桃井章の待ち待ち日記

店に訪れる珍客、賓客、酔客…の人物描写を
桃井章の身辺雑記と共にアップします。

2006・1・30

2006年01月31日 | Weblog
昼、今日の公演の為に鍵を開けに店へ出向いた後、茅場町にあるかかりつけの寺田歯科へ。もう一年以上前からグラグラしていた歯があったのだけど、俺の主治医は抜歯は出来るだけしない方針の先生なのでグラグラ歯と一緒にこの間まで何とか頑張ってきた。ところが数日前にぎり寿司を口にいれて噛んだ途端、そのグラグラ歯に思い切り反対方向から圧力が加わり、激痛と共に口の中は血だらけ、グラグラ歯がフラフラ歯になってしまったのだ。口の中を見た主治医は一言「お疲れさん」と俺にじゃなくフラフラ歯を声を掛けて抜歯。長い闘いが終った。帰りに広尾に出向いてワインの仕入れと日本酒の酒器を購入した後、親しくしている雑貨店の店主Kさんとウチのスペースの利用について打ち合わせ。一旦部屋に戻ってコレド通信を書き終えて八時過ぎに店へ。今日の定期公演『誰?』の有料入場者は七人。西沢利明ひとり芝居『白鳥の歌』と同じくこっちの観客動員も苦戦が続くが、それでも何とか続けて貰いたいと思う。カウンターには久しぶりに来店したAN嬢、某国営放送局のSさんと某国大使館勤務のSさん、SミュージックのSさん、近所の会社のSさんと、妹のファンのMちゃんだけ。二時に店を閉め、明日のパーティの準備を終えた後、一人誰もいない店の中でぼんやり時を過ごす。このところ得体の知れない喪失感に襲われているが、今日は特に強い。長年つきあったグラグラ歯と別れたことも原因か?

2006・1・29

2006年01月30日 | Weblog
10時過ぎ起きる。珈琲を二杯分入れて、一杯で朝刊をじっくりと読み、もう一杯で日記を書く。このゆったりとした時間の流れが何ともたまらず好きだ。宅急便で注文しておいた「マカ王」が届く。先日新聞広告に載っていたのを見て発作的に注文してしまったのだ。一日約二百円の精力維持薬。実際に効果があるかどうか確かめる相手が今いないけど、維持しようと思う気持が大切。その後風呂に入る。小林信彦の『昭和の東京 平成の東京』がお供の小一時間。こんなに風呂好きになるなんて、ちょっと前までカラスの行水だった自分が信じられない。湯上がりでW大のKちゃんにメールの返事。彼女のメールはいつも長文なので、こっちの返事も長文になって時間を食う。その内腹が減る。冷凍しておいたシジミを使った味噌汁。醤油で保存しておいた豚肉の残りを生姜焼に。先日買った市販の塩辛に刻み昆布と柚子の皮と鷹の爪を加えて改良しておいたのが食べごろ。納豆に今日は生卵を入れて。キャベツをニンニクと鷹の爪でペペロンチーノ風炒め物に。これらを食卓に並べて充実感。食後忘れず「マカ王」を飲む。経理事務や数件の電話での打ち合わせを終えて、六時に白金の母の所へ。持参した弁当をつっつきつつ母の両親(つまり俺の祖父母)の話を聞く。誰にも青春があり、誰にも死が訪れると云う当たり前のことをしみじみ思う。八時半過ぎ母宅を出て、二十分程歩いて広尾のハナマサへ。赤坂のハナマサで品切れになっていた食材などを買って九時半過ぎにタクシーで店へ。日曜営業を始めて四日目。お客さんは三組だけ。それも十時半頃には誰もいなくなってしまったので十二時までTちゃんとお喋り。とことんしなやかで、決してしたたかではないTちゃんの強さは何処から来るのだろうか?一時前帰宅。月見うどんを作って食べた後、コレド通信の続きを書こうとしたのだけど、パソコンのキイを叩く指が睡魔でいつの間にか止まっていた。

2006・1・28

2006年01月29日 | Weblog
七時前に店に出たら高校の四年先輩で工業デナイナーのSさんが一人でポツンとワインを飲んでいたもんだから恐縮。隣に座ってSさんが最近まとめた『愛の美学』と云う本のコンセプトを拝聴したり、共通の恩師である国語のB先生の思い出話に時を過ごす。Sさんは広尾時代に時々来て下さってはいたが、こんなにじっくりと話すのは初めて。その間に今日のイベントが終了して追加オーダーが入ったり、他のお客さんが来たりして、店は一気に忙しくなるが、先輩との閑談を途切れさせる訳にいかずに困る。Sさんが帰った後、しばらくして今度は同年配のプロデューサーMさんと、続いて年下の脚本家Hさんが来店。今日は土曜日で12時閉店の為、Lちゃんたちが帰った後、俺は二人の間に座って男同士の(と言っても業界話)お喋り。昨日は女優のSちゃんや久しぶりに会ったW大のKちゃんたち女性とばかり話していたけど、今日はイベントの主催者のNさんと観客のMさんを除いて、話したのは男ばかりだったような気がする。それもいい。

