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Pro1(2本目)

2010-06-01 00:42:29 | Dano Guitars
たまたまebayを見ていたらPro1が出品されていた。オークション終了も近いというのに安値のままだったが、私の持っているPro1よりもきれいな状態だったので、安く手に入れることができるならと思い入札したら落札できてしまったのだった。こうして2本目となるPro1を手に入れたというわけ。画像右側が今回手に入れたもの。

Dano PROを初めて見たとき、これはエレクトリック・ギター史上最もキュートなギターであると思った。その頃はダンエレクトロの歴史などほとんど知らなかったから、これはダンエレクトロらしさを残しながらも、現代的に、かつ大胆にデザインされた全く新しいギターだと思っていたのだった。

ところがネットでダンエレクトロのことをあれこれ調べていくと、Dano PROと同じシェイプでありながら、ボディがブラウンで、ヘッドの形も違っているものを発見した。これは何だと引き続き調べていくと、Pro1という、60年代に生産されたものであることがわかった。つまり、Dano PROは60年代に生産されたPro1のリイシューであったというわけだ。

このような斬新なデザインのギターをすでに60年代に生み出したダンエレクトロとは一体どんなギターメーカーであったのか。これを機に私はダンエレクトロに強い関心を抱くようになった。

ちょうどそうしたタイミングで私はオリジナルのPro1を運良く手に入れることができたのだが、リイシューとはまた一味違うオリジナルダンエレクトロのサウンドに触れ、気がつけばダンエレクトロ・ジャンキーとしてこのようなブログを立ち上げることになったという次第。

そんなわけで、私にとってPro1はダンエレクトロのギターの中でも特別な存在となっている。直線的できわめてシンプルなデザインはダンエレクトロのイズムの結晶であると思う。
ピックガードにすべて取りつけられた電装系もいたってシンプル。



しかし、実用的な側面から見れば問題がないわけではない。実質14フレットまでしか使えないというのはまあいいとしても、金属を折り曲げただけのブリッジはオクターヴの調整ができないため、そのままではチューニングが合わない。このためPro1はスライド専用ギターとして使用されることが多い。ブリッジの位置決めをやり直して新たに取りつければいいのだろうが、穴を開けなおさないといけないので、私はとりあえず、ナット溝を削ったり、ブリッジが弦の張力でネック側に引っぱられないようにネジ穴を埋めたりして、ずれを10セント以内にまで追い詰めた。

今回私が手に入れたものはブリッジが加工されていたが、弦高を低くすることを目的とした加工のようで、オクターヴのずれはさらに深刻化しており、6弦の12フレットでは40セントずれている。そんなわけで、2本のうち1本をフルオリで残し、1本はブリッジを改造してもいいかと思っている。ジム・ウィーダーがやっているように、弦を裏通しにし、テレキャスターのブリッジプレートを短く切り詰めたものを載せてみるのもいいかもしれない。

Double Neck 3923

2010-03-24 00:43:24 | Dano Guitars
オリジナルダンエレクトロのダブルネックは6弦のギターとショートスケールの4弦ベースの組み合わせです。これは1958年から1966年まで生産されました。

  

ボディシェイプはショートホーンでコッパーバーストに塗装されています。ショートホーンのベースがそうであったように、ダブルネックでもベースのフレット数は15フレットまでしかありません。



ピックアップはギター、ベースそれぞれ1個ずつで、1Vol、1Toneが割り当てられています。トグルスイッチは3段階の切換で下に倒すとベース、上に向けるとギター、真ん中にすると両方を同時に鳴らすことができるようになっていますが、これは要するに2ピックアップを搭載したギターと同じ仕組みというわけです。

裏を見るとキャビティカバーがステンレスになっていますが、中を開けると電装部分を銅箔で包む、例のTOTALLY SHIELDEDが施されています。

ギターとベースのダブルネックはダンエレクトロ以外でも、例えばリッケンバッカーにもあるので、それなりにニーズがあったのだろうと思いますが、ライブのパフォーマンスとしてギタリストとベーシストがそれぞれダブルネックを持って役割を交換しながら演奏する(チャーとルイズルイス加部がやったみたいに)というのは面白い使い方だとは思うものの、そうでもなければあえてダブルネックである必要はなかったのでは、という気もします。タッピングの達人であれば左手でベースラインを弾きながら右手でコードや単音を弾くみたいな感じで演奏できるのかもしれませんが。

