勿忘草 ( わすれなぐさ )

「一生感動一生青春」相田みつをさんのことばを生きる証として・・・

丘の上の眼日記・最終章

2009-03-16 22:26:51 | Weblog
 緑に囲まれた小高い丘の上の美しい建物が、今回お世話になった佐伯眼科クリニックである。
 眼疾患治療の第一人者として知られる、佐伯宏三院長を頼って来る患者の中には、多くの著名人や、他の病院では治らないといわれ、最後の砦として訪れる眼疾患患者があとを絶たない。
診察室には、大使館から来たという、外国の人が、通訳を連れて来ていた。
 病院の入り口にある定礎板には、ここへの入院時にライブ中継されたこともあるという、永六輔さんの言葉が刻まれている。
 眼の形をした楕円形の建物はガラス張りで、3階は一周がすべて病室の窓である。
病室は全部で10室、4人部屋が3部屋と、特別室を含む個室が7部屋。ベッド数は19床の落ち着いたフロアである。
 その中心には、一階から続く階段とエレベーターがあり、ゆったりとした螺旋階段も眼の形をし、まつ毛まである。
そこは病院のイメージとはほど遠い。


退院したばかりの73歳の男性の話
斜視だったが、別の眼の病気で入院、手術をしたという
術後の診察で、院長先生に恐る恐る尋ねた
「先生、ちょっと話していいですか?」
と切り出し
「こっちの眼では正面のライトが見えないんです」
すると、院長先生
「簡単だよ、グイッ!だよ」
そう言って、自転車のハンドルでも直すような仕草をしたという
「明日手術しよう」
そして次の日、見事に正面を向いた眼を喜んだその患者さん
「俺の70年はなんだったんだろう。。。」
 
 数々のエピソードは、数え上げたらきりがない。
しかし、入院費も手術の費用も、決して高価なものではなく、他の病院と比較する術はないが、庶民の僕にとっても充分納得のゆくものであった。
 2階の部分のガラスに写る青空が、こんなに青く美しく眼に映え「一生感動一生青春」を実感した。(ガラスの右隅に、カメラマンも写っています)