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COOL CAT!V2 CF-2

2010-02-01 20:25:27 | Dano Effects
先月に日本でも発売されたCOOL CAT!シリーズV2のファズCF-2です。
V2については以前にもここで何度か書いていますが、以前のCF-1と今回のCF-2の違いについて改めて書いておきます。
まず、トーンコントロールがそれまでのtone1段からtreble/bassの2段になりました。そしてこれはV2に共通しているところでもありますが、電池を入れるところにスイッチなどが増設されました。CF-2の場合はInput Sensitivityというトリムがあり、また3つのDIPスイッチがあります。



Input Sensitivityは弱く弾けばクリーンに、強く弾けば激しく歪むというような、ピッキングによるニュアンスを好みにより調節できるというものです。
3つのDIPスイッチは
1は赤LEDのクリッピング
2は緑LEDのクリッピング
3は緑LEDのアウトプット段でのクリッピング
というふうになっています。

これらにより、多彩な歪みを楽しむことができるというわけですが、実際に音を出してみると、音色的な違いというのはほとんど感じられず、1<3<2といった順の音量・音圧の差といった違いに感じられます。
例えば2の緑LEDを選べば、トレブリーで固い感じになるな、とか、出てくる音は確かにスイッチの切換で変わるんですが、それらの音色的な差異を明確に表現するのは難しいですね。なので、隔靴掻痒であるのはよろしくご寛恕のほどお願いしたいところではあります。

すべてのスイッチをOffにしたときが音量・音圧とも一番大きく、荒く歪んだ、ファズっぽいと感じられる音色になります。とはいえ、このCF-2はいわゆるファズらしさというのは実はあんまり感じられません。CF-1のほうが低音がブーミーだったり、まだなんとなくファズらしさというものがあると思います。という意味で、CF-1とCF-2はまったく別のペダルだと言ってもいいくらいだと思います。CF-2でもCF-1と同じ音を出せて、さらに多彩な機能が追加されたというのであればなおのことよかったのですが、そうしたことを抜きにすれば、とても良い歪みだと思います。

サンプル・セッティング図が復活

2009-06-13 13:43:21 | Dano Effects
本家ダンエレクトロのサイトからエフェクターのオーナーズ・マニュアルやサンプル・セッティングがダウンロードできるようになっていました。
以前あったサンプル・セッティングが、いつのまにか見ることができなくなっていたのですが、新しいCOOL CATシリーズも含めての復活です。

こうしたサンプル・セッティングはメーカーがどういうサウンドを狙ってエフェクターをつくったのかがわかりますし、音づくりの起点にするのに便利ですね。中古で手に入れた場合、オーナーズ・マニュアルがついてないことが多いですし、サイトにアップされているとありがたいですね。

ただ、miniシリーズは一つのエフェクターに対して一つのセッティングしかありませんでした。以前は3つくらいセッティング例を載せてたような記憶があるのですが。

OWNER'S MANUALS / INSTRUCTIONS↓
http://www.danelectro.com/downloads.html

SURF & TURF

2009-05-23 12:08:06 | Dano Effects
miniシリーズのSURF & TURFを手に入れました。これはコンプレッサーです。

SURF & TURFとは波乗りもするしゴルフもする、というような人のことを指すそうです。転じて「海の幸」と「山の幸」を素材にした料理の名前になりました。料理といっても牛肉のステーキにロブスターという、いかにもアメリカンなものです。



例によって、なぜコンプレッサーがSURF & TURFなのかを推測すると、コンプレッサーが音を圧縮し、サスティンを増加させることから名づけられたのだろうと思われます。音を圧縮することで音が伸びるように感じられるという、対照的なはたらきを同時に行なうというのが、「海の幸」と「山の幸」を同じ皿に盛り付ける料理と結びついたのでしょうし、中身の詰まった牛肉のステーキと背中を丸めたり伸ばしたりするロブスターという食材の特徴とも結びつきます。

ダンエレクトロのSURF & TURFはLEVELとSENSITIVITYの2つのコントロールノブがあります。MXRのダイナコンプを参照したものだと思います。私はダイナコンプを使ったことがありませんが、ノイズが大きいことがよく指摘されているようです。このダンエレクトロのSURF & TURFもダイナコンプ同様、ノイズは大きいです。とはいえ、こうしたエフェクターの場合、ノブを右方向いっぱいに回しきって使うということはほとんどないわけで、SENSITIVITYを1時か2時くらいの位置にするくらいであれば、それほど気になるノイズではありません。

