桃井章の待ち待ち日記

店に訪れる珍客、賓客、酔客…の人物描写を
桃井章の身辺雑記と共にアップします。

2004・11・28

2004年11月29日 | Weblog
日曜日だけど、ロバート山田さんのシャンソンライブがあるので、一時に鍵開けの為『出勤』。足りないフードを作って一度帰宅。溜まった洗濯と事務処理を終えて、五時に『再出勤』。普段ならスタッフ二人に任せてしまうのだけど、入場予定者数が多いのとフードが一杯出そうなので、俺も行かざるえない。後片付けを終えたのが十一時。空腹と疲労でクタクタのところへ、近所の常連客が入ってくる。悪いけど、もう無理。常連客を誘って近所の韓国料理店に行く。そのまま営業を続ければ最低何千円の売り上げがあり、外で飲めば最低何千円の経費がかかるけど、精神的に助かることも大切だとエクスキューズする秋の終わり。

2004・11・27

2004年11月28日 | Weblog
今日ランチはおやすみだけど、イベントのマチネのお客さんにフードを提供するので実質上は同じ。入場者予定が15人と聞いたのでバイト代を節約する為一人でやることになる。でも、そんな時に限って結構忙しくなる。入場者が予定より増加。フードも作るのが面倒くさいオーダーばかり。終った時はヘトヘトになっていた。でも、俺以上にヘトヘトになっていた人がいた。このイベントの主催者Iさん。彼女はこの11月、ウチの店でモロ師岡さんのコントライブを皮切りに4つのイベント計15ステージをプロデュースした。彼女のイベント会社の旗揚げ企画だが、最後は息切れしたと自嘲していた。でも、そんな企画を実行してしまう彼女の『無謀』さに拍手。これに懲りず次の企画を待っています。

2004・11・26

2004年11月27日 | Weblog
睡眠時間が少なくなって辛いけど、ランチって結構楽しい。何故って見知らぬお客さんが殆どだからだ。常連客と話して楽しいのは当たり前。見知らぬお客さんとランチタイムと云う僅かの時間に接してそのお客さんの人生を見ることが面白いのだ。常連客、それも女性客と親密に話すことばかりやって来た様に見える俺の接客が変わって来たのか?それと関係あるのかどうか、最近夜も近所のお客さんが増えて来た。昨日なんかカウンターが近所のお客さんばかりで占められていた。それと何が原因か男性客が増えだした。そりゃ毎日の様に現れる美人姉妹や、寝酒がわりに一杯だけ飲んで変えるMちゃんみたいな女性客もいるけど、広尾時代、カウンターが女性客で一杯になっていたことを考えるとまるで別の店だ。でも、それが『正常な』普通の飲み屋かも知れない。仕事の憂さを晴らす為に酔いしれる男の客と話しているが、妙に嬉しい。

2004・11・25

2004年11月26日 | Weblog
ランチは表に大きな看板を出してチラシも配ったこともあって、17人、8500円の売り上げ。結構忙しかった。反対に夜はイベントの入場者も少なく、そのお客さんも終ったら殆ど帰ってしまうし、一般のお客さんも三組5人しかいなく、暇。それでもお客さんが三時近くまで残った為、店を出たのは三時半。寝たのは五時。これで翌日の鍵明けとランチの為九時起きはかなりヘビー。帰ってから昼寝はするけど、寝てしまうと他のことは何も出来ない。ウーン、57歳の時の過ごし方はこれでいいのか?と恵比寿から乃木坂へチャリを走らせながら考える。

