桃井章の待ち待ち日記

店に訪れる珍客、賓客、酔客…の人物描写を
桃井章の身辺雑記と共にアップします。

2005・10・30

2005年10月31日 | Weblog
起きてシャワーを浴びようとして、下着の替えがないのに気づいた。店のクロスの洗濯はしたけど、この二週間自分の洗濯をさぼっている。お米もないし、とりあえず買い物に行こうとして、靴下もない気づく。こうなれば洗濯を優先するしかない。新聞読みつつ、日記を書きつつ、掃除機をかけつつ、冷凍しておいたお米で簡単な食事をしつつ、洗濯に精を出す。二槽式の洗濯機なので、洗濯、脱水を繰り返す。そしてヒーターで強引に下着と靴下一組を乾燥させて、シャワー。生乾きの下着と靴下でやっと買い物に出かけることが出来た。六本木の街は着飾った若い男女で一杯。その中を生乾きの下着と靴下で歩くのは少々臆する。スーパーでお米を買うことは出来たが、ドンキホーテでも靴下を買うことは出来ない。早々に帰宅して買って来たいかの一夜乾しなどを口に運びながらの読書三昧。気づいたら外はもう夜になっていた。

2005・10・29

2005年10月30日 | Weblog
今日も二時から『Lchan Night』のリハ。トークなんてその日になれば大丈夫と云うLちゃんを説き伏せて喋らせてみる。最初はよかったものの、終わりになるにつれてトークが少なくなって歌と歌の間隔が短くなる。喋ることがないと云うLちゃんの前で、俺がLちゃんの気持になってどんなトークをするか実際に喋ってみる。ついつい女性言葉になってのお手本トーク15分。LちゃんもTちゃんも気持ち悪がって引いていた。そのまま6時半から『昔シミキンと云うプロデューサーがいた』と云う上映イベントの第四回目。今日は『ちょっとマイウェイ』のメインライターだったKさんが来てくれたが、参加者はKさんを入れて四人だけ。『ちょっと淋しすぎる』。バーの方は一昨日昨日とお客さんが少なく『ちょっと落ち込み』だったが、今日は土曜日にも関わらず、友人の結婚式帰りのD通のEさん、SミュージックのSさん、美人姉妹の姉Aさん、近所のHさん、S財団のAさんたち、マネージャーのMさん、妹のメイキャップアーティストのTさん、AN嬢、脚本家のFさんたち、イベントの下見に来たSさんたち、その他にもいちげんのお客さんが三組もあって、かなりの賑わい。結局、12時で閉店予定が2時まで。諦めかけていた今月の売上が今日で何とか大台に乗る可能性が出てきた。

2005・10・28

2005年10月29日 | Weblog
来週の水曜日、11月2日に行われる『Lchan Night』の通し稽古が始まった。この日記でお馴染みのスタッフのLちゃんが歌ってトークすると云うイベント。Lちゃんはプロじゃないし、エンタテイナーをめざしている訳じゃない。ただカラオケが好きで、お喋り好きの18歳の女の子にすぎない。そんな娘に石川セリから松田聖子まで8曲もの歌をうたわせ、一時間もトークをさせようと云うんだから無謀と言えば無謀だ。まぁ、お遊びなんだから、そう固いこと言わないでと云う甘えを、例え千円でも入場料を取ることで遮断し、それなりのイベントとして成立させなければならない。俺と演出を手伝うTちゃんが見守る中、リハ開始。二人に見られているだけで、Lちゃんは緊張気味に歌い続ける。そんなLちゃんの姿を見ている内、ふと俺は彼女と最初に出会った時のことを思い出していた。まだ16歳だったLちゃんが同じ妹のファンだったRさんに連れられて来た広尾最後の日。俺は彼女を紹介された時に何故かこの娘が新しい乃木坂の店でシェーカーを振るのではないかと直感で思ってしまった。本当に何の根拠もない、ただの妄想。ところが、色々な経緯がありつつも、それが現実になり、そしてこんなイベントをするまでになったこの二年間を不思議な感慨で思い返す。人生にifは意味ないけど、もしもRさんがLちゃんを連れてこなかったら……もしも俺が大阪のホテルで企画したイベントでRさんに名刺を渡さなかったら……そんなことを言い出したらキリがないけど、もしも俺が大阪のホテルの総支配人Yさんと知り合ってなかったら……もしも俺がYさんを紹介してくれたKさんと知り合ってなかったら……今、Lちゃんのリハーサルなんかやってなかったんだと思うと、人生のifをしみじみ感じてしまう。気づいたらLちゃんが『喝采』を歌っていた。♪いつものように幕が開き……ウチの店とは深い縁のちあきなおみさんの『喝采』の歌詞が俺の心に染み渡る。何とか『Lchan Night』を成功させたい。

