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じゃじゃ馬億万長者 (Billionaire)

2017-09-21 20:31:48 | Dano Effects


ダンエレクトロが久方ぶりにラインアップしたエフェクターのシリーズはどういうわけか「Billionaire」と名付けられた。

今回登場したペダルは4種類で、歪みペダルは「Pride of Texas」、ブースターは「Billion Dollar Boost」、トレモロは「Filthy Rich Tremolo」、そしてロータリースピーカーのシミュレーターは「Big Spender」とそれぞれ名前が付けられている。

例によって微妙なネーミングセンスが炸裂したというわけだが、一つ一つを見てみると「Pride of Texas」は普通に考えれば、スティーヴィー・レイ・ヴォーン的なサウンドを意味すると思われるが、あくまでも「Billionaire」なので、そちら側にひきつけてみなければならない。そうすると、「Pride」は「誇り」ではなく「高慢、うぬぼれ」の意味ととらえ、「テキサスの石油成金」、さしづめジェイムズ・ディーン主演の「ジャイアンツ」に登場するジェット・リンクのような存在のことだと考えるべきだろう。

「Billion Dollar Boost」は文字通り「10億ドル」ということで、これにはそれほどひねりはない。

「Filthy Rich Tremolo」はといえば、「Filthy Rich」で「大金持ち」という意味なので、これも文字通りにとらえればよいと思うが、「Filthy」だけだと「汚らしい」という意味もあるわけで、「大金持ち」に対する悪意が底流にあると感じられもする。

「Big Spender」は「浪費家」ということなので、これも文字通り。

どういうつもりでこんなネーミングにしたのかはまったくの謎なのだが、メリケンあたりのネットフォーラムでは「トランプ・ペダル」と揶揄されたりもしているので、本当にドナルド・トランプが大統領になったことが影響したのかもしれない。

そんなわけで引き続きそのフォーラムをたどってみると、「Pride of Texas」はBossのFA-1のクローンだとか、「Billion Dollar Booster」はXoticのBBのクローンだとか、「Filthy Rich Tremolo」はTuna Meltをリハウスしたものだとか、それでもって「Big Spender」はRocky Roadをリハウスしたものだとか、早速このような議論で盛り上がったりしている。



それはともかく、今回のシリーズは筐体はプラスチックではなくメタルだし、アメリカンなイメージを維持しつつも従来とは一線を画したデザインだし、ダンエレクトロらしくなくなったような気がしないでもないが、コントロールノブは50年代のダンエレクトロアンプに使用されていたものをコピーしたものなので、これだけが唯一ダンエレクトロらしさを強く感じさせるものとなっている。

FAB D-8 600ms Delay

2010-11-30 21:02:28 | Dano Effects
FABシリーズのもう一つの新製品であるディレイを手に入れた。
FABシリーズにはすでにエコーと名づけられたショートディレイがあるのだが、おそらくはこのエコーを基にして、ディレイタイムを調節できるようにコントロールノブを加えたといった感じなんだろうと思う。ディレイタイムの可変幅は80msから600msまでで、今となってはたとえ激安ペダルとはいえ、800msや1000msくらいにはなっているだろうから、このペダルは他を圧倒する性能を備えているわけではないが、DELAY、TIME、REPEATの3つのコントロールでスラップエコーからロングディレイまで、普通に使用する分には可もなく不可もなくいけると思う。

ちなみにこのディレイも、TIMEつまみをグリグリ動かすと音のピッチが変わってウネウネさせることができるといった、ダンエレクトロのエコーやディレイが持っている特徴を受け継いでいる。

ダンエレクトロのエフェクターはCOOL CATシリーズに一本化されていくのかと思いきや、FABシリーズから新製品を出すなど、意外性のある商品展開をしてきたなというわけで。

FAB D-7 Fuzz

2010-11-22 00:32:05 | Dano Effects
先日ダンエレクトロのFABシリーズにFuzzとDelayが新製品としてラインアップされたことを記事にしたけれども、もう日本でも買えるようになっていたので、とりあえずFuzzを買ってみた。

