桃井章の待ち待ち日記

店に訪れる珍客、賓客、酔客…の人物描写を
桃井章の身辺雑記と共にアップします。

2009・2・27

2009年02月28日 | Weblog
今日の朝昼兼用の食事は、お粥を炊いてタタミ鰯に厚揚げの焼き物、広島菜、卵入り納豆、韓国海苔にほうれん草の味噌汁と云ったヘルシーメニュー。それでも並べすぎてMから文句が出るかと思いきや、高校生のYちゃんには物足りないからもっと出せとMに言われて極太ソーセージを茹で、サラダを付け加える。夕方、開店時間までに時間の余裕がなくて、何も食べないまま働くことになるかと恐れていたら、以前からお客さんの間で評判になっていたSハンバーガーをMが買ってきてくれた。早速かぶりつくが、味はイマイチ。マヨネーズかソースの味が強すぎて肉の旨味をぶっ殺している。これだったらまだMバーガーの方がマシ。でも、マヨネーズ味のバーガーでも胃袋に入れておいて正解。今日はイベントスペースで毎月恒例の川柳の会が催されていたけど、他にも9人のグループが入り、そしてカウンターは12時近くまで満席で、とても何かを食べられる状態ではなかった。2時ジャストに閉店。何処かに寄っていこうとは思ったけど、寒さで部屋に帰る方を優先。冷蔵庫にあった冷や飯で雑炊を作って食べる。第一食がお粥で深夜食が雑炊。ちゃんとしたご飯を食べなかったから何処か欲求不満。

2009・2・26

2009年02月27日 | Weblog
去年光通信にしたことで、OCNドットフォン光サービスを受けると、電話代がただになったり、安くなるというので導入することにしたのだけど、送られてきた機器のつけ方が分からないので、今日午後一番でサービス担当者に来て貰って機器を取り付けて貰った。でも、電話をかける相手もこのサービスを導入してないと電話代がただになったり安くなったりならないらしく、おまけにイエ電なんか滅多に使わないし、こんな面倒なことに時間をとられて少しバカバカしくなる。昨日からMの妹のYちゃんが東京に来てウチに泊まっている。YちゃんにとってMは頼りになる姉らしく、Yちゃんが将来の進路のことを相談したり、Mが甲斐甲斐しく妹の面倒をみている光景は微笑ましく見える。一般常識力の欠如した俺は余計なアドバイスをするといけないから姉妹の姿を近くからみているだけど、今日はYちゃんにもんじゃ焼きを食べさせてあげたくなって月島に案内した。もんじゃ初体験のYちゃん、恐々ぎこちなく土手を作っている。その様が愛しい。でも、その時、芋焼酎を一杯しか飲まないのに急激に酔っぱらう。そして店に出て、今日も来てくれたベストワンのOさんから奢って貰ったモルトウイスキーを飲んだ時もあっという間に酔っぱらう。おかしい。確かに昔から酒には強くないけど、最近酔っ払う速度が早すぎる。何処か体の機能がいかれてしまったのか?

2009・2・25

2009年02月26日 | Weblog
3時から始まった出資者の一人で料理研究家のYさんとフードメニューを検討するミーティングが終わったのが5時過ぎ。今日は用事があってMが6時過ぎにしか店に入れないので一人で慌てて開店準備にかかる。何とか6時ちょうどに準備終了。これでいつお客さんが来ても問題なしと、Mが来てからイベントスペースで給料計算と昨日の経理事務にかかる。普通だと二時間程かかるので、始めた時はお客さんが来て最後までやれないかなと思っていたのに、ちゃんとやれてしまう。まだ8時だしと余裕をかまして時間潰しに来る時に買った週刊朝日を読み出す。宮崎哲弥と川端幹人の「中吊り倶楽部」を読んで、村上春樹の「エルサレム賞」受賞スピーチを読んで、北康利の「素顔の白州次郎」の最終回を読んで、連載エッセイを読んで東山紀之を見直して、林真理子の櫻井翔との対談を読み終わって……結局、「週刊朝日」をイッキ読みしてしまった。この段階で9時。まだ店は静寂が支配している。誰一人階段を降りて来る気配はない。電話も鳴らない。眠気がふと襲う。お客さんが来たら起きるんだし、襲われてしまえと昔の煙草屋のお婆さんの如くウツラウツラ。でも、いつまでも起こされず1時間後に自主的起床。辺りを見まわして10時過ぎまでお客さんが一人も入ってこない飲み屋の凄惨な佇まいを感じ取る。待つのが商売とは言いながら、こうして4時間以上も待つだけというのはかなり辛い。それだから、この30分後にベテラン新劇俳優のKさんとベストワンのOさんが顔を覗かしてくれた時の感激ったらない。感激するあまり、普段は余裕で話すのに今日は少し呂律が廻らなくなっていた。まぁ,それほどまでにこの四時間がしんどかったということ。他にお客さんは2時まで待ってプロデューサーのKさんの三人きり。こんな日もあるさと軽くこの一日を忘却の彼方へ。

