桃井章の待ち待ち日記

店に訪れる珍客、賓客、酔客…の人物描写を
桃井章の身辺雑記と共にアップします。

2008.5.30

2008年05月31日 | Weblog
昨日の日記で最近顔を見せなくなった常連客が多くなったと嘆き、その中の一人に近所に仕事場を持つ脚本家のYさんの名前を挙げたけど、この日記を見た訳ではないのに、そのYさんが今年初めて来店してくれた。締切に追われていると酔って一晩無駄にするのが勿体なくてさと云う言い訳を聞いて、嫌われていた訳ではないと知って一安心。それも束の間、常連客の一人、N老人を四度目の出入り禁止にしてしまう。老人と言ってもまだ69歳だし、いい人だってことは分かっているんだけど、このNさん、酔っ払うと他のお客さんの話に入って来たり、絡んで来たりする悪い癖が出る。今日も隣に座り合わせたお客さんに矢鱈と話しかけ出したので注意すると、お前なんかにそんなこと言われる筋合いはないと逆ギレされてしまった。そこでおとなしく言うことを聞いていればそろそろ執行猶予期間が終わる筈だったのにNさんにとっても店にとっても勿体ないことをした。Nさんに表に出ろと言われて、小雨降る中胸ぐらを掴みあって罵り合う69
歳と60歳の『初期高齢者』二人。このままエスカレートしてどちらか怪我したりした時の新聞の見出しが脳裏にちらついて、Nさんの罵声を背中に浴びながら店へ引き揚げた。

2008.5.29

2008年05月30日 | Weblog
去年までコレド通信で常連客列伝と云うのを連載していたのだけど、今日ふと読み返してみて驚いた。取り上げた十人の内、今でも常連客として週に一度は来ているのは演出家のSちゃんとマネージャーのMさんだけで、近所のMちゃんは故郷に帰ってしまったみたいだし、評論家のKさん、TテレビのYさんはもう何ヵ月も顔を見てないし、AN嬢は四国でお遍路さんをやっていて、近所に住む脚本家のYさんは近所の道ではよく会うのに店では今年一度も会ってない。SミュージックのIさんは職場が変わり、謎の女Nさんは結婚してアメリカに行ってしまったから仕方ないけど、実の娘の様に可愛がっていたエステシャンのMちゃんがもう半年以上顔を見せなくなった理由は分からない。常連客列伝には載せなかったけど、美人姉妹の姉Aさんは赤坂でお店を始めて足が遠のき、俳優事務所社長のAさんは自殺しちゃったし、同じく俳優事務所社長のBさんと脚本家兼プロデューサーのAさんは何故か桃井
個人に怒っているらしく、来店してくれない。うーん、こうして挙げ出すと、もっと大勢消えた常連客がいそうな気がするし、怖くなるからこの辺りで止めておこう。でも、この人たちが週一のペースで来て平均一人五千円を使ってくれていたら…うーん、未練がましいからもう本当にやめよう。でも、本当にどうしてウチの店と俺のことが嫌いになったんだろう?

2008.5.28

2008年05月29日 | Weblog
俺は年齢の割りにはよく食べる方だと思う。今日も午後一時に、サヨリの塩焼き、白菜とツブ貝とサーモンのサラダ、きゅうりとかぶの漬物、卵入り納豆、韓国海苔、若布の味噌汁でご飯を二膳。五時にいなり寿司を八個。二時過ぎに帰宅してからご飯に残り物のコーンスープをかけて食べた。まぁ、いつもこの程度なら問題はない。ところが、お客さんと一緒に飲んでいたりすると、昔からツマミなしで飲むことが出来ないので、おいてあるナッツをついつい口に運んでいて、気が付くと器一杯分のナッツを胃に納めていたりする。そのつけは胴回りに来る。夏物のズボンを出して着ようとしたのだけど、二着程どうお腹をへこましても履くことができなかった。『メタボ!メタボ!』とMが囃す。でも、そういう彼女は俺と同じものを食べた上に(いなり寿司の代わりに握り寿司だけど)、ファーストフードでポテトフライと店でも甘い物を食べているのを俺は知っている。Mのことを俺が『メタボ!メタボ!』と囃す日もそう遠くない。

2008.5.27

2008年05月28日 | Weblog
会場使用料をいくら催促しても払ってくれないY氏に対する民事訴訟の第一回口頭弁論の日が6月20日午前十時半からに決まったと東京簡易裁判所から連絡がある。十万円程度訴訟に弁護士を雇う訳には行かないし、一人で原告席に立つつもりだけど、興味のある人は傍聴に来て下さい。店は昨日に引き続き『話和輪』の朗読イベント。2日続けて六十人以上の中年男女が集い、中年パワーに圧倒される。最近今日みたいな朗読イベントの申し込みが多い。スペース的にウチがぴったりみたいだ。漸くウチのスペースがみんなに認知されてきたみたいで嬉しい。この調子でいけばトンネルを抜ける日も近いかも知れない。

2008.5.26

2008年05月28日 | Weblog
パソコンに続けて携帯の調子もおかしくなってしまった。今日もこれで五回目のチャレンジ。途中まで書くと突然『SEEYOU』の文字が出て真っ暗になってしまう。明日、ドコモショップに行きます。画面消える前にさようなら。

