桃井章の待ち待ち日記

店に訪れる珍客、賓客、酔客…の人物描写を
桃井章の身辺雑記と共にアップします。

2009・11・29

2009年11月30日 | Weblog
夕べはプロジェクター騒ぎでクタクタになったが、閉店後はこのまま部屋に帰る気になれず、六本木に出て、たこ焼きを食べながらハイボールを二杯ほど。続いて隣のカラオケに移って、浜田省吾の『東京』など数曲歌った後、六本木ヒルズで公開中の『イングロリアス バスターズ』(タランチーノ監督)を見る。『パルプフィクション』で初めてタランチーノの名前を知ったのは何年前だったろうか?その時こんな暴力性に満ちた作品は見たことがないと思ったけど、今回はそれ以上。更に戦争映画なのに明るくて楽しくておかしい。タランチーノの最高傑作だ。そんな映画を二人で二千円の夫婦割引で見る六本木の夜。でも、終わったのが5時を過ぎていたので部屋に帰って寝たのは6時過ぎ。それでも普通ならどんなに遅くとも12時前にはトイレに起きてしまうのに、今日はMに起こされて目を覚ましたのが3時過ぎ。9時間以上も眠ったなんてこの十数年記憶がない。余程疲れていたのか?でも、そんな時間まで寝てしまうと当然一日は短くなる。ハンバーグとじゃが芋をコンソメスープで煮込んだものと、キムチとオニオンスライス、晒ネギ、かい割れ大根、レタスをごま油と豆板醤で揉んだサラダ、柚子こしょうの効いた納豆、しめじの味噌汁で食事をしてから昨日の顛末を記した日記を書き終わったら、もうテレビは『内藤×亀田』のボクシング中継。テレビ局主導の世界タイトルマッチは興奮するより笑うしかない。チラッと見てから散歩に出る。途中、青山ブックセンターで一時間ほど寛ぐ。ゆったりと落ち着いた空間。本屋で癒されるなんてこの本屋ならではだ。世紀の難問「ポアンカレ予想」を証明したまま姿を消したロシアの天才数学者ペレルマンを描いた『完全なる証明』(M・ガッセン)を買って帰る。小中高と数学が大嫌いだったし、年のせいで最近は引き算ができなくなりつつあるのに、どうした心境の変化か?
☆年末は12/31まで営業(但し26日以降は12時閉店)、新年は1/7から営業いたします。

2009・11・28

2009年11月29日 | Weblog
全ては思い込みから始まった。今日はイベントの主宰者Sさんがスタッフに万が一のことに備えて消防訓練をしたいというので、11時半には店へ。退避場所、避難経路、消火器の場所などを教え、会場の作り方、イベント開催中の注意などして、一旦部屋に戻ろうとした時だった。スタッフに映像を使いたいからプロジェクターの使い方を教えて欲しいと言われ、リモコンでスイッチを入れる。処が、普通はそれだけで画面一杯に投影される筈の映像が、画面の片隅にしか映し出されない。おまけに画面が暗くてハッキリ見えない。こんなことは初めてだけど、リモコンを操作していれば何とか直るだろうと色々操作をしてみるが、全くダメ。悪戦苦闘が一時間ほど経った頃、すぐに帰って来ると言って出かけたまま帰ってこない俺を心配したMから電話があったので、訳を話すと飛んで来る。Mは先月行われたH監督の上映イベントで彼の指示に基づいて映像チェックをしてきたので、今は俺よりプロジェクターの操作に詳しい。Mが俺にに代わって修正操作を試みる。しかし、Mが色々試みても映像は正常な状態に戻らない。その時点で俺たちの出した結論は、前にパソコンを使って映像を流した人間が設定を変えたまま元に戻さないで帰ったのではないかということ。PCを使われるとPCに詳しくない人間には色々訳の分からないことが以前から起きていたのだ。それからは「犯人」探し。一旦部屋に戻って名詞や契約書を見ながらイベントや下見で映像を使った可能性のある人たちに片っ端から電話して聞きただす。でも、全員覚えがないとの答え。だったら何が原因で直らないんだ?と大声を上げそうになった時に、ひょっとしてプロジェクターのランプの寿命が尽きたのではないかという思いが一瞬過るが、ランプが限界に近づいた時はそれを知らせる表示が出ることになっているし、それが現われない以上、ランプが原因とは考えられない。でも、もうそれ以外考えられない。5万円以上もする予備のランプを取り寄せてあるし、万が一の望みを託して変えてみようと思った時にはもうタイムアップ。リハーサルが遅れて、そのまま観客が開場してしまったのだ。主宰者のIさんには映像がちゃんとした形で使えないことを陳謝して、会場使用料を一万円値引くことで了解して貰ったが、おにぎりを握りつつ(何と今日は焼きお握りばかりオーダーのある日で、合計21個のお握りを俺は握って焼いた)イベントが終わった後でランプを変えて見て正常にならなかったら、火曜日には映画の上映イベントがあるし、どうしたらいいんだろうとあれこれ悩み続けていたら、プロジェクターのトリセツを読んでいたY君がランプが限界に近づいた時でも表示が現われないまま寿命が尽きることがたまにある書いてあると教えてくれた。ええっ、マジ?それを知っていたらと悔しがっても後の祭り。そして案の定、イベントが終わった後にランプを変えてみたら、くっきりと映像が映し出されたのだった。ランプが原因とは思いもせず、設定ミスだと思い込んで悪戦苦闘したこと。ランプの寿命は表示されるまで持つものだと思い込んでいたこと。二つの思い込みが重なって、精神的に疲れ切ってしまった12時間近く。ホント、機械は嫌いだ。
☆年末は12/31まで営業(但し26日以降は12時閉店)、新年は1/7から営業いたします。

