自民党総裁選で福田康夫元官房長官が掲げた政権公約の基本理念「自立と共生」について、民主党の小沢代表が9月18日の記者会見で、「ずっと昔から僕が使っていた言葉を何かおっしゃっているみたいに感じた」と皮肉った。小沢氏が1993年、自民党を離党して結成した新生党の理念が「自立と共生」だった(「朝日」09月19日01時28分)。首相就任が決まった福田氏と、政権奪取をうかがう小沢氏の奇妙な一致は、何を意味するのか。「自立と共生」イデオロギーは、現代先進資本主義国を広く席捲している反福祉国家イデオロギーとしての新自由主義と固く結びついたスローガンである。小沢氏は記者団から、福田氏の基本理念と重なっている理由を聞かれると、「わからないね。どうしたんでしょうかって本人に聞いてみて」と答えた。 これはウソである。小沢氏は新自由主義構造改革の草分け的存在なのだから、その意味を十分承知している。
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