桃井章の待ち待ち日記

店に訪れる珍客、賓客、酔客…の人物描写を
桃井章の身辺雑記と共にアップします。

2011・2・27

2011年02月28日 | Weblog
夕べからサンドイッチが猛烈に食べたくて、買ってきた食材でハムとチーズとレタスとクレソンを挟んだサンドイッチを作り、サラダとスープとトマトジュースで食べる。でも、その間にも頭の中は岡まゆみさんの顔。約束の〆切は2月一杯なのだけど、ストーリーが全く展開しない。食後、お金の計算をしていても彼女の顔が浮かぶ。途中少しストーリーが転がったと思ったら、計算間違いを連発。どちらにも集中してない証拠。おまけに血圧がグーンと下がった気がして眠たくなる。たまらずソファで30分。最近どうもこの低血圧傾向が現われる。何が原因か?今日は日曜日だけどイベントがあるので5時過ぎに店へ。飲食サービスが終わり、イベントが開演するとテーブル席に坐って再び岡まゆみさんのこと。基本的に一人芝居はやるのは勿論だが書くのも難しい。一人でも相手がいると、いいか悪いかは別にして「やりとり」が出来て、いつの間にか枚数が増えていくのだけど、一人きりだと喋るのがどうしても不自然になってしまう。自然に喋るのにはどうしたらいいのか?これまでも何本か一人芝居を書いてきたけど、どうやって書いてきたか自分のドラマツルギーを検証したりするが、過去は参考にならないし、してはいけない。行き詰まると食欲。開演した直後に明太子パスタを食べたというのに十時過ぎに五反田駅前でカルビを二人で四人前。おまけにご飯。帰宅してからもタコの生干しとお煎餅をお茶と一緒に。すると今度は眠気に逃げて、〆切一日前だというのに原稿は一歩も前に進まず。

2011・2・26

2011年02月27日 | Weblog
昨日、近所にある映画制作会社社長のSさんの奥さんからタッパー一杯の蟹のほぐしみを貰って、さてどんな料理をしようと考えたのだけど、蟹は高級品だし、酢の物とかカニ玉とか蟹炒飯とか蟹をちょっとしか使う料理しか思いつかない。でも、残しておいても持ちそうにないしと、ここは大胆豪勢贅沢に挽き肉ボールならぬ蟹のほぐしみボールなんてものを全部の蟹肉を使って十数個も作り、揚げてみる。つきあわせにポテトフライを添えただけで、何の調味料を加えなくても蟹の旨味だけで美味すぎる位美味すぎて、大満足。蟹好きの母にも食べさせたかったと思ったけど、その時には箸がとまらなくなって母を裏切ってしまった。Sさん有り難う、母よごめん。お店は金曜日にがら空きだったのに今日は女性編集者のYさん、格安航空会社社長のKさん、昨日花粉症に効果があるという評判の和歌山北山町名産のじゃばらを送ってくれた大阪の運送会社の女社長Yさん、その和歌山で東京在住のご主人とは合法的別居をしながら母校の高校で教師をやっているMさん、昨日もきてくれたN証券のAちゃんたち、スペースの見学にきた後で飲んで行ってくれたOさん四人と、まぁまぁ賑わって、イベントのお客さんも料理と飲み物を予想以上にオーダーしてくれたもんだから、昨日の落ち込みをカバーした格好になる。3時近く部屋で買ってきたピザやたこ焼きを食べた後,ひかりテレビで購入した「東京ラブストーリー」を見るMの横で、芝居の構成を考えつつ、いつの間にか眠りに入っていた。

2011・2・25

2011年02月26日 | Weblog
部屋に中にいたら分からなかったけど、布団を干そうとベランダに出たらポカッとした暖気に包まれる。いよいよ春か……と思った次の瞬間、鼻がむず痒くなる。やばい。いよいよ春か=いよいよ花粉症の季節だということで、慌てて布団干しは中止。午後、近所にいた母から電話。次の予定まで一時間ほど時間が出来たというので会いに出てお茶でも思ったけど、花粉症で表に出るのが怖くて、次の行く場所とは反対方向なのに母を部屋に呼び寄せてお茶。だからと言ってずっと部屋に閉じこもっている訳にはいかず、3時過ぎ歯医者の予約があったので表に出たら、五分もしない内に猛烈なクシャミに襲われ、鼻水が流れだす。そうですか、やっぱりいらっしゃいましたか?もう三十数年、一年の休みもなしにおいでになられますね?と自棄気味に敬語まで使ってしまう。でも不思議なことにT歯科クリニックに行って診察台に横になっている間はクシャミと鼻水が止まっている。花粉症の発作もメンタルな部分があるのかと思いつつ店に出たら大阪在住のお客さんYさんから花粉症に効く評判のじゃばら果汁が送られてきていた。遠い西の都から俺のからだを気づかってくれて有り難う、Yさん。お店は25日の金曜日は暇というウチの店のジンクスが当たって、カウンターのお客さんは人妻Iちゃん、遅い時間にN証券のFちゃんとAちゃん、それと上司のKさんの四人だけ。それなのに月末で消費税と法人税、家賃、給料など200万ものお金が脱走して、通帳の中はガランとしてしまった。淋しい限りだ。

