勿忘草 ( わすれなぐさ )

「一生感動一生青春」相田みつをさんのことばを生きる証として・・・

恋人よわれに帰れ

2009-03-01 23:02:37 | Weblog
 BS2で放送された『歌伝説・フランク永井の世界』を見た。僕にとって、フランクさんの歌声は青春そのものであった。
 ジャズ歌手としてデビューし、昨年10月27日に亡くなった、フランク永井さんのデビュー曲が「恋人よわれに帰れ」であることはあまり知られていない。

 大ヒット曲「有楽町で逢いましょう」以前から、あの甘い歌声にしびれ大ファンだった。ジャズのカバー曲である「16トン」や、彼にとっては初めての歌謡曲であり、初めての吉田正作品である「場末のペット吹き」。そして、当時の大卒の初任給を意味する「13,800円」など、どれもリアルタイムで知っている。「有楽町・・・」がヒットしたのは、それからであった。
 数ある彼の歌の中でも僕の好きなベスト5は、いつまでも色あせない名曲「有楽町で逢いましょう」。アコーディオンの伴奏が、シャンソンを思わせ、しゃれた雰囲気を持つ「公園の手品師」。“花ならば 触れずにいたい 好きなほど なおさらに”の歌詞が切ない「わかれ」(この歌は彼のオリジナルではないかもしれない)。先立った妻への、身の置き所のない愛を歌った「妻を恋うる唄」。若い頃の、テクニックに走らない歌唱が新鮮な「場末のペット吹き」。それに続くのが「君恋し」だろうか。
 「君恋し」は、二村定一のヒット曲を、1961年(昭和36年)にジャズ風にカバーし大ヒットした歌だが、翌年の高校卒業のとき、僕のフランク永井ファンを知る友人から、記念品交換として贈られた大切なレコードである。その彼に何を贈ったかは覚えていない。

 今夜の放送を見て、改めてフランク永井という歌手の魅力を再認識させられ、僕の最も好きな歌手であったことに誇りさえ感じた。その歌声は切なく胸を焦がし、過ぎ去りし青春の熱き想いに浸った1時間半だった。『フランク永井』を語ると、きりがないので、この辺でけりをつけよう。今日のブログタイトルは、フランクさんのご冥福を祈り、再び生で聴くことができなくなった甘い歌声に、愛を込めて付けてみた。