桃井章の待ち待ち日記

店に訪れる珍客、賓客、酔客…の人物描写を
桃井章の身辺雑記と共にアップします。

2007・7・30

2007年07月31日 | Weblog
月末だ。それに纏わるお金の話は書きたくない。凄い雨だ。それが影響してお客さんがいないことも書きたくない。後三カ月少しで還暦だ。加齢がもたらす体の不調ななんて字にするだけの意味がない。土用の丑の日だったので母と鰻を食べようと朝から電話しているのに、何度電話しても出ないので、倒れているんじゃないかと心配してたら、7時過ぎに電話がかかって来る。留守電にしないで出かけていたとかでとりあえず安堵するが、それから鰻を一緒に食べる訳にも行かず、何となく2時間近く話してしまう。だから何だ?と言われれば、いえ別にと答えるしかないんだけど。銀行に出かけた帰りにふと立ち寄った本屋で『反転』(田中森一著)を買い求める。トイレで読む。風呂で読む。12時過ぎにお客さんが一人もいなくなくなった店の中で閉店時間まで読む。ヤメ検弁護士の波瀾の人生が何故俺を惹きつけるのか?

2007・7・29

2007年07月30日 | Weblog
午後、10年前に離婚したYさんと東京ミッドタウンでランチする。話したいことがあると言われて、養育費の値上げではと内心ビクつき気味会ったのだけど、彼女の仕事のことだったのでホッとする。それにしても離婚する時あんな修羅場を演じた前妻と日曜日にランチしているなんて、時の流れと云う奴はつくづく凄いと思う。雷鳴が轟きだしたので近い内に又会うことを約束して部屋に戻る。本当は帰りに選挙に行こうと思っていたのだけど、雷には敵わない。これでまた棄権かと一旦諦めかけたけど、しばらくして晴れたものだからまたノコノコと出ていく。こんなにまでして選挙に行くなんて、余程今の政権に許しがたい物を感じているんだろう、と云うのは口実で、今度初めて選挙権を持ったOと話している内、選挙には行かなくてはいけませんとお説教されたことが動機になっているんだから、俺の政治意識は大したことない。でも、夜は選挙速報を見ながら過ごそうと思っていたのに、最近は出口調査とやらで開票が始まった時点で殆ど趨勢が分かってしまって、見る価値なし。昔は自分には関係ないと思いつつ、それはそれなりにハラハラして面白かったのにと、テレビ局が自分の首を締めるみたいな出口調査を何故やるのかどうしても分からない。

2007・7・28

2007年07月29日 | Weblog
夕べ俺にしては飲みすぎて、部屋に帰ってから吐いてしまったこともあって、朝起きてから体調がイマイチ。胃腸だけじゃなく、喉も痛くて、体中がグッタリしている。夕方まで待って治らなかったら、今日は休もうと思っていたのに、Tちゃんが急に休むとの連絡があったので仕方なく5時には店へ。処が、Mちゃんも体の具合が悪いみたいで、開店準備が済んだ後、控室でグッタリしているので、これじゃ使い物にならないと思ってMちゃんを帰す。これでお客さんがドッと来たらどうしようかと危惧していたけど、幸か不幸か、お客さんは誰も来なかったのでカウンターで寝込む。10時過ぎ、妹のファンの看護士Rさんが病院の若い研修医さんたちを連れてきてくれて、ノーゲストは免れてホッとするが、カウンターの中に入って働くのが億劫。幸い、Rさんたちは病院の話題で盛り上がっていたので、こっちが会話の相手をすることもなく、俺は椅子に坐ったまま「安静」にしていられた。Rさんたちが12時前に帰って、即閉店準備。お客さんには悪いけど、グラスを洗いながら今日はこのまま誰も来ないでくれと祈っている。

2007・7・27

2007年07月28日 | Weblog
午後、入院している常連の演出家Sちゃんの見舞いに有明の病院に出向く。一カ月前に行った時より顔色もよく、殆ど病人とは思えない処か、制作会社SのKプロデューサーと次回作の打合せまでしている。後で聞いたら、一時退院して他の作品の打合せにテレビ局まで行っているとの由。二カ月も入院生活してたら仕事をしたくなる気持ちは分かるけど、無理は禁物と老婆心ながら忠告して、5時には店へ。どういう訳か分からないけど、朝まで営業を思い立った時から何故か早い時間にお客さんが来る傾向。今日も6時過ぎに大阪の女性経営者Yさんが来店してくれたのを皮切りに、近所に仕事場を持つ有名脚本家のYさん、女友達のS、映画プロデューサーのMさん、脚本家兼プロデューサーのAさん、N医科大学教授のKさん、久しぶりに来店してくれたNさん、近所の映像制作会社のHさんと続き、11時近くに来店した制作会社社長Iさんと俳優事務所のKさんたちが最後のお客さん。ウーン、たまたまかも知れないけど、こう云う日が続いたりすると、朝まで営業は当分見合わせた方がいいと云う結論になるのは、当然の理か?