2009・2・24

2009年02月25日 | Weblog
毎月催されている『SomethingJazzy』は観客が多い上にフードのオーダーも一杯出るもんだから、毎回開演時間直前になると料理が間に合わなくなってしまうし、誰に頼まれたのか分からなくなることもあったりして、トラブルが頻発する。それに今回はMKさんもいなくて料理を運んでくれる人もいない。そこで今回はカウンターに最初から料理を並べておくカフェテリア方式をとることにした。余った場合、料理が無駄になるけど、人件費やトラブルのことを考えると、こっちの方が安くあがる。案の定、料理がかなり余った。けど、料理が間に合わないとか誰に頼まれたのか分からないといったトラブルはなく、精神衛生的にいい。そして今日は都合のいいことに休憩時間が終わってオーダーがなくなってカウンターから料理を片付けた直後に、十日遅れの五周年を祝いに来てくれた映画カメラマンのSさんと照明技師のIさん、近所に住むTテレビのベテラン演出家HさんとプロデューサーのIさんたちが来店してくれて、カウンターもトラブルなく安堵する。他にお客さんは早い時間に映画監督で教育評論家のHさんと舞台美術のYさん、近所のシルバーモデルのMさんたち、そして遅い時間に女優のKさんと大阪の広告代理店のTさん。Kさんからウチでやる芝居の再演についての依頼があったけど、TテレビのHさんからもある依頼。Hさんとは他の人を交えては時々話したりしていたけど、二人きりで真面目な話をしたのは、俺が新人ライターだった頃に脚本の依頼があって以来だから30数年ぶりだ。ふと歳月を思ってしまった夜。

2009・2・23

2009年02月24日 | Weblog
『おくりびと』は俺の周りで毀誉褒貶の著しい映画だった。『映画芸術』の年間ベストテンでは、ベストワンに推す人もいたけど、ワーストワンとして票を一番集めてしまった映画だ。その『おくりびと』が国内の映画賞をホボ独占するばかりか、アメリカのアカデミー賞を獲ったという。俺はまだ見てないから映画の評価は出来ないけど、テレビで衛星中継される授賞式の映像には、知り合いの顔が何人か映っていて、感無量になる。T監督は彼がピンク映画の助監督をやっている頃から知っている。女優のYさんもテレビや映画でちょい役をやりながら自分の好きな芝居を苦労しながらやっていた頃から知っている。彼女の所属事務所のB社長も事務所を立ち上げたものの仕事がなかなかとれず、深夜の土方仕事で事務所を維持していた頃から知っている。そんな皆が大袈裟にいえば世界の晴れ舞台に立った日だ。今まで諦めずにやってきてよかったねと心から祝福したい。その世界の晴れ舞台とは対照的に俺は花粉症の発作で曇り舞台。おまけにMKさんがやめてしまったので今日から俺は再び五時出勤。先日働く約束をして行ったY君が来てくれるまでの辛抱とはいうものの、それまでは殆ど自分の時間がもてない日が続く。

2009・2・22

2009年02月23日 | Weblog
花粉症の季節が始まった。数日前からその兆候はあったけど、今日からは本格的だ。今日は「おみみみ新人公演」がマチネとソワレとあるので午後一番には店へ出向き、公演の間に赤坂まで仕入れに行って帰ってきてからはクシャミと鼻水が止まらなくなる。仕方なくいつも持ち歩いている薬(ストナリニS)を飲んでしまう。色々な薬を験したけど、この数年、この薬を飲めばとりあえずの発作は治まる体になっている。でも、問題はとんでもない眠気が襲うことだ。今日もしばらくしてカウンターにうつ伏せになって睡眠状態に入って、一時間以上どんな物音がしようと目覚めなかった。ソワレ終了後まだ眠気から抜けきれない意識朦朧状態でいくつからのフードのオーダーをこなして10時前終了。Mと西麻布の焼き鳥屋に向かう。こんな時はノンアルコールにしておけばいいのに、日本酒を常温で二杯。薬のせいもあってひどい酔いが襲う。帰宅後、Mが長いメールしているのをいいことにソファにひっくり返ったら、あっという間にあっちの世界へ。Mに起こされるまで二時間近くも寝ていた。これからの季節、俺の睡眠時間は飛躍的に増加しそうだ。