ダンエレクトロのファズというと、フレンチトーストは別として、肌理の粗いディストーションというか、歪みとしてはいい感じだけどあまりファズっぽくないという印象で、何がファズっぽいかといえば昔の国産ファズみたいなブーブーいうのをなんとなくイメージとして持っているわけなんだけれども、そうしたファズではなく、もうちょっとモダンな感じのサウンドで、飛び道具になるほどの強い個性はないがゆえに扱いやすいファズって感じがする。

このFABシリーズのFuzzもそういう傾向。VOLUMEとFUZZとTONEの3つのコントロールでシンプル。トーンを少し絞り気味にすればこもった感じの古臭いサウンドになるんで、ファズっぽくないと思いながらも録音したものを聴いてみたりすると、でもやはりファズっぽいところもあるね、と思ったりなんかしたりするわけで。

そういえばFABシリーズを買ったのは今回が初めて。

MINIシリーズの謎

2010-07-14 23:50:58 | Dano Effects
ダンエレクトロにはいくつかエフェクターのシリーズがあるが、なかでもMINIシリーズが最も種類が豊富で、エフェクターの定番アイテムはもちろん、往年の名機をコピーしたものもある。50年代、60年代のサウンドの再現がコンセプトなのかと思えば、ヘヴィ・メタルへの目配りもしていて、ヴァラエティに富んだラインアップが面白い。

このシリーズはDJ-1のオーヴァードライヴからDJ-25のクロマチック・チューナーまであるのだが、実はDJ-18とDJ-19、そしてDJ-23に該当する機種がないのである。ネットで検索しても出てこないので、製品化されたがすぐに廃番となったということではないと思う。はじめからそれらの番号が飛ばされてしまったようなのである。なぜ飛ばされてしまったのか、MINIシリーズの謎というのはこのことなのである。

日本では4、欧米では13というように、不吉な数字として忌避されるものがあるが、18や19、あるいは23という数字に何か不吉な意味合いがあるとも思えない。また、プロスポーツで優れた名選手が引退する際、背番号を永久欠番とすることがあるが、スポーツ好きのアメリカ人ならそれにあやかることもあるのではなかろうか、と思い調べてみると、確かに23はマイケル・ジョーダンの背番号で、シカゴ・ブルズではそれを永久欠番としているわけだが、いずれにせよ、永久欠番にあやかるなんていうのはもとよりありえない話だろう。

簡単に考えるならば、MINIシリーズを出すにあたっては、それまでダンエレクトロで出していた大きい筐体のエフェクター群をより小さいサイズで出すという意向もあったはず。であるとするならば、大きい筐体のシリーズにはあっても、MINIシリーズにはないものを拾ってみればよいということになる。

大きい筐体のシリーズにはあって、MINIシリーズにはないものといえば、
・SITAR SWAMI(シタール・シミュレーター)
・BACK TALK(リヴァース・ディレイ)
・FREE SPEECH(トーキング・モジュレーター)
の3つがある。

この3つのエフェクターをMINIシリーズにラインアップするつもりだったと仮定すると、MINIシリーズのDJ-17はディレイであり、DJ-20はロータリー・スピーカー・シミュレーターであることから、DJ-18はリヴァース・ディレイ、そしてDJ-19はシタール・シミュレーターにするつもりであったのではないか、と考えることはできそうだし、DJ-24がオート・ワウであることからDJ-23はトーキング・モジュレーターにするつもりであったのではないかと考えることもできそうである。

実際はそうならなかったわけであるが、小さいサイズに回路が収まりきらなかったのか、いくつか原因は考えられそうだが、案外とぴったりくるネーミング、つまり食べ物の名前が思いつかなかったことが最大の原因だったりするかもしれない。

