桃井章の待ち待ち日記

店に訪れる珍客、賓客、酔客…の人物描写を
桃井章の身辺雑記と共にアップします。

2005・6・29

2005年06月30日 | Weblog
7時から大手広告代理店Dのパーティ(と言っても人数は16人だけど)、その幹事のE君と話していて、ふと妙なことを思った。E君を数日前につれてきたのは同じ会社のM君で、M君を紹介してくれたのはこれまた同じ会社のO君で、O君を連れて来たのは元テレビ勤務のNちゃんで、彼女を連れて来たのはXさんで……Xさん?そう、Xさんなんだよなと感慨深げになる。と云うのも、Xさんって悪い人じゃないんだけど、カウンターに一人で来られると結構扱いに困る人で、持て余し気味のお客さんの一人だったからだ。でも、そのXさんがいなければ、今日のパーティもこの間の合コンパーティもなかった訳で、つくづくどんなに扱いに困るお客さんでも大事にしなくてはいけないと反省した次第。そんな俺をカウンターに座った鎌倉第一小学校時代のクラスメイトT君が、なかなか頑張っているじゃないかと励ましてくれる。T君は、二週間前に行われたクラス会の写真や名簿を収録したCDーROMをわざわざ鎌倉から持参してくれたのだけど、45年以上も昔の人間関係をよくも今日まで続けたもんだと云う思いと、今日新たに知り合ったE君たちとこれからどんな人間関係が作られるのだろうと云う思いが、地下の店の中で微妙に絡まった。

2005,6,28

2005年06月29日 | Weblog
午後の時間はイベント主催者数人と電話。細部の打ち合わせ。開店準備をして買い出し。店に戻ったらマネージャーのMさん、プロジューサーのkさん、監督のkさんが既に来店。慌ててすき焼きや小皿料理を作る。その後も近所に住む脚本家のYさん、Mちゃん、俳優事務所のAさんたちがパラパラと。最後に構成ライターのMさんが女性ばかり六人を引き連れて来店してくれて食べて飲んでくれたからまあまあの売り上げになったけど、全般的には暇な火曜日。深夜食にしそと海苔で包んだおにぎりを作る。Lちゃんがうまいうまいと三つも食べてくれた。

2005・6・27

2005年06月28日 | Weblog
一昨日のツケは凄かった。一昨日の土曜日、一週間の疲れにS子たちと酒を飲んだ勢いも手伝って後片付けを途中で放棄して店を出たことは自覚していた。でも、それは半端じゃなかった。今日の劇団ギルドの公演の為、12時半に鍵を開けに店に出てみたらムッとする異臭。汚れた皿が何十枚もそのままになっていたのは勿論、カレールー、オムライスのトマトご飯、アラビアータのソース、ロールキャベツ、すき焼の具、マッシュポテト……などなど、本当なら冷蔵庫にしまって帰らなくてはいけない食材がズラッと出しっぱなしになっていたのだ(流石に高い牛肉は冷蔵庫にしまっていたけど)。呆然、愕然、反省、改悛。でも、そんな感情は一瞬。気づいた時には体が動きだしていた。まずはドアを開けっ放しにして換気扇を回して空気の入れ換え。芳香剤もまく。水を出しっぱなしにして下水の流れをよくして、その間に45Lの袋2つが満杯になるまでに生ゴミを収集。続いて何十枚もの汚れた皿と鍋フライパン、タッパーウエアを洗う。気づいたら2時近く。他の用事で出勤してきたLちゃんと今度は自転車で買い物。今日は食材を殆どNGにしてしまった為、買い物の量が半端じゃない。店に戻ってから今度は料理。ご飯をとぐことから始まって、カレー、オムライスのトマトご飯、マッシュポテト、ロールキャベツのトマトソース煮……とイベントの入場時間に間に合う様に料理を作り続ける。開演して一息つこうと思った時には俳優事務所のAさんに始まって一般のお客さんが代わる代わるに来店。そしてベテラン女優のOさんと一緒に来た有名脚本家Tさんが帰ったのは3時過ぎ。何だかあっと云う間の15時間。勿論今日はお皿もちゃんと洗い、ゴミを処理をして店を後にした。

2005,6,26

2005年06月27日 | Weblog
朝寝て昼起きて洗濯屋桃ちゃんに変身する。昨日一昨日とウチの店には珍しく混んだ為汚れたテーブルクロスを十二枚持ち帰ったからだ。五時前終了して母と渋谷でデート。以前からの約束だったかに道楽に行く。馬鹿にしていたけど結構うまい。二人してむさぼる。勿論お喋りもむさぼった為、口が忙しい。十時過ぎ店を出て渋谷の街を母とふらつく。こんなこと初めて。そして恐らく最後だろう。そう思ったら何だか切なくなってきてタクシーで逃げるように渋谷の街を後にした。

