桃井章の待ち待ち日記

店に訪れる珍客、賓客、酔客…の人物描写を
桃井章の身辺雑記と共にアップします。

2006・5・30

2006年05月31日 | Weblog
いよいよ今日明日と『erogance春』の公演。直前になって構成を変えたりしたけど、直前のリハはうまくいったし、お客さんも当日になって予想もしなかった人もきてくれたりして、会場は満員。補助席をだす盛況で、このまま本番がうまくいけば云うことなしだった。そこに気の弛みがあったのかも知れない。こばやしあきこの朗読はうまくいったのに、桜が散らないことに焦った俺が映像と音響操作を間違えてしまったのだ。後で聞くと客席で見ていて俺のパニックぶりは相当なものだったらしい。それを見ているのが面白かったと言われて、こばやしにも悪い気になるし、かなり落ち込む。でも、済んでしまったことは仕方ない。飲んで忘れることにする。店は遅い時間までイベントのお客さんたちが残り、それ以外にも広告代理店H堂のNさんたち、今年W大を卒業して漸く就職が決まったと報告にきてくれたYちゃん、美人脚本家NさんとNテレビの演出家Yさんたちで四時近くまで賑わう。五時帰宅。さすがに精神的にも肉体的にもダウン直前。そのままベッドへ直行。

2006・5・29

2006年05月30日 | Weblog
夕べ帰って寝たのが5時近くだったけど、今日は午前中しかシアタースペースが使えないので9時起きで10時には店へ。夕べ桜の花びらと降りてきてくれた神様の指示通り「erogance春」を最初から通してみる。神様は偉大だった。細部を除いて殆どイメージ通りのステージが作れる様な気がして来る。12時半、今日の公演、劇団ギルドのスタッフとバトンタッチして、午後の時間は女優Kとクライマックスの盛り上げ方の議論。部屋に戻って予約者リストや当日配る公演資料を作ったりして六時に再び店へ。A氏プロデュースで行う予定の六月末のイベントに出演してくれることになった元ワハハ本舗の女優Wさんと元劇団四季の俳優Kさんに企画の説明。テレビで見るとバカなことばかりやっているような気がするWさんは、デリケートで繊細。反対に二枚目っぽいKさんは何処か三枚目的。俳優ってホントにイメージと逆だ。そのまま一緒に飲んでいる内に、女友達のSが英語の個人授業の先生Yさんと一緒に来店。英国人と日本人のハーフのYさんはとびきりの美女の癖してギャグばかり連発するお茶目な人。俳優だけじゃなく一般人もイメージと逆と云うケースか?その後、制作会社のプロデューサーMが脚本家のHさんたちと、同じく常連の脚本家Hが弟子のN君と、更に遅い時間に大手広告代理店H堂からD通へトラバーユしたMが同僚たちと来てくれたりして、三時半まで。明日の公演のことで色々やることがあったのだけど、寝不足も手伝って完全にグロッキー。四時過ぎ帰宅、カップラーメンを食べて寝る。
★30日(火)と31日(水)午後八時(会場七時)から
桃井章プロデュースの『erogance春』の公演があります。
源氏物語と現代の小説(赤坂真理の『ミューズ』)をこばやしあきこと云う
語り部の体を借りてエロチックにドッキングさせたものです。
両日共まだ席の余裕がありますので、是非ご来場下さい。

2006・5・28

2006年05月30日 | Weblog
お昼から二日後に迫った『erogance春』のリハ。前半は何とか出来たけど、「ミューズ」を朗読する後半が決まらない。開店時間までに二度、店が始まってからも途中休憩をはさみながら(カウンターには俳優事務所のAさんと広尾の雑貨店のKさんがきていたので雑談で気分転換して)閉店時間までに二度。俺も演出家としての自分の不甲斐なさにイライラして疲れて来るが、女優Aも喉がおかしくなって来る。それでも今日中に確信をもてるところまで行かないと、明日はスペースが他の公演で午前中しか使えないので、自信がないまま本番当日を迎えることになってしまう。それだけは避けたい。何とか試行錯誤して4時まで。最後舞台で使う桜の花びらに誘われて神様が降りてきてくれた。

