勿忘草 ( わすれなぐさ )

「一生感動一生青春」相田みつをさんのことばを生きる証として・・・

千鳥ヶ淵の桜

2015-03-31 23:58:31 | Weblog
 「花は優しい。見る人を慰めて何も見返りを求めない」。美輪明宏さんのツイッターからの引用です。開花宣言から一気に満開になった東京の桜の下、千鳥ヶ淵のお堀には多くのボートが浮かび、春爛漫を謳歌しているようだった。




 ところが、静かな水面を水しぶきを上げながら、音を立てて一艇のモーターボートが走り去った。やがてボート乗り場付近には、次々とボートが集まり始め、無人のボートが整然と並ぶ。このモーターボートはボート客に何かを知らせるために走ったようだ。




 ボート乗り場には長蛇の列ができ、強風のためボートは中止となりいつ再開されるかわからないと告げているが、列を離れる人はいない。



 咲いたばかりだというのに、風に揺れる枝から散った花びらが水面に浮かび、ボートは一艇も見えなくなった。それほどの強風とは思えなかったが、やはり大事をとったのだろうか。





 初夏を思わせるような汗ばむ陽気に、何年振りかに出かけた千鳥ヶ淵の桜は、何の見返りも求めず、優しく僕を慰めてくれたのだった。

破れ傘

2015-03-29 14:43:09 | Weblog
 京都知恩院には七不思議があるとか。その一つが左甚五郎の忘れ傘。日本一の名工と言われた左甚五郎が、知恩院の完成の見事さに、魔除けのために置いていったとされる傘が、今は破れて骨だけになって軒裏にあるという。


 我が家では春の陽射しを浴びて「ヤブレガサ」が開いた。この傘は開いても日除けにもならなければ、雨除けにもならないが、魔除けにはなるかもしれない。


 この破れ傘の花言葉は「透き通る心」。透き通る心など持ち合わせていない僕、知恩院の甚五郎傘のように、心に住む悪魔をこの破れ傘が追い払ってくれるといいのだが。。。

夢一輪

2015-03-26 23:24:33 | Weblog
 我が家に桜が咲いた。部屋の中に桜が咲いた。花瓶に生けた桜が咲いた。桜が咲くと心が躍る。桜が咲くと夢も咲く。春の夢は儚きものでもあるが。
「桜折る(切る)馬鹿 梅折らぬ(切らぬ)馬鹿」などという言葉がある。梅の枝は伸びすぎると形が良くないので、切ったほうがいいが、桜は切り口から腐りやすくなるので、特に太い枝は切らないほうが良いとされるらしい。


 造園業を営む友人がいる。彼が庭の剪定作業中にどうしても切らなければならない桜の枝があった。その枝にはまだ硬い蕾がついていた。捨てられるはずだった桜の枝をいただき、花瓶に無造作に挿しただけなのだが、硬かった蕾が次第に膨らみ、遂に数輪の花が開き我が家に春の夢を咲かせてくれた。

春彼岸

2015-03-24 21:28:49 | Weblog
 彼岸明けの今日、実家に墓参りに行くが、天気はいいものの冬が舞い戻ったような風が冷たい一日になった。歩いても10分足らずの場所にある墓は桜の木に見守られ、子供の頃ここの桜が満開になると、悪ガキと一緒の遊び場でもあった。隣村の悪ガキと喧嘩をした場所でもあり、そこで学んだことも多かった。


 東京では桜の開花宣言があったばかりだが、ここの桜はまだ蕾も固く、開花は少し先になるだろう。実家を出て一人暮らしを始めてから40有余年、その間まだこの桜が咲いたのを見たことがない。生きているうちに一度は満開の桜を見たい気もするが、果たしてその機会があるだろうか。


