桃井章の待ち待ち日記

店に訪れる珍客、賓客、酔客…の人物描写を
桃井章の身辺雑記と共にアップします。

2007・8・30

2007年08月31日 | Weblog
7時前に名古屋のCテレビのプロデューサーKさんとSさんが近所にあるドキュメンタリー制作会社Eの演出家Hさんと来店。モルトウイスキーやすき焼などどんどんオーダーしてくれるもんだから今日はひょっとしていい線を行くかも知れないと取らぬ狸の皮算用をしていたら、1時間経っても2時間経っても他に誰もお客さんが入ってこない。10時前にKさんたちが帰って、それでもまだ10時前だし、これからだと強がっていたけど、引き続き1時間経っても2時間経ってもお客さんは入ってこない。あの広い空間にMちゃんと二人きり、ただただお客さんが現われるのを待ち続ける。Kさんたちが来た時からも入れるともう5時間以上も待っている。かなり地獄的だ。1時を過ぎる。まだお客さんは来ない。地獄的を通り越す。Mちゃんにはもう帰っていいと云ったのけど、俺が可哀相だからと云ってタイムカードを押した後で待つのにつきあってくれる。1時半になる。後片付けを始める。それでもまだ、こういう時に限ってお客さんが来るんだよなと期待する。でも、後片付けが終っても階段を降りる靴音は聞こえない。もう限界。後10分で閉店時間だと云うのに、それを待ちきれずに店を飛び出す。こんな日はラーメンと餃子のやけ食いしかない。

2007・8・29

2007年08月30日 | Weblog
6月7月と二カ月間給料(役員報酬)が出ないものだから、当然の如く様々な個人的支払いが滞って来る。住民税、健康保険、年金、光熱費……催促督促を受けて、もうちょっと限界だったから、今月は強引に給料を取ってしまった。後数日あるし、店の家賃その他の支払いは何とかなるだろうと思ったからだ。でも、今週に入って、イベント以外のお客さんの数がとんでもなく少ない。月曜日は5人、火曜日は6人、そして今日は打合せに来てくれた作家のTさんKさんを入れて7人だけ。このままじゃ店の家賃の方が払えなくなる。消費税その他税金は当分無理。雨や雷がいけないのか、それともTちゃんが結婚して、彼女のファンが離れて行ったのか?いや、そんなことに罪をなすりつけるのはやめよう。原因はもっと根本的な処にあるのだから。そう、この店を開業する時に絶対上手くいくと思った飲食店とイベントスペースの両立は、三年半経って、虻蜂取らずと云うことかと思い始めている。

2007・8・28

2007年08月29日 | Weblog
やっぱり地下室って異常空間だ。どうやら外はいつしか大雨になって雷まで鳴っていたらしいのに、地下室に6時からずっといた俺は、10時過ぎにお客さんが入って来るまで全く気がつかずにいた。広尾の店は全面ガラス張りだったし、霧雨が降っても気がついたのに、乃木坂じゃ洪水になっても気がつきそうにない。まぁ、お客さんがひっきりなしに来ていれば、そんなこともないのだろうけど、今日は雷に気がつかない程、ひっそりして(だったら聞こえそうなもんだけど)いたから仕方ない。12時過ぎにはTちゃんも帰って、不気味に静まりかえった店の中で、世間とは遮断されて明日の自分のことだけを考える。もう二カ月少しで還暦だ。もう一度人生をやり直せると云うことだから、とことん面白い人生にしようと今色々なことを企んでいる。異常空間に長くいるから、俺の人生もどんどん異常になっていく。

2007・8・27

2007年08月28日 | Weblog
夕べは朝6時近くに帰って来て寝たのが7時近くだったと云うのに、11時過ぎには起きてしまい、それからはいくら足掻いても眠れない。睡眠時間が少なくて済んで得をしたと考えるべきか?昨日、調理をしている時に油断して包丁で指を深く切ってしまい、手当てをしたのに今日になっても傷が塞がらずに時折鮮血が流れ出る。でも、その鮮血のキレイさにはうっとりする。リストカットする人間ってこんな魅力に酔っているのだろうか?九時過ぎに店。今日は劇団ギルドの公演『誰?』があったけど、有料入場者は8人だけ。もう三年以上、同じ芝居を何十回も続けていれば、観客が少なくなるのは当然。それでも尚同じ芝居を続けていくエネルギーは何処から出ているのか?十年前に亡くなった藤田敏八監督(通称パキさん)の命日が明後日(水曜日)に迫る。今年は区切りの年だし、毎年やっている「パキさんフェスティバル」も大々的にしようと企画していたのに、色々な障害があって、結局何も出来ないまま今日になってしまった。亡くなった人間を偲ぶのに時間とエネルギーを使うにはみんな忙しすぎる。当日は一人パキさんの映画(天使を誘惑)を見て故人を偲ぶつもり。どなたか一緒にみませんか?

