桃井章の待ち待ち日記

店に訪れる珍客、賓客、酔客…の人物描写を
桃井章の身辺雑記と共にアップします。

2014・1・5

2014年01月06日 | Weblog
人間って分からないのだ。他人には分からない心理を持ったり行動をするのだ。だから人間なのだ、なんて分かったようなことを言いたくなるのは、特にテレビドラマなんかを見ていると他人の心理や行動を主人公たちが分かったように説明することが多すぎるからだ。そんな説明しなくたっていいよ。勝手に解釈するからさ。いやいやその前に解釈しなくたっていいじゃないのと言いたくなってしまうのは、十数年前まではさんざそんなテレビドラマを書いていた癖して、足を洗ってからは説明シーンを一切排除する芝居を書いている俺の言い訳と自己弁護。でも、やはり部屋を真っ暗にして「一人映画館」をやっていると、よく分からない人間たちばかりが出て来る映画に出会うとウキウキする。今日も「キツツキと雨」(沖田修一監督)を見ている内に役所広司や小栗旬を初めとする登場人物たちのバカバカしさと愛しさに時間を忘れてしまった。映画っていい。芝居っていい。こんな世界だけに耽溺していられたらどんなにか幸せだろうけど、そうもいかない。「一人映画館」のソファから立ち上がって書斎机に座る。昨年末までしなくてはいけなかった帳簿の整理、仕事関係の年賀状の返信、各種契約書の作成などなどをこなして久し振りに仕事をした気分になる。こうして徐々に社会復帰だ。