コンプレッサーといえば、パッコーンとした音というイメージがありますが、今回はダンエレクトロのギターで試したせいなのか、イメージよりは若干弱い印象でした。

私はもともとアンプ直結派だったので、コンプレッサーをかけることに抵抗を感じたり、違和感を覚えたりもするわけで、まだ葛藤があったりもしています。

COOL CAT! CTO-1

2009-05-04 10:55:25 | Dano Effects
COOL CAT!シリーズのTRANSPARENT OVERDRIVEです。
オーヴァードライヴ・ペダルを単体で歪みとして使うのではなく、ブースターとして使うことが当たり前のようになったのはいつの頃からかは不明にして知りませんが、私が高校生の頃は例えばBOSSのOD-1などは誰も見向きもしていませんでした。もっとガッツリした歪みをということで、当時新製品として発売されたばかりのHm-2に飛びついたものでした。やはりHm-2はかなりの売れ行きだったそうです。
ところが、現在、OD-1はプレミアがついて相当な高値となり、Hm-2はBOSSの廃版アイテムでありながら一向にプレミアがつく気配もなく、誰も見向きもしないペダルとなっています。
なぜOD-1がプレミアがつくほど再評価されることになったのかといえば、もちろん歪むからということではなく、ブースターとして使用するといいといったことにありますが、このOD-1やチューブスクリーマーなど、ブースターとしての評価が高くなってプレミアがついた機種はいくつかあります。

こうした流れのなかで、現在はオーヴァードライヴといえば、ブースターとしての性能も高く、さらに歪みペダルとして単体でも使えるということが求められるようになり、様々なメーカー、ブランドがそうしたニーズに応えるべく新製品を開発しています。ダンエレクトロは大きい筐体のシリーズでペイズリーペイントされたピュア・ドライヴを出していました。これはチューブスクリーマーを意識してつくられたとのことでしたが、COOL CAT!シリーズにもブースターとして使えるオーヴァードライヴペダルをラインナップしました。これがTRANSPARENT OVERDRIVEです。

TRANSPARENTは「透過」「透明」といった意味ですが、ついそこに親を乗り越えるといった星一徹・飛雄馬のような物語をイメージしてしまいます。それはともかくとして、このTRANSPARENTは最近のキーワードでもあります。歪ませても音が潰れず、コードを弾いても一つ一つの音が明瞭であるというようなサウンド。アンプでもピックアップでもそしてエフェクターでもTRANSPARENTであるということが有効な売り文句として機能しています。
ダンエレクトロは今までどちらかといえば50年代、60年代のサウンドを再現することを狙ったペダルを数多くつくっていましたが、COOL CAT!シリーズでは、確かにリーゼントヘアの青年のイラストをあしらってはいるものの、現代的なハイエンド・ブティック・エフェクターの流れを汲んだものになっています。流れを汲みすぎて、先日記事にもしましたが、COOL CAT!の歪み系ペダルは高い評価を得ているブティック・エフェクターのクローンであることがいろいろなところで指摘されています。なかにはレイアウトを公開していないものもあるようなので、問題視する向きもあります。私としては、パッケージに最初にギター用のエフェクト・ペダルをつくったのはダンエレクトロなのだと多少遠慮がちではありますが記載しているわけですから、そのプライドを持って、安易にクローンをつくったりはしないで欲しかったという思いはあります。

さて、TRANSPARENT OVERDRIVEですが、これはポール・コクランのTimmyのクローンだと言われています。違いはトレブルとベースのコントロールにあります。Timmyがトーンをカットする方向にしか働かないのに対して、TRANSPARENT OVERDRIVEは12時をフラットにしたカット&ブーストとなります。こうすることで全く同じではないと主張できるということでしょうか。
Timmyはベースを歪み回路の前、トレブルを歪み回路の後にすることで、しっかりとした低音域を出しながらこもらないように設計されていますが、これはTRANSPARENT OVERDRIVEも同様だと思います。

クリーン・ブーストからグラッシーなクランチまでとあるとおり、アンプやギターの持ち味を活かしながらのブースト、文字通りのTRANSPARENTなクランチが実現されています。Timmyとの比較がYouTubeで見ることができますが、それを見る限り、サウンドの傾向はやはり似ていて、しかし、音のクリアさやプレゼンスの点ではTimmyに軍配が上がるといったところです。

しかし、こうしたブティック・エフェクターのクローンよりもダンエレクトロらしい一癖あるペダルをもっと、と思うのは私だけではないでしょう。

COOL CAT の噂

2009-04-17 20:22:52 | Dano Effects
COOL CATシリーズも発売後1年ほどになろうとしており、ネットでも様々にレビューや動画によるデモなどがアップされています。
それらをいろいろ見ていると、「これは○○のクローンだ」というコメントを見かけます。