2009・2・21

2009年02月22日 | Weblog
発作的に今日店を臨時休業することにして、終日部屋に籠もり、パソコンに向かって新しい社員名簿や株主総会の議事録作成に時を過ごす。食欲は依然ない。Mは出かけてしまった為、午後遅く醤油とお酒に漬けておいたイカの足を炙ってご飯で食べただけ。途中、何気なくつけたテレビで歌手の木山裕作のドキュメンタリーをやっている。去年の紅白で『home』という唄を歌った歌手だ。家族に支えられて40歳でデビューした彼の人生を見ている内に、何故か涙が止まらなくなって来る。どうしてこんなことで?と思うのに恥ずかしいけど滂沱の涙だ。多分、俺を泣かせたのは「父」という存在だ。俺は「父」をずっと求めて生きてきた気がする。「父」を求めすぎるあまり、自分じゃ「父」になれなかった自分。それなのに彼は凄い「父」をやっている。俺はあんな「父」が欲しかったのか?還暦を過ぎた人間がそんなことを思うのは異常だ。でも、そこは誤魔化しなしにしっかりと見つめてみよう。俺が何で俺なのか分かってくるかも知れない。Mが10時過ぎに帰ってきて、空腹を訴えるので、俺はまだ食欲がなかったけど、この間作って冷凍してあったミニハンバーグと豆腐のガーリックステーキ、生ハムのサラダを作って食べる。「父」になれなかった男が「母」をやっている

2009・2・20

2009年02月21日 | Weblog
風邪っぽいのか、疲れが溜まっているのか、吐き気はするし、だるいし、食欲がないし、ちょっと体調がやばい。お昼に雑炊を茶碗で一杯だけ啜っただけで二時半に店へ。株主の一人であり、料理研究家のYさんとフードメニューの改訂打ち合わせをする予定だったのが、Yさんから風邪気味なので中止してほしいとの電話があって、こっちも体調不良だったので内心ホッとする。それでも店と部屋を往復することには違いなく、たったそれだけでも疲れが増して、部屋帰るなりソファにダウン。5時過ぎにMが店へ出る前に買ってきたピザを焼いて食べさせるが、俺は一切れだけご相伴して、またソファにダウン。八時過ぎ何とか起き上がって店へ。お客さんは映画監督で教育評論家のHさん、法律事務所勤務のNさん、二人が帰った後しばらく間が空いてベストワンのOさんたち三人、Y広告社のMさんたち四人、某テレビ局の政治部記者二人、SミュージックのAさんたち二人、夕刊FのUさんと経営コンサルタントのTさんの合計16人。金曜日にしては淋しいけど、今日の俺の体調的にはちょうどいいお客さんの数だ。酔って眠ってしまったUさんを無理やり起こして2時に閉店。その途端、土曜日にライブをやると仮予約を入れていた長谷川某と云う女性から電話がなかったことを思い出す。確かに本契約はしてない。でも、去年の12月6日に仮予約して数日後に契約書を交わしにいきますと電話を切ったまま、長谷川某からは何の音沙汰もない。連絡先を聞かなかったこっちも悪いけど、やらないならやらないで断りの電話くらい入れなって。それが社会常識ってもんだろ?こっちはひょっとすると連絡はなくてもイベントをやることになっているのかも知れないと思って(そういうことが去年実際にあった)、他の予約を入れずに今日まできたんじゃないか?そのことでどれだけの損害を被っているのか分かっているのか?えっ、長谷川某!……と怒りを汚れた食器にぶつけている内に、突然土曜日は休もうと思ってしまう。スタッフだったMKさんは今日で店をやめたし、今週と来週の日曜はマチネとソワレのある公演が続いて終日労働になるし、その次の日曜日もイベントが入っていて、全く休めなくなってしまう。おまけに先週の株主総会の議事録と欠席した株主への報告書を出す期限は迫っているし、土曜日しかそを作る時間はないのだ。という訳で、土曜日臨時休業します。来店しようと予定してくれていた方、ごめんなさい。桃井は土曜日体調の回復に勤めながらパソコンに向かっています。

