桃井章の待ち待ち日記

店に訪れる珍客、賓客、酔客…の人物描写を
桃井章の身辺雑記と共にアップします。

2009・7・30

2009年07月31日 | Weblog
時間の逆算ばかりしている。今日も1時からリハだから、俺たちはその前に店入っていなくてはならないし、銀行その他用事を済ませるとなると、12時過ぎには部屋をでなくてはならない。でも、その前にこの日記を書いて必要最小限の経理事務をやるには最低一時間かかるし、10時に起きてトイレやシャワーに30分はかかるとなると、ガスでご飯を炊いて料理をして食べて後片付けする時間が合計30分しかなくなる。それはちょっと無理。といういい訳をして、昨日あんなにコンビニでオニギリを買って食べるなんて嫌だと言っていた癖に、それに近い食事(マル秘)になってしまった。反省するが仕方ない。そんなマル秘食事をして始めた今日のリハ。実は夕べ寝る時に大きな変更をすることを思いついてしまったのだが、リハが今日を含めて3日しかないこの時期になって、これだけ大きく変更することに躊躇する。でも、今日は照明のKさん、音響のAさんにも通してみて貰う最後なので、これから大きな変更は出来なくなるし、思い切って変更することをリハの初めにみんなに宣言する。みんなに戸惑いの表情が浮かぶが、こういう時は俺には似合わない専制君主になるしかない。リハはみんなの非難の視線に耐えながら5時近くまで。そんなプレッシャーを、久しぶりに来てくれた元テレビAの演出家プロデューサーで、今は関連会社の社長をしているKさんに話す。彼とは俺が初めて書いたテレビドラマのAD時代からのつきあいだから35年になる。でも、Kさんは桃井さんは好きなことをやって苦しんでいるんだから幸せだよと笑い飛ばす。確かにそうです。後数日、苦しみながら楽しみます。他にお客さんはイベントの打ち合わせにきて飲んで行ってくれたKさんたち、マネージャーのYさんと一緒の常連の演出家Sちゃんだけ。俺が芝居に夢中になっているとお客さんが少なくなるというジンクス。いや、お客さんが少なくなる時期だから俺は芝居をその時期に企画するのだと反論したいけど、それにしてもこの数日はひどい。家賃は払うのに後20万。今日と明日で何とかなってくれ。
★COREDO演劇フェスティバル開催
8/3~8/22(日曜を除く)の期間中、10の演劇ユニット、個人がコレドでなくては出来ない演劇的世界を展開します。8/5(水)には私も『独房、若しくは雑踏』(作演出・桃井章、出演・水谷治夫、吉野翼)という芝居で参加。たった一日だけという贅沢な公演です(嬉しいことに定員60席が予約で埋まりました。有り難うございました)
コレドのホームページのアドレスイベントスケジュールなどご参照ください。

2009・7・29

2009年07月30日 | Weblog
今日も午後一番から芝居のリハがある。当然起きてからの時間がない。焦るとコンビニでオニギリか何か買って食事をすませてしまう。でも、そんなことをしたら下手をすると閉店時間までそれだけで過ごさなくてはいけなくなるので、ここはグッと焦りを抑えて、冷凍してあったイカをにんにくと唐がらしでペペロンチーノ風に炒め、人参ときゅうりと大根の千切りサラダ、卵入り納豆、昆布の佃煮、これも冷凍してあったしじみを解凍した味噌汁で、ごはんを二膳しっかり取る。リハは二時から開店時間ギリギリの六時まで。今日は水谷さん中心の動きのリハ。先日収録した声と音響のAさんが入れてくれた効果音を流しつつ、踊りの稽古みたいに動いて貰う。でも、動きを頭で覚えていると、何処か不自然になる。本番まで後三回しかリハが出来ないが、それまでに頭でなく体が自然と動いてくれるといいんだが。お店は早い時間からプログラマーのIさん、悠々セカンドライフを楽しんでいるSさん、近所の出版社に勤めるOさん、バイオリン奏者のMさん、イチゲンの女性客、それと九月に公演するSさんたち、続いてテレビAのIさん、夕刊FのUさん、セミレギュラーのMさんたち、Y君の知人であるTさんたち、最後はSミュージックの三人が3時過ぎまで。後片付けを終えて、店を出た時は4時近く。明日も芝居のリハが1時からある。となると睡眠時間は5時間か?
★COREDO演劇フェスティバル開催
8/3~8/22(日曜を除く)の期間中、10の演劇ユニット、個人がコレドでなくては出来ない演劇的世界を展開します。8/5(水)には私も『独房、若しくは雑踏』(作演出・桃井章、出演・水谷治夫、吉野翼)という芝居で参加。たった一日だけという贅沢な公演です。是非、ご覧になって下さい。
コレドのホームページのアドレスイベントスケジュールなどご参照ください。

