勿忘草 ( わすれなぐさ )

「一生感動一生青春」相田みつをさんのことばを生きる証として・・・

三角カフェ

2013-02-28 23:30:44 | Weblog
 我が住む町、浅草の北に位置する台東区千束の吉原地区は、その昔遊郭として栄えた街である。今、その一帯はソープランドが立ち並び、深夜までネオンが瞬く街でもある。


 この地区には吉原を象徴する神社仏閣や、当時の名残をあちらこちらで見ることができる。また遊女にまつわる悲話も多く、それらを数え上げたらきりがない。 


 僕が仕事に通う途中の、我が家から200メートルほどの花園公園は、そんな吉原の一角にある。数日前、テントのような不思議な建造物がこの公園に突然現れた。よく見ると幟に「さんかくカフェ」とある。


 物見高く、好奇心旺盛な僕、恐る恐るこのカフェでコーヒーを楽しむことにした。この「三角カフェ」の若い店主、村上慧(むらかみさとし)さんは、武蔵野美術大学建築学科卒業の美術家だという。そんな村上さんが何故ここでこんな形のカフェを開いているのか興味津々。  


 目の前でコーヒーを煎れながらの会話は饒舌とはいえないが、訥々と語る彼の話では、縁あってこの地区とのつながりを機に、仲間4人と江戸遊郭で栄えたこの街を、単なる色街の域を超え、ファッションや芸能を生み出す「文化の発信地」として、新しい風をとの願いを込めてのイベントに先駆けて、地域との触れあいを目的のカフェのオープンなのだそうだ。


 話をしていると、彼の仲間や知り合いが次々と現れ、中にはここの拘りのコーヒーの味が好きだという中年の男性も交えて話の花が咲く。遠く奈良から来たという女性もいた。  


 この公園の眼と鼻の先にある吉原弁財天境内では、「吉原芸術・大サービス」と銘打った、線の上で踊るイベントが、3月3日~10日の間行われるという。


 若手の芸術家をはじめとする、多くの出演作家によるパフォーマンスは、弁財天の他にもこの花園公園や吉原神社を含め、町内にも繰り出すらしい。


 弁財天の境内には、関東大震災で命を落とした遊女たちを祀った観音像もあり、苦界で生きた彼女らの悲哀の供養の意味も込められるのだそうだ。 


 このイベントは、主催者のひとりであり、この三角カフェの創作者でもある村上慧さんのブログでも紹介されているが、この「線の上で踊る」吉原芸術から新しい吉原が生まれるかもしれない。

山岳救助隊

2013-02-27 01:00:43 | Weblog



小僧くん 毎日寒いけど 今月は消防隊員になったのかい?


おじちゃん 同じ消防隊員でも ボク山岳救助隊の奥多摩小僧だよ


ヘェ~ 消防庁には山岳救助隊っていうのもあるんだね

 
うん 山岳救助隊はね 山岳救助にあたる 日本のレスキュー隊なんだ




どんな活動をしてるんだい?


山岳地帯の遭難者の救出・救助や登山者への啓蒙活動 
行方不明者の捜索 
他にも水難事故 野生動物の保護など
いろんなことをしてるんだよ



そっかぁ 命がけの仕事なんだね


東日本大震災の時も 地元の消防団の人たちに命を救われた人も多いって聞いたよ


うん あの日 福島県相馬市の消防団の副分団長だった阿部健一さん(当時39)は 
家族に「早く逃げろ」って大声で叫び 
消防団の法被を着て 家を飛び出したまま 
津波に飲まれて 帰らぬ人になったんだって



健一さんのおかげで ご両親は助かったんだね


その後 ご両親は 地元の何人もの人に 
「健ちゃんから声をかけられたから逃げられた」
って感謝されたんだって



自分の命を賭けてまで 任務を全うしたんだね




あの9.11の米同時多発テロの時も 
航空機が突っ込んだ世界貿易センタービルで
救助にあたっていて命を落とした消防士がいたけど 
当時29歳の消防士だった青年のご両親と 健一さんのご両親が
4月にニューヨークで対面するそうだよ



あっ ボク新聞で見たから知ってる
「HIKOBAE」っていう 東日本大震災と原発事故を描いた演劇の製作をした
塩谷俊さんっていう人が 引き合わせたんだよね



ひこばえ(蘖)とは 樹木の切り株や 根元から生えてくる若芽のことをいって
再生とか 新しい息吹の象徴を意味するらしいよ



あの3.11から もうじき2年になるけど
早く復興して 被災した人たちが元気になるといいね



原発も 震災からの復興も みんな喉元過ぎればで 
あまり関心がなくなったみたいだけど
ひこばえのという若芽のように 早く再生するといいね



ボクも 後ろばかり向かないで もっと前を向いて歩かなくっちゃ

 
おじちゃんも 老木だから 若芽にはなれないけど
情報発信で役立てるよう 頑張るからね



おじちゃん 頑張って また来てね


老木のおじちゃんが倒れたら 小僧くんが救助に来てくれるかい?


