桃井章の待ち待ち日記

店に訪れる珍客、賓客、酔客…の人物描写を
桃井章の身辺雑記と共にアップします。

2008・2・28

2008年02月29日 | Weblog
去年、お客さんのAさんとBさんが「男女」になっていることを聞かされてびっくりしたけど、今日もCさんとDさんが「男女」だと知って、仰天してしまった。この分だと、俺の知らない間に何組ものお客さん同士が「男女」になっているのかも知れない。別に他人の恋路にとやかく云うつもりはない。問題は、ウチの店で知り合って「男女」になると、その後、二人共、店から足が遠のいてしまうことだ。そりゃ公然と俺たちの前でイチャイチャする訳にはいかないだろうし、他人を装ってウチの店に来て離ればなれに坐っていても「男女の時間」の無駄だろうから仕方ないとは思うのだけど、これで別れたりしたら、相手に会う可能性のあるウチの店にはどっちかがこなくなると思うと、マスターとしては哀しい気持ちにさせられる。でも、酒場は「出会いと再会のステージ」だし、ましてや「男女」については俺がいくら監視していても、か細い糸を手繰って結びついてしまうものだから仕方ないんだけど。

2008・2・27

2008年02月29日 | Weblog
早い時間から三年ぶりに来店してくれたYさんとKさん、しばらくしてYさんの結婚相手のワイン輸入会社社長のSさん、続いてテレビAのKプロデューサーと美人脚本家のNさん、そして映像プロデューサーのSさんとDJのSさん、女優のSさん、マネージャーのAさんたち三人組、夕刊FのUさんとN放送のOさんがカウンターに並ぶ。さて、ここで問題。この面々で合計幾ら売り上げたでしょうか?総勢13人ですよ。それも錚々たる肩書の面々ですよ。一人最低5000円として六万から七万は売り上げたのでは?と思った方は不正解。合計金額は三万五千円。一人当たりの客単価は約二千七百円だったのです。さて、この値段を高いと思うか低いと思うか?殆どの人が普通と答えるのではないでしょうか?でも、一日最低十万は稼ぐことを義務づけられた店としては三分の一しか稼げなかったことはとんでもないことで、だからと云ってそれぞれの価格を三倍にするわけにもいかないし、経営者は嘆息するのみ。

2008.2.26

2008年02月28日 | Weblog
今日のお客さんはY新聞のNさんたちと夕刊FのUさんだけ。偶然新聞社系のお客さんだなぁ、でも、年齢も違うし、つながりはないよなと、暇なことを嘆きつつ、ぼんやり思っていた。でも、ふとNさんはどうしてウチに来るようになったのかと考え出す。そうだ、彼はY新聞が発行している雑誌に俺が去年取材を受けたことがきっかけで、その特集記事を担当した編集者Aさんたちと来たのが最初だったっけ。じゃ、Aさんは誰から聞いて俺をその特集記事に取り上げようとしたのか・・・えーと、それは彼の会社の新人女性部員のKさんがウチに初めてきた時、俺とお喋りしていて・・・ああっ、そのKさんを連れて来たのは、今日のもう一人のお客さんのUさんだったと思い当たる。そこまでにどの位の時間がたっただろうか?モウロクするのは嫌だ。

2008.2.25

2008年02月26日 | Weblog
今日は芸術祭優秀賞を受賞したWOWOWのドラマ『愛すれど愛すれど』の受賞祝賀パーティーが開かれる為、俳優のS君に手伝って貰って4時過ぎから準備にかかる。事前に日本映画史に燦然と輝く大物ベテラン女優のKさん始め、出演したDさん、Iさん、Kさんたち有名俳優が参加すると云うので緊張したが、パーティーはアットホームな雰囲気で進んで行き、ホッとする。でも、しばらくしてパーティー以外のお客さんが一人もいないのに気付く。概して大きなパーティーが行われる日は、何故かウチの店はお客さんが少ない傾向があるものだが、一人もいないと云うのは異常だ。それでも遅い時間になれば一人や二人はとの願いもむなしく、パーティーが終わって後片付けを終えた12時になっても1時になってもお客さんは一人も現れなかったのだ。つまりパーティーがなかったら売り上げはゼロだった訳で、いくら給料日はお客さんが少ないと云うジンクスが重なったからって、慄然とする思いにさせられた1日だった。

2008.2.24

2008年02月26日 | Weblog
日曜日だけど『おみみみ』の新人公演がマチネとソワレと二度あるので2時に店へ。先週の日曜日もイベントがあったし、二週続けて休みがなくなるのは辛いけど、イベントスペースが埋まってくれる方が精神的に安らぐ。それでも主催者に無理を言って打ち上げを一時間半で切り上げて貰って明日のパーティーの準備をして11時過ぎには店を出る。今日は通常営業はしてないので当然のことなんだけど、12時前に店を出ると何だか後ろめたいのと得した気持ちになるのが不思議だ。マチネを手伝ってくれたS君と合流してMと三人で焼き肉屋へ。気付いたら朝からカレーしか食べてなかった。