2009・7・28

2009年07月29日 | Weblog
先日イベントで来店したKさんにMが「今度は坊主にして下さい」と云ったことがこの「歴史的事件」が起きる始まりだった。Kさんは、この十年近く俺の髪の毛を切ってくれているヘアメイクの人だ。俺は髪を切ると印象がガラッと変わることが嫌だ。でも、Kさんなら何も云わなくても髪を切ったか切らないか分からない状態でカットしてくれるので、安心して「身を任せて」きたのだ。今日もその筈だったのだが、洗髪して貰う時にMの冒頭の言葉を聞かされ、俺自身もこの数日間髪の毛が目に入ることで目脂がひどくなって来ているのに悩んでいたこともあって、自分の中にいる他人がいつの間にか「思い切って短くして下さい」と言ってしまっていたのだ。とはいえ、印象が変わるまで短くとは俺もKさんも考えてはいなかった。ところが仕上がってみた時に俺の中の他人は「もっと短くしてください」とほざいていた。Kさんもそんな悪魔みたいな奴の云うことを聞くことはないのに、素直なKさんは鋏を動かし続けた。その結果……俺は眼鏡をかけて鏡で見てなかったので分からなかったのだが、店に出向いてみるとY君が開口一番「イメチェンですね」と言ってくるし、厨房に入って行ったら料理の下拵えをしていたMが一瞬俺とは思わず二度三度と見返してからドッと笑いだした。「いいよ、凄くいいっ」と笑いながら言い続ける。それほどなのか?そんなに俺はイメチェンしてしまったのか?と気づいたのはその時だ。「私はそっちの方が断然いいっ」とMは褒め続けるが、信用できない。本当だったら洗面所に飛んで言って俺の「新しい顔」を確認したかったけど、怖くて出来ないので、トイレにもいけない。でも、尿意には限界があって仕方なくトイレに行って俺の「新しい顔」と対面したのは店に来てから二時間以上経ってからだった。他人だった。今までいた桃井章とは違う他人がそこにいた。俺は弱々しく鏡の中の他人に呼びかけた「よっ、俺の中の他人君」……。
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8/3~8/22(日曜を除く)の期間中、10の演劇ユニット、個人がコレドでなくては出来ない演劇的世界を展開します。8/5(水)には私も『独房、若しくは雑踏』(作演出・桃井章、出演・水谷治夫、吉野翼)という芝居で参加。たった一日だけという贅沢な公演です。是非、ご覧になって下さい。
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2009・7・27

2009年07月28日 | Weblog
銀行と仕入れをした後、1時に店へ。今日は8/5に公演する『独房、若しくは雑踏』の声の出演部分の収録。一時間程リハをした後、音響のAさんに来て貰って最初から順次収録していく。吉野君はともかく、Mも収録用のマイクに向かって声優を初体験するが、まぁまぁの出来で、ホッとする。その安堵感と夕べの寝不足、そして早い時間から来店してくれた映画カメラマンのSさんと照明のIさんに奢られた焼酎が効いたのか、八時近くにはもう意識が朦朧となって、元Nテレビの演出家Yさん、猛烈な読書家で知られるNテレビのOさんと話していても何を話しているんだか、分からない状態になる。このまま閉店時間まで持つかと不安になったが、幸か不幸か、その後のお客さんは近所のドキュメンタリー制作会社の演出家Kさん、APのTさん、新人のYさん、脚本家のIちゃん、Hさん、IT会社のFさんたち、イチゲンのカップルだけで、更に12時にはみんな帰ってしまったので、閉店時間までの間、控室で仮眠してしまう。ストレスがあるのか、痛風の発作は右足の親指部分が治ったと思っても今度は左の足の踝に、そして次に右膝に飛び火し続けるし、かゆみは全身に広がり、掻きむしった後は化膿するし、目も眼鏡の度が合わないのか鬱陶しいし、公演日まで憂鬱な日が続く。
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2009・7・26

