プロメテウスの政治経済コラム

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二階派側の不起訴は「不当」 検察審査会が議決 小沢側も二階側も罪は同じ

2009-06-17 22:08:49 | 政治経済
西松建設のダミーとされる政治団体が二階俊博経済産業相の派閥の政治団体からパーティー券を購入していた問題で、東京第3検察審査会は17日、不起訴処分とされた政治団体「新しい波」の当時の会計責任者、泉信也参院議員らを「不起訴不当」と議決した(「日経」2009年6月17日14:00)。政治資金オンブズマン(大阪市)の阪口徳雄弁護士ら36人が6月4日、「起訴相当」の議決を求めて東京の検察審査会に不服申し立てをしていた。「『3500万円もらった人を起訴したから868万円もらった人は勘弁してやれ』と、他の国会議員にワイロを配ったことの真相を闇に葬るということ。市民感覚からして到底理解できない」(阪口弁護士)。小沢氏の秘書の逮捕が不適切なのではなく、二階側を見逃すことが不適切なのだ。

西松建設のダミー団体の「新政治問題研究会」「未来産業研究会」は2004―06年にかけて二階氏が代表の政治団体「新しい波」の政治資金パーティーで868万円のパーティー券を購入。また西松建設は、5万円以下の寄付は公表する義務がないことを悪用し、二階氏が代表をつとめる自民党和歌山県第三選挙区支部に06年、07年でそれぞれ約60人が5万円ずつ寄付したように装い、合計600万円を献金していた。また、二階氏の政治団体「関西新風会」をめぐっては、事務所のマンション選定や購入にいたるまで、西松がかかわったとされる疑惑についてもなんら解明されていない。
西松建設の献金と知りながら他人名義で受け取り、政治資金収支報告書に虚偽の記載をした政治団体と政党支部の各役員、会計責任者らの罪は、小沢側も二階側も全く同じである。
東京地検は、西松建設にパーティー券の購入をもちかけたのは二階議員の秘書だったという事実をつかんでいながら、「嫌疑不十分」不起訴とした


自民党も民主党も、「新政治問題研究会」、「未来産業研究会」の実体が西松であることは、百も承知である。例えば、自民党の政治資金団体「国民政治協会」や自民党東京都参議院比例区第十一支部(藤野公孝前参院議員が支部長)は、「新政治問題研究会」からもらった献金を新政治問題研究会の住所である「東京都千代田区平河町」ではなく、西松建設本社所在地の「東京都港区虎ノ門1の20の10」と記載して平気な顔していた。誤魔化すなら、もっとまじめにやれと言いたいぐらいである。
民主党の小沢一郎代表の資金管理団体「陸山会」も似たようなものだ。「陸山会」の政治資金収支報告書で、西松建設の二つのダミー政治団体、「新政治問題研究会」と「未来産業研究会」)の代表を間違えて報告するような杜撰さである。

二階氏は現職の大臣である。政治的・道義的責任に照らしても、疑惑の究明と責任の明確化は免れない
西松建設のダミー団体の発足当時(1995年)から献金を受けとってきた問題について、「どういう政治団体と認識していたのか」という共産党の井上哲士議員の質問に対する二階経済産業相の答弁がこれまた、人を馬鹿にしたようで振るっている(3月27日の参院予算委員会)。
「当時の担当の者が、浄財をお願いして寄付していただいた」と二階氏側から献金要請をしたことを認めながら、どんな団体か知らずに要請したと言い張るのだ。06年、07年毎年、5万円以下の個人献金300万円をピタッと貰っていることについては、西松でないならどこの誰かと聞くと、入金記録や帳簿があるにもかかわらず「明らかにする資料は持ち合わせていない」と開き直る。二階氏の関連政治団体「関西新風会」の事務所(大阪市西区)を西松の関連会社である「オーエーエンジニアリング」から賃借りし、その家賃300万円を西松から補填してもらったものなのだ

小沢側も二階側も罪は同じなのに、現職大臣の方をうやむやにする「検察捜査」のいい加減さが許されるわけがない。検察がやらないのならと、大阪市の阪口弁護士、上脇博之神戸学院大学教授らが立ち上がった。検察が検察審査会の議決を無視するようなら、「不公正な国家権力の行使」と批判されても仕方ないだろう。幸い、今年5月21日から、改正検察審査会法が施行されたので、検察が無視すれば、再度起訴相当の議決をすれば、裁判所が指定した弁護士が被疑者を起訴できる。西松事件が、どうのように公正に裁かれるか、私たちが監視を怠らないことだ。


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