2008・2・22

2008年02月24日 | Weblog
痛風の発作が出て脚を曲げると痛みが走るものだから、ついつい爪先歩きで店へ急いでいたら、突然風速二十数メートルの突風に煽られ、吹き飛ばされそうになったもんだから、一緒に歩いていたMの腕を思わず掴んでしまう。後で男女逆じゃないと非難されたけど、男は強さばかりじゃ生きていけない。尤も俺みたいに弱さばかり見せていても問題だと思うけど。店は今日と明日、リーディングシアター『おみみみ』の新人公演。平均21歳の男女十数人が店内を行き交う中で、常連の演出家SちゃんやプロデューサーのHさんがカウンターで悠然のグラスを傾けている光景が何となくサマになる。他にお客さんは新人歯科医のSさんとKさんのみ。12時過ぎにMを帰した後、Kさんと「男同士」で飲む。まだ二十代のKさんと話していると、これから俺の年まで生きていくのは、つくづく大変なことだと思ったりする。男は、年とった方が得だ。

2008・2・22

2008年02月23日 | Weblog
有名ミュージシャンのKが三年ぶりにフラッと寄ってくれた。それも俺の結婚を何処かで聞いて冷やかしに来たと云う。だと云うのに、Mの反応が何処か素っ気ない。蔭で誰?と聞くから、Kだよと答えても、何する人?と聞き返してくれるから、ミュージシャンだよ、ホラ『H……』と云うヒット曲があるじゃないかと云っても、知らんと云うし、『A……』と曲もヒットしたじゃないかと追い打ちを掛けても、わからんと切り捨てられる。カウンターにいた二十代の俳優のS君も同じ反応だ。そうか、Kは今も活躍しているけど、ヒットメーカーとして活躍していたのは、もう二十年以上も前のことだし、若い人は知らなくても不思議はないのかと気づく。そういえば、先日俺とテレビでトークした田中健のこともMは顔は知ってる程度の反応だった。当然だ。彼が俳優として主役を張っていたのは、これもまた二十年以上も前のことだからな。でも、二十代の奴らに知らん顔されたって、彼らにはまだ頑張って貰いたい。もっと別の魅力を発揮して、二十代の奴らにも受けて貰いたい。と云う訳で(全然訳になってないけど)、3月17日(月)20時から先日俺と田中健が出演したトーク番組を一時間少しに編集しなおした上映イベントを催すことになりました。当日は、上映後に番組じゃ喋り足りなかったことを田中健と生トークする予定になっています。入場は無料ですが、定員が限られていますので、ご希望の方は桃井までご予約を。

2008.2.21

2008年02月22日 | Weblog
午前中から食欲旺盛。スーパーでイカを買ってお刺身に、山芋、菜のおひたし、昆布の佃煮、沢庵、かぶの味噌汁でご飯を二膳半。それなのに店に出たら、もうお腹が減ってしまい、MとKさんに作った牛丼を自分も食べてしまう。開店して高校の同級生のO君たち、法律事務所勤務のNさん、D印刷のKさんたちと話す間にもナッツに手が伸びる。そして閉店後はラーメン屋に直行。博多ラーメンに明太子ご飯まで食べてしまう。食欲で明け暮れた1日。山田風太郎的にいえば、75で死ぬとして後5475日しか生きられない。ということは1日三食として16425食だ。一食一食を大事にしなくては。と、ここまで書いてきて、60までに何日生きてきたか数えてみたら21900日だった。たったそれだけか。

2008・2・20

2008年02月21日 | Weblog
四年前の2月16日に乃木坂コレドはオープンしたのに、知らない間に開店記念日が過ぎていた。まぁ、覚えていたとしても四周年じゃ区切りが悪いし、特別なことをやるつもりはなかったけど、経営者として開店記念日を忘れるのはどう云う神経をしているのか?あまりに経営者としての能力に欠如しているものだから、その自覚さえなくしてしまったのか?それはともかく、赤字だ、資金難だ、経営危機だと毎日の様に喚きながら、よくも四年も持ったものだ。確かに国民金融公庫からの融資を入れて四年間で五百万の借金をしたけど、開店直後にあった一千万近くの借金はこの二月で完済出来たのだから、赤点ギリギリで「五年生」に進級だ。勿論、だんだん「勉強」は難しくなる。昨日も今日もお客さんは数人きりだし、いつ「退学」を言い渡されても不思議はない。予習復習を繰り返して何とか「五年生」から「六年生」に進級出来る様に頑張ろう。

2008.2.19

2008年02月20日 | Weblog
一度治ったパソコンが帰ったらまたご機嫌を悪くしていた。だからまたこの日記を携帯で書いている。パソコンの機嫌が悪くなったのと連動するように俺の体の具合も悪くなる。喉がおかしい。煙草が不味い。微熱もある。食欲もあまりない。こんな時は何故か肉体労働をしたくなる。多分『頭脳労働』から逃げたいからだ。出かける前に浴室の掃除、店へでてからもボトルの整理に時間を費やす。でも、そうやって体を使えば熱が上がるのは当然で、幸いお客さんは演出家のSちゃん、夕刊FのUさん、元広尾の雑貨店店主のKさんしかいなかったので途切れ途切れに控え室でうたた寝。二時すぎ閉店。部屋に真っ直ぐ帰って雑炊を食べて寝る。今日は最悪の日だ。