勿忘草 ( わすれなぐさ )

「一生感動一生青春」相田みつをさんのことばを生きる証として・・・

アスリート

2011-09-29 22:57:06 | Weblog
 我がホール新世紀には、男女合わせて100名ほどの教師がいる。入れ替わりの激しい世界だが、僕が入店して30数年、気が付くと3番目の古株になっていた。最近の社交ダンスは、本来の社交目的から、スポーツとしてのダンス愛好家が増え、一昔前のようなチークダンスを踊る人は皆無と言っていい。

 教師の中には、現役の競技選手として活躍する若手もいる。昨夜は我がホール所属の現役競技選手によるデモンストレーションが行われたが、その味のあるパフォーマンスをご覧ください。







 一部と二部の間には、コミックダンスのパフォーマンスもあり、出演者全員による熱演が繰り広げられた。


 店長も借り出され、最後には殺されてしまうストーリーが展開されたが、選手にも負けないほどの熱演だった。





 僕が応援する千春ちゃんカップルは、海外での競技会への出場のため、今回は参加できなかったのが残念ではあるが、皆さんの熱演は最後まで盛り上がり楽しませてくれた。







喧嘩かぶり

2011-09-28 00:13:13 | Weblog


小僧君 いよいよ秋本番だねぇ


おじちゃんが大好きな夏も もう終わりだね


秋はお祭りの季節でもあるけど 今年は大震災があって 各地でお祭りが中止になって淋しかったね


じゃぁ僕がお祭りスタイルで盛り上げるよ


秋祭りは 五穀豊穣を願うお祭りが多いようだから 小僧君も張り切ってね


うん ボクこの「喧嘩かぶり」の鉢巻で 自然災害をやっつけるよ!



小僧君の「喧嘩かぶり」が粋でかわいいから おじちゃんと2ショットで記念撮影しよう


おじちゃんとの2ショットは初めてだね



小僧君のおちんちんかわいいけど おしっこはおじちゃんより勢いがいいね


おじちゃんは尿漏れ大丈夫?


おいおい まだまだ老人用のオムツはしてないぞ( ̄◇ ̄;)



おじちゃん喉が渇いたから 小僧君のおしっこ飲んじゃおうかな


おじちゃん そんなことするとボクのおしっこ止まっちゃうよ


あははっ 冗談冗談


それよりおじちゃんも喧嘩かぶりの鉢巻にすれば 


なぜだい?


喧嘩かぶりは鉢を締めるので 垂れ目も目立たなくなるし ハゲも隠れるでしょ


お~ぃ ( ̄O ̄;)

天高く

2011-09-26 23:42:25 | Weblog
 今日の東京は10月下旬の気候だとか。突然の秋に戸惑いながら、扇風機にお役御免を言い渡し、今度は夏物と冬物の衣類の入れ替えを行った。とはいえ、押入れの収納ボックスの引き出しを、天袋の引き出しと入れ替えるだけではあるが。。。


 ところが、冬用のパンツを穿いてびっくり、ウェストが締まらない。暑い夏が終わり、食欲の秋はまだ始まったばかり、それなのに、昨年は穿けたはずのパンツが穿けなくなっている。夏痩せどころか夏太りになっていた。


 メタボが健康に悪いのはわかっているが、ある年齢になったら、痩せているよりも太り気味のほうが貫禄もあっていいと、勝手に思っている僕。特に太っているわけではないが、昨年の健康診断では、メタボ予備軍と言われていた。しかし、今年は立派なメタボ親父になってしまった。夏物のパンツはなんとか騙しながら穿いていたが、馬肥ゆる秋はこれから、全ての冬物のパンツは寸法直しに出さなければならない。あ~ぁ!

お役御免

2011-09-23 21:57:37 | Weblog
 台風一過の東京は急に涼しくなり、突然秋がドカドカと遠慮なく我が家に上がりこんできた。暑さ寒さもなんとやら、先人の言葉に妙に納得である。どこかに電話をかけるわけでもないのに、「もうしょ・もうしょ」と口癖のように叫んだ今年の夏だったが、猛暑日は平年より少なく、猛暑の昨年に比べると半分程度だったという。ただ、最高気温が30度以上の真夏日は平年より多かったらしい。

 今年は原発事故による節電で、エアコンの代わりに大活躍した我が家の扇風機も、今日でお役御免にした。といっても毎夏エアコンはほとんど使ったことがなく、扇風機の活躍はいつものことである。


 今夏の平均気温は観測史上4番目の高さだったそうだが、全国の電力需要はピークでも、記録的な冷夏だった1993年と同じくらい少なかったという。企業をはじめとする個々の節電効果によるものであることは疑う余地はないのだが、努力すれば、福島の原発がなくても電力供給は足りるという証明でもある.


