小説家、精神科医、空手家、浅野浩二のブログ

小説家、精神科医、空手家の浅野浩二が小説、医療、病気、文学論、日常の雑感について書きます。

参考書の誤り

2008-11-15 20:19:27 | 考察文
参考書の誤り

「私の医学部合格体験記」などを読んでいると、いい参考書と皆が言ってるものの中に、たいして、いい参考書ではないものもあるのがある。まず、大学に合格するには、いかにいい参考書を使ったかではなく、本試験で、いかに高得点をもぎとれるかが全てである。当然の事であるが、その方法として、「合格体験記」などで書かれている、いい参考書を使えば学力が上がるだろうと考えるのは、あまりにも単純である。人はみな違う。自分に一番使いやすい参考書こそが、その人にとって一番いい参考書である。
「英文解釈教室」という参考書があって、あれは非常にいい参考書らしい。名著らしい。しかし私はそうは全く思っていない。むしろ悪い参考書だとさえも思っている。
その理由。
「英文解釈教室」を書いた著者は、駿台予備校の講師である。彼は英語の能力は優れていて、どんな難解な英文でも簡単に読みこなせる。もう英文など飽き飽きするほどの能力である。彼の仕事は、英語を教えることと、それ以外に、英文を翻訳する仕事もあっただろう。彼の一番、興味のある事は、いかに名訳をするか、である。確かに氏の訳はうまい。そして、参考書も訳にポイントを置き過ぎている。しかし、そんな氏のマニア的な好みに付き合うのは時間の無駄である。どこの大学の英語の試験でも、悠長に名訳を考えてる時間などない。試験の得点は答案に書かれている事が全てである。直訳で十分かまわないのである。英文を理解できているという事を示す事に全力を尽くすべきなのだ。

そういう事はいくらでもある。私はZ回は、どんなものだか知らないが、全く無意味だと思ってるし、「大学への数学」なんかも全く無意味だと思っている。模擬試験は駿台より代々木ゼミナールの方が良質だと思う。ただ、代々木ゼミナールの模擬試験は受ける人のレベルが低いから判定は当てにならない。正しい自分の偏差値を知るためには駿台の模擬試験を受けなくてはならない。

英語でいいのは、原仙作の「英文標準問題精講」である。あれの最初の50問は素晴らしい。何がいいといって、選んでいる英文がいい。熟語は、駿台の「基本英文700選」で覚えてもいいが、「試験に出る英熟語」で覚えてもいい。

私は、「合格体験記」などで書かれている参考書など全く無視した。私は我が道を行く、主義である。

参考書や問題集は、うすっぺらいのを一冊、決め、暗記するまで完全に繰り返した。そうすると頭に基本のストックが出来る。基本の一冊を一分以内でパラパラめくるだけで、全てが解るまでにした。

そして頭に基本的なストックが出来ると、他にどんどん参考書を増やしていける。悪問、愚問はとばし、いい問題だけ、覚えるのである。

分厚い参考書を一度、通してやっても、やりっぱなしで忘れてしまったのでは意味がない。覚えてしまう事が大切なのである。

くれぐれも変な、参考書マニアにならない事が大切である。






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