桃井章の待ち待ち日記

店に訪れる珍客、賓客、酔客…の人物描写を
桃井章の身辺雑記と共にアップします。

2010・2・27

2010年02月28日 | Weblog
眠たい。猛烈に眠たい。原因は分かっている。薬を飲んだからだ。ストナリ、この十数年愛用している花粉症の薬だ。そう、遂に今年も魔の季節が始まってしまったのだ。一昨日昨日と暖かかったし、嫌な予感はしていたのだけど、こんなに早く来てしまうとは。とにかく朝起きた時からくしゃみと鼻水が猛烈で、食事を落ち着いて食べられないのは勿論、Mに何か文句を言っている時でもくしゃみを連発、鼻水を垂らしながら、おまけに鼻をかみすぎて真っ赤な鼻のトナカイじゃ、迫力のないことおびただしい。そこでストナリニにご登場願った訳だが、この薬の催眠作用の強烈なこと。幸いオーダーが少なく、バーのお客さんも居なかったので助かったけど、イベントの客入れが始まって、客出しが終わるまでの二時間半近く厨房で殆ど眠りこけていた。こんなことじゃ、自分の芝居だって眠ってしまいそうだ。どうしたらいいんだろ?

2010・2・26

2010年02月27日 | Weblog
引っ越しから一夜明けて、部屋中足の踏み場もないほどに段ボールが積み上げられ、ゴミが散乱しているけど、その中から必要な食器と調理器具を探しだして、昨日買っておいた鯵の干物を焼き、納豆を混ぜてネギを一杯入れ、韓国海苔にキムチ、じゃこのフリカケ、そして止せばいいのにこんな時まで煮干しでちゃんと出汁をとった油揚げとシイタケの味噌汁で温かいご飯を食べた後、常連の演出家Sちゃんに頼まれた原稿を読んでいたら、今度の芝居のプロデューサーのY嬢からリハに何故来ないのかと電話。何かの勘違いで今日のリハは中止になったと思い込んでいた俺は、その後の予定をしっかりいれていて、それに昨日までいた西麻布と違って十分後には店に行ける距離になく、リハは中止にしてもらうしかなかった。後本番までに五回しかリハができないというのに猛反省だ。月末なので3時までに銀行に行き、渋谷で買い物と用事を済ませて六時に店に。今日のイベント『乃木坂de575』のフードサービスの為に焼おにぎりとカナッペ、ソーセージ、枝豆などの
プレートを十五人分作った後、その句会の雑誌に連載しているエッセイの校正と携帯で途切れ途切れに日記を書きながらすき焼きその他料理を10オーダーこなす。今日久しぶりに来てくれた広尾時代S女子大生だったAちゃんに、桃井さんからスケベさがなくなってツマラナイといわれたが、こんなに色んなことしてるとなかなかスケベになれないお年頃だ。

2010・2・25

2010年02月27日 | Weblog
引っ越しだ。六二年の人生で30数回目の引っ越しだ。今度こそ余裕のある引っ越しをしようとしたのに、夕べ帰ったのが3時過ぎだったので明日早起きして残りをやればいいやと寝てしまったのが間違いで、起きたのはトラックが到着する8時半直前になってしまった。後は引っ越し屋さんが荷物を運び出すのと、こっちが荷造りするのとの競争で、でも何とか間に合ってMが待っ新居にトラックが出発した途端、ホッとしてゴミの中に座り込んでしまう。そう、そこはゴミの中だった。5年半の間にたまったゴミと汚れがその部屋で過ごした俺の月日を甦らす。でも感傷的になっていたのは僅かな時間で、大家さんに部屋を引き渡す為にゴミの処理と掃除に二時間あまり。運び忘れた小物を抱えて五反田の新居に着いたのは1時を回っていた。実は20数年前この部屋には自分も住んでいたこともあるだけど、新居は新居だ。そんな部屋に当時は生まれてなかったMと住むことになる不思議を噛みしめる。☆引っ越しした為、3月5日までパ
ソコンが使えず、この日記も携帯で書いています。桃井への連絡その他は携帯か店宛てにくださるようお願いします

2010・2・24

2010年02月25日 | Weblog
いつもそうだ。芝居のリハを重ねて行く内に台本を書き直したい欲望に駆られて、つい直してしまっていたけど、今回もまたやってしまった。ラストシークエンスの大幅書き直しだけど、まだ二週間近くある。みんな、何とかしてくれ。リハ終了後、照明のIさんと打ち合わせしてから飲み屋の親父に戻って銀行と買い物をして一旦部屋へ。明日に迫った引っ越しの準備。殆どMに任せっきりの引っ越しだったけど、台所と仕事関係は俺がやらなくてはならない。10時頃終わって再び店へ。昨日は元宝塚の男役スターのSさん、美人脚本家のNさん、いつも色っぽいプロデューサーのSさんたちで華やかだったのに、今日は同世代のプロデューサーIさん、Oさん、演出家のNさんたちとアラカントーク。この味も捨てがたい。