2005・6・25

2005年06月26日 | Weblog
S子と初めて会ったのは広尾で店を始めて間もなくの頃、だからもう6、7年前。当時彼女はまだ高校一年生。勿論一人で店に来た訳ではない。母親に連れられて来たのだが、この母親と云うのが変わっていて、店に男友達を呼んだと思ったら「桃井さん、娘をよろしくね」とS子を置いて男友達と帰ってしまうとんでもないことをする奴だった。母親が母親だからS子もそれなりに変わっていて、母親が出て行った後もなかなか帰ろうとせず、カウンターで参考書を拡げだす。仕方なく店が終った後、焼き肉屋に誘ったりして俺としてはその夜以来保護者の役割を演じさせられることになった。S子はその後某一流私大に合格して時々店に友達を連れて来る様になったが、一人で来る時は決まって失恋をした時や大きな悩みを抱えた時。そんな彼女が今日も12時近くに一年ぶりに電話して来て、今から行っていい?と聞く。土曜日は12時までだし、今日も店はイベントに続いて予約客も含めて一般のお客さんが結構入った為、Lちゃんと俺はヘトヘト状態。正直言ってS子が来店するのは少ししんどかった。それに相談事となると必然的に閉店後と云うことになり、若い女性客が俺と二人きりで店に残ることに厳しいチェックをするLちゃんの目もある。だからやんわり断ったのだけど、もうタクシーに乗っているとなると帰れとも言えない。そのことを告げたら案の定Lちゃんは不機嫌な顔。誰がこの厨房一杯になった汚れたお皿の洗い物をするんですか?と刺々しい。でも、事態は意外な展開を見せる。S子がカウンターに座った時は刺々しい視線を向けていたLちゃんだったが、しばらくして彼女の話に出て来る恋人(と言っても30歳近くも年上の男)が、Lちゃんの父親の同業者で、且つLちゃん自身もよく知っている人と分かり、彼女の目から刺々しさが消え去り、二人は俺を押し退ける様に女同士の会話に突入する。俺もきつねにつままれた様な気分だったが、二人も妙な思いだったに違いない。俺と云う人間を挟んで、S子の恋人とLちゃんの父親がつながってしまったのだから。他のお客さんが帰った後も二人の女の話は続く。途中まで洗い物を一人でやったけど、途中でダウンして俺も飲みだす。三時過ぎ二人を誘って深夜の六本木へ。カラオケボックスの中でも若い女二人の話は延々と続いていた。

2005・6・24

2005年06月25日 | Weblog
今日のイベント『ダンス・ダンス・ダンス』公演の鍵開けをLちゃんに任せて急用をすませ、四時過ぎに店へ。Lちゃんと一緒に赤坂まで買い物。二台の自転車一杯の食材。六時半から開場。今日も千円で食べ放題飲み放題をやった為かドリンクだけじゃなくフードのオーダーも殺到。全オーダーを出すのに開演ギリギリ。メニューを考え直す必要があり。終演後、大急ぎで場内整理。今日はこの後Tテレビの打ち上げの二次会が入っているのだが、人数が分からない。プロデューサーは20人位と言っていたけど、幕を開けてみれば40人弱。お腹が減っている人もいて、急遽フードを作り、どんどん出す。10時半に始まって終ったのは2時。その後も何人か残って全員が帰ったのが4時。その間に後片付けは殆ど終っていたけど、今日も又Lちゃんと会話する元気は残ってない。