2007・8・26

2007年08月27日 | Weblog
朝8時に目覚ましを掛けておいたのに、同居人が止めてしまって、俺が飛び起きたのは9時半。何も食べずに慌てて飛び出す。店ではもう俺が企画した藤尾京子監督の新作『神ナイト』の撮影準備が始まっている。この企画、撮影場所はウチのスペースだけで、且つ日数はたった一日だけで、お客さんにちゃんと見せられる映画が出来ないかと彼女に持ちかけて実現したものだ。お金の責任は俺が持つ、と云っても俺にもお金はないから予算は入場料収入だけ。従って予算はないに等しいからて役者もスタッフもノーギャラ。それでもやってくれる人を探し出して、とにかく一日で撮れるシナリオが書けたと監督が云うもんだからGOサインを出して今日になった。本当は俺も重要な役で出演する筈だったのけど、短時間で撮影する為には通常の映画撮影みたいにカットを割っていくことは無理で、殆ど演劇的手法を取らなくてはならず、念入りなリハもなく素人の俺がやることは出来ないと判断して役を降りて、今日は飯炊きオジサンに徹することになったのだけど、12時になっても1時になっても撮影が始まらない。カメラマンとの意思疎通が出来てなかったみたいで、こりゃとんでもないことになるぞとの危惧を抱いた時には既に遅く、撮影が漸く始まって6時段階でまだ四分の一しか撮れてない。最終列車の時間が迫っても半分しか撮れてない。俺は現場にいてもやることがなかったので、部屋との間を行ったり来たりして適当に休んでいたから平気だったけど、役者やスタッフはもう半日以上地下室に閉じ込められたままだから流石に疲労と苛立ちの色。4時近くになって監督がまだかかりそうと云って来る。その途端、キレル。一日で撮れる映画を撮れないんだったら今すぐ撮影を中止しろ!とにかく完成したかったら何がなんでも4時半までには終了しろ!そして本当に4時半になった段階で、撮影現場に乗り込んで終了を宣言する。そんなことはしたくなかったけど、一日で撮り終わることがこの企画のポイントなんだから仕方ない。10分延長してとにかく撮り終わったことは撮り終わったみたいだ。後は編集。公開は10月の1、2、3日の三日間。どんな映画になるか楽しみだ。

2007・8・25

2007年08月26日 | Weblog
今日のマチネ公演はフードも出ないし、Tちゃん一人に任せて部屋で雑用を片づけようと思っていた。処が、お釣りをTちゃんに渡すのを忘れてしまった為、仕方なく2時に店へ。でも、お釣りを渡してそのまま帰る訳には行かず、僅かながらフードのオーダーもあったので働くことになる。更に今日の公演『おみみ・みシアター』をまだ見てないことに気づいて席に坐ることになる。まぁ、そんな訳で2時から5時まで店にいて、そのまま夜の営業に入って、今日は結局閉店までの10時間以上「地下室の人」と云うことになってしまった。でも、そのお蔭で『おみみ・みシアター』のメンバーの他にも韓国映画人のグループも来てくれたりして、レジが閉まらない程の売上。尤もそれは一万円札ではなく千円札なんだけど。

2007・8・24

2007年08月26日 | Weblog
金曜日は何故かお客さんが少ない。給料日も何故かお客さんが少ない。そして今日は金曜日の給料日。最初から敗戦ムードだった。けど、それにしても、それにしてもカウンターのお客さんは大阪の女性経営者Yさんと外資系の証券会社に勤めるRさん、それに整体師のOさんとその友達の四人だけだなんて、売上も2万に届かないなんて空いた口が塞がらない。それなのに2時に店を出れば、タクシー難民の列。おいおい、あんたら、何処で飲んできたのか知らないけど、電車のある内にオウチに帰りなと悪態をつきたくなる。歩道でゲロを吐いている奴を見ると、街を汚すんじゃない!と怒鳴りたくなる。ベンチで寝ている奴をみると、雨が降って凍死したら面白いのに悪魔的なことを思ったりする。でも、喧嘩を売られたり犯罪者になったりするのは嫌だから大人しく部屋に帰る。深夜のテレビじゃ『100年インタビュー・小柴昌俊』をやっている。ノーベル賞物理学者の癖に、自殺未遂したり不倫した過去を淡々と喋る小柴さんに魅せられる。テレビも時々救いをくれる。NHKの聴視料は払わなくては。