 15年以上も使い古した我が家の扇風機は今年はお役御免になったが、僕と同じ老体ではあるが、来年もまた活躍してくれることだろう。しかし、リスクと犠牲があまりにも大きすぎる原発は、お払い箱にするべきではないのか。。。

虎の巻

2011-09-22 23:19:20 | Weblog
 パンが嫌いではないが食事の代わりにはならない僕、朝食はやはり白いご飯がいい。白いご飯に無くてはならないものが味噌汁と漬物。数ある漬物の中でも僕にとっての双璧は、糠漬けと白菜の塩漬けである。

 日本にはそれぞれの地方独特の漬物があり、旅行先で食べるその地方自慢の漬物は美味しく、買い求めて家に持ち帰って食べると、あの時の旨さとは少し違っている場合が多い。それぞれの地域の漬物は、その気候風土の地で食べるのが一番美味しい食べ方なのかもしれない。

 山形には滅多矢鱈に野菜を入れる「やたら漬け」という漬物があることを知った。数あるやたら漬けのひとつ「虎の巻」を「山形プラザ」で手に入れた。


 きゅうりと人参を白菜で巻き、菊で包み込む。それを昆布で〆て甘酢で漬け込んだ、手間暇かけた逸品だという。


 早速白いご飯と味噌汁の朝食の友にした。今までの塩味の効いた漬物のイメージとは違い、やさしい甘酢味とシャキシャキ感は、副菜にするのはもったいないほどの存在感と旨さである。今までの僕にとっては、糠漬けと白菜漬けの他に、北海道の松前漬け、京都の千枚漬け、信越地方の野沢菜漬が、好きな漬物の上位だったが、これからはこの「虎の巻」も加わることになりそうだ。地方には、まだ食べたことのない美味しい漬物がたくさんあると思うが、新しい発見も楽しみである。

二匹目のどじょう

2011-09-21 22:19:43 | Weblog
 どじょうは金魚にはなれない、と誰かが言った。柳の下に二匹目のどじょうはいないともいわれるが、台風の影響で雨の降る銀座に、二匹目のどじょうを捕まえに行った。


 柳といえば銀座、銀座のシンボルでもある柳の下にどじょうが出るのは雨の日に限る、と思ったわけではないが、台風が近づくこんな日だからこそ行く意味はあった。先日お話したように、歴史的な円高による金の高騰で、手持ちの金製品を売って思わぬ小遣い稼ぎをした。その時は一人十点までの制限があり、まだ少しばかり手元に残っていた。


 そこで、雨の日ならお客様も少ないだろうと出かけた田中貴金属店。案の定待ち時間はなし、二匹目のどじょうは、右下のブレスレットは思ったとおりの金メッキのため、価値はなかったものの、残りのわずかなものだけで驚くなかれ、クルーガーランド金貨と合わせて16万8,365円の金魚に化けた。



 先日の62万8,853円と合わせると、79万7,218円の不労所得となったわけである。前回一緒に行ったお客様の話によると、彼女のネックレスは買ったときの値段よりはるかに高価な値がついたと言っていた。

 こんな金の高騰を背景に、貴金属の買取トラブルも相次いでいると新聞が伝える。家に突然押しかけた業者が貴金属を見せるよう迫り、強引に安値で買いたたきキャンセルには一切応じないとか。身近にもそんな話をよく聞くが、クーリングオフ制度も購入者の保護を目的としているため、この制度は売り手には役には立たないらしい。

 我がブログにより金を売ろうと思った方は、どうぞ信用のおける業者を選ぶことをお勧めします。因みに、田中貴金属店は待つとはいえ対応も丁寧で、ただ路上で待たせることはしません。向かいのビルの喫茶店での待機と、ペットボトルの水の配布や、飴やお菓子の用意もしてくれます。計算書の明細も納得できるものでした。

 高速台風15号は各地で被害を出し、猛スピードで通り抜けたが、その影響による雨の銀座の柳の下には、二匹目のどじょうがいた。

ら抜き言葉

2011-09-18 23:50:25 | Weblog
 前回も取り上げたばかりだが、言葉は進化し若者は次々と新しい言葉を作り出す。大人はそれに眉をひそめ日本語の乱れと苦言を呈す。そのときに必ず取り上げられるのが「ら抜き言葉」である。

 今回取り上げたYouTubeからの音楽は、石原裕次郎さんが歌い、浅丘ルリ子さんの台詞入りの「地獄花」である。僕の好きな曲であるが、その理由のひとつに彼女の台詞の良さがある。流石に言葉を大切にするトップ女優である。