2005・10・27

2005年10月28日 | Weblog
飲み屋なんだけど、イベントスペースを持った故に付随する仕事がどんどん増え続けている。今俺が飲み屋の仕事以外にしなくてはならないことを挙げてみると、一週間後に迫った『Lchan Night』の準備、金土に行われる『昔シミキンと云うプロデューサーがいた』と云う上映イベントの雑務、毎月第一月曜日に定期公演している『西沢利明ひとり芝居・白鳥の歌』の宣伝集客と来年からのフライアー、公演形態のプラン作成、提携公演している『誰?』や新たな劇団と連携しての月曜コレドシアターのトータルプラン作成、11月11日から行われる『リテイク2 幽霊を待っている 幽霊が待っている』の宣伝、来年の年間企画の打ち合わせ、第二回コレドショートフイルムフェスティバルの企画、文化庁への支援要請、演出を頼まれている来年三月に行われる芝居の打ち合わせ、俳優Kさんに依頼されている芝居の台本執筆……数えだしたら、もう頭の中がパンク。そこから逃げる様に店に出る。店に出てしまえばお客さんの相手して時が流れる。だったらいいんだけど、店に出たら出たで飲み屋の経営者の頭になって、カクテルグラスが足らないから買わなくちゃ、メニューを改訂しなくちゃ、清掃マニュアルを作らなくちゃ、イベントをやってない時のシアタースペースの活用化を考えなくちゃ、折角買った看板のデザインを依頼しなくちゃと次々にしなくてはならないことが浮かんで来て、そこからまた逃げる様に厨房に入って皿洗いをする。そこでも皿だけ洗っていればいいのに、レンジが汚れている、床が汚れている、防臭装置にゴミがたまっている、厨房との扉が壊れている、なんてしなくてはならないことに気づき続けて、もうヘトヘト。俺は何をしたらいいんだろ?誰か教えて下さい。

2005・10・26

2005年10月27日 | Weblog
最近常連になってくれた元D通のKさんはオトコよりオンナが好きと云うことで俺と趣味が一緒だ。現在はN女子大で教えたり、色々な会社のコンサルタントや講演などで忙しいのだが、その合間を縫って様々なタイプの女性と店に来てくれる。この間は雑誌社の女性編集者だったし、その前は女子大の教え子だったし、今日は今日でコンサルタントをしている会社の女性軍6人を引き連れて来店して、彼女たち全員に気を配りながら喋り続ける。連れてくるばかりじゃない。Kさんは店でも次々と女性客と親しくなる。こうして書くといかにもオンナを食い散らすプレーボーイみたいに聞こえるかも知れないけど、彼の凄さは女性に対するやさしさだ。この間は新人女優のSちゃんと意気投合し、彼女が北千住に住んでいると聞くと、俺は南千住だから送って行くと帰って行った。ところが、彼の家は横浜。何か悪巧みをしているんだったら分かるけど、Sちゃんに聞くと車の中で手も握らず送ってくれただけらしい。だって終電がなくなるまでつきあわせちゃったんだし、俺は逆方向だからってタクシー代を渡すなんてイキじゃないだろとKさん。うーん、それを聞いて俺は負けたと思った。男は須らくこうでなければならない。俺だったら……送っていかないだろう。折角捕まえた獲物を巣まで送り届けるなんて馬鹿なことはしない。例え送って行くことになっても何かアクションを起こしているだろう。俺と彼とでは同じ趣味でも上級者と初心者の違いがあるみたいだ。

2005・10・25

2005年10月26日 | Weblog
朝六時に帰って十一時に起きて、朝刊を読むより先にしたことは三日分さぼったこの日記を書くこと。慌ただしく過ごした三日間を思い返し思い返ししていたら結構時間を取ってしまった。久しぶりにゆっくり部屋で料理を作って食事。やっぱり自分が作った料理は最高。何しろ今の今食べたいものしか作らないからね。二時半に店に出て、目前に迫った『リテイク2・幽霊を待っている 幽霊が待っている』のリハをしていた辻沢杏子さんたちと少し話す。本当は朝からのリハにつきあいたいのだけど、今の俺には体力的にも時間的にも無理。でも、直前になったら作家として何とかして立ち会うつもり。辻沢さんたちを見送って四時からのドキュメンター映画『檻から逃れて』の上映の準備。昨日今日と約20人の観客。儲けにはならなかったが、お客さんにウチの施設のアピールが出来た効果は大きい。けど、そんなことより上映中俺の頭の中を占領していた悩みは冷蔵庫問題。一昨日から故障してしまって中の食材が全滅。今日修理に来て貰うことになっているけど、もしも修理不可能となったら大変なことになる。新しい冷蔵庫を買うのは簡単だけど、何しろ厨房の奥深くに備えつけ状態である為、撤去するにも搬入するにも大工事が必要だ。とても今のウチじゃ払えるとは思えない金額が必要となる。で、運命の修理業者が到着。二人がかりであーでもないこーでもないと一時間。結論は?……セーフ!製氷機能は修繕不能だけど、冷凍冷蔵機能は回復したと六千円の請求書。ホッと安堵して牛肉その他食材の買い物に走る。十万弱の冷蔵庫が店の運命を左右するなんて、クソッ!だ。カウンターのお客さんは試写会から残ったプロデューサーのYさんとTさんと作家で監督のKさんたち、AN嬢とそのオンナ友達、S財団のRさんとTさん、脚本家のKさんとその連れのG君、そして今日もホールの方には東京国際映画祭帰りのB庁のT部長が韓国の映画人十人を引き連れて来店。すき焼が合計10オーダー。二時閉店まで今日も俺は厨房で皿洗い。