2007・7・26

2007年07月27日 | Weblog
お客さん同士のトラブルと云うのは厄介だ。今日も美人姉妹のAさんがきて、先日妹のNさんがKさんから受けた裏切りについて話していく。今度ウチの店でKさんに会ったら全面対決しかねない勢いだ。ウチの店の中で起きたことなら、こっちも何か言えたり、事情によっては出入り禁止を申し渡すこともあるけど、店の外のことは真偽の程を判定出来ないから何も言えない。ただ、分かってのは、俺が何もしなくても云わなくても、どちらかが店に来なくなると云うこと。お客さんが少なくて朝まで営業まで考えていると云うのに、弱り目に祟り目、泣きっ面に蜂と諺を総動員したくなる。そう、今日も乃木坂は雨だった、なんて昔の歌謡曲の歌詞を盗作している場合じゃないけど、お客さんはAさんの他に来月イベントをやるFさんたち、デザイン会社のKさんたちの二組四人だけの雨模様。明日こそ晴れてくれ。

2007・7・25

2007年07月26日 | Weblog
昨日の日記に「只でさえお客さんの少ない店だけど、特に開店時間の6時から9時までの3時間は無人化している日が殆どで……」と書いたけど、今日が正にその「無人化」した日。そして昨日の日記の続きには「営業時間はそれから閉店時間の2時までの5時間……」と書いたけど、確かに9時過ぎにイチゲンのカップルがカクテル一杯づつ(売上2600円)、10時過ぎに近所の常連Nさんが黒ビール二杯(売上3000円)と「営業時間」になったことはなったけど、有料客はその二組三人だけ。2時近くまでで総売上は5600円。五万じゃないよ、五千だよ。それで「営業時間」と言えるのか?言える訳ないッ!お前は趣味で店をやってるのか?違う、商売だ!だったら何故店をやってる?いや、店がそこにあるから……なんて、くだらない自問自答をしながら12時にはTちゃんにも帰って貰って、後はただ一人待つだけ。2時間もあの地下室に一人きりでいると、ちょっとおかしくなってくる。もうこうなったら朝まで一人きりでお客さんを待っていようかなんて馬鹿なことも思い出す。もしも本当にそんなことをしていたら、精神的に変調を来していたに違いない。その寸前に、救いの神。人妻Iちゃんがお姉さんと一緒に来店してくれる。いつもは帰る時にハグする習慣になっているのだけど、今日はIちゃんが顔を見せた途端ハグハグ。お姉さんが呆れていたけど、それだけ嬉しかったと云うことで。でも、まぁ、ホント営業時間をどうしよう?

2007・7・24

2007年07月25日 | Weblog
しばらく前から店の営業時間をどうするか悩んでいる。只でさえお客さんの少ない店だけど、特に6時の開店から9時までの3時間は無人化している日が殆どで、営業時間はそれから閉店時間の2時までの5時間、下手をすると最終電車で皆帰ってしまって、実質営業時間が4時間とか3時間なんて日も多いのだ。60万の家賃を払って一日24時間借りているのに、その六分の一とか八分の一の時間しか稼働出来てないなんて、悩まない方がおかしい。だったら9時までの3時間にもっとお客さんが来る様な営業努力をすればいいじゃないかと云うかも知れないけど、その時間帯にお客さんに来て貰う為にはフードを充実させる必要がある。それもちゃんとした料理だ。誰だって一日の終りに折角外食するなら満足する物が食べたい。でも、ウチは所詮バーだ。いくら原価を無視した1200円で提供するすき焼があったにしても、遠くからウチのオムライスを食べにだけ来るお客さんがいたとしても、食事をちゃんと出来る店と云う認識は皆の間に希薄だし、もしもあったとしても遅い時間にバーだけど食事が出来る店と云う認識で、早い時間にフード目当てで来店するお客さんは皆無に近いのだ。となると、その6時からの3時間は人件費がかかるだけで営業していても無駄と云う結論になる。だったらその3時間を2時以後に廻した方がいいのではないか、つまり朝まで営業だ。その方がお客さんにとって便利な様な気がするし、近い内にそうしようかとTちゃんたちと話していたら、そう云う日に限って映画カメラマンのSさんが6時前から、SミュージックのIさんが7時過ぎから、自主映画監督のHKや法律事務所勤務のNさんも8時前から来店、その後も映画監督のN、ベテラン脚本家のTさん、俺のデビュー映画のプロデューサーのIさん、テレビAのプロデューサーKさん、国営放送局の演出家Oさん、マネージャーのHさん、テレビドキュメンタリー制作会社Dの演出家Dさん、国際弁護士のSさんなどで10時にはカウンターが満杯になってしまい、そして2時には誰もいなくなってしまうのだから世の中皮肉。朝まで営業問題、どうしよう?