2011・2・24

2011年02月25日 | Weblog
銀座ママ兼作家のTさんが女性ドキュメンター作家のHさんたちと来てくれた。Tさんは先日俺が読んで感激した本の著者だ。間に共通の知り合いがいたもんだから電話で話したことはあったけど、会うのは今日初めて。いや、正確にいうと彼女が売れない女優をしていた頃に同じ番組をやっていて一度会ったことは会ったが、そのときは言葉を交わしたことはなかったので、殆ど初対面みたいなものだ。でも、言葉を交わす前から知り合い気分でいたもんだから、あっという間に打ち解ける。Hさんたちが先に帰った後も俺と話す為に一人残って、チラッと会った時からの三十五年間を回顧しながらこれからの生きかたについて話す。その内、モノ書きの姿勢みたいなテーマになって、少なくとも何かモノを書こうとする人間がブログでこんな日記を書いていてはいかんと俺を説教し始める。こんな日記なんかで執筆欲望を解消していたらモノは書けなくなるから即刻やめるべきだというのだ。モノを書くにはタメなくてはいけない。タメてタメてタメ尽くして、それでも書くときは抑えて抑えて書くのがモノ書きだと言われ、反論できなくなる。でも、次の瞬間、俺はモノ書きなのかと自問自答する。元々このブログだって店の宣伝を兼ねて始めたものだし、ここでダラダラとした文章を書いていたって何が悪いと居直る。そんなことを云ったら、だったら芝居もエッセイっぽい文章もやめて、店の経営だけに頭とからだを使いなさいよとTさんの酔っぱらった顔が反論しているように見える。そう、何もかもが中途半端。五月にやる芝居の台本はまだ見通しがたたないし、三月から始める店の新たな展開の準備もまだだ。こんなことじゃ虻蜂取らずに終わってしまうと悩みながら薬を何種類も口に放り込む。喉の薬と抗生物質。病気を治す方が先決だ。

2011・2・23

2011年02月24日 | Weblog
昨日懸念していた湯沸器の調子が何とか回復して保健所の七年に一度の検査はあっけなくパス。これで七年は営業できるとホッとしていた処に、二箱の宅配便が届く。一つは今週末にウチで公演をするKさんの山形にいる父親が娘が世話になるからと送って下さった啓翁櫻という温室栽培された蕾の櫻の枝。この時期に櫻なんか珍しく早速店の中に飾らせていただいた。もう一箱はMの母親のSさんが送ってくれたもの。中を開けてみたら、タコの生干し、タコの塩辛、タコご飯の素、タコ煎餅、タコワサ、更には広島名物モミジ饅頭もタコ入りと、広島三原名物のタコタコ尽くし。タコ好きのMのことを思う母心がズシーンと伝わって来る。と思うものの、Sさんにこうして「母親」をやられると彼女より15歳年上の俺としては複雑な気持ちにさせられる。確かにSさんはMの母親には違いないけど、俺にとっては一人の「年下の女性」、彼女は何しろ松田聖子と同い年なのだ。そう、今から30年前、俺がいい年して「セイコちゃん」なんて言っていたら「ロリコン」と気持ち悪がられた、その松田聖子とだ。それを思うとSさんは紛れもなく若い女だ。実際Mと話している光景は、俺から見ると母娘というよりは年の離れた姉妹という感じ。とにかく俺よりは圧倒的に若い。ということは63の俺より記憶力だって体力だって俺以上にいい筈だし、松田聖子が母親であるイメージを何処かにおいてまだイキイキとライブ活動をしているように、俺としてはSさんに三人の娘の母親であることを忘れて「女」をやって貰いたいと勝手に思いながら、もう一人の娘の親であるKさんが送って下さった櫻の花を愛でつつ、SさんがMの為に送ってくれた三原名物タコの生干しを齧り、三原の酒「酔心」を飲む早春。