COOL CAT DRIVEはFulltone OCDのクローンである。



COOL CAT DISTORTIONはCrunchbox Distortionのクローンである。



COOL CAT FUZZはFrantone Peach Fuzzのクローンである。



COOL CAT TRANSPARENT OVERDRIVEはPaul Cochrane Timmyのクローンである。



なんかモヤモヤ……

REVERB BOX 9100

2009-02-15 01:54:37 | Dano Effects
以前、工場閉鎖前のダンエレクトロにもエフェクター的なものがあるということで記事にしたことがあるREVERB BOX 9100ですが、手に入れることができました。

カラカラと何かが転がるような音がするので中を開けてみると、シャーシを固定するネジが3本はずれていました。ネジ穴が広がってバカになっていたので、例によって爪楊枝を穴に埋め込んで補修しました。

エレクトリック・ギター用にリヴァーブを開発したのはダンエレクトロが最初とされています。1950年のことだと古い広告には謳われていますね。

上面にジャックやコントロールがあります。inputはnormalとstrongがありますが、これはアンプで言うLOWとHIGHで、ギターはnormal、それ以外の機器でギターよりも出力が大きいもののときはstrongにというわけで、strongに接続すればリヴァーブのかかり具合が強くなるというわけではありませんでした。
次にリヴァーブをコントロールするノブですが、1から10まで目盛があります。ダンエレクトロでは2か3あたりを推奨していますが、それだとあまりリヴァーブがかかっている感じがしません。古くなったせいかもしれません。その他にアンプへのoutputとフットスイッチ用のジャックがあります。ですが、フットスイッチはついてきませんでした。

このREVERB BOX 9100は真空管を3本使用します。12AX7と6C4と6X4です。



下から見た画像です。スプリングは1本だけでした。この大きさなら3本くらいついているのではないかと思いましたが、1本です。



肝心のリヴァーブのかかり具合ですが、残念ながらおとなしめです。これではビシャビシャのサウンドはつくれません。届いてから早速電源を入れて試してみましたが、最初はリヴァーブがかかっているのかかかっていないのかわからないくらいでした。2時間ほど電源を入れっぱなしにしてようやくリヴァーブがかかっていると実感できるくらいにはなりました。電源が入ったのはひさしぶりのことだったのかもしれません。
リヴァーブは残念でしたが、真空管が入っているせいか、このREVERB BOXをかますとソリッドステートのアンプにつないでもギターの音が真空管アンプみたいになります。これはいいですね。ただ、音量を上げるとすぐにハウリングしますので、部屋で弾くときにしか使えないと思います。

最悪インテリアでもよいと思って手に入れましたので、不満はありませんが、気が向いたら回路の点検と真空管の交換も含めたオーヴァーホールをしてみようと思います。ひょっとするとひょっとするかも。


ソウル・キッチン

2009-01-19 00:55:54 | Dano Effects
画像はダンエレクトロのエフェクターを使って組んでみたボードです。名前はドアーズの曲名から「ソウル・キッチン」と名づけました。ダンエレクトロのminiシリーズが食べ物の名前なので、それを並べたらキッチンだろうというわけです。

最初はちゃんと組むつもりで考えていて、ケースをいろいろ見ていたんですが、大きいサイズのものだとそれなりに高価なのでやめました。ペダルトレインというスノコ状のものがあり、ケーブルを裏に這わせることができるので配線がすっきりするということで、それならスノコそのものをボードにすればいいと思った次第。一応黒く塗ってみましたが、家にあった塗料が漆仕上げだったので、無意味に光沢があります。

このエフェクトボードの狙いはサイケデリック・サウンドです。サイケデリック・サウンドとして私がイメージしているのは次の3つです。

1.ジミ・ヘンドリックスのギターサウンド
2.当時のサウンド・エフェクトを駆使した摩訶不思議系サウンド
3.オリエンタルなサウンド

まず、パワーサプライはカスタム・オーディオ・ジャパンのAC/DCコンバーターにしました。BOSSのラインセレクターを加えてヘンドリックス・サイドと摩訶不思議・サイドに振り分けることにしたら1個つなげなくなってしまったので、ラインセレクターからも1個分電源供給しています。

つないだ順番は次の通りです。
DAN O WAH → SITAR SWAMI → BOSS LS-2 → Reel Echo
LS-2(A LOOP) CHICKEN SALAD → FRENCH TOAST
LS-2(B LOOP) BACK TALK → ROCKY ROAD

もっぱら部屋で遊ぶためだけのもので、演奏中、瞬時に切り替えるということもないので、わざわざラインセレクターをかませる必要もないのですが、とりあえず初めてボードを組んでみたので、いろいろやってみたというわけです。
最近はアンプ直に戻ってきましたので、このボードの出番はあまりないですね。

COOL CAT! FUZZ

2008-12-17 01:49:53 | Dano Effects
ダンエレクトロの新しいシリーズであるCOOL CAT!のFUZZです。
このシリーズは現在、9種類がラインアップされていますが、そのうち6種類が歪み系です。筐体はFABシリーズの発展型となっています。