2010・2・23

2010年02月24日 | Weblog
時々、ホントに時々なんだけど、昔あった(名古屋では今でもあるとか)トーストにゆで卵と珈琲だけの喫茶店のモーニングセットみたいな朝食を取りたくなる。そして夕べからそういうモードだったのか、コンビニでちゃんと食パンを買って帰っていたので、朝起きてからさてモーニングセットを作ろうとゆで卵を作り始めたのだけど、殻に傷が入っていたのか、途中で卵の中身が吹き出てきてしまって、これじゃゆで卵は無理。もう一度やり直そうとは思ったけど、卵がちょうどそれで切れてしまっていたので、仕方なく殆どナマ状態の卵を使ってのスクランブルエッグを作る。そのあたりから俺の料理魂が生まれだす。スクランブルエッグと言ってもちょっと形を作ってオムレツ風に。トーストもただ焼いてバターを塗るだけじゃなく、三枚の内一枚はバターの上に柚子胡椒を塗り、更に海苔を貼る。一枚はとろけるチーズを散りばめてピザ風に、そしてもう一枚にはチリメンとふりかけをかける。こうなるともう珈琲だけじゃダメ。缶詰をあけてコーンスープを作る。オムレツ風スクランブルエッグには冷蔵庫の掃除を兼ねてピクルスを使ったサラダと生ハムの残りを添える。もうここまで来ると喫茶店のモーニングセットとはいえない。でも、ゆで卵がちゃんとできなかったのだから仕方ない。そんな食事を終えての引越準備。今日は仕事関係の書類やメモなどが散乱している机周りだ。最初は一枚ずついるかいらないかチェックしながらやっていたけど、時間がかかって仕方ないので、途中から机の上、引き出しの中ごとに段ポールにぶちこんでしまう。それでも三時間あまりの肉体労働。いつもは出かける前にまた何か作って食べるのだけど、お皿なども殆どしまってしまったし、肉体疲労を回復させる為と言い訳を作って鰻屋へ。鰻重を食べる前に肝焼きまで食べてしまう。仕事にいく前に肝焼きとビールなんて、飲み屋以外の仕事じゃありえないと幸せ気分。
☆『幽霊を待っている 幽霊が待っている』(作演出・桃井章)
 日時・3/8(月)~3/11(木) 開演・19時半(開場・18時半)
 料金・3500円
 出演・橋本亜紀,小林聡 

2010・2・22

2010年02月23日 | Weblog
女優のTさんがベルリン国際映画祭に出品されていた『キャタピラー』で主演女優賞を獲得したというニュースを見た途端、「やばい、まだ残っているかな」という独り言を言っていた。何が残っているか心配だったのは、一年近く前に彼女からアドレス変更のメールがあったのだけど、そのまま登録しないでおいたのだ。慌ててチェックしてみる。やばい、やっぱり残ってなかった。普段でさえアドレスを登録するのが面倒くさくて放っておくのに、有名人にメールすることなんかないと思って放っておいてしまったのだ。だったら電話でとかけてみたけど、メールアドレスと一緒に変わってしまっていたみたいで、連絡はかなわず。だったら花を送るか、電報を打つか、それとも手紙を書くか……でも、とりあえずこの日記でおめでとうとお祝いする。でも、同時に一抹の淋しさを感じる。十年前に広尾の店に初めてきた時にはまだ殆ど無名の女優さんだったから、かなりフレンドリーにつきあってきたけど、こんなに凄い女優さんになってしまうと、とても気軽には話せない気持ちになってしまう。でも、それでよかったのだと思うことにしよう。反対に今日のイベントに観客でいらした女優のOさんはどんどん気さくになっていく。三十年前に初めてお会いした時は、まだ女優然とした風情があって結構話しづらかったのに、今日なんて俺と指を絡めながらお喋りするまでになった。確か75歳近いと思うけど、まだ矍鑠としていて舞台や映像の脇役で活躍している。こんな女優人生もステキだ。
☆『幽霊を待っている 幽霊が待っている』(作演出・桃井章)
 日時・3/8(月)~3/11(木) 開演・19時半(開場・18時半)
 料金・3500円
 出演・橋本亜紀,小林聡 