復活後のダンエレクトロでは普通の6弦に12弦やバリトン、それとロングスケールの4弦ベースをそれぞれ組み合わせたダブルネックがあり、やはりショートホーンボディですが、オリジナルと同じショートスケールの4弦ベースと組み合わせたダブルネックはありません。
また、ジェリー・ジョーンズにはロングホーンシェイプのダブルネックがありました。

そんなこんなで、私は実のところ、このダブルネックを持っていたいとはそれほど思っていませんでしたが、状態の良いものが出てきたので思わず購入してしまいました。これから弾いてみるうちに、何か面白いアイデアが浮かぶと良いなと思っています。

Convertible 5015

2010-02-09 21:06:19 | Dano Guitars
今まで何度か入札しつつもハナ差で競り負けていたコンヴァーチブルをこの次はモア・ベターとばかりに落札することができました。

コンヴァーチブルは1959年から1969年まで生産されました。ショートホーンにアコースティックギターのようにサウンドホールを空け、そこにリップスティック・ピックアップを1個マウントしています。ピックアップを取り外せば、そのままアコースティック・ギターになるというわけで、コンヴァーチブルという名前もそういうところから来たのだろうと思います。最初から電装系を取りつけていない5005というモデルもあります。

1967年にヘッドがそれまでのコークボトルタイプのものからインラインヘッドと呼ばれるものに変わり、ボディのカラーもブロンドからブルーやレッドになりました。

このギターのトップはやはりメゾナイトなんですが、家具調の化粧板のようなものが貼られています。おそらくそのような部材が大量に手に入ったのでそのまま使ったのだろうと思われます。同様の材が使用されたショートホーンのスタンダードモデルやスタンダードとコンヴァーチブルの合いの子のようなコンパニオンと呼ばれるモデルもあり、それらの型番は5025となっています。



一見するとボディの縁にブラウンのバインディングが施されているようですが、そうではなく、面取りをして地が出ているだけです。



コンヴァーチブルは他のモデルと異なり、アルミのテールピースと木製のブリッジが特徴ですが、これがいろいろと厄介な問題を引き起こすわけです。画像を見ていただくとブリッジがずれていますが、ブリッジを貫通しているネジ3本を足としてボディに乗っかっているだけなので、ジャカジャカとストロークしていると知らぬ間に動いていたりするのです。テイルピースもボディトップにネジ止めされているだけなので、頼りなげな感じで、こうした構造上の問題ゆえ、チューニングが狂いやすかったり、弦の震動がボディにうまく伝わらなかったり、といったことがあります。音はペンペンした感じで、これをショボイとするか、味ととらえるかは好みの分かれるところでしょう。そんなわけで、ブリッジを普通のフルアコのようなタイプに改造されているものも多いようです。

アンプを通すとやはりハウリングもしやすいので、決して扱いやすいギターではないのですが、そういう困ったところもかわいく思えてくるようなギターです。

Silvertone 1304

2009-12-27 15:57:08 | Dano Guitars


シルヴァートーンの1304は1958年のWish Bookという、シアーズのクリスマスギフト用のカタログにしか掲載されていないことからWish Book Modelと呼ばれています。

ボディは通常のUシリーズと同じですが、ネックが18フレットまでしかなく、全長は1フレット分くらい短くなっています。ボディカラーはブラウンにゴールドスパークルが施されており、地味なのか派手なのかよくわからない感じです。



Uシリーズでは1ピックアップのモデルの場合、ネック寄りにピックアップを取りつけ、トーンスイッチを搭載していましたが、1304ではピックアップを真ん中にし、トーンスイッチを省略しています。で、ボディサイドにあったジャックをボディトップに持ってきています。そんなわけで、画像を見ていただくとノブの位置がずれているのがわかると思います。



もう一つ、ネックとボディのジョイント部に大きな違いが見られます。1304のほうが浅いのです。そのため、2点止めのボルトジョイントになっています。

Coral Longhorn L2N6

2009-12-13 20:22:35 | Dano Guitars
コーラルのロングホーンが手に入りました。
このギターは先月の記事「手に入らなかったもの」に書いたものだったのですが、どういうめぐり合わせか私のところにやってきました。このギターは以前から欲しいと思っていたものなのでとても嬉しいです。

コーラルはネイサン・ダニエルがダンエレクトロをMCAに売却したあとに立ち上げたブランドです。ヴィンセント・ベルと共同開発したエレクトリック・シタールやホーネットといったモデルのほか、ハコモノをいくつか出しています。これらハコモノボディは日本のカワイから供給されたものであったことは、これまでも折にふれ書いてきました。