2009・11・2 7

2009年11月28日 | Weblog
27日の日記を書こうとしたら、アクシデントが起きて店にお昼前から夕方までいなくてはいけなくなり、そのまま観客70人のイベントに突入。部屋には戻れず、今調理の合間に苦手の携帯に向かっている。明日詳しい日記を書くつもり。

2009・11・26

2009年11月27日 | Weblog
開演時間が8時ということもあってか、伽藍林さんのイベントのお客さんが普段のイベントの時以上に料理のオーダーをだしてくれる。その数、46。これを一時間の間にやるのだから約一分少しでどんどん出していく計算になる。そこにテーブル席に来て下さった大手M商事の常務KさんとAさんたちや他のカウンターのお客さんたちからも料理のオーダーが相次いで、嬉しい悲鳴を上げつつもバテバテになる。でも、バテバテになりつつもやっぱり嬉しさが勝つ。それに今日はウチの店には珍しく開店から閉店までお客さんがずっと埋まっていた一日。色々な方々が来て下さったけど、ある時間気づいたら、カウンターの左からSミュージックで映像を制作するSさんたち、自主映画監督のHK、俺に映画制作の相談にきたNさん、その隣には近所のドキュメンター映画会社のYさんたち4人、その右には映画プロデューサーのNさん、一番左にはマニュアックな映画監督と親しい銀座ママのSさんが並び、そしてテーブル席にはTテレビのLさんが連れてきた舞台演出家のKさんたちが陣取って、店全体に映画と芝居の話題が飛び交っていて、まるで新宿のゴールデン街的雰囲気に溢れる。店は日によって色々な顔を持つということか?
☆年末は12/31まで営業(但し26日以降は12時閉店)、新年は1/7から営業いたします。

2009・11・25

2009年11月26日 | Weblog
先日の芝居を見てくれた悠々セカンドライフのSさんが、芝居を終わった後で反省会とかしたんですか?と多分深い意味もなく聞いてきた。不意をつかれた俺は、そんなことしませんよと軽く笑いながら答えたものの、内心ではグサッと来ていた。反省しだしたらキリがない。そもそもあんな大役を俺がやること自体が問題だ。その為に自分の演技が気になって、と云うか台詞を覚えるのに精一杯で、演出も何もする余裕がなくなっていた。つまり反省以前の問題だし、反省と言われてもしようがないのだ。しかし!……と俺はここで居直る。俺が出演することでピエロみたさにお客さんが来てくれたのだ。作演出だけではこれまで大した集客ができなかったが、出演すると云うことで俺の知り合いが百五十人近くも来てくれたのだ。おかげでチケットを寄付金代わりに五枚十枚と買ってくれた人たちの分まで含めて家賃の更新料六十万に僅か三万足らない57万円を集めることができて、三日間の飲食収入28万円を加えると、経費を引いても60万以上の利益を上げて、それを更新料に充てることで店を存続させることができたのだ。だから反省しない。撮影したDVDもみない。反省していたら首を括りたくなる筈だ。そう、あの三日間は夢だったと思うことにしよう。夢を反省する奴はいない。
☆年末は12月31日まで営業します(但し12/26~31までは12時で閉店)。新年は1月7日から営業予定。