2010・2・21

2010年02月22日 | Weblog
公演が約二週間後に迫っているのに、様々な事情で来週は一日しかリハが出来なくなってしまったので、急遽今日の日曜日にもやることにして、12時に店へ集合。土曜日に収録した録音部分を交えて最初からやってみる。途中どんどん演出プランを変える。こういう時は演出家としての俺もノッテきたということ。調子に乗って台本の最後を変えようという欲望に駆られる。こんなに改変していいのか?いや、そう思ったら改変しなくちゃ悔いを残すという気持ちのせめぎあい。4時前に終わって直すかどうか迷いながら部屋に向かっていたら、煙草屋の前で自動販売機に煙草を補充していた今年90数歳の自称「看板娘」に声をかけられてしまう。途端やばいという顔になる俺。別に疚しいことをした訳ではない。去年まで殆ど二日に一度は顔を出してピー缶を買っていたのに、今年になって「煙草を吸わない男」を演じている為、顔を出すことがなくなっていただけなのだが、何故か後ろめたい気持ちになってしまったのだ。確かに戦争中の彼女の恋物語を聞いたり,娘と思っていたMが妻でショックを与えたり、俺と彼女の関係は単に煙草屋の「看板娘」と客の関係を超えている。俺は「看板娘」に事情を説明する。「看板娘」は俺が病気になったか,引越してしまったのか、ずっと気にしてしたけど、なんでもなくてよかったと半分涙目だ。いや、実は来週引越をすることはするんですが……と言おうとしたのに、泣かれてしまったので言いそびれてしまう。うーん、「看板娘」との関係が難しくなってきた。
☆『幽霊を待っている 幽霊が待っている』(作演出・桃井章)
 日時・3/8(月)~3/11(木) 開演・19時半(開場・18時半)
 料金・3500円
 出演・橋本亜紀,小林聡 

2010・2・20

2010年02月21日 | Weblog
この数日、忙しくて朝刊を読んでいる時間がなかった。でも、今日は少し時間の余裕があったので数日分のたまっていた新聞を広げたら、ある日の死亡欄に脚本家の宮内婦貴子さん逝去の記事が載っていて、呆然となる。四十年前にシナリオ学校に通っていた時に担当講師として書いたシナリオを添削指導していただいてから一度もお会いしたことがなかったのに、何故かその前夜、宮内さんのことを突然思い出してMに話したばかりだったのだ。俺はそのとき宮内さんが亡くなっていたのをまだ知らない。でも、宮内さんの霊が現われて記憶の果てから宮内さんの思い出をMに語らせたのだろうか?享年78歳だったとか。となると40年前はまだ宮内さんは38歳だったのか?魅力的な女性だった宮内さんに誉めて貰いたくて、俺は二本目のシナリオを書いた。そのシナリオは宮内さんを経由して彼女の先生格だった山田信夫さんの手にも渡って誉めて貰うことになり、俺は自信を持ってシナリオ修行に励むことになった。その意味からすると宮内さんがいなかったら俺はシナリオライターになっていなかったことになる。有り難う、宮内さん。心からご冥福をお祈りします。恩人といえば、演出家の久野浩平さんも元旦になくなった。当時NET(現テレビ朝日)の演出家だった久野さんは、いくら監督の森崎東さんが推薦して下さったとはいえ、まだ3本しか映画を書いていなかった新人の俺に初めてテレビのスタジオドラマを書かせて下さった方だ。でも、一話二話を書かれた鎌田敏夫さんの後に続く俺の台本は、どうしようもなく使い物にならなかった筈だ。それなのに久野さんは根気よくテニオハに至るまで添削指導してオンエアまで持って行って下さった。あのシナリオの個人教室がなかったら、その後テレビドラマを曲がりなりにも書き続けていけなかったと思うと、久野さんにはどんなに感謝しても感謝しきれない。有り難う、久野さん。心からご冥福をお祈りします。それにしても死亡欄だ。業界とは関係なくなったので、世話になった方がなくなっても誰も知らせてくれないので、新聞の死亡欄で知ることになる。引越を機に新聞を止めようと思ったが、死亡欄がなくならない限りは無理かもしれない。
☆『幽霊を待っている 幽霊が待っている』(作演出・桃井章)
 日時・3/8(月)~3/11(木) 開演・19時半(開場・18時半)
 料金・3500円
 出演・橋本亜紀,小林聡 