構造上の特徴としては、筐体が金属製であり、ジャックも金属製です。そしてクリック感のあるスイッチと少し大きめになったコントロールノブで、全体的にがっちりとした作りになっています。回路上の特徴としてはトゥルー・バイパスが採用されていて、今までダンエレクトロのペダルの欠点とされていた部分が改善されています。チープなペダルとは誰にも言わせないという意気込みが感じられます。

サウンド的には従来のダンエレクトロのペダルと比較しても音質はクリアになり、可変幅も拡大されていて、よりエグいセッティングが可能です。

私が手に入れたのはFUZZで、今までもダンエレクトロにはファズ的な歪みはありましたが、ファズと名づけられたものはなく、あくまでディストーションとされていましたので、ここでファズを出してきたからには何かあると思った次第。

このペダルはvolume、tone、fuzzの3つのコントロールがあります。私はとりあえずtoneとfuzzをフルにして、調整はギターのヴォリュームでするというようにしています。若干音は堅めで、メロウな音を出そうとしてもうまくいかない面はありますが、歪みも音圧も十分で、扱いやすいファズだと思います。

ROCKY ROAD

2008-12-15 02:09:38 | Dano Effects
ROCKY ROADはレスリースピーカーのシミュレーターです。とても面白いペダルで私のお気に入りなのですが、残念ながら日本では発売されていません。



レスリースピーカーは1930年代後半から1940年にかけて、ドナルド・レスリーが開発した、回転式でアンプが内蔵されたスピーカーユニットです。そもそもは巨大なパイプオルガンの荘厳な響きをハモンドオルガンでも出せるようにと考案されたもののようです。ユニット内のホーンやローターを回転させることによって生じるドップラー効果を利用して、ヴィブラートやトレモロ、そしてコーラスといった音響効果をもたらします。しかし、このスピーカーユニットは大きくて、持ち運びが不便ということもあり、コンパクトな代用品がつくられるようになりました。フェイザーやヴィブラート、コーラスやトレモロといった、エレクトリック・ギターに使用するエフェクターの主なものは元をたどればこのレスリースピーカーに通じています。ダンエレクトロがレスリースピーカーのシミュレーターにROCKY ROADという名前をつけた理由もそこにあると思われます。



ロッキーロードはマシュマロとナッツ、そしてミルクチョコレートでつくられるカップケーキで、ナッツやチョコレートのかたまりがゴツゴツした岩のように見えることからロッキーロードと名づけられました。

ダンエレクトロのレスリースピーカーシミュレーターはコーラス、ヴィブラート、フェイザー、トレモロ、そしてオーヴァードライヴといったエフェクト機能が複合化されたものであること、さらにROCKY ROADを「岩だらけの道」ではなく、音楽ジャンルとしての「ロックへの道」ととらえてみると、レスリースピーカーが60年代にロック・ミュージシャンに使用され、その代用品として現在でも一般的に使用されているギターエフェクターが生み出されていった過程をそこに重ね合わせることができます。「すべてのエフェクターはレスリースピーカーに通ず」といったところでしょうか。

ROCKY ROADはSPEEDとDRIVEという2つのコントロールとRAMPというミニスイッチがあり、RAMPとON/OFFという2つのフットスイッチがあります。
SPEEDは揺れの速度を調整し、DRIVEは歪み具合を調整します。RAMPはレスリースピーカーの回転速度を切り替えるFAST/SLOWスイッチをシミュレートしたもので、モーターが回転を始め、速度が安定するまでのだんだん速くなる/だんだん遅くなるを再現します。フットスイッチのRAMPは踏むことでその速度を変えるものです。

SPEEDはゼロの状態では揺れのないコーラスのような感じになり、時計回りに回していくことで、ヴィブラート、フェイザーというようにサウンドがだんだんと変化します。DRIVEはこれ自体はスカスカの歪みですが、アンプの歪みと合わせるとなかなかいい感じのクランチになります。
問題はフットスイッチのRAMPで、ある意味これがROCKY ROADの肝と言っていいと思います。RAMPをアップさせていくと、ローポジションでは「ギロローン」といった感じのサウンド、ハイポジションでは「ビシャーン」といった感じのサウンドになり、かなりサイケデリックな音色になっていきます。それはいいのですが、このフットスイッチは踏むごとにRAMP UPしていきますが、さらに踏み続けると今度はRAMP DOWNしていくので、RAMP UPさせるつもりがRAMP DOWNしてしまうということがあり、演奏中にスイッチを踏む際には気をつけなければならないところです。ROCKY ROADにはこのような操作上の難点があり、それが非常に残念なところです。

しかしながら、このペダルを通して出てくる音はまさしく60年代的な古臭い感じになりますので、その頃のサイケデリックな音楽が好きな私には非常によいペダルであり、気に入っています。