とりあえず一所懸命

鉄道の旅や季節の花、古い街並みなどを紹介するブログに変更しました。今までの映画や障害児教育にも触れられたらと思います。

等身大の自分で考えよう

2006-05-28 22:24:26 | 障害児教育
先日ある集会で、奇妙な感覚を味わいました。学校の先生たちばかりの集会だったのですが、そこで教育基本法の改正法案のことが話題になりました。現行の教育基本法を変える必要はないことは自明の理なのですが、そこで発言をしている人たちの声を聞いていると、異口同音に「教育基本法を変えると、戦争をする国になってしまうから…」とか、「愛国心云々は戦前の道への回帰…」などが言われていました。確かに大筋のところではつながっているんだろうけど、そんなスローガン的な理解でいいの?と思いたくなりました。もう少し、法律の性格や、実際に書いてあるものを自分の頭で読んでから発言をした方がいいんじゃないの?とひねくれた聞き方をしてしまいました。

 子どもたちは、教科書に書かれたことを記憶することに追われて、それを教える教師の側も教科書的なものを求めて、その解説マニュアルを通して理解しようとするそんな傾向が多いのではないでしょうか。

 アメリカ最初の女性連邦議会議員でジャネット・ランキンという人がいます。1941年パールハーバーをやられたアメリカが日本に宣戦布告するかどうかという投票の時、私は女だから投票に行かない。しかし、誰であれ戦場に送ることには同意できないという演説をして、上院・下院を通じてただ一人反対をしたそうです。非国民扱いを受け、大変な非難を受けますが、後にこれこそ、アメリカの自由と民主主義を体現した生き方だと徐々に認められ、今ではワシントンの議会議事堂に銅像が建っているそうです。『非戦の人 ジャネット・ランキン』より

 これこそ、主体的にものごとをとらえて、行動することの重要性、「あなたの頭であなた自身が考えなさい」という当たり前のことを示しているのではないかと思っています。

 もちろん、一人では何もできません。でも、一人ひとりが深いところで命や人権、人格について自分のこと、自分の子どものこと、何を守りたいのか、何を失いたくないのかを自分の頭で語っていかないと、いろんな人の耳には届かないのではないかと思います。

 最近、絵本の読み聞かせをしているグループが多くなっているそうです。でも、ある出版社がその人たちに、最近読んだ本で感動した本は何かアンケートをとったら、ほとんどの人が何もないと答えたそうです。本を読んで感動しない人(本を読んでいない人)が子どもに読み聞かせをしているわけです。

 自分の中をくぐった感覚、自分のことばで語らずに、一足とびに「いのちを守れ!」「平和を守れ!」の運動ではやっぱり多くの人には響かないと思います。よくわからない。どっちかわからない。そんな人たちに響かせたいものです。
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4 コメント

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情報 (Y)
2006-05-29 21:40:43
 情報には、ベクトルがあって、その情報元の意図がそこには介在するものではないでしょうか?また、真の情報元がどんな存在なのか?によってまた、意図の取り方に多様性が出てくるものではないのでしょうか?教育基本法、憲法に関する情勢の中で、時の権力者の本当の意図は何なのか?

凡人の私にははかりかねるものがあります。って逃げちゃだめなんでしょうね・・・
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そのときの思い (のんびり倶楽部)
2006-05-29 21:45:59
たとえば憲法改正について考えると、ぼくは戦争を終えたときに憲法を歓迎した人たちの思いに共感することが大事だと思うんです。そうした感じはDylanさんと同じなのかなあ。でも、結局訴えるときはスローガン的になってしまうんですよね。

最近、歌がたくさんできて、「戦争が役に立ったかい」という曲ができました。いま言ったような思いで作った曲です。いつか聞いてほしいな。
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うーん (KUMA2904)
2006-05-29 22:43:46
のんびり倶楽部さんへ

ちょっと違うかな、DYLANさんの言いたいことは、自分の実感を言葉で表現する力なんじゃないかな。自分が何を求めているのか、そのために何が必要なのか、その必要から語ることなんじゃなかろうか

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生活のひだひだ (Dylan)
2006-05-29 23:34:40
みなさんのコメントは興味深く読まさせてもらいました。今回の文章は、もう少し批判されるかもしれないと思っていました。

宮本百合子さんのことばで、思想というものは生活のひだひだに出てくるものでないと本物にはならないというようなことばがあります。借り物のスローガンではなく、自分の生活から、自分の興味から、自分の生き方からにじみ出してくるようなことばで語り合いたいと思っています。
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