 実家には昨年若くしてこの世を去った甥のひとり息子がいる。彼も小学5年生になり、スポーツに遊びに忙しく、顔を合わせる機会も少なくなった。メンバーが足りないために誘われて始めた野球だが、彼の自慢の二つのボールがあるという。左は彼らを含む複数のチームの野球教室に訪れたラミレス氏のサインボール。これは自分のチームでただ一人くじ引きで当たったそうだ。そして右にあるのは3日前の21日、彼にとって初めてのホームランの記念ボール。HRと言ってもランニングホームランだそうだが、このHRにより打順が下位から2番に昇格したのだとか。彼の母親によると、このHRは初めで最後になるかもしれないという。ささやかな記録であっても、彼にとってはいい思い出になるだろう。僕は勧めた。勉強も大切だが、子供の頃の体験は大人になって役立つものだから、遊びもスポーツも、そして喧嘩も多いに経験させてあげるといいよと。子供は子供らしく、腕白でもいい、逞しく育って欲しい。

質朴

2015-03-22 11:39:00 | Weblog
 中華そばという名でありながら今や日本の食べ物と言ってもいいラーメンだが、インスタントから高級食材の具入りなど、その種類も味も様々で奥が深く、僕も大好きな食べ物のひとつである。


 僕が時々お世話になっているラーメン屋さんがある。ラーメンというより支那そばと言ったほうがいい何の変哲もない中華そばだが、このお店、昼時に行くと道路まで列ができている人気店である。


 店頭に掲げられているこのお店のモットーが気に入った。「流行を追わず 奇をてらわず」「至って質朴」「至極真摯に 手間かける」。歳を重ねてダウンシフトをしながらシンプルライフを心掛ける僕にとって、このラーメンのような質朴な味が出せたらいいなぁ♪

春うらら

2015-03-17 22:01:11 | Weblog


突然やってきた春を通り越した初夏の陽気に誘われて出かけた上野公園は、蕾は膨らみ始めたもののまだ桜の開花には早いようだ。



しかし、公園のメイン通りの桜並木では、早くもお花見の準備は整っている。



その桜並木の一角では、ヘブンアーティストのパフォーマンスが繰り広げられ、その向こうには春の日差しを受けた早咲きの桜が微笑んでいる。



ソメイヨシノに先立って咲く早咲きの桜の名前はオオカンザクラ。



 そのオオカンザクラは、上野公園の入口にも2本あり、すでに満開と言ってもいい。



 変わりやすいもののたとえに春の空や秋の空がある。明日は西から天気が崩れるようだが、春の空は女心なのだろうか、それとも男心なのだろうか。



一説によると、だんだん暖かくなる春の空が男心で、だんだん冷たくなる秋の空は女心だとか。断っておくがこの説の主は僕ではありません。念のため。。。

お茶会

2015-03-15 20:56:19 | Weblog
文京区にある護国寺に訪れたのは2度目。


前回同様ここで行われるお茶会に招かれたのである。



生憎の曇り空の寒い日ではあったが、重要文化財の本堂への階段の両側では、早咲きの桜の花が出迎えてくれた。

   

 お茶をたしなむ人は高齢者が多いようだが、お茶が身体にいいからなのだろうか、皆さん元気であり、複数の茶席を待つ人たちも寒そうではあったが、そんなことは苦にならないらしい。


 招待を受けたのは、亭主(茶席の主催者)の友人であるお茶の先生で、彼女の好意で案内された水屋(茶室に付随する、準備や片づけをする部屋)での様子も見せていただいた。お茶会は護国寺の2度を含め今回で3度目であるが、正座をするので足が痺れ立てなくなることがあった。そこで今回は正座椅子を使用したので足の痺れは最小限で済んだ。好奇心旺盛の僕、分不相応ではあるがこんな経験も偶にはいいものだ。 

それでも原発推進ですか?

2015-03-12 15:36:00 | Weblog
 メディアで報道されない映像がある。それが何故なのかは僕にはわからない。僕が眼にしないだけかもしれない。この映像が原発推進にマイナスになることは疑う余地がない。

福島原発1、3号機爆発映像

この映像を見てあなたは何を思いますか?