2009年07月27日 | Weblog
お昼に部屋を出て、恵比寿から北鎌倉へ。駅前で待ち合わせた従兄弟のS君と一緒に父方の祖父のお骨を預かって貰っている円覚寺に墓参。この祖父は30代前半に亡くなったとのことで、写真も戦災で焼かれたりして一枚も残ってないし、孫の俺はこの祖父の顔を知らないので、今一つ気持ちが乗らないが、桃井家の当主として命日にはこれからもお参りするつもりだ。俺がそんな気持ちになるなんて、年取った証拠か?去年はそのまま父と祖母の墓がある鎌倉霊園に廻ったが、今年は芝居の公演が迫っていることもあって時間的精神的余裕がなく、駅前でお茶をしただけで、S君と別れて東京へ。ここが俺の不思議なところで、どうせ鎌倉まで来たんだから一時間ほど足を伸ばしたっていいだろうと人は思うだろうけど、父や祖母とは生きている時にたっぷり交流があったし、死んでからはつきあいたくないと思ってしまうのだ。5時過ぎ部屋に戻ってから俺は二日間さぼった経理事務、そして明日収録する芝居の声と効果音のチェック、更に当日お客さんに配るパンプレットの原稿を執筆。その間、声の出演をするMは台詞の練習。夫婦共、芝居にどっぷり使っている。
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2009・7・25

2009年07月26日 | Weblog
お昼から「放送人の会」で知り合ったベテラン放送人Eさん主催のSさんプライベートライブ。観客は10人ほどだったが、ウチみたいな狭いイベントスペースならでの企画だったと思う。5時半に終わると同時にお客さんが来るまで月曜日に収録する『独房、若しくは雑踏』の声部分のリハーサル。吉野君の知り合いカップルが来るまではカウンターはMに任せて吉野君だけ。それ以後はカウンターも吉野君に任せて声の出演をするMのリハ。しばらくして俺たちと同じフェスティバルに参加する女優Kさんの芝居『P』の台本を担当するY君が舞台監督と来店したので、リハ場所を明け渡し、彼らが帰ったあとは再び吉野君のリハを再開すると行った飲み屋と演劇人の綱渡り。開店した以上本当はそんな綱渡りなんかしちゃいけないんだろうけど、芝居も方も三千円も料金を取る以上、空いた時間を精一杯使ってリハをするのも当然の義務だ。それからも近所のタイ式マッサージのEさんと岡崎から単身赴任中のSさん、人妻Iちゃんが来店してくれたが、途中時間が空くとリハをする俺たち三人。8/5の公演日までそんな綱渡りが続くのか、いや、続くべきなのか?
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2009・7・24

2009年07月25日 | Weblog
普通の芝居では、初日まで十日となれば、ホボ一日中リハが行われている筈なのだが、飲み屋との兼業の「演劇人」はそうはいかない。今日だって初めてシルバーモデルの水谷さんがリハに参加してくれたと云うのに、午後2時に始まったリハは開店準備の為、5時半前には終らなくてはならない。それも普段のコレドのようにお客さんが少なければ肉体精神共に休めたりするのに、幸か不幸か昨日今日とコレドらしからぬ賑わい。早い時間に脚本家修行中のKさんが来店したのを皮切りに、映画プロデューサーのKさん、先日結婚が発覚した法律事務所勤務のNさん、この間『Y』と云う映画が大ヒットした映画監督のHさんと脚本家のKさん、自らのカルテットの外国人奏者を率いて来店してくれた世界的チェロ奏者のHさん、吉野君の前の店からのお客さんであるTさん、プログラマーのIさん、女優のHさん、昨日に引き続いてT電力のNさんとTさん、テレビAのプロデューサーKさんとIさん、旅行代理店のKさんと女優のKさん、そしてベストワンのOさんに率いられてコピーライターのAさん、デザイナーのSちゃん、チョコレート会社の広報責任者のIさんたちと続いて、最後はいつも元気な映画監督Hさんたちが三時まで。料理もシンクに汚れたお皿が山積みになる程でたけど、俺は時折坐っていられるので辛うじて大丈夫だったが、午後の二時から立ちっぱなし、動きっぱなしだったY君はホボ体力の限界だったに違いない。でも、俺も含めて生活をする為のお金を稼ぎつつ芝居もできるがウチみたいなスペースの利点だ。大変だけど、あと十日頑張らなくちゃ。
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2009・7・23