エッ? アッ! う・うん・・・


安心したよ じゃぁバイバイ!

東京マラソン

2013-02-25 02:24:34 | Weblog
 寒風吹き荒ぶ中、猪瀬都知事の号砲と共に、東京はマラソン一色に塗り変えられた。東京マラソンは初回から毎年沿道での観戦を欠かしたことのない僕、今年も地元浅草での応援に出かけた。


 雷門より吾妻橋寄りに場所を構え、寒さを堪えながら今か今かと待つ青空の下、スピードを上げて走り去ったのは他を大きく引き離した1人の車椅子ランナー。


 すべての車椅子ランナーが走り去ると、雷門前の急カーブを曲がって先頭集団が迫ってきた。トップがこんなに多くの集団で来たのは僕の記憶では、初めてのような気がする。先頭を走る日本人ランナーに気を良くしたが、後で知ったのだが、ゼッケン51~55はペースメーカーなのだそうだ。東京マラソンでペースメーカーが走るのも初めてのような気がする。


 この先頭集団の中で他の日本人選手を探すと、居た居た。集団の中央後ろのゼッケン22番の選手は、日本人トップ、全体で4着でゴールした、前田選手である。


 トップランナーに続いて、歯を食いしばって小柄な身体を宙に浮かすように、前のランナーを抜き去りながら、時々観衆にも手を振る余裕を見せたのが、あの猫ひろしさん。


 トップランナーが走り去ると、次々と一般参加のランナーたちが、スカイツリーに向かって走って行く。隅田川に架かる吾妻橋の手前を右折すると、浅草の折り返しである。


 寒さに耐えかねて、浅草文化観光センターに場所を移動し、上階からの観戦は、太陽を背にして自分の影を追いながら、雷門に向かうランナーを、台東区の人々を幸せに導くというユルキャラの台東くんが迎える。


 更に、雷門前で金龍の舞で迎えられたランナーは、雷門通りを右折し、先ほどのトップランナーが走り去ったスカイツリーへと向かう。


 スカイツリーを目の前にしたランナーたちは立ち止まって、手にしたケータイやカメラで記念撮影をする人や、沿道の人にシャッターを切ってもらう人もいる。



隅田川の手前を右折すると、そこは28キロ地点。



この辺りに来ると走るというより、歩く人も目立ってくる。



中には足のケアに余念がない人



足を痛めたのか座り込む外国人女性。走り出した時「fight!」と声をかけると「ありがとう」と日本語で応えた。



沿道から会社の同僚と思われる人にエールを送る人



差し入れで勇気付ける人


 それぞれがそれぞれの方法で完走を目指している皆さんにエールを送って、北風の中帰路についたのは、走者もまばらになった、午後2時を遠に過ぎていた。

はちみつきんかん甘露煮♪

2013-02-23 11:56:50 | Weblog
 遠く熊本から届いた新鮮な金柑で、早速甘露煮を作った。ビタミンCも豊富で、風邪の予防や喉にもいいといわれる金柑だが、そのまま生で食べても美味しいが、ひと手間かければ更に美味しくなる。


 よく洗い、ヘタをとって一度煮てから水に晒して渋みを抜き、砂糖と蜂蜜で煮るだけの簡単レシピは、甘さと酸味が相まって、僅かな渋みが旨さを増し、艶のある甘露煮が出来上がった。


 風邪の予防はもちろんのこと、そこには老化してかすれた声を少しでも取り戻し、カラオケを楽しもうという魂胆がある。これで突然声が出るようになるとは思っていないが、ささやかな望みでもある。