今回入手できたのはコーラルのロングホーンのL2N6、つまり2ピックアップの6弦モデルです。ロングホーンシェイプはダンエレクトロを代表するものですが、コーラルブランドでも引き継がれ、ホロウボディ、アーチド・トップのハコモノロングホーンとして1967年から1969年まで生産されました。私が手に入れたものはシリアルナンバーからすると1968年のモデルのようです。



上から順に見ていくと、まずヘッド。これはその形から5ポイントヘッドと呼ばれています。接ぎヘッドでハカランダでできています。
ナットはアルミニウムではなくブラスが使用されています。
指板はハカランダで23フレットあります。



コントロール部はピックアップそれぞれに1Vol、1Toneが割り当てられ、加えてマスターヴォリュームがあります。



ボディのバックはメイプルでトラモクが入っています。
さすがにハコモノだけあって、生音も大きいですし、音の箱鳴り感もいい感じです。運命のいたずらとでもいったような感じで手に入ったギターですので大事にしたいと思います。


Shorthorn 3612

2009-08-29 20:40:30 | Dano Guitars
ダンエレクトロのショートホーンシリーズにも6弦ベースがあります。それがこの3612です。現在はバリトンギターと呼ばれるものですが、当時はあくまでも6弦ベースなので、あえてバリトンギターとは呼びません。



このモデルは以前紹介した4弦ベースの3412と同じ仕様です。ペグはスケートキー、1ピックアップ、ボディカラーはブロンズフィニッシュ。ネックに15フレットまでしかないところも一緒です。6弦か4弦かの違いだけです。

ですが、私が手に入れた3612は通常とは違う仕様になっているところが一つだけあります。それはピックアップを固定する仕方です。



通常、ショートホーンの3000番台はピックアップをボディの裏からネジで止め、高さもそのネジで調整しますが、私の3612はボディの表からネジで止めてあります。ショートホーンの4000番台のようにピックアップをピックガードに吊るすモデルもありますが、私の3612は片方はピックガードに、もう片方はボディにネジ止めされているという、見たことのない仕様になっています。何か問題があるというわけではないのでいいのですが。

このギターにはアーニーボールのバリトンセットを張ってみました。ダダリオのバリトン用よりは少し太めでしたが、やはり通常のギターの1オクターブ下にチューニングすると高音弦がダルダルになってしまいます。なのでAチューニングにしました。

緑のU-1

2009-08-24 19:47:51 | Dano Guitars
Uシェイプのギターはシルヴァートーンの1317を持っていますが、やはりダンエレクトロのロゴの入ったコークボトルヘッドで、Dのイニシャルとラインの入ったピックガードのついたものが欲しかったのです。さらにカスタムカラーであればなおさらです。

ダンエレクトロのUシリーズにはブラックのほか10色ほどのカラーヴァリエーションがありました。オリジナルのダンエレクトロのシリーズでこれほどのカラーヴァリエーションがあるのはUシリーズだけで、他のシリーズはほとんどブラックかブロンズです。今回私が入手したのはグリーンです。色の感じはエナメルっぽいツヤがあります。

これは1ピックアップのU-1で、本来はフェンダーのエスクワイアのようなトーンスイッチの回路が備わっているのですが、前のオーナーが配線をいじって効かなくなっています。

シルヴァートーンと比べると、ヘッドの形がダンエレクトロはコークボトル、シルヴァートーンはクォーターベルと違いがありますし、コントロールノブの形状も違っています。シルヴァートーンはカップのような形ですが、ダンエレクトロのほうは、平べったく、ポイントの尖った部分があるものになっています。加えてダンエレクトロのほうはボディカラーがグリーンということで、サイドテープがイエローになっています。

  

DEAD ON 58 Longhorn

2009-08-15 16:18:15 | Dano Guitars
ダンエレクトロの2009年モデルが7月の下旬に発売され、私のところにも届きました。新年早々にアナウンスされてから、このブログでも新しい情報が得られた段階で記事にしてきましたが、予想通り、5月、6月、7月と発売日が何度か延期され、ようやくといった感じです。

2009年のコンセプトはDEAD ONということで、オリジナルに忠実にということでしたが、もちろんオリジナルそのものではありません。しかし、外観は全体的に赤味がかっているものの、かなりオリジナルに近い感じになっています。
58というのはロングホーンモデルがつくられた1958年ということです。
ロングホーンはダンエレクトロの代表的なモデルとして1958年から1966年まで製造されました。その後もコーラルブランドからセミアコタイプのロングホーンがつくられました。ここのところロングホーンベースが演奏されている動画を集めてきましたが、それもこれも今回の記事の前フリということだったわけです。