2006・5・27

2006年05月28日 | Weblog
朝10時から三日後に迫った『erogance春』の映像素材の調整とリハ。大問題が起きたのだけど、マイナスにはマイナスを掛け合わせてプラスにしてやろうと思う。デリバリーされた食事をした後、2時から今度は7月に公演予定の『ハナミズキの有る家』のリハ。一日の内に二本の演出作品のリハをするなんて、お前は何様なんだと笑ってしまう。5時、来月ライブをやるKさんと打合せして一旦部屋へ。仮眠した後、日記と『erogance春』で使う台詞を書いて9時前に再び店へ。雨の土曜日と云うこともあってか、お客さんはU君を除いてSミュージックのIさん、近所の会社の一団、設計事務所のM君とMさんと近所のお客さんばかり。12時半にLちゃんが帰った後、4時過ぎまで一人『erogance春』の映像素材を見ながら構成を練る。マイナスにはマイナスをかけろ、かけろと呪文みたいに呟くが、ストレスからか歯が浮いた上に痛風の発作が起きて足の指が痛い。

2006・5・26

2006年05月27日 | Weblog
客の一人であるK監督に怒りが沸いた。今日K監督に頼まれて10時から店を映画の撮影に貸すことになっていたのだが、俺に黙ってスタッフのLちゃんとTちゃんにエキストラとしての出演を依頼していたことが昨日分かったので、二人に確かめたところ、お客さんの頼みだし、ギャラもくれると云うので承諾したと云う。ところが、映画は映画でもピンク映画だ。それも客の相手をするキャバクラ嬢の役だ。二人はそれを聞かされてなかったみたいで、びっくりしていた。俺はロマンポルノのライターだったし、親戚っぽいピンク映画を一概に悪いとはいわないし、云う資格もないが、素人にエキストラを頼むんだったら、どんな映画なのか云うべきだ。二人は一度承諾した以上、出演すると云うので、担当者に決して彼女たちの顔を映さないと云う条件を強く確認して許可した。ところが、今日撮影現場を覗いてみたら、顔を堂々映している。約束違反じゃないかと抗議しようとしたが、二人が承諾しているなら、俺の出る幕じゃないので黙っていた。けど、約束した時間外に階段の上にある掲示ケースに張られたキャバクラ嬢の写真にLちゃんとTちゃんの顔があるのを見つけて、キレタ。ピンク映画とはいえ、どんな人が見るか分からない。そこにキャバクラ嬢として娘や姉の顔があるのを知ったら、後でどんなトラブルが起こるか分からない。おまけにこの写真についてはどんな風に使うか説明せずに二人は撮影されたらしい。許せないと思った。映画だからって何をやっていいとでも思っているのか!?トラブルが起きたらどう責任を取るつもりなんだ!?怒鳴るだけ怒鳴った。顔が分かるような編集をしたら上映差し止めの内容証明を送るぞと脅した。担当者は顔を絶対ださないように約束すると言って立ち去ったが、多分使うだろう。予算のないピンク映画だし、可愛い女の子が映っている折角のカットをNGにする訳がない。K監督、でも、その時は本当に内容証明送って上映差し止めの訴訟を起こすぞ。それから彼女たちにギャラを払え!そんなことも忘れるなんて、一体どうなっているんだ!?あんたたちって!