そういえば、えなりかずき君の歌う「はちみつきんかんのど飴」のCMもあったっけ。



でも、僕にとっては、我が家のはちみつきんかん甘露煮のほうがいいかも・・・

多生の縁

2013-02-21 22:43:09 | Weblog
 「袖擦り(振り)合うも多生(他生)の縁」とか「合縁奇縁」とか云うが、人と人との縁は不思議である。ブログをはじめてから、見ず知らずの多くの人との繋がりや出会いがあった。実際にお会いし、酒を飲んだり、食事をしたり、お喋りをしたり、お互いの家を行き来したり、また今も年賀状のやり取りをしている方もいる。岐阜や静岡や、もっと遠くの人もいた。それらは稀であるが、コメントのやり取りの楽しさも出会いのひとつ。皆さんには多くの出会いと楽しみをいただいている。


 そんな不思議な縁で、まだお会いしたことはないが、奥様共々親しくさせていただいている方から、うれしい宅配便が届いた。思いもかけなかったチョコレートと一緒に届いたのが熊本産のキンカン。


 先日のバレンタイン前日に、今年は義理でもチョコレートをいただけないかもしれない、とブログで愚痴を言った。チョコレートはそれを見かねた奥様からのお心遣いと察し、ありがたくいただくことにした。またキンカンは、金橘(きんきつ)という生薬名にもなって、咳や喉の痛みに効果があるとされる。バレンタインの後、喉の調子が悪く検査をしたというお話もここでしたばかり。ご主人からのキンカンのプレゼントは、そんなお気遣いに違いない。これもうれしい贈り物である。キンカンは甘露煮にすることで、更にその効用が増すらしい。早速ネットでレシピを調べた。お二人の気配りと縁に感謝し、明日はキンカンの甘露煮に挑戦してみよう。

 余談だが、お店のイベントに毎回のように出場して下さり、僕の拙い写真をプレゼントするカップルに仕事場で偶々お会いした。女性から「あらぁ~、会えてよかった」という言葉で手渡されたのは、これもチョコレート。こちらも思いがけないプレゼントであり、「縁は異なもの味なもの」と実感し、多生の縁は大事にしたいと思った次第でもある。

老化現象

2013-02-19 20:49:23 | Weblog
 数日前に遅ればせながら区の定期健診に行った。我が家からは眼と鼻の先にあり、階上からもよく見える台東病院は、都内唯一の区立病院である。医師も含め、受付も、エントランスの警備員も、ここで働くすべての人の応対の良さは、サービス業と間違えるほどである。残念ながら今回の予約に関しては、少々トラブルがあって今になってしまったのだが。。。


 定期健診の結果は後日の連絡であるが、だいぶ前から喉の調子が悪く、定期健診の延長として、今日、耳鼻咽喉科で診てもらった。喉の違和感は10年ほど前から感じていたが、そのときにも検査して異常なしといわれていた。しかし、歳とともに声はかすれ、常に痰が絡んでいる状態である。一度は卒業したと思っていたカラオケにも、最近は頻繁に行くようになり、以前のように歌えない。かすれた声は、音域も狭くなり、音程も狂う。よく往年の歌い手さんがテレビで歌う時、それは悲惨な状態で、勘弁して欲しいと思うことがしばしば。悲しいかな僕もその状態なのだ。


 喉の病気も恐れたが、鼻からの内視鏡の検査結果は異常なし。それはそれ、声が少しでも元に戻ることを期待したが、それは老化現象で仕方がないといわれた。往年の歌手の悲惨さは、わが身にも襲ってきたのだ。

チョコット

2013-02-18 00:02:38 | Weblog
 バレンタインチョコレートを期待する年齢でもないが、仕事柄、僅かでも義理チョコは毎年いただいてきた。ところが今年はバレンタインデー前日まで、チョコレートの気配などチョコットもなく、バレンタインデーは仕事も休み。今の仕事に就いて、はじめてのチョコレートゼロの年になると思っていた。

 バレンタインデー当日は昼頃まで寝てしまい、マンションの郵便受けに新聞を取りに行くと、宅配便の不在票が入っていた。再配達をお願いし、届いたチョコレートの箱に年甲斐もなくホッとする。そしてバレンタインが過ぎてから、今日までにいただいた、義理と人情が混じり合ったスイーツの箱が5つ。


 バレンタインデーなるものは、よその国の風習と自分に言い聞かせ、チョコレートなど期待もしないと強がっていたが、いただいたチョコレートの山を見てにやけている単純な男である。お気遣いいただいた方への感謝の思いは、チョコット自慢げな投稿になってしまった。(汗;)

