Creator's Blog,record of the Designer's thinking

フィールドワークの映像、ドローイングとマーケティング手法を用いた小説、エッセイで、撮り、描き、書いてます。

横濱2. 旧居留地

2008年09月12日 | Yokohama city
 横濱に港が開かれ、そして街が形成されてきたのは、江戸末期~明治期なので、歴史は浅い。だが当時の居留地に建てられていた洋館の幾つかが、今でも保存され公共施設として利用されている。何れも小さな民家であるが、エキゾチックで開放的な往事のテイストが感じられる。そんな海を間近にした異国性と開放性は、今の横濱の個性の一つであって欲しい。
 街づくりの仕事をしてきて思うのは、個性化という視点を加味した整備を目指しても、結果として街の個性が減じたことは否めない。スタバもあり、TSUTAYAやローソンもあるといった具合に、私達が欲する生活利便性を求め、全国的流通構造を導入すれば、現代のどの都市開発も、整備が進むほど類似性は高くなる。こうした全国展開している流通構造を内包した開発整備に重きをおくこと事態が、街を非個性化の方向へ進めてゆくのである。街の個性を喪失させているのは、実は私達自身の利便性追求やライフスタイルなのである。
 例えば横濱人と関西人とが会話をしていて、話題が通じなかったら大変でしょう。インターネットがさらに全国的画一化を進めてゆく。日本の何処にいても、会話になりうる商品が購入できる。そういうことを私達のライフスタイルが求めているのである。そして点のような小さな個性を、マスメディアがクローズアップしたところに、擬似的な街の個性が漂っているように思われる。
 個性化をめざしながら非個性的な都市が、数多く出現してきた現実、それが現代都市の内実である。
 
横濱、ブラフ18番館にて
Canon EOS Kiss Digatal,EF F1.8/50mm
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