プロメテウスの政治経済コラム

プロメテウスは人間存在について深く洞察し、最高神ゼウスに逆らってまで人間に生きる知恵と技能を授けました。

NHKの「自主・自律」が試される右翼攻撃   歴史教育の間隙を衝く反動攻撃

2009-06-14 18:41:03 | 政治経済
5月18日のサンケイ新聞の桜チャンネルを窓口にした右翼の一面全面の意見広告には、驚いた。「NHKの大罪」と銘打った広告は、4月5日放送のNHKプロジェクトJAPANの番組、「ジャパンデビュー 第1回『アジアの一等国』」を激しく攻撃する。多方面からの番組批判は自由だが、この意見広告は批判を通りこして、脅しに近い。放送の自主自律、表現の自由を守る立場に真っ向から挑むものである。これらの右翼集団について . . . 本文を読む

景気は底を打ったか 家計を犠牲にしたままの「上方修正」 麻生政権の景気対策の特徴

2009-06-13 20:31:17 | 政治経済
総選挙を控えて、政府・与党は「景気底打ち」宣言にやっきである。麻生首相は選挙目当ての15兆円バラマキ補正予算について、「景気の底割れを防いで、かつ、その内容は生活者支援」だと一生懸命アピールしている。15兆円も財政資金を投入するのだから、景気に何がしかの効果はあるだろう。しかし、財界要求丸呑み・省庁要求丸呑みだけのなんの理念もない補正予算は、まったくのピント外れである。雇用と家計の犠牲の上に、大企 . . . 本文を読む

西川郵政社長進退問題  鳩山総務相事実上の更迭  金融権力が支配する倒錯した社会

2009-06-12 20:51:50 | 政治経済
日本郵政の西川善文社長の進退問題について、西川氏続投に反対する考えを重ねて表明していた鳩山邦夫総務相が、事実上更迭された。西川氏は、日本郵政の社長就任前にも、三井住友銀行の頭取として、取引先の中小企業の弱みにつけこみ、金融商品を買わせて損害を与えていた、「今日の得は僕のもの、明日の損は君のもの」[神谷 秀樹(みたに・ひでき)氏]という強欲金融資本家の代表であり、「社長にふさわしくない」人物であった . . . 本文を読む

温室効果ガス削減目標 90年比8%減 野心的な削減目標かどうかは国際社会が判断するだろう

2009-06-11 18:40:21 | 政治経済
「まだ残っている日本とロシアが今、数字を出すことが重要だ」―とデ・ブア国連気候変動枠組み条約事務局長からハッパをかけられていた日本政府がやっと数値目標を発表した。世界の注目が集まる中で麻生首相が発表したのが、「8%(05年比15%)」。昨年6月に福田前首相が示していた「05年比14%(90年比7%)」とほぼ同じ。+1%で野心的な決断と思う麻生のバカボンにたいしては、国際社会がしかるべき評価をくだす . . . 本文を読む

「派遣切り」 労働局の是正指導20件を超す  新しい労働運動の芽生えへの期待

2009-06-10 21:12:01 | 政治経済
無法な「派遣切り」に泣き寝入りせず、立ち上がった労働者のたたかいが、共産党議員の国会での追求とあいまって、企業と行政を動かしている。労働局による是正指導・助言は20件を突破しており、直接雇用や正社員化を勝ち取るケースが相次いでいる。派遣切りなどに抗して昨年12月から新たに結成された労働組合は、全労連傘下だけで百数十にたっしている。これまでの正社員中心の企業別労働組合の限界を超えるものとして、新しい . . . 本文を読む

オバマ外交 前向きなチェンジを世界の歴史的変化につなげるのは世界の人民運動

2009-06-09 20:12:47 | 政治経済
「核兵器のない世界」の追求を述べたオバマ米大統領のプラハ演説(4月5日)に続き、世界の大きな歴史的変化を印象付けるニュースが、先週相次いで報じられた。一つは、6月4日のカイロでのオバマ演説であり、もう一つは、6月3日の米州機構(OAS)でのキューバ復帰決議である。オバマ外交には、「中身のある大きな政策変更はない」、「信じられるのは言葉でなく行動」という評価もあるが、世界を動かすのは、世界の人民の運 . . . 本文を読む