2005・10・24

2005年10月25日 | Weblog
日曜月曜と日記をさぼってしまった。この一年、一日さぼったことはあったけど(それも翌日には二日分書いた)、二日間は初めてだ。何故こんなことになってしまったのか、この二日間(昨日も入れれば三日間)をドキュメント風に。
22日(土)11時起床。寝坊。シャワーを浴びて、珈琲を飲みながら日記を書く。何だかダラダラ書きすぎて気づいてみたら一時近く。慌てて釣り銭の用意(いつもはLちゃんがやってくれているのだが、土日と休み)。一時半に店へ。来る途中に買ったハンバーガーを食べながら今日の段取り。土曜日曜の二日間、第一回コレドショートフイムルフェスティバルが催される。二時前に来た実行委員のM君と打ち合わせ。Tちゃんが三時に来る前にトイレの掃除と買い物。三時観客入場。ドリンクはTちゃんに任せ、俺はフード担当。四時開幕。冒頭実行委員長として挨拶。以後、十時まで途中休憩を挟んで第一部と第二部で十二本の映画を上映。総入場者数、120人。休憩時間にフードの注文多数。120人分のワンドリンクの他に追加オーダー90近く。フェスティバルと平行して六時から普通営業も開始。建築事務所のMさん、Tちゃんの知り合いのFさん、東京国際映画祭帰りの映画評論家MさんとAさん、脚本家のSさん、SミュージックのSさん、十一時過ぎに韓国の映画監督Hさんを連れてB庁のT部長たち6人が来店し、ウチのフェスティバルの若手映画監督たちも混じって酒宴。二時過ぎ、一段落。Tちゃんを帰した後、フェスティバルを見に来てくれたJさん、Kさんと談。後片付けがまだ残っていたが、話が弾んで気がついてみたら四時近く。考えてみれば、朝からハンバーガー一つだけ。流石にお腹へ減ってJさんたちを誘って禁断のラーメン屋へ。五時過ぎ就寝。
23日(日)11時半起床。シャワーを浴びて日記を書こうと思っていたら、電話数件。後片付けがまだ残っていたことにも気づいて、釣り銭を作った後、1時前に慌てて店へ。後片付けをして買い物。昨日と同じに2時にM君。3時に観客入場。4時から上映開始。今日もまた一部二部合わせて12本の映画を上映。今日も又、120人近くの入場者。フードもドリンクも追加オーダーがかなり出る。十時閉幕。そのまま実行委員十数人とお疲れ会。今日は通常営業はしていなかったが、B庁のT部長が映画人数人と来店。フェスティバルの実行委員たちと交流。次回からの経済的支援を約束してくれる。2時過ぎ全員が帰って、Tちゃんと後片付け。二人共何も食べてなかったことに気づいて、近くの焼き肉屋へ。ホルモン、レバ刺しなど食う。四時過ぎ帰宅。酔ったこともあってそのままベッドへ直行。
24日(月)11時起床。お酒を抜く為に風呂にお湯を溜めて一時間近く入る。その後、銀行に入金するお金の計算。日記と同じで二日以上さぼると訳が分からなくなる。大阪に遊びに行って帰って来たLちゃんと待ち合わせて一緒に食事。銀行への入金振込、釣り銭作りを頼んで2時前に店へ。昨日から調子が悪かった冷蔵庫が完全に故障。食材が全滅していることに気づいて、業者に連絡するが、明日まで来れないと言われて諦める。3時に作家のOさんとプロデューサーのYさん来。会場設営をしてOさんが監督したドキュメンター映画『檻から逃れて』の上映。その間に食材の買い出し。上映会は6時終了。7時からSミュージック40人のパーティ。一時間の間に料理は用意出来ず、10時に終るまで作り続ける。後片付けをしながら今度は12時からの有名コピーライターIさんのパーティの準備。こっちも料理を沢山用意するように言われていたので作り続ける。お昼の人気司会者Tさんや宗教学者のNさんたち有名人も来ていたが、予定されていた人数より10人少なく21人。料理がやたらと余る。三時半終了。後片付けが終ったのが五時。大阪帰りでロクに眠ってないLちゃんはもう口を聞く元気もなく、俺は俺で十時間近くも厨房で料理を作って後片付けをしていたせいか、足がガクガクして歩けない。二つのパーティで汚れた10枚のクロスと荷物を抱えて、歩けば十五分の距離を二人でタクシー。帰宅後、たまった新聞をパラパラとめくっている内に居眠り。長い三日間が終る。