2007・7・23

2007年07月24日 | Weblog
夕べ焼鳥を25本食べたからって、当たり前だけど、イカの刺身が食べたいと云う欲望が消える訳がない。午前中、銀行へ入金に行ったついで何としても刺身用のイカを買おうと決意。スーパーに置いてない場合もあるからと、以前から気になっていた西麻布の高級鮮魚店『I』を覗いて、少し位高くても買い求めようとしたのだけど、そこに置いてあったイカは俺の「少し位」の許容限度を遥かに越えていた。何とイカが一杯1500円!ウウーッ、世の中にはこんなイカを買って食べる奴がいるんだ、いくら欲望の塊になっていたからって、今の俺には流石に無理と敗北感にとらわれながら、いつものスーパーに。幸い、そこには一杯200円のイカがいてくれたもんだから早速刺身にして、冷や奴と和風サラダとジャコ梅紫蘇ご飯とアサリの味噌汁で食べたんだけど、その間ずっと1500円のイカはどんな味がするのか脳裏を掠めていたのは悲しい……なんて、イカのことでここまでクドクド書いてしまったのは、他に書くことがなかったからではない。作家協会のI会長に頼まれた韓国との文化交流のこと、そのI会長も昔世話になった元Nテレビ局のプロデューサーOさんがしばらくぶりに脚本家教室の生徒さんを連れてきて、ゲストに有名脚本家のKさんまで呼んでウチの店でアフター脚本家教室を開いていたこと、カウンターで飲んでいたSミュージックのKさんが突然倒れて救急車を呼んだこと、それから相変わらずお金のことや営業方針の問題であれこれ悩んでいることなど、今日は書きたいことが幾つもあって、あることについては気軽に書き飛ばすことが出来ないと思ってしまったりもして、逃げてしまったのだ。因みに、イカの刺身の後に食べた物は、店へ出る前に野菜たっぷりのソース焼きそば、店が終った後にはお茶漬け。まぁ、それはそれなりにその時食べたいと思ったものを食べた訳で、食生活的には大満足の一日だったのだけど。

2007・7・22

2007年07月23日 | Weblog
朝起きてイカの刺身が食べたくなったけど、流石に歩いて15分のスーパーまで行く気力はなく、冷蔵庫に残っていた期限切れ寸前のシュウマイと胡瓜のもずく和え、生ハムのグリーンサラダ、韓国海苔、納豆に若布の味噌汁で済まして、夜こそはイカの刺身を食べようと15分歩いたのだけど、今日は都合により早じまいすると云う貼り紙がスーパーの表に貼ってある。今日イカと俺は縁がないのだと無理やり納得させて、新宿へ焼き鳥を食べに向かう。要町にある『E』はもう30年近くも通っている焼鳥屋だ。昔、脚本が一本完成する度に自分へのご褒美としてこの店へ行き、最高で40数本食べた記録があるのだけど、最近は25本がせいぜい。つくづく年を取ったと実感。ちょうど新宿にいたスタッフのMちゃんから電話がかかって来たので、『E』を出て近所の飲み屋『M』へ一緒に行く。ここはお客さんの俳優事務所社長Fさんが経営する店で、行く度にウチのお客さんにも出会うのだけど、今日は女性脚本家のHさんが一人で飲んでいたので隣に坐って一緒に飲む。こうして新宿で飲んでいると、脚本家時代の気分に戻る。でも、こうして一瞬だからいい。今もまだ脚本家をやっていたらと思うとゾッとする。もうあれから十年か?お金はもうからないけど、今がいい。

2007・7・21

2007年07月22日 | Weblog
昨日は午前中から動き回ってヘトヘトに疲れ切っていたので、3時過ぎに部屋に帰ってソファに横になったらそのままエアコンを付けっぱなしにして眠ってしまったのがいけなかったのか、朝起きた時から具合が悪い。ご飯は炊いたのに食欲が起こらないので何も食べずにお昼過ぎに店へ。スペースレンタルしているHさんに照明やマイクを使い方を教えて店を出るが、部屋に帰る途中で気持ち悪くなってバス停のベンチに座り込んでしまう。それでも何とか部屋に辿り着き、二時間程眠る。やはり睡眠は最高の治療薬だ。起きたら漸く食欲がおきる。だからと云って料理をいつもの様に作る能力はない。賞味期限が切れたしゃぶしゃぶ用の豚肉を日本酒で湯搔いてそのままゴマだれを掛けて食べる。お金の処理と顧客名簿の整理をして10時過ぎに再び店へ。お客さんは若い歯科医のSちゃんだけ。そのSちゃんも11時過ぎには帰って、今日はこれまでかと覚悟したら、昨日に続いて近所の美人姉妹の妹Nさんが来店。今日もまた俺やTちゃんにお酒を奢ってくれてお喋り。彼女が帰った後も残ったTちゃんと店のことを色々喋って2時半過ぎ帰宅。テレビで大リーグ中継を見ながらカップラーメン。今日はどうも駄目だ。