ルイガノ旅日記

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中国料理 耕治

2022年06月14日 | 食べ歩き
吉村芳生の超絶リアルな鉛筆画を観たあとは、井筒屋8階「中国料理 耕治」でランチを……。耕治の本店は小倉魚町の鳥町食道街にあるのですが、井筒屋やクエスト書店の駐車場を使えるので、こちらの方に足が向いてしまいます (^-^)ゞ
写真は、井筒屋本館と新館の連絡通路からの眺めです。手前には市街を南北に流れる紫川。正面の橋の愛称は「鷗外橋」。明治の文豪 森鴎外が、旧陸軍12師団軍医部長として小倉に赴任したことに因んで名付けられました。中央の膨らんだ部分には、淀井敏夫の彫刻『鷗』が置かれています。鴎外橋を渡ると、緑に囲まれた小倉城庭園。その先に唐造り五層の小倉城。右端には、市立美術館分館が入るリバーウォーク北九州がチラリと見えています。


耕治井筒屋店。白と黒を基調とした、シンプルながら落ち着いた雰囲気です。


テーブル席を主体に、カウンター数席と個室があります。以前も紹介したことがありますが、壁に飾られた「こ」「う」「じ」の文字は、この店の創業者 平野耕治と親交のあった永六輔さん、加藤武さん、小沢昭一さんが書いたもの。皆さん、すでに故人となっていらっしゃいます。
生涯にわたって初代と親交が深かった著名人と言えば、推理作家の松本清張氏。耕治の「ふかひれラーメン」をこよなく愛していた清張は、作家志望でもあった耕治に文章指南もしていたというエピソードが残されています。


耕治の人気メニューのひとつ、中華そば。味わい深い醤油ベースのラーメンで、「支那そば」と呼んだ方がぴったりくるような風情があります。


透明感のあるスープに細麺。これ目当てで足繁く通う人も多いそうです。「足繁く」は通えませんが、私もこの中華そばのファンの一人です (^-^)ゞ


井筒屋店のランチセットは、ハーフサイズの中華そば、黒酢仕立ての酢豚、エビチリ、棒棒鶏にご飯。この日のデザートは杏仁豆腐でした。


🍀

北九州の台所と言われる旦過市場の火事から、もうじき2ヵ月が経ちます。すでに市場側の通行規制は解除されていますが、発火元となった新旦過横丁には、まだがれきが散乱しているそうです。(写真は火事から6日後の南側入口付近。発生現場から少し離れたこの辺りは被害は少なかったようです)


市場の真ん中あたりにある「たちばな」も健在のようで安心しました。




サバやこんにゃく、タケノコのぬか炊きをおみやげに……。


早速この日の晩酌のお供になりました。


被災した旦過市場の復興を目指すクラウドファンディングでは、5千万円を超える寄付が集まったそうです。旦過市場に対する北九州市民の愛着が感じられますね。新旦過横丁付近のがれき撤去が課題となっており、そのための費用が4千万円と見積もられていましたが、この寄付金を基に早ければ来週にも撤去に向けた作業が開始されるそうです。100年を越えて市民に親しまれてきた旦過市場が復興に向けての第一歩となることを期待しています。

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10 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
松本清張 (tango)
2022-06-14 18:47:57
テレビをあまり見ないのですが、清張さんのリメイクのドラマだけはよく見ました。
文章の組み立て方が面白くて好きです。
井筒屋の渡り廊下からの景色はいいですね。あの隣の岸川で時たまお友達と
食事をしていました。
私はまだまだ井筒屋には立ち寄っていません。
もう3か月になるでしょうか・・・
本格的に活動するにはもう少し時間が
かかります。会社の事務所にやっと出かけるようになりました・・・
明日からお中元の開始と言われているので
そろそろお出かけ~~~しようかな!
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re:松本清張 (Duke)
2022-06-14 21:06:03
tangoさん、こんばんは。
推理作家とかいう既成の枠組みやジャンルを超えた人だったような気がします。
論理の組み立てが緻密で、伏線が巧みに仕組まれていますよね。
清張記念館には何度も行きました。
tangoさんも以前、連絡通路からの写真をアップしていらっしゃいましたね。
井筒屋さんは馴染みでよく行かれていたのだと思います。
もう3ヶ月になるのですね。
私も久しぶりでしたが、結構人は多いように感じました。
ご快復は近いと思いますので、今は無理せず療養なさってくださいね。
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Unknown (tsubone)
2022-06-14 23:30:30
美味しいもの満載のDukeさんの記事ですが、こちらの中華はおいしさが立ち上ってくる気がします。

あと、気になったのは 色紙です。
加藤武さん、ジムでご一緒していました。お仕事の合間に、トレーニングやスタジオプログラムにもよく参加されておられました。
新聞に載ったり徹子の部屋に出演されたあとに
「見ましたよ~」なんてお声がけすると、にっこり笑って気さくにお話してくださる方でした。
亡くなったのも、実は運動後なんですよ。
まさにピンピンコロリ。もっと活躍されて欲しかったけど、ご立派な最期で尊敬しています