と、あれこれ妄想を繰り広げてみたというわけ。

PASTRAMI

2010-03-14 20:51:56 | Dano Effects
miniシリーズのオーヴァードライヴがPASTRAMI。
ミッド寄りのいわゆるTS系とは違った、ハイもカットされずにそのまま歪みます。なので、この高域成分が耳障りと感じられる場合もあるようです。今はTS系のペダルが多いので、かえって新鮮な印象を受けます。
このペダルは赤LEDでクリッピングさせますが、音を出すと赤LEDが光るのが筐体を透かして見えるのがいいですね。

パストラミは塩漬けの牛肉を燻製にし、香辛料をまぶしたもので、保存食でしたが、これもサンドウィッチの具に良く使われます。スモーキーでスパイシーなサウンド、そしてmeatyな中身の詰まったサウンドということでネーミングされたのではないかと思われます。


GRILLED CHEESE

2010-03-11 19:09:27 | Dano Effects
GRILLED CHEESEはminiシリーズのディストーションでLEVELとRESONANCEの2つのコントロールがついています。歪みの量は変えられませんが、RESONANCEのツマミはワウみたいになっていて、音を出しながら回せばワウのペダルを踏んでいるような感じでサウンドを変化させることができます。実際、ギターを弾きながらそんな面倒なことはやれないので、適当なところで止めて、いわゆる「ワウ半止め」のサウンドを得ることができるというペダルです。

ワウ半止めというと私くらいの世代ですとマイケル・シェンカーを思い浮かべますが、ワウ・ペダルを適当なところで止めてフィルター的に使用するというのは、マイケルならずともいろんなギタリストがやっています。ワウのワからウに変わる境目あたりを狙うとなかなかに気持ちのいいサウンドが得られますね。私はかなり気に入っています。

で、例によってそのネーミングについてあれこれ考えてみるわけなんですが、グリルドチーズというのは文字通り焼きチーズというわけで、熱せられてチーズがとろけた状態になったものですが、サンドウィッチによく使われます。トーストのささくれだった表面が歪みで、その中でとろけているチーズがサウンドの可変域をイメージさせた、というところでしょうか。



また、CHEESYといえば、安っぽいとか陳腐とかといった意味になりますが、60年代後半から70年代にかけてのくさいギターサウンドという意味合いも含んでいると思われます。その時代の雰囲気ということで言えば、フランク・ザッパのFREAK OUT!におけるSuzy Creamcheeseなどにもつながっていくような気もします。Fuzzy Grilledcheeseなんてね。

FRENCH FRIES

2010-02-21 14:15:54 | Dano Effects
miniシリーズのオートワウ。
オートワウは文字通りペダルを踏み込む操作なしでワウ効果を得られるというもので、ピッキングの強弱で音が変化します。とにかく弾いていて面白いのでついつい遊んでしまいます。

FRENCH FRIESはRANGEをLOとHIに切り替えるミニスイッチとRESONANCEツマミがついています。このコントロール部は70年代に流行したオートワウの代名詞的な存在でもあったエレクトロハーモニックスのDr.Qあたりを参照したものと思われます。

このペダル、やはりエフェクトON時には音が小さくなりますし、音痩せもしますので、ライヴなどでの実用面においてはいささか難ありといったところでしょうか。ちなみに私はRANGEをHIにして、RESONANCEを10時くらいにしたセッティングが好きです。



FRENCH FRIESというのは、日本ではフライドポテトとしておなじみの食べ物です。このフライドポテトはminiシリーズの名前としてはすでに登場しています。イコライザーのFISH & CHIPSがそれです。イギリスではフライドポテトのことをチップスといいます。同じフィルター系のエフェクターということで関連づけたのかといえばそういうわけでもないと思いますけどね。

オートワウといえばFunkyなサウンド、そしてEnvelope Filterということで、この場合もFのイニシャルを合わせたネーミングにしたのだろうと思いますが、FRENCH FRIESでいろいろ調べてみたところ、スライ&ファミリーストーンが「DANCE TO THE MUSIC」のフランス語バージョンをリリースした際にFRENCH FRIESという別名義を用いたなんていうことがあったようです。
オートワウだからファンク、ファンクだからスライ、そしてスライの別名義がフレンチフライというつながりをダンエレクトロの担当者が意識していたかどうかはさておき、こうして事後的にフィクションを捏造してみたり。