2006・1・27

2006年01月28日 | Weblog
八時から先日芸術祭優秀賞を受賞した常連の演出家Nさんをお祝いするホンの身内だけの集まり。受賞作品を上映した後、飲み会に移るが、女性が多かったせいかNさんは終始ごきげん。皆もいつもは冗談しか言わないNさんの、シリアスな作品での演出家ぶりを肴に宴は二時過ぎまで続く。全員が幸せそうで、俺としても儲けを度外視してやった甲斐があったと思った。ただ残念なことは有名女優のSちゃんがカウンターに一人で来店して、その話し相手になる為に作品を最後まで見ることが出来なかったこと。まぁ、作品はなくならないし、いつか見ることが出来るだろうと諦める。カウンターはSちゃん初め、脚本家のNさんTさん、W大生のKちゃん、出資者の一人Tさんと女優のMさんたち、法律事務所のNさん、Tさんの劇団員のSちゃん、メディア評論家のKさんと女優のNさん、K出版社のYさん、D通の派遣社員のJちゃんたち、近所のMちゃんなどで久々に賑わっている。こんな風景が毎日繰り返されるとブルーな気持にならなくて済むんだけど……。

2006・1・26

2006年01月27日 | Weblog
一月に入って常連客がパタッと姿を見せなくなっている(又は来店頻度が極端にすくなっている)。去年まで連日連夜姿を現していた俳優事務所のAさん、AN嬢、週に一度は来ていた設計事務所のMさん、マネージャーのMさん、同じくSさん、カラオケ好きの主婦Iさんなどなど。勿論、演出家のNさんや近所のMちゃん、Tちゃんの友人のFさん、中古車ディーラーのSさん、法律事務所勤務のNさん、エステシャンのMちゃんたちのように相変わらず通ってくれる人もいるし、新たに近所の制作会社DのYさんの様に会社中を巻き込んで常連客になった人もいるし、そう落ち込むことはないのだけど、少し気になる。店は近所のライターズスクール26人のパーティで僅かながら活気を呈するが、カウンターは暇。二時前にFさんと近所の出版社のOさんが帰って、店じまい。そのまま帰る気になれなくて、ウイスキーを飲みながら壇一雄の「漂蕩の自由」をパラパラ。旅が嫌いな俺が、旅好きの壇一雄に気持を動かす不思議。俺は人生を漂蕩しているからか?

2006・1・25

2006年01月26日 | Weblog
その時のLちゃんとのやりとりを忠実に再現してみる。
× × ×
●銀行CDコーナー(夕方)
桃井がメモをみながらお金を入金したり引き出したりしている。
Lちゃんから携帯がかかって来る。
桃井「(出て)今、銀行なんだけど」
Lちゃん「そんなことどうだっていいんだけど、ごみ袋の場所をどこかに移動した?」
桃井「ごみ袋はもうない筈だけど」
Lちゃん「あ、そう(そのまま電話が切れる)」
× × ×
その瞬間、俺は訳が分からなかった。銀行でお金を入金したり引き出したりすることが「そんなことどうだっていい」ことなのか?(ましてや今日は25日、君たちの給料を一人ずつ袋に詰めたりしてたんだけど)Lちゃんだってまさか俺が銀行で女の子とデートしているとは思わなかったろうが、一歩譲って神経を使う入出金作業より重要で緊急な問題が起きたなら「そんなことどうだっていい」ことになる。ところが問題はごみ袋のありかだ。昨日俺が閉店の時にゴミをまとめて容器に新しいごみ袋をつけようとしたら一枚も残ってなかったことは気づいていた。誰が最後の一枚を使ってそのままにしておいたかはこの際問題じゃない。銀行での入出金作業が「そんなことどうだっていい」ことで、何故ごみ袋問題で俺は「そんなこと」を中断させられなくちゃいけないかだ。おまけに「ごめんなさい」の一言もなく「あ、そう」で18才のLちゃんに電話を切られてしまう58才の経営者の俺って一体何なんだと、その時大袈裟じゃなく頭の中が真っ白になってしまった。その後店に戻って給料を渡してもブスっと「どうも」と云っただけで俺には何の言葉をかけずに買い物に出て行ったしまったし、単にLちゃんのご機嫌が悪かっただけなのか?或いは単なる言葉づかいの問題なのか?「そんなことどうだっていい」と云うのもLちゃんは意味なく使ったのかも知れない。「そんなこと」にこだわる俺がいけないのかも知れない。でも、自分の言葉が全ての相手に通じると思うのは大きな間違いだ。スワハリ語は日本の殆どの地域で片言も通じない。友達同士ならともかく、世代間や仕事での立場が違う人間同士の間では共通言語で話して貰わないと、誤解や反発を招いて、その関係に亀裂が生じる。共通言語が何か分からなかったら、相手の母国語で何とか話す努力をして欲しいものだ。今日一日、お客さんがいる時以外は、Lちゃんと俺は口をきかなかった。また「そんなことどうだっていい」と言われるのが怖かったからだ。去年一年Lちゃんは本当に頑張ってくれたけど、このままでは終わりが近い。