地獄花 石原裕次郎・浅丘ルリ子

 この「地獄花」と、表題の「ら抜き言葉」の関係であるが、台詞の一節に「誰も二人の世界には入って“来れない”んですよ」とある。このとき既に作詞家の萩原四郎氏は「ら抜き言葉」を使っていた。この曲の発売が1971年であるから、今から40年前のことである。「天声人語」によると、川端康成氏も「雪国」で、芸者の駒子に「来れないわ」「来れやしない」と、何度も言わせているという。

 ら抜き言葉には利点もあると、以前ある言語学者(金田一春彦氏だったと思うが)が言っていた。「来られる」や「見られる」などは、可能の他に尊敬や受身を意味することもあり、「来れる」「見れる」は「来ることができる」「見ることが出来る」などのように可能だけの意味として使われ、誤解を招かない便利な言葉だと。。。

 言葉は生き物、近い将来「ら抜き言葉」は立派な日本語としてアナウンサーにも使われる言葉になるかもしれない。ただ、今は僕は使いたくない言葉ではあるが。。。

暑っ!

2011-09-15 23:49:04 | Weblog
 ここ数年若者を中心に、「寒っ」「すごっ」「短っ」「長っ」「うるさっ」など形容詞の「い」を除く使い方が浸透ているという。文化庁の「国語に関する世論調査」によると、こうした言葉遣いは「方言ではない」とし、6割以上が「気にならない」と答えているそうだ。この言い方は、その語感をより強調する効果があり、若者同士の話し言葉として、僕としては「ら抜き言葉」よりははるかに許せる言葉である。文法上誤りとされる「ら抜き言葉」は若者を中心に増加傾向で、今後も確実に増加するとみ(ら)れるという。(この場合の「ら」は絶対に省けない)


 昨夜お客様からメールが入った。「具合が悪くなり救急車で入院し、今ベッドの中です。落ち着きましたらメールします。返信はいいですよ」。すぐに「心配しています」と返信した。彼女、今月の初めに心臓の手術をしたばかりである。といっても、カテーテルで心臓の血管を広げる手術だそうだが。。。そして先ほど電話があり、原因は熱中症とのこと。とりあえず命に別状がないことに安堵の胸を撫でおろす。

 東京は熱帯夜が一週間も続いているというが、各地で熱中症のニュースが後を絶たない。熱中症は高齢者だけではなく、小学生なども発症しているようだが、他人事(ひとごと)と思わず、気をつけねばと気を引き締める。この暑さに思わず「暑っ」と言いたくなる僕は、若者?それとも馬鹿者?

残暑

2011-09-14 23:13:19 | Weblog
 都会ではなかなか蝉の声を聞けないが、近くには上野公園や隅田公園がある。あの騒がしかった蝉時雨が声を潜め始めたが、今年はまだひぐらし蝉の鳴き声を聞いていない。夕暮れ時に聞くひぐらしの声は物悲しくもあり、行く夏を惜しむ声でもある。しかし、9月も半ばだというのに連日の猛暑と熱帯夜、ひぐらし蝉は鳴くのを忘れたようだ。そこで高音質のひぐらしの声を聞いて、涼しさを感じることにした。

ひぐらしの鳴く声 【高音質】

 隅田川には、沈みかけた夕日が黄金色に輝き、アサヒビールの建物にはスカイツリーも黄金色に染まる。



暮れがたき夏のひぐらしなかむればその事となく物ぞ悲しき 

≪在原業平≫


 この残暑も今週いっぱいだとか、夏が好きな僕にとっては、ひぐらしが鳴かずとも少しばかり物悲しい気もするが。。。

満月の夕

2011-09-11 23:58:54 | Weblog
 明日(12日)は中秋の名月、十五夜である。その前夜の月を小望月(こもちづき)とも幾望(きぼう)ともいうらしい。幾は「近い」という意味だとか。


 十五夜を前にあの大震災から半年を迎えた。2011年3月11日14時46分18秒に発生した、東北地方太平洋沖地震は日本の観測史上最大の地震として忘れることの出来ない災害になった。新聞には被災者数が毎日掲載され、身元不明の遺体も1,100体もあり、特定作業も困難だそうだ。



