴィエラ海岸とトスカ-ナ紀行」 「鈴木新先生と行く春のトスカ-ナ丘の上の村々」 「久納隆司先生と行く陽光きらめく南イタリアスケッチ」など。三人の先生方はかって私が教えて頂いた先生ばかりで、今でも展覧会などでお会いすると、私の名前を覚えていて声をかけてくださるほど親しくして頂いています。
絵を趣味とする仲間が一緒に行くスケッチツア-は、同じ所に連泊しながらゆっくり絵を描くことができるので、私も何回か参加したことがあり、それはそれで楽しいのですが、問題は費用です。たいてい一人部屋を取ることになるのでオイルチャ-ジ込みで約50万円ほど。年金暮らしの身の上ではそう簡単に参加できません。
絵はヴェニス夕景。晴れた日の夕方の写真を見て描きました。対岸はサン・ジョルジョ・マッジョ-レ教会です。
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イタリアの小さな村々を舞台に、そこに住む村人達の家族愛に包まれた日常生活を紹介する「小さな村の物語」(BS日テレ)は、私の好きな番組です。オ-プニングとエンディングに流れるテ-マ音楽も、長閑なイタリアの田舎らしい感じがして癒やされています。
先日放映された中に、ある村では夫に先立たれた女性達が死ぬまで喪服を着通すという話がありました。ロ-マカトリックのお膝元の国ですからその影響もあるのかもしれませんが「夫との思い出の中に生きる」というのはなかなかできることではありません。夫婦の間に深い愛情の交流があったればこそだと思うのです。
「イタリアの女性は若いときはきれいでも、年を取ると太って見られなくなる」という人がいますが、体型よりハ-トの方がどれだけ大切なことか。 そういえば若くしてヒデと死別した後も一人で生きているロザンナさんもイタリア人ですヨネ。
絵はコロッセオ。内部を見学するために入り口に並ぶ人達と比べると、建物の大きさがわかります。