2009年07月24日 | Weblog
午後から開演までにもう二週間を切った『独房、若しくは雑踏』のリハ。まだ参加してないシルバーモデル水谷さんの代役を自分で演じてみて、殆どが寝ているだけの台詞がない芝居の難しさ、怖さを思い知る。明日からリハに参加する水谷さんにどう演技をつけたらいいのか頭の中はそれだけ。途中、照明を頼んだOさんが見学。ベテランのOさんに色々アドバイスを貰う。リハが終わった後は、いつも通り演劇人から飲み屋の親父に変身。自転車での買い出しを終えて帰ってみると、広尾時代の知人IさんがHさんと来店していて、イベントのやり方を説明。続いて舞踏家のFさんとスタッフともイベントについて打ち合わせ。他にお客さんは八月のコレド演劇フェスティバルに参加する女優のKさんと台本を担当するYさんたち、Kさんとは生まれ育ちも現在東京で住んでいる街も偶然同じの京女のSさん、新しい部下たちをつれてきてくれて、俺の芝居の予約までして行ってくれたT電力のNさん、最近セミ常連となりつつあるのに名前を教えてくれない女性Xさん、SミュージックのIさんとOさん、ベテラン女性マネージャーのSさんとDさん、そして会社のスタッフ四人をつれてきてくれたけど、絶対ここにイニシャルでも名前を書かれるのは困ると言い張る某会社某部門の責任者※※さん。でも、これだけでも分かる人には誰だか分かってしまうだろうな。ごめん、※※さん。
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2009・7・22

2009年07月23日 | Weblog
今日ふらりと店に入ってきたイギリス人Nは、日本語を俺以上に知っているのに、下手さを装うことのできる曲者。トイレにいくにもスペースの方のドアをわざわざ開けて日本のトイレには便器がないんですか?なんてギャグをかます。今はドバイに転勤してしまったみたいだが、日本生活18年の間に日本人以上に日本のことを知って、日本を楽しんでいる。日本人に日本のよさを教えるのが面白いなんてほざく。後から入ってきた映画プロデューサーのNさんが、挑発的に日本鎖国論をぶつけたりすると、日本の歴史から民族性まで自分の知識をフル動員してNさんを煙に巻いていた。この間きてくれたアメリカ人Dもそうだったが、日本に長く滞在している外国人は、日本人以上に日本人の国民性や歴史について詳しいし、日本を愛している。日本人の俺としてはこそばいやら恥ずかしいやら。他にお客さんは開店早々入ってきたAさん、映画会社Cの社長Sさんたち、人妻Iちゃん、映画プロデューサーのKさん、悠々セカンドライフを楽しむSさん、スペース見学にきてくれたプロデューサーのAさんと演出家のKさん、Sミュージックの2人、イケゲンのお客さん2人、そして、そして、みんなに黙ったまま四月に結婚したことが最近発覚した法律事務所勤務のNさん。いつもはどうでもいいことを大声でずっと喋り続けるのに、このことについては何も喋らなかったし、俺たちは全く気づかなかった。ひょっとすると女性には興味がないのかもと疑ってもいた。それなのにそれなのに……39才で漸く春がきたNさんに心からの祝福を。
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2009・7・21

2009年07月22日 | Weblog
サンマの干物を焼く。それも炭を起こしてじっくり焼く。本当は頭の中が芝居のことで一杯で、そんな悠長なことやっている気分じゃないのだけど、そこをグッと堪えてサンマの干物を炭火で焼く。リハをする内に台本の欠陥がどんどん見えてきて、本当は机に向かっていたいのだけど、焦ってはダメ、焦っては損、損と自分を必死に言い聞かせてサンマの干物を焼く。午後から始まったリハでは、予想外のことが起きた。主人公は声が出ないと云う設定で、だったら台詞を覚えることもないし、口パクなら楽勝だろうと思っていたら、この口パクで何十分ももたせるのはとんでもなく大変だと云うことが分かる。更に演じている吉野君の喉と体力の消耗は普通に台詞を喋る以上のものらしい。演出経験の乏しい俺のミス。でも、ここで挫ける訳にはいかない。ありとあらゆる手段を使って、この何十分をもたせよう。そんな愚痴を含めて、今日久しぶりに来店してくれたTテレビのOさんに話す。芝居の演出経験も豊富なOさんは笑いながら聞いてくれ、当日の予約をいれてくれた。更に隣にいた図書館勤務のMさんと一緒に来店したAさんも予約をいれてくれた。制作を担当するMの勧誘もあって、今日段階で予約してくれた人は40人以上。店が終わった後、Mと実際に机と椅子を並べて会場作りをやってみると、客席は60人がギリギリだ。後20人。もうあんまりPRしない方がいいかもしれない。
★COREDO演劇フェスティバル開催
8/3~8/22(日曜を除く)の期間中、10の演劇ユニット、個人がコレドでなくては出来ない演劇的世界を展開します。8/5(水)には私も『独房、若しくは雑踏』(作演出・桃井章、出演・水谷治夫、吉野翼)という芝居で参加。たった一日だけという贅沢な公演です。是非、ご覧になって下さい。
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