2009・11・24

2009年11月25日 | Weblog
Mの祖父母が上京してきて、俺たち夫婦と四人、同じ部屋に寝ている光景は、他人がみたら奇妙なもんだろう。23歳のMと62歳の俺、そして74歳の祖母、77歳の祖父、平均年齢は59歳。祖父母と孫の関係、夫と妻の関係、どちらかと云うと自分たちのジェネレーションに近いから友人っぽい孫の夫、そんないくつかの関係が言葉遣いを含めて絡み合って面白い。午後から今回の上京の目的である耳鼻科の診察に出かけた三人を見送ってから、経理事務を終えて仕入れを終えて5時に店へ入り、今日のイベントの飲食サービスの準備。途中、近所の病院で診察を終えた祖父母がMに付き添われて店へ。孫が生き生きと働く様子を初めて見るお二人の気持ちはどんなものだろう。でも、さすがに騒がしく忙しない店の状態に耐えかねたのか、30分ほどでお二人は部屋へ。地方都市でのんびり生きる時の流れと東京のど真ん中の時の流れは、きっと違うのだろう。俺たちはごく当たり前みたいに東京ど真ん中の時の流れになれてしまっているけど、この忙しない時の流れの方がおかしいような気がして来た。
☆年末は12月31日まで営業します(但し12/26~31までは12時で閉店)。新年は1月7日から営業予定。

2009・11・23

2009年11月24日 | Weblog
とろけるチーズを乗せた焼きおにぎりと味噌を乗せた焼きおにぎりを一個ずつ、それに頂いた柿とクレソンと生ハムのサラダ、プラスゆで卵とスープで軽く食事をすませて、3時に品川駅へ広島から上京して来るMの祖父母を迎えにいく。十数年前にMたちとディズニーランドへ羽田から浦安まで行ったことがあるらしいが、ちゃんと東京へ来るのは何十年ぶりみたいだし、且つお二人とも携帯電話を持ってないので、品川と間違えて東京まで行ってしまったらどうしようとか、途中事故でもあって乗り遅れたりしてたらどうしようかと、携帯電話のない時代に戻ったみたいで、ちょっと新鮮な体験。でも、無事にお二人は品川駅ホームに到着。部屋までのタクシーの中、変わってしまった東京の景色を見てMの祖父Mさんは複雑な面持ちだ。三原と尾道の違いはあるけど、何となく小津監督の『東京物語』を思い出してしまった。部屋に荷物をおいた後、Mさんが東京にきたら、絶対お連れしようと思っていた麻布十番の蕎麦屋『S』へ六本木ヒルズをブラブラしながら出向く。本当は病気の為にお酒は止められているのだけど、夕方前からの蕎麦屋に酒は欠かせない。板わさ、かき揚げをアテにそば焼酎を二杯、三杯。本当はかなりの酒豪だったみたいだが、最近飲んでいないのと薬の影響か、それだけでMさんは蕎麦は食べずにダウン。部屋に帰ってMさんを寝かしつけた後、蕎麦だけでは足らない俺とMはお土産にいただいた瀬戸内の珍味を肴に今度は麦焼酎のお湯割りを何杯か。早い時間から飲んだ為か、九時過ぎには前後不覚になって俺もベッドに倒れこんでいた。いい連休だ。
☆年末は12月31日まで営業します(但し12/26~31までは12時で閉店)。新年は1月7日から営業予定。

2009・11・22

2009年11月23日 | Weblog
明日(23日)、Mの祖父母が上京して部屋に泊まることになったので、休日なのを利用して部屋の大掃除をすることにした。今年は大晦日まで営業することにしたことと、それまで日曜日を含めてイベントで埋まっていて、大掃除している余裕はないので、いい機会だと思ったのだ。今「今年は……」といかにも例年は大掃除をしている様に書いたけど、この数年店の仕事や旅行のスケジュールが優先して大掃除らしきものをやったことがない。特に台所は狭いのに(本当は事務所仕様なので部屋の片隅にちょこんとついているだけ)料理好きが災いしての鍋釜その他料理グッズ、食材が積み上げられていて、足の踏み場もなくなっている。その上、油と塵が壁や床に堆積していて、それを除去するのにマジックリンを一本使ってしまった。ゴミの量も半端じゃない。部屋中から集めた不用品が45ℓのごみ袋7つ分。小さなベランダはごみ袋で埋まってしまった。8時過ぎ一段落して、いかの刺身とかい割れ大根、豚キムチ炒め、生ハムとクレソンのサラダ、それに夕べの鍋の残りで作った味噌汁で食事。きれいに片づいた部屋でする食事は美味い。折角の休日を大掃除で費やすなんて勿体ないと思うかもしれないけど、店の仕事とは違う「私生活の充実」を図った訳で、それはそれで精神的に充分休日となった。
☆年末は12月31日まで営業します(但し12/26~31までは12時で閉店)。新年は1月7日から営業予定。