自民・民主だけの国会でいいか  支配階級による政治支配と選挙 国家の階級的性格

2009-06-08 16:48:12 | 政治経済
衆議院の比例代表議席数を狙い撃ちにした、議員定数削減の動きが総選挙マニフェストをめぐって、自民、民主の両党から相次いでいる。自民党は古賀誠選挙対策委員長や菅義偉同副委員長らが50人程度の定数削減を次の総選挙政策に盛り込むよう主張し、民主党は鳩山由紀夫氏が先の代表選挙で、比例定数80削減を公約した。支配階級の狙いは、国会は自民党と民主党だけでいいということだ。 国家は歴史的に、氏族社会の原始共同体が . . . 本文を読む

天安門事件から20年  各国によって違う開発独裁の政治システム カギをにぎるのは市民運動

2009-06-06 21:40:35 | 政治経済
1989年6月4日の(第二次)天安門事件(六四事件)から今年で20年を迎える。平和的な学生・市民の集会に対し、軍隊が突如として襲いかかり、流血の弾圧をしたのだから、世界が「民主主義への挑戦」、野蛮な「人権弾圧」として非難したのは当然であった。ただ、私たちが気をつけなければならないのは、各国の政治経済社会の歴史には、それぞれの国の独特の長い経過があり、自分たちの尺度を機械的にあてはめて批判することは . . . 本文を読む

足利事件の菅家さん釈放 「間違ったではすまない」日本の冤罪を生み出す刑事司法システム

2009-06-05 19:20:29 | 政治経済
90年に栃木県足利市で女児が殺害された事件で無期懲役が確定し、千葉刑務所で服役していた菅家利和(すがや・としかず)さん(62)が4日午後、釈放された。一審の宇都宮地裁で近々再審が開かれると、反論の余地のない検察側がついに諦め、刑の執行を停止した。91年12月の逮捕・勾留以来17年半にわたって身柄を拘束されていた菅家さんは、釈放後、千葉市内のホテルで記者会見した。「真犯人にされ、ずっと我慢してきたが . . . 本文を読む

改憲派、憲法審査会始動にやっき ソマリア沖で進む海外派兵の実践訓練

2009-06-04 20:56:53 | 政治経済
自民党改憲派が憲法審査会の始動にやっきとなっている。総選挙を控えて、自民党の誘いに乗るまいと必死で堪えている民主党を尻目に憲法審査会始動に必要な審査会規程案を11日にも衆院で採決する動きを見せている。改憲派の策動は、安倍元首相があまりにも功をあせって改憲手続き法案を単独強行可決した頃から目論見が狂いだした。2007年5月以降、改憲案要綱の討議を進めるはずだった審査会は、その委員の構成や議事運営の規 . . . 本文を読む

宇宙基本計画決定 宇宙開発を軍事分野に拡大するのではなく、日米衛星調達合意の廃棄こそを!

2009-06-03 17:15:35 | 政治経済
自民・公明の与党と民主党がわずか4時間の審議時間で「宇宙基本法」を強行可決して1年。政府の宇宙開発戦略本部(本部長・麻生太郎首相)は2日、初めての宇宙基本計画を正式に決定した。これまで「非軍事」を原則にしてきた日本の宇宙政策を180度転換し、宇宙空間を軍拡に利用するもので、アメリカ的ミニ軍産複合体を目指すものである。日米軍事同盟の侵略的強化政策に歩調を合わせながら、日米軍需産業の宇宙での大儲けを保 . . . 本文を読む

GM倒産「国有化」 ひたすら国家資金をつぎ込むオバマ政権 再びバブルやスタグフレーションの懸念も

2009-06-02 21:18:40 | 政治経済
米国いや世界資本主義の象徴だった米自動車最大手、ゼネラル・モーターズ(GM)が、経営破綻した。自動車大手3社(ビッグスリー)のうち、すでにクライスラーが4月末に破産法11条の適用申請をしており、ビッグスリー2社が破綻に追い込まれるという異常事態である。それにしても何故、アメリカ資本主義は大恐慌とはならないのか。オバマ政権がドル紙幣を刷りまくり、ひたすら国家資金をつぎ込んで支えているからである。管理 . . . 本文を読む

 和歌山毒物カレー事件判決への疑問

2009-06-01 21:01:35 | 政治経済
裁判員制度がとうとうスタートした。秋ぐらいから最初の裁判員が、各地の地裁判決に動員され始めるのだろう。そんななか、最高裁が和歌山毒物カレー事件・林眞須美被告の上告を棄却、死刑が確定した。私は正直に言うと、裁判員制度の問題点は何かを調べ始めるまで、この事件は、林眞須美が犯人ということで、何の疑問も持っていなかった。しかし、冤罪が当たり前のように横行する日本の刑事司法制度の行き詰まりを司法民主化の美名 . . . 本文を読む