2008.5.25

2008年05月26日 | Weblog
九時半起床。コーヒーを飲もうとしたらフィルターがないのに気付き、ごみ箱に捨てたばかりのフィルターを拾い上げ、洗って使う。11時過ぎ、ご飯を炊こうとしたら、お米がないことと食材を買い物してなかったことに気付き、冷蔵庫にあった冷やご飯と漬物とちりめんじゃことでチャーハン、それに残り野菜とお豆腐で、暑いのに鍋。夕方買い物に出掛け、今日はアルコール抜きで過ごそうと思っていたのに、突然母に会いたくなり、白金のトンカツ屋Dで待ち合わせ。しばらくして妹も来てしまったので、結局普段より飲むことになってしまう。何だか起きてから眠るまで予定通りにならなかった1日。

2008.5.24

2008年05月25日 | Weblog
雨の土曜日だから千客万来なんて思いもしなかったが、十時過ぎにベテラン俳優のKさんが来るまで他に誰も階段を降りて来る人影はなく、11時過ぎにKさんが帰った後も降りて来る人影はなく、1日二万数千円の家賃を払いながら四千六百円の売上で諦めざる得なかった俺とMは、心ここに在らずで、雨が降っているのに、シャッターを下ろした後で傘を持たずに出て来たしまったことに気付く始末。仕方なく、『春雨じゃ濡れていこう』と歩きだしたけど、雨は強くなるばかり。でも、そんな二人の視線の先にあたかも使って下さいとばかりに傘が落ちていたんだから世の中捨てたもんじゃない。いつかこんな風に店を助ける救世主が現れないもんだろうか?

2008.5.23

2008年05月24日 | Weblog
午後から東京簡易裁判所へ。Y氏に対する民事訴訟を正式に提訴する。こんなことの為にこれからどのくらい時間をとられるかと思うと不愉快だが、放っておくと相手の思う壺だから、ここはとことんやるしかない。裁判所の表にでたら、もう45年以上も前に起きた狭山事件の再審を求めるデモ隊が通りかかり、先導車のスピーカーから『石川一雄さんの歌』が聞こえて来る。途端、ああ、この歌かと思い当たり、その場から電話してMに聞かせると、『わぁ、懐かしいっ』と云うMの声。と云うのも、Mの育った広島の三原では平和教育の延長線での被差別教育が盛んで、出身故に冤罪事件に巻き込まれた石川一雄さんのことを小学生の頃から週に一度勉強する時間があって、この歌もその授業の度に歌っていたので、今でも三番まで歌えるそうなのだ。関東の人間だって俺たちの世代以上しか知らない狭山事件の詳細を広島出身の21歳のMが知っているのは、ちょっと行き過ぎだとは思うけど、この事件と石川一雄さんを通して二人が共通の話題を
持てるのだから感謝しなくちゃと思うのは不謹慎か?店は金曜日だけど、放送作家協会のTさんたちとテレビAのKさんたち、そして映画プロデューサーのFさんたちだけ。暇を持て余した俺とMは昨日は動物園、今日は狭山事件の話題で閉店時間まで過ごす。

2008.5.22

2008年05月23日 | Weblog
Y氏に対する民事訴訟の手続きを取りに東京簡易裁判所に午後から出向く予定だったのだが、証拠書類が間に合わず明日に延期する。その代わりと云うのも変だけど、空いた時間を利用してMのリクエストで上野動物園に行くことになる。動物園なんて、今年21になる前の結婚の時の息子と出掛けて以来だから17、8年ぶりだったけど、平日の午後の動物園はどこか閑かで心が安らぐ。そしてほとんど同じ年の息子とは例え一緒に暮らしていても動物園には来ないだろうに、Mとは来てしまい、楽しんでしまう不思議。閉園時間ギリギリまでいて店へ。今日は木曜日恒例のタンゴパーティー。いつもは十数人なのに今日は三十数人だったので売上はいつもより多かったけど、その代わりに一般のお客さんはIさんたちだけ。暇を持て余したMと俺は動物の物真似をして遊ぶしかない。

2008.5.21

2008年05月22日 | Weblog
表向きは飄々としてる様に見えるかも知れないけど、ウチの店と云うか会社は先細り的自転車操業を続けていて、何時Xデイが来てもおかしくない状態だから頭の中はいつも店と会社をこれからどうするかと云う問題で占拠されている。でも、解答はでない。今日も取締役のIさんから投げ掛けられた問題に対する答えをまとめようと午後からパソコンの前に座っていたのだけど、まとめる処か問題は拡がるばかりで収拾がつかなくなって電話で泣き付き、愚痴を吐露するだけで終わってしまう。店に出て、しばらくお客さんがいなかったので、先日亡くなった六本木のバー『ホワイト』のママ、宮崎三枝子さんが店の三十周年を記念して編纂した『白く染まれ』をつらつら読み続ける。編集責任者のTさん始め俺の知り合いや有名人五十人が寄せる店とママに対するオマージュを、十時近くまでお客さんのいない店の中で読み進める内に何とも羨ましくなってくる。俺には無理だ。俺には出来ない。こんなにもお客さんに敬遠されているんなら店なんか止めてしまおうかとかなりグ
ルーミイになった時に、いつも明るくチャーミングな女性歯科医のSちゃんがスタッフのSさんと来店してくれて、それを皮切りに続々とお客さんが訪れてくれる内に、さっきまでのグルーミイな気持ちはどこかに消え失せてしまっていたのだから俺もげんきんなものだ。