2009・11・21

2009年11月22日 | Weblog
夕べ部屋に帰ったのが5時近くだったのに、今日は11時までには店に行かなくてはならなかったし、目覚時計が壊れているので起きられるかどうか不安になって、眠れなくなってしまう。仕方なくベッドから出て本を読みだすが、そうしたらそうしたでウタタネしてしまい、これはやばいと8時過ぎには散歩に出かけて目を覚まそうとする。でも、こんなことしていたら一日もたないと思い直して、店で仮眠しようと行ってみたら、まだビルのシャッターが閉まっていて中に入れない。困った挙げ句、電車に乗ることにする。千代田線の我孫子まで約一時間、そのままトンボ帰りすれば合わせて二時間。電車の中で眠れる筈。でも、行きはよかったのだが、帰りは乃木坂を通り越して代々木上原まで。店についたのは11時を10分程過ぎてしまっていた。長い旅だった。店にこんな早い時間に行ったのは、今日のマチネ公演の開場時間が1時で、食事のオーダーが予想されるのに昨日の段階でカレー、コロッケ、スペイン風お焼きなどがみんななくなってしまっていたので、それらを作らなくてはならなかったからだ。二時間、眠気を堪えて厨房に立ち続けるが、こういう時に限って料理のオーダーがでないと云うジンクス通り、注文されたのはカマンベールチーズ一つだけ。そのまま開演時間になって、俺も見ることになったが、芝居の内容は意欲的であるのに俺の睡眠細胞が活発に動きだし、いつのまにか夢の世界へ入っていた。ごめん、Kさんたち。終演後、買い物して一旦帰宅して日記の執筆と経理事務。仮眠しようとしたが、タイムアップして7時半には再び店へ。ソワレ公演が終わってから観客と来ていた日活時代の知り合いである映画監督のKさん、そしてカウンターに今日は珍しく早く飲みに来ていた近所に住む若手女性監督のKさんと映画談義。今日は土曜日だし、12時には閉店する筈だったが、他にも高校の同級生で近所に住むMさん、今日で来店数トップに躍り出た夕刊FのUさん、教室の生徒さん5人と一緒に来てくれた脚本家のIちゃん、京都生まれで神楽坂在住のSちゃんなどで2時近くまで。部屋に帰って飯蛸を入れた鍋を作って食べだすが、眠気が優先。食べながらウトウトしてしまった眠気との闘いの一日。
☆年末は12月31日まで営業します(但し12/26~31までは12時で閉店)。新年は1月7日から営業予定。

2009・11・20

2009年11月21日 | Weblog
早い時間はイベントのお客さんだけで暇だったのに、襲い時間になってから数年ぶりに部下10人を引き連れて来店してくれた大手広告代理店HのFさんたち、映画監督のHさん、プログラマーのIさん、近所の制作会社の女性スタッフAさんたち、イチゲンのHさん、近所の会社の経営コンサルタントKさん、同じく近所のSさん、五年ぶりに来店してくれた音楽家のAさんたち、制作会社社長のSさんと女性脚本家のOさんたち、夕刊FのUさん、近所の高級ブティックの経営者Sさんたちで3時過ぎまで椅子が足らなくなる程の賑わい。この光景を見た人はきっとコレドは流行っている店と勘違いするに違いない。この間から始まった読書欲は、昨日からAタブッキの『黒い天使』を読み始めるものの、やっぱり難解で読み進めることが出来ず、今度も途中で断念。代わりに『失われた日本の美意識』(杉山鼎著・幻冬舎ルネッサンス新書)を読み出す。難しい内容なのに、この本の方が読みやすいのは何故か?食生活の方は第一食にチーズ入り特大パンバーグとマッシュポテト、ガーリックライスとサラダ、若布と畳鰯のコンソメスープなど。二食目は店で暇な時間にMは鶏の唐揚げ、俺はカキフライ。三食目は店が終わった後六本木に出て、牛すじ入り昆布うどん。昨日に引き続いてまぁまぁ満足の食生活と知的生活。
☆年末は12月31日まで営業します(但し12/26~31までは12時で閉店)。新年は1月7日から営業予定。