PEPPERONI

2010-02-20 11:02:23 | Dano Effects
miniシリーズのフェイザー。
コントロールはSPEEDノブだけということで、おそらくMXRのPhase 90を参照しているのだろうと思われます。ノブを右いっぱいに回すとエグい音になりますが、それ以外はいわゆる普通のフェイザーでいい感じに揺れてくれます。

このペダルはPEPPERONIとネーミングされました。
PEPPERONIは塩漬けの豚肉に香辛料をまぜてつくられたドライソーセージでピザのトッピングによく使われます。



今まで紹介してきたダンエレクトロのminiシリーズは、簡単なものではあるものの調理されたものだったのですが、中にはこのペパロニのように食材の名前もあります。一応加工されたものではありますが。

このネーミングもPhaserのイニシャルに合わせたものだと推測されますが、PEPPERONIはさかのぼるとイタリア語で唐辛子やピーマンを意味するPEPERONIから転化したものとされているので、PEPERONIにPを1文字加えたことによる意味の変化をフェイズシフトととらえたのではなかろうか、と例によって妄想した次第。

COOL CAT!V2 CTO-2

2010-02-04 21:02:00 | Dano Effects
V2の最後はCTO-2。transparentなoverdriveですね。
これもコントロール部は以前のCTO-1と変わらず、DIPスイッチが新たに増設されたものです。スイッチは4つあります。



1.青LEDクリップ
2.赤LEDクリップ
3.FETクリップ
4.ゲインブースト

もちろん、スイッチをそれぞれ切り替えることによって出音も変化しますが、正直、なければないで特に困らないものではあります。

CTO-2はクリーンブースターとして使用した場合に、歪まず、クリーンなままブーストできるようになっていて、単体で歪ませる場合は物足りない感がありますが、そんなときにゲインブーストをONにすると歪みが増えるというわけです。CTO-1の場合、クリーンブーストしようと思っても若干歪んでしまうというようなことがあったので、それを改善したというわけでしょう。

もう一つ、CTO-1と比較して変わった点は、音がくっきりして押し出しが強くなったところです。同じヴォリュームレヴェルだとCTO-2の方が音が前に出てくるように感じます。

ここまでは、CTO-2はCTO-1の欠点を改善したいいペダルだということになるわけですが、肝心の出音に問題があるように思います。音の分離のよさ、明瞭さと感じられた音を改めて聞いてみると、音の成分が一部分カットされているように聞こえます。音の微細な肌理が失われて、一様に均質な音になってしまったようです。ロラン・バルトの「声の肌理」を援用すればCTO-1はパンゼラ、CTO-2はフィッシャー=ディースカウといった感じになるかと思います。

で、V2全体を総括しつつ感想を書いてみると、V2は総じてよいペダルであると言えると思います。私はCF-1よりCF-2のほうを好みますし、CTO-2よりはCTO-1のほうを好みますが、時と場合によれば逆になることもありかな、とも思います。
いずれにしても、それ以前のバージョンを持っていないということであれば、おすすめできるペダルですが、すでにそれ以前のバージョンを持っているというのであれば、あえて買い換える必要はないんじゃないかな、といったところです。

COOL CAT!V2 CO-2

2010-02-03 22:18:54 | Dano Effects
CO-2はオーヴァードライヴで、コントロール部はCO-1と同じくvolume、tone、driveの3つ。そして例によって電池を入れるところにinput sensitivityとDIPスイッチがあります。
スイッチはLo-Fiスイッチとなっています。



私は以前のCO-1を持っていませんので、比較してみることができませんが、このオーヴァードライヴはサスティンも十分ですし、ミッド寄りでまとまりもよく、粘っこい感じも出せる良い歪みだと思います。
普通に良いので、それゆえにあまり書くことがないといったところ。