摩天楼

2013-02-17 00:43:52 | Weblog
 何とかと煙は高いところが好きだという。高いところが好きな僕だが、世界一の電波塔として昨年開業した、我が家からほど近い東京スカイツリーの展望台には、未だに上っていない。いつでも行くことができるという安心感か、なかなか実行に移せないでいる。

 昨年のクリスマスには、浅草ビューホテルの27階で食事をし、そこから見るスカイツリーの姿も美しかった。今日(土曜日)は、それより数階高いスカイツリーイーストタワー31階のレストラン「摩天楼」で食事をした。 


 30・31階直通のエレベーターは昼時とあって長蛇の列。強い北風はエレベーターを制御しながらの運行である。澄み渡った青空と、眼下に広がる下町を眺めながらのランチも、また格別である。


 31階の展望フロアからは隅田川も一望でき、言問橋や桜橋も絵のようでもあり、おもちゃのようでもある。


 眼を下に移すと、隅田の流れに競うかのような大きな影。云わずと知れたスカイツリーの影であるが、それは下町を文字盤に見立てた、時間と共に周る日時計のようでもある。


 そのパノラマをスマホのパノラマ撮影で撮った画像が下の絵であるが、次は煙のようにもっと高く上がり、350㍍の展望デッキと450㍍の展望回廊を散歩したいものだ。 



高いところが好きな僕は、今更説明するまでもなく、やはり何とかである。

温室育ち

2013-02-14 23:42:51 | Weblog
 大切に育てられ、世間知らずでひよわな人間を温室育ちといい、とかく価値が下がるらしい。兄弟も多く、子供の頃父に呼ばれるとき、時々名前を間違えられることもあり、温室育ちとは縁遠い僕だが、「ワイルドだろぅ」ともいえず、温室育ちより価値もなそうだ。


 冬になると部屋の隅まで届く日当たりの良さだけが取り柄の我が家では、覚えのない季節外れのトマトが窓際で育ち花開いたと、以前にも紹介した。そのトマトは次々と花を咲かせ、その花の香りと共に、葉に触れるとトマト特有のいい香りがする。その昔、畑でもいだあの採りたての新鮮トマトの香りである。今このような香りのするトマトに出会ったことはない。


 最初に咲いた数輪の花が萎れ、その花の付け根から顔を出した小さなトマトの実が次第に大きくなり、太陽の光を受け青々として木にしがみついている。


 香りと共に、花を愛でられたことで、このトマトが我が家で育ってくれた意義があると思っていたのだが、間違えれば収穫ものぞめるかもしれない。毎朝、日の当たる窓際でこのトマトと触れ合うことが楽しみでもあり、疑似の温室育ちとはいえ、僕にとっては価値あるトマトである。

告白

2013-02-13 22:28:28 | Weblog
 明日はバレンタインデーである。そして愛の告白も様々である。『二度と会いたくない男には、こうおっしゃい。 「愛しています。結婚して下さい。子供が欲しいのです」と。 男は車を急発進させて逃げていくでしょう』。米国の人気コメディアンの言葉だそうだ。

 残念ながら、本気であれ、二度と会いたくないからであれ、こんな言葉を一度も言われたことのない僕、愛の告白をされたことなど記憶にない。告白したことがあったかどうかも忘れた。いただくチョコレートはいつも義理チョコ。今年はその義理チョコすらないかもしれない。

 朝日新聞日曜版の全面広告にあった、株式会社明治のCMが気になった。読みながら胸が熱くなった。こんな告白ができる人は幸せだろう。この人が出会った人の1人にでもなれたら、その人も幸せに違いない。


 幸せを運ぶチョコレートを探しに行くには手遅れだし、ラブストーリーを語れる人生でもない。それなら歌でも歌って慰めてみるか。

♪♪♪
チョッコレート♪ チョッコレート♪ チョコレートは 明治♪



断っておくが、株式会社明治の回し者でも手先でもありませんし、義理チョコの催促でもありませんのでお気遣いなく。

ただ、「ありがとう」を言いたくて・・・

旅立つ季節に

2013-02-12 18:41:46 | Weblog
 先日テレビの歌番組を見て歌の上手さに感動し、ここで紹介した松原健之(まつばらたけし)さんのCDが届いた。浅草のレコード店を3軒も探したが、このCDは置いてなかったのだ。1店だけが店頭に置いてあったそうだが、売れてしまったばかりだという。仕方なくネットで注文した。