2011・2・22

2011年02月23日 | Weblog
飲食店を開く時には営業する前に何十項目にも渡る施設基準というものを満たしていなくては保健所の許可が貰えない。そしてその施設基準というものをそれぞれの店にいる食品衛生責任者が営業後も守っていかなくてはいけないのだが、往々にしてルーズになってしまうので、七年に一度、検査を受けて営業許可を取り直さなくてはならず、その日が明日と迫った。そう、施設基準をきちんと守っていれば何の問題もないのだが、ここでぶっちゃっけて告白しちゃうと、この七年の間にお客さんが見たらセーフだが、保健所の方が見たらアウトになっていることが一杯あって、今日はその取り繕いに追われる。××が足りない。△△が壊れている。六本木の近所には売ってなかったので今日の午後××と△△を求めて五反田から大崎にかけて午後から歩き回って漸く揃えたが、問題は今日の営業にも使うけど、お客さんがいる間には出来ないちょっとした工事。最後のお客さんのN証券のFちゃんとAちゃん、格安旅行会社のKさんが帰った後、三人がかりで突貫工事と作業に取り組んで二時過ぎに終了。でも、最後の最後になって●●機の調子が悪いことに気づいて何とか修理を試みるが、去年修理をして貰った時にも原因は建物の構造的欠陥だと言われた代物で、一時間近く悪戦苦闘して諦める。明日それを指摘されて営業許可が更新できなかったらどうしよう?

2011・2・21

2011年02月22日 | Weblog
さすがに我慢できなくて朝一番で近所の耳鼻科に行く。本当は店の近くにあるS病院に行きたかったのだが、事務局長に連絡が取れずに予約が出来なかったので下手をすると待合室で一日過ごすことになりかねなかったことと、それだけ待って「事件」を起こしたら意味がないのでやめることにしたのだ。そう、俺は耳鼻咽喉科では「事件」を起こす。どんな「事件」かというと、喉の診察を受けるのに医療器具で舌を押えられると強烈な吐き気に襲われて診察してくれていたと医師を突き飛ばすことがいつもなのだ。案の定、今日も俺が過去にそんな「事件」を起こしたことを知っている老女性医師は、看護婦の一人には俺の舌をひっぱりおくことを、もう一人は体を押さえつけておくことを命じて診察に入ったのだが、今日もまた吐き気に襲われた俺はみんなを突き飛ばしていた。こんなことじゃ診察になりませんと言いつつも治療をしてくれて薬を出してくれたS先生、ごめんなさいそして有り難う。S先生に大声で喋ること長い時間喋ること、そ
れにアルコールと辛い物を禁止されたこともあって、出来るだけ遅い時間に店へでようと9時近くに部屋を出る。助かったことに(いや困ったことに)お客さんは旧知のテレビAの系列会社社長のKさんだけだったので隣に坐って小声で話す。それからも法律事務所勤務のNさんと悠々セカンドライフのSさんといったワガママを聞いてくれそうなお客さんが続いたので訳を話して出来るだけ声をセーブする。遅い時間に来店してくれた国際弁護士のSさんたち、近所の女性客Aさんともいつもよりは小声でお喋り。自分としては隔靴掻痒で欲求不満になりかねないけど、そんな静かな桃井もそれはそれでいいという声もあり。

2011・2・20

2011年02月21日 | Weblog
お客さんに来て貰うにもお客さんの濃さによっては体力が必要な時がある。例えば今日は雑誌「K」の映画賞の授賞式があったのだが、主演男優賞のT、主演女優賞のT、助演男優賞のE、助演女優賞のAと皆が皆、ウチの店と親しい俳優さんたちなので、授賞式の終わった後、お祝いの飲み会をやってくれないかと俳優事務所社長のBさんから頼まれたのだが、この四つの強烈な個性と対応するには、現在体調不良の俺にはとても無理なので、断ってしまう。でも、本当に無理。バテバテなのだ。先週の連休三日間はベッドの中にいて、連休後はO君が体調不良で休んだ為に早く店に出なくてはいけなくて、この日曜日が来るのをどれだけ待ち望んだことか?この四人をお祝いしたい気持ちは山々なんだけど、今日は母を呼び出してひっそりトンカツを食べる方を選んでしまう。そんな体調、精神状態の日曜日。本当はトンカツ屋に行く前に昨日見たDVDを返しに行くつもりだったのだが、日記に「映画じゃない」とまで書いてしまったことに心が咎めて、こんな体調な時に見た映画はいい印象を持たないだろうし、一度見たきりで映画の評価を決めてはいけないと、延滞料金を取られるけど返却を中止して、トンカツ屋から帰った後、もう一度「K」を見直してみたのだが、昨日より評価が下がる。結末を知っているだけに何のサスペンスも持たないということもあるけど、この監督はエイズを遊び道具にしているとしか思えない不快さが込み上げて来る。原作にそうあるんだろうけど、だったら漫画にするな!と思わず画面に叫んでしまった俺。こんな不快にさせられた映画はM監督の「Mアワー」以来だ。

