とりあえず一所懸命

鉄道の旅や季節の花、古い街並みなどを紹介するブログに変更しました。今までの映画や障害児教育にも触れられたらと思います。

たったひとことが聞きたかった

2006-05-31 23:02:35 | 障害児教育
 いつもの朝の出来事です。いつも登校してくると我先に家庭からの連絡帳を提出し、それに日刊で出している学級通信を入れます。その写真入りの学級通信を子どもたちは大変楽しみにしています。
 レオくんはいつものように最前列に陣取って、「カバンを下ろしてください」と声をかけます。それを聞いて瀬川先生がカバンを取って、レオくんに渡しました。「違う!」というので車いすの横に下ろしました。レオくんは、連絡帳を取り出して渡してくれて、他の荷物も整理して渡してくれるものと思っていたのが、違ったので「キー!」となっています。瀬川先生は病休の代替で月曜日から教室に入ったばかりなので勝手がわかりません。

 レオくんは、「僕の言った“カバンを取ってください”の意味はそれをすべて含んでいるのになぜわからない!」と、怒っています。
 そこで、連絡帳を取り出してレオくんに手渡しました。それでも怒りは収まらず、その連絡帳を手で横にはたいたので、「わかりました。連絡帳はいらないのですね。ドリーマー(学級通信)もいらないのですね」と堅い口調で言って、連絡帳をカバンにしまいました。レオくんが泣き顔を見せましたが、無視して他の子どもたちの連絡帳を見ながら、書いてある文章で簡単な話もしながらてきぱきとドリーマーを入れていきました。

 しばらく(それほど時間はたっていない)すると、レオくんから「Dylan先生」と声がかかりました。「はい、何でしょう?」と聞くと「Dylan先生、ごめん!」と言いました。香川先生と顔を見合わせてびっくりしました。こんなことは今までありませんでした。

 こちらから和解を求めていくことはあっても、レオくんの口から自然に「ごめん!」は聞いたことがありません。気持ちの切り替えが苦手なレオくんだけにびっくりです。

 悪いことした時に「ごめんなさいは?」「○○ちゃんに謝りなさい」という指導は学校でもよく聞くのですが、こういった形でため口ではあっても、すっと謝られると、「この一言を聞くために教師やってきたんだー!」と思えます。

 時々だけど、こんな場面があるから、しんどい職場でも頑張られるのかな?

 ちょっとしてから「レオくん、トイレ行った?」と聞きました。「まだー!」との返事。「今日プールあるから、早めに行っておいて!」ということで、瀬川先生と一緒に行くことになりました。そこでお節介のワンポイントアドバイスをしました。「トイレで紙おむつを布おむつに替えてください…」そこに居合わせた里中先生に「布おむつ?布パンツです!」とつっこまれてしまいました。「布おむつって何言ってるんでしょ!」と子どもたちに向かって笑っていたら、それを聞いていたたらちゃんが「かにおむつ?」と聞いてきました。「かにおむつなら、はさまれて痛いでしょう!」と朝一番の大笑いをしました。


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1 コメント

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かにおむつ (タムタム)
2006-06-01 00:02:37
dylanさん毎回笑わせてくれますねー。かにおむつ事件はかなりイケてますよ。
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