桃井章の待ち待ち日記

店に訪れる珍客、賓客、酔客…の人物描写を
桃井章の身辺雑記と共にアップします。

2014・1・29

2014年01月30日 | Weblog
一週間のハワイ旅行の間、マリンスポーツや観光に興味がない俺は、ワイキキの海を眺めながら、バーで酒を飲みながら、ベッドで枕を並べながら母の生い立ちを聞き続けた。有名女優の母親ではあるが、当人はごくごく普通な女性だ。ただ、大正の終りに生れ、青春時代は戦争の暗い影に覆われ、戦後の動乱の中で結婚して、俺を筆頭に四人の子供を育てて、育児が終わるのと並行して七宝彫金作家として日展にも出品してきた母の人生は、聞けば聞く程面白く、ここは息子としてではなく、いつものオバサン乗りで父と知り合う前の恋愛ストーリーまで聞き出してしまった。そうしたからにはただ聞き流すだけじゃなく書き留めて置こうと思うのが「作家」の業で、何処にも公にするつもりも予定もないのに、パソコンに向って母の人生を記録し続けた今日一日。疲れると気分転換に「デンティスト(歯医者さん)」の構想を練る。主人公は診察台に座って口をあけたままなのか?エアギターみたいにエア治療は出来ないか?歯を抜くか抜かないかは(特に矯正歯科の分野では)歯科医師の間でも色々見解が分かれるみたいだけど、乳歯が抜けた時、ネズミの歯と取っ替えろと屋根に投げたことと関連づけて馬鹿馬鹿しい議論にならないか?患者は男としてデンティストは女性か?男性か?顔と顔があんなに近づく関係って男女関係以外にあるだろうか?などなど、まだヒントのヒント程度のことを考えては一人で悦に入る。途中、ひさしぶりにWOWOWの日々で一昨年見てとても面白いと思った「桐島、部活やめるってよ」(吉田大八監督)を再見。ネタバレしていてもやっぱり面白い。吉田監督は俺の感性に合うのだ。でも、橋本愛は「あまちゃん」の方が魅力的だったと再確認。そして今日は老老ランチが中止になったのと「作家モード」でいたこともあって一歩も外へ出なかったので、朝はおにぎりと豚汁、昼は自家製ミックスピザ、夜はソーセージたっぷり炒飯と白菜スープなんて、桃井的には手抜き三食だったが、こんな作家的一日はこれで充実。