2006・5・25

2006年05月26日 | Weblog
『Lちゃんナイト』のリハが都合により中止になって、久しぶりに店へ出るまでの時間が空く。レバーの塩焼き、たたみいわし、冷や奴のギバサ(東北の名産)のせ、納豆、白菜漬けのごま油炒め、玉子焼き、クレソンの味噌汁などで、これまた久しぶりにちゃんとした食事する(いやァ、この数日間の食事のひどさ!思い返すだけで嫌になる!)風呂にもお湯を貯めてのんびり入る。その間に洗濯もする。掃除機もかける。実に人間的な生活。もっと人間的だったのは、眠ったこと。一時間とか三十分、電話がかかって来るまでは寝ていた。体が休息を欲していたのだろう。人間、休める時には休まないと。本当は九時頃まで寝ていたかったのに、六時過ぎに元Nテレビの演出家のYさんたちがきたとの連絡を受けて店へ。しばらくして長老脚本家のSさんがシナリオ学校の生徒さんたちと、更に制作会社のプロデューサーKさんが女優のKさんや同僚プロデューサーと来店し、カウンターは久しぶりに満杯。それだけでもホッとしたのに、評論家のKさんが教え子40人を連れて来店。店はパニックになる。他にもS姉妹、Fさん、南アフリカから休暇帰国中のYさんが元部下のHちゃんと、大阪在住の女性プロデューサーTさんと大手音楽版権会社のTさんなどなど。久しぶりに賑わいを呈したコレドだった。

2006・5・24

2006年05月25日 | Weblog
夕べ寝ようとしていたら、Sから電話。男に追いかけられているので匿ってとの切迫した声。いいけどと電話を切った数分後、パタパタと云う走る靴音と共にYが部屋に飛び込んで来る。事情を聞くと、西麻布で飲んだ帰りに道ですれ違った中年男に声を掛けられて一緒に飲むことになったのだけど、口説いて来たので逃げ出してきた云々。そりゃそうでしょ?深夜の街を酔っぱらってフラフラ歩いている若くて可愛い女の子を誘ってついてくれば、男が何とかデキルと思うのは当然でしょ?スリルを味わいたかったのかどうか知らないけど、追っかけてきた男の方に同情してしまう。いつか危険な目に会うからそんなことはもうしない方がいいぞなんて年寄りぶってお説教していたら、いつの間にかSはソファで寝息を立てている。仕方なくタオルケットをかけてやる。ウチは交番か?朝、Sを送り出して寝不足の頭で給料計算をした後、12時に店へ。女優Kと『erogance春』のリハ。効果音を含めた音取りに時間を食う。4時に一旦部屋に戻って映像の編集作業と小道具の発注。外は激しい雨と雷雨。今日のイベント『二つのバンドネオン』の集客を心配するが、案の定店へ出てみたら観客は僅か五人。Oさんたち演奏者たちに同情すると同時に、主催者だけじゃなく、店としての集客システムを少しでも確立しなくていけないと反省する。カウンターの方も演出家のSちゃんと近所のKさんたちだけ。12時には店に誰もいなくなり、Lちゃんは一人カラオケ。俺はイベントで使う桜の降らし方を研究して二時まで。

2006・5・23

2006年05月24日 | Weblog
この処バタバタしていて、店のテーブルクロスの洗濯をさぼっていたので、起きると同時に洗濯機を廻し、脱水を終えるとストーブで乾かすと云う作業を続ける。その間にシャワーを浴びて(本当なら湯船でのんびりしたかったが、時間の余裕がない)表に出たら、着替えがないことに気づいて、今度は慌てて下着と靴下とTシャツの洗濯。『erogance春』のリハを三十分遅らせて、何とか下着と靴下とTシャツを乾かして出かける。生乾きの下着をつけてエロチシズムとエレガンスを合体させる舞台を作ろうとしている人間の滑稽さ。夜は俺も企画に参加し、下北沢のレディジェーンのOさんがプロデュースする『ふたつのバンドネオン』と云うイベント。二日にわたり、別の奏者がバンドネオンを奏でる。予約が殆どなく、開場時間になってもお客さんがパラパラしかいなかったので、どうなるかと思ったけど、開演時間になると続々訪れて、ゆったりと作った客席はホボ満員。おかげで客の一人として好きなバンドネオンの世界に浸ろうとしていたのに、PA席から覗き見、盗み聞きすることになってしまった。それでも聞こえて来るバンドネオンの音色を堪能。Oさんをけしかけてプロデュースして貰って本当によかったと思う。それにしても昨日今日と一般のお客さんは低調。月末が近づいているのにちょっとやばい。