2005・6・23

2005年06月24日 | Weblog
何故桃井章ともあろう者が(と自分をわざと偉い人物と設定する)店の物置に山積みになったダンポールを潰して資源ゴミに出すのに何時間も費やさなくてはならないのだろう?何故桃井章ともあろう才能ある人間が(ドンドン自分を過大評価する)物置にイベントの出演者たちが積み込んだ明日のライブで使う楽器や小道具をホールまで移動しなくてはならないのだろう?深夜腰の痛みに耐えてそんな肉体労働しながらブツブツぼやく。深夜やらなくてはいけないことではあった。その物置がビルの共有スペースでそんな状態じゃ使用許可を取り消されてしまう恐れがあったからだけど、57歳の桃井章でなければやれないことではない。若い男の子が一人いれば出来ることだ。でも、今はLちゃんしかいないし、肉体労働はどうしても俺に廻ってくる。買い物だってそう。厨房に山積みになった皿洗いもそう。ママチャリの前後の駕篭に食材を一杯に積み込んで坂道をフラフラ走っていると、ウーン、これが俺の仕事なのか?他に俺じゃなくちゃやれないことはないのか?と自分に問いかけてしまう。油で汚れた皿を洗う内、手を滑らせて皿を割ったりして、その後始末で指を切ったりすると、俺はこんなことで血を流していていいのか?血を流すのなら他のことで流すべきなんじゃないのか?なんて思ったりする。確かにそうだ。俺が、桃井章じゃなければ出来ないことがある。あることは分かっている。折角印刷したイベントスペースのリーフレットもまだ郵送してない。郵送費をケチる為に郵送先をセレクトしようとしたのだが、その時間が取れずにいるのだ。郵送先をセレクトしちゃえばLちゃんに郵送は任せればいいんだから。コレド通信も原稿をさっさと書いたら?自主企画も含めて何本もイベントの企画書を書かなくてはいけないんだからどんどんやったら?でもね、現実はママチャリをフラフラ走らせたり、深夜肉体労働に時間を取られたりして、何も手つかずじまい。やっぱりこれじゃいけない。桃井章がこんなことをしていたらお店はつぶれてしまう。
肉体労働はともかく誰かLちゃんと一緒に俺の仕事を手伝ってくれる人を早急に探そうと思う。そんな訳で「スタッフ急募」です。18歳から25歳まで。夕方5時から働けて、Lちゃんと仲良くやっていける人を募集(週一、二日でも可。日祭日だけでも可)します。時給1000円(交通費全額支給)。誰かいたらお店までご連絡下さい。

2005・6・22

2005年06月23日 | Weblog
人けのないガランとした店に最初に入って来たのは、映画プロデューサーN、AテレビのK、俳優事務所社長Kの三人組。しばらくして入って来たのは脚本家N、T、O、Fの四人組。当然皆顔見知り。中でも脚本家Nはデビュー前に俳優事務所社長Kに大変世話になったらしく、何十年ぶりの再会に感激。続いて脚本家教室の生徒たち6人が来店。いつもは教壇に立っている脚本家の先生たちと同席出来てみな感激。俳優事務所社長Kさんたちが帰るのと入れ違いに常連の別の俳優事務所社長Aさんが演歌歌手Sと来店。Aの顔を見るなり脚本家Nはまたまた感激。Aにも新人時代大変世話になったらしく、これまた何十年ぶりの再会とか。その間にエロ短歌で有名になった?小劇場の女優Kが来店。入れ違いに帰った脚本家がOと知って感激?Oは親友の亭主との由。こうして感激大会が続くと、皆が帰った後も脚本家Oは一人残って、感激感激と壊れたレコードの様に繰り返す。ついでにこんな感激の再会を続けて与えてくれたウチの店のことを同じく壊れたレコードの様に褒め続ける。嬉しかったけど、三時半になったのでそろそろカエロとプレーヤーのスイッチを切った。
★この日記に刺激されたのかLちゃんが自分でも日記を書きたくなってブログを立ち上げた。
タイトルは『スーパー18歳・Lちゃんのワガママ日記』
アドレスはhttp://bloggoo.ne.jp/nagasimeryu/
機会があったら『待ち待ち日記』と共にご愛読下さい

2005・6・21

2005年06月22日 | Weblog
当たり前の様な話だけど、人と人は色々な関係で結ばれている。今日『石塚桜子展』の打ち合わせで来店したTさんに名刺を差し出すと、脚本家のHさんと映画評論家のUさんから俺のことはよく聞いていると挨拶されて意外な気がした。確かに脚本家と映画評論家となれば近い職種だし、Tさんが両方を知っていても可笑しくないのだけど、俺の中でHさんとUさんは全く接点がない感じがしていたからだ。でも、こんなことでTさんに対して親近感を持つから不思議だ。そのTさんや美術デザイナーの部谷さんが真面目な打ち合わせをしている傍では、D通の若手社員たちが合コンの真っ最中。一見すると全く接点がないグループ同士に見える。でも、後になって気づいてみれば部谷さんたちもD通と仕事する訳だし、いつか合コンのメンバーの一人と何かのきっかけでウチの店の話になるかも知れないと思ったら愉快になってきた。お店はその二組のグループとは別に法律事務所に勤めるNさん、イラストレーターのKさん、年齢の違う微妙なカップルHさんとKさん、脚本家のYさん、妹のファンのAちゃん、近所の常連Mちゃん、それと昨日照明の打ち合わせに来た時にすき焼の看板を見てどうしても食べたくなったと来店してくれたXさんたちで二時過ぎまで。LちゃんはAちゃんとカラオケに行くと深夜の六本木の街に消えて行った。