 このアルバム「旅立つ季節に」には、聴きたかった美空ひばりさんのカバー曲「津軽のふるさと」が収録されている。クリスタルボイスといわれるその澄んだ歌声は、心地よく耳に響き、癒しの世界にいざなってくれる。久しぶりに上手い歌手に出会った。「津軽のふるさと」の他にも村下孝蔵さんの「初恋」や、坂本九さんの「見上げてごらん夜の星を」などとともに、「忘れな草をあなたに」もカバーしている。僕とはなんの関係もないが。。。


 彼のデビュー曲「金沢望郷歌」は、我がホールでもコーラスバンドがよく歌っていた。その歌が彼の歌だと初めて知ったのだが、これもなかなかいい曲である。

金沢望郷歌 2009秋編

 また内記章氏とのインタビュー動画では、彼の人柄や歌への姿勢も伺われて好感が持てる。この動画は21分という長いインタビューであり、時間があり、彼に興味を持たれたらご覧いただきたい。彼のファンになるかも知れません。

内記章氏 松原健之さん インタビュー動画

 最後にいくつもの動画の押し付けをお許し願って、インタビューの中でも言っていた、映画「北のカナリアたち」の応援ソングであり、小椋佳さん作詞作曲の「あなたに逢えて」を聞きながら、彼の才能が花開き、息の長い歌手として活躍されることを願い、これからも応援しようと思う。

松原健之/あなたに逢えて

似顔絵イラストメーカー

2013-02-08 23:25:05 | Weblog
 先日の日曜日のこと、上野公園を歩いていると人だかりがしている。何事かと近づいてみると、若者たちが似顔絵を描いている。場所柄、芸大の生徒さんかと思って尋ねると、違うという。似顔絵のプロ養成教室の生徒さんで、実習としてここで無料で描いているというのだ。


 絵の傾向を見ると先日浅草で描いてもらったのと同じである。聞くと、やはり同じプロ養成教室の生徒さんだという。そういえばあの時、体験教室とプロ養成教室があるといっていた。そこで再び僕も描いてもらうことにした。


 似ているかどうかは、ご覧いただく皆さんにお任せするとして、現代の似顔絵師といわれる山藤章二さんは、似顔絵とは、単に対象に肖似した絵ではなく、批判の手段である――すなわち、実物そっくりのものではなく、制作者にとって対象がどのように見えるかを写すものである、といっている。

 似顔絵は写実的ではなく、その人の特徴を誇張するほうが面白く、風刺が効いていればいるほど見る側は楽しいものである。ところが特徴というのは、本人にとっては欠点ともいえ、その欠点を誇張されることは、決して愉快なことではない。前回もそうだが、我が似顔絵も決して僕自身納得しているわけではない。しかし、他人(ひと)はそのほうがより面白いのである。

 PCをはじめた10年近く前、あるソフトを使って自分の似顔絵を描いたことがある。自分の顔の特徴を入力して出来上がったのが下の絵であるが、10歳も若い頃であり、まぁ、似てなくもないかなと思ったのだが、探したら保存してあった。


 そして再び似顔絵のソフトを探して、再挑戦してみたのが下の絵である。ちょっと若作りでもあり、実物よりはるかにイケメンに出来上がっているが、それは自分で作る強みである。


 写真という文字は真実を写すと書く。前回に続き、醜い自分の顔写真を晒す図々しさをお許し願って、比較していただければ似顔絵ソフトの面白さも伝わると思い、恥を忍んで再びの暴挙である。


 なお、興味のある方は、この似顔絵イラストメーカーで、ご自分やご家族の似顔絵を作ってお楽しみいただけたらと思っての投稿である。使い方は、ソフト上部の「背景」「髪型」などをクリックし、その中の自分に合う画を選べば、ソフト左上の顔画像に置き換えられるので、お試しあれ。

鍋奉行と灰汁代官

2013-02-06 21:53:46 | Weblog
 東京では雪は降ったものの大雪にはならず、浅草は雪がパラついた程度で済んだが、大雪予報は見事に外れた。前回の成人の日も気象庁の予報が外れ、都心は大雪で大混乱を起したためか、今回は少しオーバーな予報になったのだろうか。気象予報士の森田さんの話によると、天気予報は少し誇張気味に出したほうが安全策だと言っていた。