2009・2・19

2009年02月20日 | Weblog
本格的に作ろうとしたら料理は難しいけど、何とかそれらしい格好をつけるだけなら殆どの料理はできる。でも、焼き鳥と寿司と鰻は絶対無理。だから外で食べる。処が天麩羅、昔はそれなりに出来た筈なんだけど、最近作ると衣がうまく付かずに天麩羅もどきになることが多かったので、天麩羅を食べたくなると外で食べることにしていた。けど、今日は久しぶりにやってみようと思い立った。昔はちゃんと出来たんだし、最近じゃいい天ぷら粉もあるんだし、油の温度さえ間違えなければ、ちゃんとできる筈なのだ。でも、それを知ったMは疑心暗鬼。これまで何度となく失敗した天麩羅を食べさせられているので、大根おろしを一杯すってくれと頼んでも、どうせちゃんと食べられないんだからとちょこっとしかすってくれない。くそっ、大根おろしが足りなくて泣きっ面をかくなよとナス、しいたけ、アスパラと少しずつ油の中に落としだす。油は計ってないけど、衣かすを落とせば即座に浮き上がってくるし、絶対180度以上。たちまちパリッとした天麩羅が出来る筈だ。それなのにいつまで経っても野菜の衣は色が変わらない。途中で取り上げてみると衣がベトベトのままだ。これじゃ不味いとばかりに一度引き揚げて、二度揚げしたのだけど、それでも駄目。続いてやったイカと海老にもうまく衣がつかないまま又しても天麩羅もどきをテーブルにだすハメになってしまった。Mの勝ち誇った様な顔が不愉快だけど、そこはグッと我慢。それにしても何故俺は天麩羅が上手に出来ないんだ?

2009・2・18

2009年02月19日 | Weblog
去年のバレンタインは新婚のMに遠慮したのかチョコレートを下さる方が一人もいなかったのに、今年は14日が五周年パーティだったこともあり、御祝儀代わりにチェコレートを下さる方が20人もいた。それもショコラアブソリュとかシュールプティとかドゥトリュフとか木箱に入ったり見た目の美しい高級チョコばかり。それが我が家のソワーの前のテーブルに山積みになっていて、Mはいかにも自分の占有物とばかりに目覚めにはこっちのチョコ、食後にはあっちのチョコとチョコチョコ三昧の日々。考えてみれば普通の女の子がこんな高級チョコを一度に二十個もチョコチョコ三昧する機会はそうない訳で、それだけでも俺と結婚したことを幸せと思うべきだ、なんて偉そうに云ったら、もうあなたには一つもあげないからと丸で自分が貰った様な文句が帰ってきて、俺は仕方なくMに隠れて盗み食い。でも、この盗み食いと云うのは、普通に食べるより食い意地が倍加するみたいで、気づいてみたら高級チョコを一箱ペロッと食べていたりする。お蔭でこの数日、カカオの取りすぎで胃の中が異常事態になっている。それに牛肉と牡蠣。パーティで残った牡蠣をお客さんに焼いたり酒蒸しにしたりして今日も必死に売りさばき、マリネにも可能な限りしたけど、結局30個は廃棄処分にせざるえなかった。勿論、その間には俺もMも牡蠣三昧の日々。それは牡蠣好きの俺には至福の時の筈なんだけど、ここまで来るとさすがにギブアップ寸前。牛肉はそれも同じで、残った牛肉を小分けして冷凍庫に保存しようとしたのだけど、スペースの関係で二キロ近くの牛肉は何とかそのまま処理しなくてはならない。幸い今日は、妹とそのスタッフたち、それとIT企業の青年社長Mさんたちがすき焼きを注文してくれたので、合計で一キロ近くは消費できたけど、もう冷蔵庫での保存は無理と判断して、残った牛肉を炒め煮や煮込み風にしてとにかく保存がきく様にする。とはいえ、一キロ以上の牛肉。実は牡蠣とは別に数日前からすき焼きだったりニンニクバター炒めだったりこっちも牛肉三昧の日々が続いていて、贅沢な話だけど、もう見ただけで胃袋からゲップが出る状態になっている。そんなチョコ三昧と牡蠣三昧と牛肉三昧と云った、とんでもなく贅沢三昧の我等夫婦。こんなに食い物の贅沢をしちゃって、俺が死んだ後、Mの食生活はどうなるんだろと少し心配になって来る。