武田教授 報道が決して国民に伝えないもの(3) 3号機の爆発映像

 福島第一原発の汚染水が海に流出していたことを隠していたことが発覚したが、東電の隠ぺい体質は何も変わっていない。他にも隠していることが山ほどあるだろうことは想像するに難くない。

 ドイツのメルケル首相は、4年前の東京電力福島第一原発の事故に関し「このぞっとするような原発事故を連帯感を持って受け止め、より早く原子力から撤退する道を選んだ」と述べている。3月11日の朝日川柳には「似た二国 差は原発と 過去への目」とあった。

 小泉元首相も反原発を掲げ、「日本の原発の安全基準は世界で一番厳しいと言いながら、安全基準の厳しさを何も説明していない。それで再稼働させようとはあきれますね」と述べている。 
 
安倍さん、それでも原発は必要ですか?

花は咲く

2015-03-11 00:00:00 | Weblog
 時が経ち、季節は巡り、花は咲き、花は散り、そしてまた花が咲き、あの日から4年が経った。東日本大震災での被災者数は、2015年2月10日現在:死者(直接死)15,890人、行方不明者 2,590人だそうだ。他にも避難所で亡くなった方や、福島原発事故により自ら命を絶った人もいる。


 東日本大震災の復興支援ソング「花は咲く」を聞くとき、2万人近い人の命を一瞬にして奪った自然の恐ろしさが蘇る。この「花は咲く」は「花は 花は 花は咲く わたしは何を残しただろう」と詠う。作詞の岩井俊二さんによると、震災で亡くなった人の気持ちになって作詩したのだとか。DNA鑑定により昨日新たに判明した不明だった女子中学生もいる。今日の時点で行方不明者は2,584人だという。亡くなった人たちが千の風になって届けてくれる歌声「叶えたい 夢もあった 変わりたい 自分もいた」「今はただ 愛おしい あの人を 思い出す」が悲しすぎる。

火の車

2015-03-04 21:04:45 | Weblog



小僧君 今日は暖かくて春が来たみたいだね


あっ おじちゃん もう3月だけど 2月末に来なかったから心配してたよ


ごめんごめん おじちゃんはちょっと忙しかったんだよ


よかった 具合が悪かったんじゃなかったんだね


懐具合はいつも悪くて 火の車だけどね


あらら じゃぁボクが消火に行こうか? 


おじちゃんの懐の火事は大火だから 小僧君のおしっこぐらいじゃ消えないよ


じゃぁ おじちゃんは 火宅の人だね




おいおい 小僧君 なんでそんな難しい言葉を知ってるんだい


えへへ おじちゃん ボクだって勉強してるんだから


火宅の人って 壇一雄の小説にあるけど 本来の意味は 強い火勢に包まれているのに 楽しみに興じている人のことらしいね


まるでおじちゃんみたいだね  


おじちゃんの懐の火事は もう消すに消せない火の車だから 諦めることにしよう


じゃぁ ボクが消火に行かなくてもいいんだね


生前に悪行を働くと 火車(かしゃ)に乗せられて地獄に行くんだそうだよ


その時は ボクが助けに行くから 安心していいよ


小僧君 やさしいね 


おじちゃん 地獄に行く前に また遊びに来てね


小僧君に 天国に連れてってもらいたいから また来るよ


じゃぁ それまで バイバイ


うれしいね 防火で笑顔の 人と町

江戸流しびな

2015-03-01 15:17:24 | Weblog
 冷たい小雨が降る中、東京に春を呼ぶ伝統行事「江戸流しびな」が台東区側の隅田川親水テラスで行われた。


 3月3日のひな祭りの元になったといわれる流しびなは、子供の無病息災を願う日本古来の行事だそうだが、平安時代が起源だとか。


 公募による一般参加者1,500名と当日の申し込み参加者が、浅草名物の振袖さんを先頭に親水テラスに降り立ち、雛飾り船の幼稚園児と共に紙製の雛人形が隅田川に流された。





 ゆらゆらと揺れながら水面を漂う流しびなは、環境にも優しい水に溶ける素材を使っているのだとか。


 小雨に煙るスカイツリーも、まだ春浅い隅田川の流しびなを見下ろしながら、隅田川畔が桜色に染まる日を待ちわびているようでもあった。