 積雪はなかったが、こんな寒い日は鍋料理に限る。鍋料理に欠かせない野菜は、今冬の寒さのため高騰している。そこで葉物野菜を最小限に抑え、水菜を1袋まるごと使う、さっぱり味の鍋で身体を温めた。


 材料は、しめじ、油揚げ、大根、長ネギ、豆腐、水菜、そして薄切りの豚肉。具材の相性もよく、具を用意すれば作り方も簡単である。


 土鍋に、出し昆布、酒、みりん、薄口醤油、塩少々で大目のスープを作り火にかける。沸騰する前に肉をほぐし入れ、更に水菜以外の具をすべて入れ、蓋をする。 


 沸騰したら水菜を入れ、ひと煮立ちすれば出来上がり。熱々のスープと共に食べると、身体中から汗が噴き出すほど温まり、リーズナブルで財布も寒くならずに済む。


 正月の余った餅を入れると、これだけで1食分になる。余ったら今度はうどんを入れて2食目、最後はごはんと溶き卵で雑炊にして、1粒ではなく、1手間で3度美味しい簡単鍋料理。この料理の詳しいレシピはこちらでご覧いただけます。

♪津軽のふるさと

2013-02-05 22:36:28 | Weblog
 NHKテレビの歌謡コンサートを見た。この番組を見ていつも思うことだが、往年の歌手が出演するコーナーでは、衰えた歌声を聞くに忍びなく、昔のイメージを壊したくないので好きではない。

 それはそれ、番組の名曲コーナーでは、美空ひばりさんの歌の中で僕がいちばん好きな歌といっても過言ではない「津軽のふるさと」を、初めて聞く名前の歌手が歌った。ひばりファンの僕は、彼女がリリースしたすべてのオリジナル曲が収録された35枚組みのCDを持っている。

美空ひばり ♪津軽のふるさと

 彼女の歌を他の歌手が歌うことを良しとしない僕。それは彼女より上手く歌うことは無理であり、歌のイメージを損なうから。ましてや、僕が好きなこの歌を、名前も知らない若い男性歌手が歌うことなど許せないと思った。

 ところがである、歌い出すや否や僕は画面に釘付けになった。松原健之(まつばらたけし)という歌い手さんの、女性かと思わせる澄んだ高音で丁寧に歌うその歌声は、ひばりさんに似て非なる魅力があり、フルコーラスを歌った彼の素晴らしい歌唱力に聞き惚れてしまった。番組が終わって早速Youtubeで検索した。動画付きの彼の歌が見つかったが、録音状態も悪く番組で聞いた歌声とは全く違う。

松原健之 ♪津軽のふるさと 

 そこでNHKに電話して、再放送があるかどうかを尋ねたが、残念ながら再放送の予定はないという。NHKオンデマンドという手もあるが、契約もしていないし、基本的にオンデマンドは録画ができないという。番組を録画しなかったことを悔やんだが、それはあとのお祭りマンボ。

 ネットで検索し、彼の「旅立つ季節に」のアルバムに収められていることを知った。ネット購入は4~5日かかるという。明日の天気は大雪の予報であるが、早く聴きたいので天気次第では早急に買いに行こうと思っている。久しぶりに鳥肌が立つような痺れる歌を聴いた。

訃報

2013-02-04 21:27:41 | Weblog
 中村勘三郎さんに続いて、またまた歌舞伎界の巨星が落ちた。白血病という大病を克服したと思っていた市川団十郎さんの死は、熱烈な歌舞伎ファンとはいえない僕にとっても、勘三郎さん同様、残念である。

 勘三郎さんも団十郎さんも、まだ勘九郎、海老蔵時代に舞台を見たことがある。当時の団十郎さんは、籠りがちな口跡が気になったが、後にテレビで見る限り、あのやさしさの中にある目力と共に、重く響くような声音(こわね)が魅力になっていた。


 お二方とも浅草には所縁(ゆかり)も深く、勘三郎さんは先日も紹介したように、浅草での平成中村座を立ち上げ、団十郎さんは九代目団十郎の『暫』の銅像が浅草寺裏に建つ。


 その銅像の前で行われる泣き相撲では、学生力士に抱き上げられた赤ちゃん同士の対戦の審査員も務める団十郎さんを、間近で撮影したこともある。


 あの日の元気な姿と優しい笑顔が印象的であるが、二度とあの笑顔を見ることができないのは寂しくもあり、我がPCに遺された画像をもう一度ここで紹介して、哀悼の意を表そうと思った次第である。



合掌