2007・8・23

2007年08月24日 | Weblog
久しぶりに病気ネタ。数週間前から腕を曲げたりすると痛みが走る。特に後ろポケットに手を伸ばすと、大袈裟に云うと痛くて呼吸困難になる程だ。必然的に後ろポケットに突っ込んだお金はなかなか表に出る機会がなく、貧乏人の俺には好都合の部分もあるのだけど。店はTちゃん入籍フィーバーが続く。このブログで入籍を知って来店した人妻Iちゃんが、まるで自分が結婚したかの様に興奮、法律事務所勤務のNさんを巻き込んでシャンパンを二本も空けてしまう。その後も新人歯科医のSさん、Tちゃんの男友達のS君が、最近皆勤賞の美人姉妹の姉Aさんと盛り上がる。でも、今日の朗読イベントの観客を除けば、お客さんは見事にそれだけ。Aさんが「桃井さん、なに悩んでるの?」と心配してくれたけど、皆がフィーバーすればする程、経営者の顔は暗くなる。皆が帰った後、誰もいなくなった店の中でしばし暗い顔のままでいる。それに疲れて帰ろうとした時、鍵が何故か後ろポケットに入っていることに気づき、取り出すのに暗い顔は痛みでしかめっ面になった。

2007・8・22

2007年08月23日 | Weblog
昨日は寝たのが7時近くで、それでも11時過ぎには起きてしまったので、いや、それより店を出てからお腹が減ってラーメンと餃子ライスを朝方の六本木で食べてしまい、胃がもたれていて食欲が起きない。胃に優しいものならいいかも知れないと、お粥を作り、たたみいわし、たらこ、昆布の佃煮、梅干しにとろろ昆布のおすましを作って食べる。でも、お粥は消化がよくてすぐにお腹が減る。5時に店へ出たら、Mちゃんもお腹が減っていると云うので、開店準備を早々に終えると、二人ですき焼を作って食べる。ご飯も二膳食べる。食欲がどうにもとまらない。それにしては太らないのは店の経営が危機的状況が原因か?そのことをコレド通信で知った女性プロデューサーのYちゃんが脚本家のYさんと大手K出版社のコミック担当部長Fさんを連れて売上増進に努めてくれる。さすがYちゃんがおすだけあって、このFさんの飲むこと、飲むこと。ボウモア15年を8時過ぎから飲みだして2時までに何と一人で14杯。ボウモア15年って一杯1500円だから、それだけで合計21000円也。いや、ホント凄い。その傍らで同期入社の会社の同僚と一緒に来てくれた、元S女子大生だったAちゃんが、何処か挙動不審気味。案の定、俺がイベントスペースで用をしていたらそっと寄って来て「ある報告」。そう、よかったね、Aちゃんと思わず手を握ってしまう。「ある報告」を受けて本当によかったと喜ぶ俺も何だか変なオジサンだ。

2007・8・21

2007年08月22日 | Weblog
そう、Tちゃんなのだ。ウチの店のマドンナ、Tちゃんが昨日入籍したのだ。それも広尾時代から俺と一緒に働いてきて、乃木坂に移転してからもしばらくは店長をやって貰ったMと結婚したと云うのだ。めでたい。うん、確かにめでたい。でも、その出来事から受ける感情をうまく表現出来ないもどかしさを感じている。それは知らせを聞いて今日店を訪れたAN嬢、自主映画監督のHK、美人OLのJ子ちゃん、TテレビのOさん、美人姉妹の姉Aさん、マネージャーのMさんも一緒みたいで、カウンターの中にいるTちゃんにとりあえずオメデトウと祝福するものの、その後どんなことを話していいのか分からず、Tちゃんの方は泰然とシャンパンを飲んでいるのに、みんなの方が挙動不審になって、言葉が浮ついていた。ホント奇妙だ。どうなっているんだ?俺もいつもは飲まないモルトウイスキーを飲み続ける。Tちゃんが迎えにきたMと12時過ぎに帰ったら、みんなも一斉に引き揚げたので、今日は俺も2時には帰ろうと後片付けをしていたら、K文社のYちゃんが上司のNさんと来店。更に二時過ぎになって脚本家のAと元B庁部長で今は映画評論家のTさんがシナリオ学校の生徒たちをつれて来店。モルトウイスキーを飲み続けて酩酊状態だったけど、結局始発電車が出るまで営業。その間にふと思った。TちゃんとMって二人共お祝いされるのが似合わないキャラなのだ。だからこっちがお祝いするのに照れてしまうのだ。うーん、違うか?