彼と親交がおありだった先代の耕治さんも素敵な方だったのだと想像してしまいました。
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Unknown (azm)
2022-06-15 06:17:48
おはようございます。
そうそうたる昭和の顔ぶれが通っていらしたんですね。
松本清張は「砂の器」を映画で観て、原作も読んでとても衝撃的だったことを覚えいます。
本屋さんで昭和の作家さんのコーナーが少なくなっているのは寂しいですね。
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Unknown (GRI)
2022-06-15 08:57:36
昔ながらの中華そば・・・ 大好きです! ってか、こういうラーメンは東日本主体で、北九州では珍しいんじゃないでしょうか。
ランチ、あれこれ定番メニューがちょこっとずつ食べられて良いですね (^^)b
旦過市場の家事から2カ月ですか・・・ 真っ先にたちばながどうなったかな~と気になってましたが、健在で何よりです。
早く完全復興すると良いですね~ (^^)/
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Unknown (Duke)
2022-06-15 09:49:29
tsuboneさん、おはようございます。
戦前の浅草に、川端康成をはじめとする文士や役者さんたちに愛され繁盛していた「おく山萬盛庵」という、江戸中期創業の老舗蕎麦屋がありました。
萬盛庵は戦火で焼失し一家は離散しましたが、末っ子の平野耕治さんが小倉に開業したのが「耕治」でした。
東京風の中華そばを小倉に根付かせたいという思いで始めたとのことで、今でこそ広く中華料理を提供する耕治ですが、その原点は中華そばにあったということですから美味しいわけですよね。

加藤武さんとはそんな繋がりがおありだったのですか。
マスコミでの印象どおり気さくな方だったのですね。
戦国武将役や金田一耕助シリーズはよく記憶に残っています。
今ネットで調べてみたら、スポーツジムのサウナで倒れられたとのこと…。
名優でもあり文士でもいらっしゃった加藤さん、最期まで飄々として潔い方だったのですね。
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Unknown (Duke)
2022-06-15 10:00:33
azmさん、おはようございます。
創業者の平野耕治さんは、浅草にあった老舗蕎麦屋の末裔で、一家離散した戦後、小倉で東京風の支那そば屋を始めたのだそうです。
作家志望という一面もあって、商売の傍ら「提灯記事」という季刊誌を発行しておられ、それを通じて永六輔さんや加藤武さん、小沢昭一さんらと親交が深まったのだそうです。
耕治さんの招きで、永六輔さんたちは小倉で何度も講演会を開いていたそうです。
やはり、文筆が繋いだ縁だったのかもしれませんね。
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Unknown (Duke)
2022-06-15 10:10:59
GRIさん、おはようございます。
昔ながらの中華そば、私も好きです。
ご推察どおり、耕治の中華そばは東京発祥です。
前のコメントにも書きましたが、創業者の平野耕治さんは、浅草の歴史ある蕎麦屋の末裔なんですよ。
この店のランチは、ときどき内容が変わります。
酢豚やエビチリの代わりに焼き飯とシュウマイだったりしてそれぞれ楽しめます。

火事の火元は、旦過市場の裏手にある新旦過横丁という飲み屋街なんです。
この辺り、土地と建物の所有者と使用者が異なっているなど、複雑な事情も抱えているようです。
いい品物を扱う店が多い市場なので、順調に復興が進んでほしいと思います。
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井筒屋 (hirorin)
2022-06-15 20:24:07
井筒屋ってデパートなんですよね?
以前に北九州の方からの贈答品が井筒屋でした。
そちらに阪急出来たけれど、あまり人が入ってないって聞いたことあります。
やっぱり親近感ないんでしょうね。

たちばなって、お魚のぬか漬け屋さんですか?
色々なお魚があっておいしそう。
昔ながらの市場があるのは、やっぱりいいことだと思います。

私の辺でも市場が廃れてしまって、大手スーパーやモールばっかりなんですよ。
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re:井筒屋 (Duke)
2022-07-12 22:15:40
hirorinさん、こんばんは。
コメントを戴いていたのに気づかず、大変申し訳ありません。

井筒屋は、今では北九州唯一のデパートなんです。
北九州市と山口県で店舗展開していますが、なかなかデパート業界の現状は厳しいみたいですね。
阪急は博多駅にオープンして、もう10年を越えたでしょうか。
博多に出かけた時には、帰りによく立ち寄りますが、人が少ないという印象はありませんでした。
もしそうだとしたら、ちょっと心配ですね〜。

「たちばな」は、イワシやサバのぬか漬けといった郷土料理のお店です。
ほかにも、卵やこんにゃく、タケノコなどいろいろありますよ。
旦過市場って、そんなローカルな品物を扱うお店が多い、地域密着型のこじんまりとした市場(というより「商店街」)なんですよね。
こちらでも、古くからある小さな商店街は少なくなっています。
大きなショッピングモールは、便利かもしれませんが、地域ならではの温かさや息づかいは感じられないようにも思えます。
こんなこと言うようになったのは、歳をとった証拠ですね(笑)
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