自民党の総裁選は事前の予想通り、福田康夫氏の勝利に終わった。かつて自民党には、岸信介首相が「六〇年安保」で倒れたあとの池田勇人首相、田中角栄首相が金権で倒れたあとの三木武夫首相というふうに、政権延命のために多少の路線の見直しがあった。しかし、グローバル市場で資本の蓄積に狂奔する多国籍企業には、自国の国民経済の維持に対する関心はまったくない。日米支配層の政治的代理人である自民党は、「構造改革」と「軍事大国化」という二大課題の推進を止めることはできない。福田は、小泉、安倍とは多少個性の違いがあるかもしれないが、基本的に小泉―安倍の「構造改革」路線、「軍事大国化」路線を「継続」せざるをえない。これらの路線は、貧困と格差を拡大し、平和を願う国民との間で階級的利害の対立を激化させるから、福田政権もやがて行き詰まるのは必至である。衆院の解散・総選挙に追い込み、自公政治に代わる新しい政治を探求していくことがますます求められることになる。
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