 「満月の夕(ゆうべ)」という歌があるのをご存知だろうか。1995年1月17日に発生した阪神・淡路大震災をテーマにした楽曲であるが、その歌詞が切ない。



夕暮れが悲しみの街を包む
見渡すながめに言葉もなく
行くあてのない怒りだけが
胸をあつくする

 東日本大震災で被災した方々の悲しみを忘れないために、この楽曲を聞きながら再びあの日を振り返り、一日も早い復興を願い、明日への希望を満月に託すとしよう。

東日本大震災 / 満月の夕
 


それでも人はまた 汗を流し
何度でも出会いと別れを繰り返し
過ぎた日々の痛みを胸に
いつか見た夢を目指すだろう

碧空

2011-09-08 23:01:47 | Weblog
 古人(いにしえびと)は秋の訪れを風の音で知ったという。暑さの戻った東京は真夏の太陽が照りつける。しかし、見上げる空は碧く高く広くそこに秋を知る。


スカイブルーの空に聳えるスカイツリーがひときわ高く感じるのは、抜けるような空の碧させいだろうか。


夏を惜しむかのように、スカイツリーと背比べをしている夏の花カンナが背伸びをし、

 

スカイツリーに絡もうとしているのか、蔓を伸ばすノウゼンカズラの赤い花が碧空に映え、

 

碧空を流れる雲と、川を渡る風に秋を知る。


 隅田川沿いには、眼前にスカイツリーを眺めながら、座ったり、寝転んだり、もたれかかったりしながらくつろげる場所がある。


 芸大・台東・墨田観光アートプロジェクトによる「LOOK」は、ベンチを支える矢印がスカイツリーの最上部を示し、スカイツリーと共に過ごす癒しの「居場所」である。 


 台東区側の隅田公園・隅田川沿い言問橋南にある「LOOK」でのくつろぎは、間もなく色づくであろう桜の葉のざわめきにも秋を知る。 



秋きぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞおどろかれぬる(古今和歌集)

◇藤原敏行◇


おいしい山形

2011-09-07 22:28:32 | Weblog
 有楽町駅から程近い、銀座一丁目に誕生した山形県アンテナショップ「おいしい山形プラザ」に立ち寄った。2009年に誕生したというこのアンテナショップは、“おいしい”山形県が詰め込まれているという。


 数ある“おいしい”から選んだ品は、野菜類の他に、山形名物「いも煮」のレトルト食品など数点。居ながらにして味わう山形に舌鼓を打つ日々である。 


 秋の気配が感じられるとはいえ、厳しい残暑に冷たいものが食べたくなった。山形人はラーメン好きといわれ、「冷やしラーメン」の発祥の地でもあるという。夏になると誰もが一度は口にするであろうあの「冷やし中華」ではない。冷たいスープで食べる「冷やしラーメン」である。



 僕にとって初体験の冷やしラーメンだが、山形発やわらかくんせいたまご“スモッち”もある。これも使うことにしよう。


 氷を浮かせて食べる冷やしラーメンはさっぱり味だが、食材の工夫で違う味わい方が出来ることを考えながら、今日の暑さを胃の中まで冷やしてくれた。 


 汗を流しながら食べる熱々のラーメンの概念を捨て、冷たいトマトなどの夏野菜の相性もよさそうだ。今度は残っている一人前で、どんな味にしてみようか。。。

災害は・・・

2011-09-05 23:11:57 | Weblog
 9月5日午後1時、突然複数の消防車のサイレンがけたたましく鳴り響いた。この地域は風俗店が立ち並び、また開業したばかりの区立病院もあり、救急車やパトカー、そして消防車のサイレンには慣れっこになっている。ところが今日のサイレンの鳴り方はいつもと違う。サイレンと共に、地震発生による注意の呼びかけを伝える。8月30日から始まった防災週間最終日の今日、台東区による防災訓練のようだ。


 『天災は忘れた頃にやってくる』は寺田虎彦氏の言葉とされている。氏はいう、「文明が進むに従い、人間は自然を征服しようとし、わずかな科学の知識で大自然を征服したつもりでいる」。更には「人間は何度同じ災害にあっても決して利口にはならぬ」と続ける。

 東日本大震災から5ヶ月足らず、今度は大型台風12号による記録的な大雨で、紀伊半島は土砂災害や河川の氾濫による大きな被害が出たという。いまや、記録的とか予測不能や想定外という言葉は通用しない。いつ自分の身に降りかかるかもしれない災害に、明日は我が身と心する。

 あの3月11日、隣り合って建つ岩手県の釜石東中学校と鵜住居(うのすまい)小学校の生徒は、合流して高台に走ったが、迫る波を見て先生の指示を待たず更に上へと駆け、10分後に校舎は波に飲まれたが、600人近くは無事に逃げ切ったという。