2011・2・19

2011年02月20日 | Weblog
ある映画についての感想をここに書き記すのはかなり躊躇う。感激した場合だったらいい。でも、最悪だったりしたら実名をあげて書く訳にはいかない。今日知り合った××さんはとてもいい人でと書くことはできても、今日知り合った△△さんは最低の人だと書くわけにはいかないのと同じ。それに俺は喉の調子を含めて体調がよくない。こんな時に見ることになった映画は、本当はいい映画なのかもしれないけど、最悪の映画に見えてしまうことが往々にしてあるものだ。それに数々の映画賞を受賞し、興行成績もよくて、ウチのお客さんの中にもこの映画の圧倒的支持者がいるし、主演女優の所属事務所の社長もいる。大体映画館で見ないでベッドに横になりながらDVDで見て「映画」を見たつもりになっちゃいけない。そんなこんなでこの映画を非難中傷する勇気は今気弱になっている俺にはない。だから「非難中傷」ではなくて「教育的指導」とか「注意」だけにとどめておくけど、監督の××さん、「映画」を見せてください。この映画『K』ははっきり言って映画ではない。DVDで見たからじゃなくて、人間を描くという映画としての志を全く棄てた「映像ショー」だ。このDVDで延滞料を取られるのは不愉快なので調べている時間はないけど、この「映像ショー」でのスローモーションの多用は目に余って、全編スローモーション(雲の動きは反対)と言っても過言ではない多用ぶりだ。スローモーションを使うと映画的になるとでも××監督は思っているのか?だったら幸せだけど、スローモーションの部分を普通の速度で撮影したら2時間弱の「映像ショー」が半分の時間で済んでしまいますよ、××監督。他にも駒落としやフラッシュバックなど「技巧」ばかりが眼について、登場人物はみなロボット同然の扱いをされている作品に「作品賞」はともかく「脚本賞」を与える映画祭ってバカっていうしかない……「なーんてね」(と、この映画の最後の台詞)

2011・2・18

2011年02月19日 | Weblog
喉の具合がよくないので、行きつけの耳鼻咽喉科の診察を受けることにして,夕方予約していたT歯科の診察を延期して貰う。眼は眼で目医者通いはしているし、鼻の調子も悪いし、眼、鼻、歯、喉と首から上がどうにもならない。それでもまぁ、食欲はあって、シーチキンの炒飯にクレソンを散りばめて、カリフラワーを茹でてソーセージと盛り合わせて、オニオングラタンスープの缶詰にオニオンスライスを足して、食卓に並べる。食事の後、病院の午後の診察時間までにと経理事務、顧客名簿の整理、仕事関係のメールの返信を何通かしている内に猛烈な眠気。何とか頑張ろうと思ったが、どうにもダメで、ソファに倒れるように横になって仮眠したのだか、目覚めた時は耳鼻咽喉科にいく時間の余裕がなくなっていた。今週ずっと休んでいたO君が今日から復帰することになっているが、やはり病み上がりは心配だったので早い時間から店へ出かけたが、O君の体調は完全に回復しているみたいだったので、今日の公演の飲食サービスを任せてテーブル席に坐っていたら、映画の照明技師のIさんが来店したのでテーブル席に坐って貰って一緒に飲みだす。そしてそこに久しぶりに有名俳優のTさん、女性CMプロデューサーのMさんたちも加わって何となく知り合い同士の飲み会みたいになる。これもまた是。カウンターには他に悠々セカンドライフのSさん、脚本家志望のOLのKさん、白ワイン党のEさん、昨日きてくれて今日もまたきてくれた近所に住む氏名不詳のXさんたち、イベントのスペース探しにきたKさんたち、そして遅い時間にN証券のFちゃんとAちゃんコンビが会社の同僚たちと来てくれて散財してくれる。感謝。帰りに久しぶりにT屋によって封切りの時に見損なった「告白」を借りて帰る。毀誉褒貶の凄いこの映画を見るのは何だかこっちが試験されているようで不安だ。