2004・11・24

2004年11月25日 | Weblog
今日からランチで『労働』することになる。十月にランチを始めてからバイトのI君に任せていたが、平均すると人件費の五分の一しか売り上げが達成できず、このままでは夜の経営を圧迫しかねない情勢で、仕方なく人件費のかからない『社長』のお出ましとなった訳だ。そんなに儲からないならやめればいいのにと思うかも知れないけど、そうはいかないのが『シアター』を持った弱み。12月末まで殆ど毎日イベントが入っていて、リハーサルの為に午前中に鍵をあけて、主催者にスペースの使い方を説明する必要があるのだ。その為だけに午前中に恵比寿と乃木坂をチャリで往復するのは、何となく切ない。どうせならランチを俺がやってしまおうと決意したのだけど、夜中の二時三時まで飲み屋を営業し、四時五時に眠る生活をする俺には、ちょっと厳しい。でも、こうなったらやるしかない。ちょっと自棄気味か?値段もオール五百円にしてしまった。メニューは日替わりパスタとシーフードカレーと麻婆豆腐ごはんの三つだけ。でも、味に自信ありです。毎日二時までしかやってませんけど、乃木坂近辺にお越しの際は覗いて見て下さい。ちなみに今日の売り上げは二千円でした。嗚呼、悲惨!

2004・11・23

2004年11月24日 | Weblog
『リテイク』二日目。今日はマチネもある。で、朝から憂鬱。いや、大したことないと言えば大したことないんだけど、芝居が終ると役者二人が作家の俺を呼び寄せて挨拶させることになっていて、紋切り型の挨拶だけしていればいいのに、サービス精神が芽生えてしまって、昨日はついついお得意の人生暴露話を繰り広げてしまったところ、これが何故か受けて、終演後残って飲んでいた見知らぬ女性から明日も来ますからもっと別の話を喋って下さいと言われてしまったのが憂鬱の原因だ。同じ話でお茶を濁してもよかったんだけど、折角川崎から来てくれるのに悪いしと思い、やりました。更に過激な人生暴露話。で、これも受けた。女性タレントのSKやYMも終演後忙しいのに俺の恋愛遍歴を肴に一時間もお喋り大会。おまけに二度も見てくれたお客さんは時間をつぶして夜も来ますからもっと別の話を言って帰っていったもんだから、さぁ、大変。夜の部には母親を招待してあるし、もっと過激な話なんか出来ないと悩む。でも、呼び寄せられてしまったら、その母親をネタにお喋りをしてしまったもんだから、母はいたたまれず終演後逃げる様に帰ってしまった。全くこのお調子者と自己嫌悪。でも、とにかく祭りは終った。七年ぶりに脚本を書いたことは俺にとって大きな収穫だった。仕事でやっていた時と違って書くことが楽しかったし、また書いてみたいと思う。決してプロの脚本家ではなく、好きなことを好きなときに好きなように書く市井の物書きとして。

2004・11・22

2004年11月24日 | Weblog
いよいよ七年ぶりに脚本を書いた芝居『リテイク』の初日だ(と言っても二日間だけど)。本当は自分でもPRして一人でも多くの人に見に来て貰いたかったのに、店の雑事をこなすのが精一杯で、葉書一枚だせなかった。それでもこの日記を見たりして何人かの友人がわざわざ来てくれる。美人脚本家のNさん、プロダクション社長のBさんと所属俳優のH君、昔からの飲み友達のTさんは息子さんをつれて。実を云うと、なかなか通し稽古が出来なかった為、どんな芝居に仕上がっているのか想像がつかなかったけど、ゲネをみたらなかなか面白く出来上がっていて、これなら大いばりで見て貰えると思ったものの、皆がどんな感想を持つか戦々恐々。でも、俺の過去の私生活を知っている人ばかりの為もあって結構面白がってくれてホッとする。それにしても俺はトコトン露悪趣味のマゾだ。思い出すだけでも悪寒の走る過去の出来事を他人に見せて喜んでいるんだから。