これから、オリジナルのロングホーンと比べながら、違っているところを見ていきたいと思います。



上から順に、まずヘッドから。
ヘッドは両者ともにコークボトルですが、オリジナルと比較するとDEAD ONは幅そのものはそれほど違いはないのですがくびれのラインがゆるやかになっています。

ペグはクルーソンタイプのものになっていますが、オリジナルはペグボタンが金属なのに対して、DEAD ONは白いプラスチックになっています。白いプラスチックのペグボタンはオープンバックのペグの場合で、Uシリーズやショートホーンでは使われていますが、オリジナルのロングホーンでは実は採用されていません。

  

次はネックです。
TOTALLY SHIELDEDと印字されたロッドカバーがついていますが、オリジナルはこの場所にステッカーが貼られていたわけです。オリジナルのネックにはトラスロッドではなく、スチールバーが2本入っていて、これは調整できませんでした。DEAD ONには現在の一般的なギターと同様、アジャスタブルなトラスロッドがネックに入っています。フレットはどちらも24フレットです。

ネックとボディのジョイント部にも違いがあります。
オリジナルはネジが直線状に、あるいは逆三角形を形成するように並ぶ3点止めでしたが、DEAD ONでは4点止めになっています。オリジナルには4点止めのモデルはありませんので、4点止めはリイシューの大きな特徴です。

 

ボディを見てみます。
DEAD ONでは、ボディの側面に貼られたテープが他のリイシューとは異なり、オリジナルに近い、浅くエンボス加工されたものになっています。そしてコントロールノブ。DEAD ONではオリジナルでも珍しいポインタノブが採用されました。オリジナルは木製、DEAD ONではプラスチックと、素材こそ違いますが、これを採用したことで外観の魅力はかなりアップしたといえます。
ブリッジやピックアップは2007年モデルから採用されているつや消し仕上げのものですが、ローズウッドサドルが復活しました。

今回一緒に写したオリジナルの6弦ベースは初期型なのでピックアップの位置やピックガードの形状、ボディ裏のキャビティカバーなどが違っていますが、DEAD ONは後期型の仕様を忠実に再現しています。

このように、若干の相違はあるものの、さすが本家のリイシューといった感じで、つくりもしっかりしています。このモデルは今のところ日本での販売は未定のようです。

Long Horn 4123 Guitarlin

2009-06-20 00:09:08 | Dano Guitars

かねてから念願のヴィンテージ・ギターリンを入手することができました。ギターリンについての概要的な記述は以前リイシューを紹介したときにしてありますので、今回はヴィンテージとリイシューの比較をしてみたいと思います。



まず、ボディですが、同じ2ピックアップではありながらも、ヴィンテージにはピックアップの切換スイッチがなく、リイシューにはあるという違いがあり、またブリッジがヴィンテージはローズウッドサドル、リイシューは6WAYの金属サドルという違いもあります。




次にヘッドですが、ともにコークボトルヘッドとなっていますが、ヴィンテージはマッチングヘッドでリイシューはナチュラルです。裏を見るとヴィンテージにはクルーソンのペグが取りつけられていて、リイシューはゴトーのロトマチックタイプのペグが取りつけられています。



ヘッド角もヴィンテージはほとんど角度がつけられていないのに対し、リイシューはヘッド角がつけられています。

このギターリンはコンディションがあまりよくないのですが、ヴィンテージのギターリンがなかなか出回らないため、今回思い切って手に入れることにしました。もとよりフルオリジナルではないので、ペグやポットなど思い切って交換してもいいかと思っています。

Short Horn 3412

2009-04-19 20:02:57 | Dano Guitars
ショートホーンの4弦ベースです。
現行ダンエレクトロには生産中止になったDC-BASSがあって、それはショートホーンにロングスケールでしたが、この3412はショートスケールというわけではありませんが、ネックを切り詰めてギターと同じくらいの大きさにしています。そのせいで15フレットまでしかありません。今はベースといえどもハイポジションを使いますので、この3412だとかなり使い道が限定されるでしょう。

コークボトルヘッドにチューナー部はスケートキー、ネックは15フレットまで。ボディはブロンズ塗装。1ピックアップでコントロールは1VOL、1TONE、トーンスイッチが採用されています。ブリッジはボディぎりぎりのところに取りつけられています。ピックガードはショートホーンモデルでは一般的なSealシェイプです。

2009年モデルのロングホーンが待ちきれなくて手に入れてしまいました。