2006・1・24

2006年01月25日 | Weblog
こうしてパソコンで日記を書けるとホッとする。数日前、何だか分からないけど余計なキーを押してしまって以来、自分の日記にすらアクセス出来なくなってしまったパソコンを、今日ウチのホームページを管理しているAさんに回復させて貰ったのだ。携帯で日記を送っていると、打つのに時間はかかるし、字数制限もあって必要な文言まで削ったもんだから、さっき読み返したら意味不明の文章になっていてゾッとした。でも、これでまた何の気兼ねもなく長い文章が書ける。はるばる千葉から仕事が終った後に来てくれたAさんに店で感謝の印にすき焼をご馳走。それにしてもパソコンが普通に使えて当たり前の世の中になってしまって、遅れてきた機械オンチの人間は生きづらくなってしまっている。この間も書いたけど、みんなが使うパソコン言語はフランス語みたいに(英語程度では決してない)意味不明だし、先日買ったビデオだって編集はパソコンでするようになっていて、撮影した映像の処理に困ってしまっている。これを機会にもっとパソコン社会に入るか、それともあくまでアナログ人間を貫くか、人生の岐路に立たされていると云うのは少し大袈裟か?おいおい、そんなことに悩んでいるより店を何とかしろよと云う声がさっきから聞こえている。一月は広尾時代から売上が低迷するとはいえ、去年の九月以降の活気と比較すると、常連客も姿をみせないし、かなり落ち込んでいる。今日だってお客さんは演出家のNさん、エステシャンのMちゃん、近所の編集者Aさんたち、銀座ママのSさんとHさん、デザイン会社のKさんたちの9人だけ。でも、この問題はパソコンでは解決出来ない。あくまでアナログ的に、あくまで人間的に、あくまで地道に明日を目指すしかない。

2006,1,23

2006年01月24日 | Weblog
日記を読んだ出版社のM君から桃井さんの冷蔵庫にはカキが賞味期限が過ぎるまで置いてあるのかと聞かれた。カキの味噌汁の話だ。そりゃ俺は食いしん坊だからねと答える。今日もスーパーの地下から二階まで一時間近くも見て回り、四種類もの料理を思いついて食材を買い込む。ところが表に出て天ぷら屋の看板をみると気が変わり、パン屋の前を通るとそそられ、何とか欲望を押さえたが、危うく食材を又賞味期限切れにするところだった。でも、こうして食欲に忠実なことは飲食店の親父には大事なことでと自己弁護するのは健康な証拠か?

2006,1,22

2006年01月23日 | Weblog
宮崎県を本拠に母娘で演劇活動をしている二人の会の公演。マチネソワレ併せて60数人は大雪の翌日にしては立派。途中ぬけて母にスキヤキのケイタリング。先日買ったビデオで母を撮影。再生した画面を見て映りが良くないとクレーム。さすが女優の母。八時過ぎ店へ帰る。カウンターにはJ子さんとK美さんとF君、それといつもは旦那と一緒のWさんがソロデビュー。いいぞ、いいぞ。J子さんたちと愛とセックスの話で盛り上がり終電ギリギリまで。パソコンはまだ回復しない。メールが見れないので下さった方ごめんなさい。

2006.1.21

2006年01月22日 | Weblog
〓雪が降る あなた(お客)は来ない…いくら待ってもあなた(お客)は来ない…とアダモを歌い続けて、確か一年半ぶりのボウズ、ノーゲスト。おまけにパソコンまで云うことを聞かなくなっちゃって、携帯で日記を書くことに。一文字一文字じゃあまり書けないので、それにノーゲストじゃ書くこともないので、又明日。