2005・10・21

2005年10月22日 | Weblog
『昔シミキンと云うプロデューサーがいた』の二回目。妹主演の幻のドラマ『ちょっとマイウェイ』を連続上映。DVD化を求める運動がおきていると聞いていたのだけど、妹のフアンの出足が悪い。まァ、シミキンこと清水欣也さんを追悼する上映会だし、別にアテにしていた訳ではないんだけど、ちょっとアテが外れる。本当の意味でシミキンを追悼する為に来てくれたのは、当時日本テレビで一緒に仕事をしていたOプロデューサーとYディレクター。お二人共、スクリーンに映されるドラマを見ながらシミキンと過ごした数十年前を思い出していたようだ。まぁ、それだけでもやった価値があったと思う。上映が終った後は、いつものバーと云うか、居酒屋模様。法律事務所勤務のNさん、化粧品会社取締役のMちゃん、コメディアンのBちゃん、N女子大のYちゃんたち四人組、マネージャーのMさん、劇作家のTさん、建築事務所のMさんたちがカウンターに、ホールの方に中古車ディーラーのSさんたち、近所のHさんたち。ウチの店のオムライスフアンの出版社のMさんの宣伝もあって、今日は何故かオムライスのオーダーが多い。他にも料理のオーダーが続いて、最後のお客さんの広尾時代のWさん、近所のMちゃんたちがLちゃんと話している間に、俺は厨房に山積みになった汚れた食器の洗い物に一時間。閉店後、さすがに息抜きしたくなって、Lちゃんと近所のバー。こんな落ち着いたバーにいると、さっきまでのウチの店の喧騒が別世界の様に思える。明日は『第一回コレドショートフイムルフェスティバル』、下手をすると百人以上の人々が集まりそう。しばし戦士の休息だ。

2005・10・20

2005年10月21日 | Weblog
機械オンチだ。昔からそうだったけど、年をとってその傾向はますます激しくなる。パソコンだってワープロとして使う以外は、この日記を書いて送信するするのが精一杯。葉書印刷や画像を取り込んだ印刷物を作ろうなんて最初から拒否してしまう。それ故、目前に近づいた『LchanNight』の案内葉書も業者に発注してしまった。今日は今日で、店のホームページに送られてきた予約のメールが転送されて来たのだけど、その人に返信するのに一時間以上もかかってしまった。携帯電話も悩む。今日も大阪から来てくれたTさんにメールアドレスを聞かれたのだけど、自分のメールアドレスを出すのに一苦労。店が終った後も、Lちゃんにトイレの悪臭を何とかして下さいと言われる。何とかするのは簡単。今年の春、50万円もかけて設置した防臭装置にバクテリア除去溶液を入れればいいんだから。でもね、二回聞いたんだけど、その入れ方を忘れてしまったんだ。業者に電話して来て貰わなくちゃね。俺が機械オンチじゃなければそんな必要もないんだけど。ホント車の免許を取らなくてよかった。今頃絶対事故ってる。

2005・10・19

2005年10月20日 | Weblog
ウチのシアターに出演した後、客としてウチの店を訪れる俳優は今までに一人いたか二人いたか?劇場だと思っていたら、その後飲みに来たり食べにきたりしたいと思わなくても当然かも知れない。でも、九月初旬に行われた『アブレボ』の場合は例外だ。今日のAちゃんで三人目。みな、突然オムライスが食べたくなってと店を訪れてくれる。確かにウチのオムライスは、美味しい。Tちゃんが作るようになってから一段と美味しくなったと評判だ。近所の出版社のMさんも来る度に食べてくれる。でも、だからと云って、わざわざ遠くから、それも控室もなく、着替えする場所にも困った、あまりいい思い出もないウチの店へ来てくれるなんて、ウチのオムライスはそれほどのものじゃないと恐縮してしまう。でも、素直に喜ぶ。嬉しくなった俺は、この間来たNちゃんや今日来たAちゃんにはちょうど居合わせたプロデューサーや演出家を紹介。オムライスが取り持つ縁で、彼女たちに幸運が訪れるといいんだけど。