2004・11・20

2004年11月21日 | Weblog
夕べから風邪気味。熱っぽくて喉が痛くてお腹が痛い。当然食欲はなし。俺には珍しく朝食はなし。本当は眠っていたかったけど、今日のライブのスタッフが10時半には店に入るのでチャリを漕いで鍵を開けに行く。マチネの入場が始まる一時まで買い物と料理の準備。途中、サブウェイで珈琲を飲んで気を紛らわせる。これで入場者が一杯で忙しいと風邪なんか吹っ飛んでしまうのに、入場者は20人余り。ライブが終って後片付けが済むまでのバイト代が五千円で、収入が会場費込みで三万円。俺がいなければバイト代はその二倍の一万円。三万円の収入を上げるのに一万円の人件費はないよね?何となく矛盾で頭が一杯なって熱が上がる。夜の部はスタッフ二人任せて店を出る。こんな時は眠るに限る。でも、こんな時間から眠るにはアルコールが必要。広尾時代、店の真下にあったセルフメディックのKさんを誘ってお互いの愚痴を肴にしつつ飲む。酔いがまわる。その店のマスターもお客がいない愚痴に加わる。更に酔いが廻る。フラフラしながらチャリを押して帰って、そのままバタンキュー。明日は『リテイク』最後の稽古。九時に目覚ましをセットすることだけは忘れなかったけど……。

2004・11・19

2004年11月21日 | Weblog
AさんNさん姉妹は、乃木坂に移ってからの新しいお客さん。店のすぐ近くに住んでいて、シアターなんだかバーなんだかスキヤキ屋なんだか分からない店に勇気を奮って飛び込んで来てくれた。この姉妹、二人共よく飲んで食べる。特に食べる方は尋常ではなく、イタリアンでパスタを食べて来たのに、うちの店に来て物足りなかったと言ってパスタを注文する。そんなAさんに今日の夕食はコレドでするから準備しておいてと頼まれたもんだから、食べさせがり屋の俺としては張り切らざるえない。今日予約されたパーティの準備の傍ら用意した今夜のAさんの献立は、マグロの中落ちのヅケ、一口すき焼、大根と昆布の煮つけ、鶏レバーの塩焼き、タラモサラダ、ゆで卵とかいわれ大根のサラダ、一口おにぎりの七品。Aさんはそれらをバランタインのロックを飲みながら、美味しい美味しいと食べてくれる。俺は傍で満足げに見つめていたが、食べ終わった彼女の口から出た言葉にびっくりする。「しばらくしたら明太子パスタ作ってくれる?」え?まだ食べるの?そりゃ確かにみんな酒の肴風の料理ばかりでボリュームはないかも知れないけど、数が数だし……なんて一瞬思ったものの、俺は嬉しそうに厨房に向かう。こんな仕事、かなり幸せだ。
七年ぶりに書いた脚本『リテイク』の公演が明々後日に迫っている。毎日の雑事に追われてみなさんにてお知らせする暇が取れなかったけど、何とか一人でも多くの人が見てくれるといいんだけど。

2004.11.18

2004年11月19日 | Weblog
七年ぶりに脚本を書いた。芝居の脚本。それもウチの店でやることを想定した芝居だ。だからプロっぽくない。素人の脚本だ。職業としての脚本家を廃業して飲み屋のオヤジ稼業を続けてきたのだが、どうしても書きたい素材があって、パソコンを買ったのを記念して?キイボードを久しぶりに打ってみたのだ。偶然が重なる。三田篤子さんと云う女性を某有名ディレクターに紹介された。彼女は二年前まで関西で女優をしていて、かなり売れていたのに、何を思ったか40歳を前にして突然女優を廃業して、友人の女優辻沢杏子のマネージャーになった経歴の持ち主。その彼女が辻沢の為に何か考えて下さいとしつこく俺に迫って来ていた。何処か彼女の潔さに自分を勝手に重ねた俺は、こんな芝居はどう?と自分が書いている途中の脚本の設定を彼女に話した。それでキマリだった。紹介した某有名ディレクターと一緒に「書け!書け! 」の大合唱。いつの間にか締め切りに追われる数年前の桃井章に引き戻されていた。その芝居『リテイク』が11月22日(月)と23日(火)の二日間コレドで上演されます。二度目の離婚の時に体験した『シリアスなドタバタ狂騒曲』を、殆ど事実に忠実に書いたつもりです。23日はマチネもありますし、是非ごらん下さい。