2010・2・19

2010年02月20日 | Weblog
今日と明日の二日間、イベントスペースはちあきなおみさんの唄を歌うKさんのライブの予定が入っていて、最低10時頃までは他に使えないことは分かっていたのだけど、こんな日に限ってベテラン新劇俳優のKさんたちのグループ、近所の制作会社の演出家Iさんたちのグループ、神社関係のTさんたちのグループ、広島の福山の実業家Tさんのグループ、更に結婚式の二次会グループと8人から10数人のグループが次々に電話をかけてきたり、直接入って来る。でも、収容できたのはテーブル席にKさんたちのグループと、遅い時間になってからのTさんたちのグループだけ。カウンターも早い時間から再就職が決まったデザイナーのNちゃん、大手プロダクションをやめたベテランマネージャーのYさん、元クラリオンガールの女優のKさん、プロデューサーのYさん、週刊誌ライターのIさん、近所の会社の経営コンサルタントKさんたち、プログラマーのIさん、ネットでウチの店のことを知って熊本から訪れてくれたAさんたちで埋まっていたので、三組のグループ客を逃すことになってしまった。約30人、会計は一人3500円として約10万円の損、という捕らぬ狸の皮算用をして悔しがるが、こればかりはどうにもならない。でも、ともかくイベントでの飲食オーダー数が130を超え、これに一般のお客さんのオーダーを加えるととんでもない忙しさだったことは間違いなく、こんな日はさすがに終わった後飲みたい気分でいたら、ちょうど都合よく女性CMプロデューサーのMさんが若手女子社員のYさんを連れて来て、一緒に飲みましょうと言ってくれたので言葉に甘えてしまう。Mさんはお客さんの癖して俺みたいなオヤジのことを誉め殺してくれる。今日も桃井さんの日記に出て来る料理は本当に「美味しそう」に見えるのは書き方が「上手」なのかしら?とダブルで誉めてくれる。そして、明日の日記が楽しみだわというもんだから、本当は書く予定はなかったけど、今日の桃井章の食生活。まず起きてしばらくしてから、残っていたバケットに明太子、きのこと鰹節、海苔と三種類の食材をを乗せ、更にその上にとろけるチーズを置いてピザ風に焼いたものにオニオンサラダとトマトジュースで軽い食事。そして4時過ぎに出かける前に細かく叩いたすき焼用の牛肉を使った麻婆豆腐、冷凍してあった宇都宮餃子をとんでもなく辛い沖縄島ラー油で、そしてネギ炒飯とくず野菜が一杯の中華スープ。でも、その後店では忙しくて何も食べられなかったけど、帰ったのが遅かったので、二人で日本酒をのみながら明太子モロキューとうるめ鰯の丸干しと湯豆腐だけで我慢……こう書くとあんまり美味しそうじゃないね、Mさん。
☆『幽霊を待っている 幽霊が待っている』(作演出・桃井章)
 日時・3/8(月)~3/11(木) 開演・19時半(開場・18時半)
 料金・3500円
 出演・橋本亜紀,小林聡 

2010・2・18

2010年02月19日 | Weblog
昨日新しいベッドが我が家に運び込まれた。引越する前に運んで貰って新居では真新しいベッドで安眠を得たいと思ったのだ。でも、当然その前にこの引越前の部屋でも使うことになる。どんな寝心地か楽しみだったが、今朝はMが8時半までに五反田までいかなくてはならないので、4時半に寝たのに7時半起きで、折角の初日だったのに、新しいベッドでは3時間しか眠ることが出来なかった。それにしても新居改装はとんでもないことになっている。この間も書いたけど、人が住んでなかったことで生じた問題が次々に起きる。初めてそのマンションに入った時から水の出が悪いと思ったが、先日は蛇口をひねったら水道管と蛇口との継ぎ目が腐っていたらしく、蛇口が壊れて水が吹き出してしまうし、数日前には遂に水が出なくなってしまった。どうやら水道管が錆び付いてしまって、その錆が水道管を詰まらせているとのこと。完全に直すには大工事になるので、とりあえずの補修をして貰う為の作業の為にMは8時半に五反田へ出向いたのだが、今日は一緒に使わないガス器具を撤収したりするガス工事、それに人が暮らさない内にダニが大量に暮らしてしまっていて、その殺虫作業と部屋のクリーニングを同時にすることになったとかで、狭い3DKに大の男が合計8人もあっちへ行ったりこっちへ行ったりするので、自分のいる場所がなく、仕方なく吹きっさらしの廊下で8時間も待つ羽目になったとか。その間俺は三週間後に迫った芝居の稽古にのめり込んでいた訳で、Mに後でその魔の八時間を聞いて、後ろめたくなる。お金もこれで改装費に50万近くかかった計算になる。こんなにかかると分かっていたらベッドを新しくしなかったのに,どうしよう?引っ越し代。
☆『幽霊を待っている 幽霊が待っている』(作演出・桃井章)
 日時・3/8(月)~3/11(木) 開演・19時半(開場・18時半)
 料金・3500円
 出演・橋本亜紀,小林聡