2006・5・22

2006年05月23日 | Weblog
夕べは疲れて二時にはダウンしてしまったので、今日は七時起き。日記を書いたりした後、『Lちゃんナイト』の台本の残り。十一時に何とかエンドマークをつけて近所のハンバーガー屋で待ち合わせた女優Kと打合せを兼ねて食事した後、お昼から『erogance春』のリハーサル。公演まで後一週間しかないのに、まだやることは一杯ある。入場料は取るけど、俺は演出家としては素人。こんな素人っぽいことやるなんて恥ずかしいなんて思わず、「素人魂」で、いいと思うことは構わずやっていくことにする。六時から銀座教会へ。二年前に死んだ父の幼なじみで、父の葬儀の際には色々お世話になったU牧師の通夜(告別前夜の祈り)に参列。終了後、知人と近くの店で食事した後、本当だったら礼服を部屋で着替えて店に行くつもりだったのだけど、少し酔っぱらっていたのと、どうせ週明けで店は暇だろうと、そのままの格好で店へ。内心は店が混雑していて礼服が汚れる程料理を作ることになったら困ると少し恐れ?と期待?していたのだけど、カウンターにはエステシャンのMちゃんとヘアメイクのNちゃんたち、カメラマンのYさん、某国営放送局のSさんの五人だけ。その人たちも十二時前には引き上げてしまって、その後は誰一人訪れず。礼服が汚れる機会は全くなし。二時過ぎ、礼服姿で六本木から西麻布まで昨日買った新しいママチャリを漕いで帰る。きっとすれ違った人は俺の姿を奇異に思ったに違いない。

2006・5・21

2006年05月22日 | Weblog
土曜日の夕方からお店にも出ないで丸一日部屋に閉じ籠もって『Lちゃんナイト』でやる芝居の台本を書いていた。その間食べたものはコンビニの稲荷寿司、カップうどん、生卵かけご飯……たったそれだけ。外に出て何か食べたり、作ったりすると集中力がなくなってしまうし、実際あまり食欲が起きない。眠ったのもソファでウタタネしただけ。起きてる時間はあーでもないこうでもないと考え続けた。そして、その結果は……書けない。最後がどうしても決まらない。結局エンドマークが打てないまま六時前に店へ。店へ入る前に近所を歩いてみる。数日前から仕入れに使っていたカゴ付きのママチャリが行方不明なのだ。あんなもん、盗んだって仕方ないし、例え盗んだとしても近所に返してあるのじゃないかと思って探してみたのだけど、ない。仕方なく諦める。ネットなんかで安い自転車を買うことも考えたが、明日から仕入れにいるし、届くのを待っていられない。Tちゃんにドンキホー手まで行って買ってきてもらうことにする。9時前今年W大を卒業したYちゃんが来るまでの間、台本のラストを考える。ふと、なくなった自転車のことをモチーフにしようと思い出す。そして最後、脇役に見えたLちゃんが主役になると云う展開が閃き、これでいけるのではないかと思い出す。お客さんはYちゃんの他は広尾の雑貨店店主のKさんだけ。一緒に飲んでいる内にラストが決まって安心したからか睡眠不足からか瞼が自然とくっつきだす。一時過ぎ、もっと飲みたそうなKさんを強引にラーメンに誘って店を出る。昼過ぎに生卵かけご飯を食べた後がラーメン。台本の最後はみえたけど、その犠牲になった食生活については自己嫌悪もいいところだ。