 東日本大震災の教訓として「自分の身を守るためには、自分で考える力を育てるべきだ」との考え方から、岩手の宮古小学校では、判断力や協力心を養うための「全校遊び」を始めたとか。「自分や友達の命を守る力は、普段の『遊び』や『学習』の積み上げ」と話す校長の言に納得する。外で遊ぶことが少なくなった現代っ子の生活習慣を考え直すいい機会かもしれない。とはいえ、自分に我が身を守る能力が備わっているかどうかは疑問だが。。。
 

 

ゴールドラッシュ

2011-09-03 23:48:41 | Weblog
 19世紀の半ば、アメリカのカリフォルニア郊外で金が発見され、一攫千金を狙い世界中から人々が殺到した。後にそれをゴールドラッシュという。今、銀座のど真ん中でゴールドラッシュが起きている。円高などにより金の価格が上昇し、手持ちの金製品を売る人が増えているという。金地金などの売買の大手、田中貴金属の本店前には早朝から人が並ぶ。


 3時間近くもかけてダンスを楽しみに来るある年配のお客様、もう身に付ける機会も少なくなった金製品を、金が高騰しているこの時期に手放してもいいという。それならば、僕も若い頃買い集め、身分不相応にギラギラと身に付けて粋がっていたあの頃を恥じながら、ジュエリーボックスに眠っているブレスレットなどを処分しようと考えた。 


 数日前、10時30分開店の田中貴金属店の前に行ったのは、9時を少し過ぎた頃、暑い陽射しの中既に店の前には長蛇の列が出来ていた。朝6時に並んだ人もいるという。警備員の案内によると、数時間は待つことになるとの説明。更に、売買できるのは一人10点まで、身分を証明するものが必要だという。困った、運転免許を持たない僕だが保険証は持ち歩かない。待ち合わせをしているお客様にメールで告げると、彼女も持っていないし、今から取りに帰ることなど無理とのこと。彼女の来るのを待って、僕が家まで取りに行くことにした。

 お店からはペットボトルの水のやら、飴やチョコレートなどを列に運んでサービスをしてくれる。そして待つこと数時間、僕の保険証でお客様の金を査定してもらった。彼女は20万円くらいになるかしら、と言っていたのだが、驚くことに査定価格は80万円を上回った。改めて僕の順番を待とうとすると、午後の8時になるという。諦めて後日来ることにしたのだが、その日の昼食は豪華にステーキをご馳走になった。 


 そして今日、台風の影響で天気も不安定なため、待ち時間も少ないだろうと一人出かけたのだが、案の定店の前に並んでいる人はいなかった。それでも整理券は47番。


 いざ手放すと思うと未練も残るが、10点までという制限に査定してもらったのは、ブレスレットやペンダントの他に、インゴットが1点、みな思い出の品ばかり。


 今日は金の価格は先日より更に値上がりしているという。出直したことは良い結果に繋がった。そして計算書に記された金額は下記の通り。



 金銀製品とインゴットを合わせて、現金で62万8,853円也を手にした。台風の影響で時々激しい雨音がしているが、思いがけない臨時収入に今夜は夢見がよさそうだ。

攻防

2011-09-01 22:21:03 | Weblog
 暑い暑いといっているうちに早9月、夏と秋とがせめぎあい、蝉の鳴き声も心なしか淋しそう。鳴き疲れたのか、蓮の葉でひと休みする蝉が突然おしっこをかけて飛び立った。するとその後を追うようにスズメが1羽宙を舞う。


 逃げる蝉と、追いかけるスズメ。追いつ追われつの攻防の末、ついに蝉はスズメに捕まった。そのときのスズメのすばやい動きに目を見張る。小さい命の一瞬の攻防に去り行く夏を見た。


 振り向くと、こちらでも生きるための攻防が繰り広げられていた。誰が置いたか、餌を独り占めする野良猫と、数では勝るが勇気に欠ける鳩との攻防は一進一退。


 それでも徐々に包囲網を敷き、野良猫は数には適わぬと後ずさり、ついに鳩は餌にありついた。鬩(せめ)ぎ合い、鎬(しのぎ)を削りながらの凌(しの)ぎ合い。小さな世界の小さな攻防。


 行く夏と来る秋のように、どこの世界にもせめぎあいはある。しのぎを削る勢力と勢力は、醜くお互いの非を罵るだけ。そこにはクリエイティブなものは何もない。そんな不毛な攻防は見たくもないが、技とスピードを競うスポーツの世界でのせめぎあいは、見るものを惹きつける。世界陸上の熱き戦いには、晩夏の残暑も適わない。ただ、日本の選手の活躍をもっと見たい気はするが。。。