小説家、精神科医、空手家、浅野浩二のブログ

小説家、精神科医、空手家の浅野浩二が小説、医療、病気、文学論、日常の雑感について書きます。

大学の医局へ行った

2008-09-25 02:38:35 | 医学・病気
昨日、(9月24日)地元の医学部の医局に行った。医局員を募集していたから、応募したのだ。精神科ではない。×科としておこう。7月の末日にも以前、一度行ったので、今日は二回目である。この大学に入れなかった事が私の人生において非常に不利になっている。勉強会をしていたが、アメリカから来た医学者がスライドを使って、英語でレクチャーしていた。英語だけで話していたが、大まかに、どんな事を話しているのかは、見当がついたが、もちろんついていけない。やはり大学はアカデミックだ。大学にいれば英語の論文を読まなくてはならないから、大学の医局員は医学関係の英語はかなり読めるだろう。だが、ヒアリングは難しいだろう。読むことは出来ても、聞く、話す、は難しいだろう。医局から派遣されてアメリカに行った人ならわかるだろうが。教授や、一人の医局員は理解できていた。
大学にいると、どうしても医療の最先端の事はアメリカなので英語の医学論文は読まなくてはならない。私はそんなのもウザッたい。それに基本的な診断能力が十分身についていないのに、最先端の論文を研究させるというのもおかしなものである。ちょうど因数分解がわからない人に相対性理論を学ばせるようなものだ。そもそも医者に誤診は一生つきものである。そもそも消化器科の開業医で過敏性腸症候群を正しく診断できる医者は少ないのである。過敏性腸は非常に頻度の多い疾患なのに。
そんな事はいくらでもある。
教授はやたら明るい人だった。私は明るい人が苦手で、やりにくい。私は、うつ病かと思われるほどの、しょんぼりした人の方が疲れなくていいのだが。
幸い、精神的コンディションが良かったので教授と色々な事を話した。精神的コンディションが良かったので、むしろ私の方がハイな位だった。
忘れないうちに一部書いておこう。


私 「先生はちょっとパワーがありすぎますよ。先生は一生、うつ病にはならないと思います」
教授「そう?僕はデプレッションだよ」
私 「そうですか?先生は絶対、平均よりハイですよ。僕はあまりパワーのある人は苦手なんです」
教授「波がある。あがったり、さがったり」
私 「市大は住所が横浜市だと入りやすいと聞いて、本にも書いてありますけど本当なんですか?」
教授「そういうことはない」
私 「でも点数が同じ人が二人いたら、横浜市民の方をとるんじゃないんですか?」
教授「これは秘密の事なんだけど・・・」
私 「僕は聞いた事はすぐ忘れちゃうんです」
教授「・・・・・・・・・・・・」
私 「私もぜひ、ここに入りたくて受けたんですけど落ちたんです」
私 「教授の息子とか、関連病院の院長の息子とかは、手心が加わっちゃうんじゃないんでしょうか?」
教授「それはない。完全に点数だけで決める。一点差があれば、上の人の方をとる」
私 「僕の同級生でも×科の教授の息子がいましたよ。教授は○先生です」
教授「ああ。知ってるよ」
教授「試験は点数だけで決めるけど、面接があって、AからDまであってDだと点数がよくても落とすことはあるよ」
私 「僕も面接は受けましたよ」
私 「僕は×科は素人ですけど、国家試験ていどなら60点はとれます」
教授「それはすごい。入局する人は知識ゼロだよ」
私 「そうですか?国家試験に通ってるんだから国家試験レベルの知識はあるはずじゃないんですか?」
教授「・・・・・」(何て言ったか忘れた)
教授「統合失調症って10人に1人なんでしょ?」
私 「そんなんだったら大変ですよ。100人に1人です」
私 「精神科は薬が全てだから、製薬会社の主催する新薬の説明会があって、あれがすごく勉強になるんですが、×科では、そういうのはあるんですか?」
教授「あるよ。弁当食べながら聞く、あの製薬会社の説明が勉強になるんだよ」
私 「抗アレルギー薬でもいろいろな種類のがありますが、違いがありますか?」
教授「あるよ。抗ヒスタミンだけのとか、マストセルをコーティングするのとか、両方の作用を持っているのかとか。作用機序に違いがある」
私 「ここは黒字なんですか?」
教授「ここの科?」
私 「いえ。病院全体でです」
教授「黒字だよ」
私 「民間病院は経営のため必死ですが、ここは公立病院ですね。公立だと経営感覚が起こりにくいんじゃないんじゃないんですか?」
教授「いや。そんなことはないよ」
私 「ここは地の利がいいですね。それに病院もきれいだし」
私 「厚生省が診療報酬の点数を変えて、医療者側は、それに対応するイタチごっこですね」
教授「うん。でも、厚生省がどんなに診療報酬の点数を減らしても×科だけは大丈夫」
私 「どうしてですか?」
教授「患者数が多いから。DMの患者は×科の検査もするでしょ」
私 「でも支払い基金で切られたりしないんですか?」
教授「大丈夫。むしろ、検査が少ないと言われるほどだから。最も○の患者を月、10回も診てたりしたら、切られるけどね」
私 「外来患者は一日、何人位くるんですか?」
教授「100人くらい」
私 「外来診療を見学させてもらえないでしょうか?」
教授「うん。いいよ」
私 「でも、患者の個人情報の点で問題はないんでしょうか?」
教授「医者には守秘義務があるから大丈夫」
○(今日は飲み会だった。教授の携帯がなって、教授は携帯の相手と話す)
教授「ああ。すぐ行くよ。今、車の中だから」
○(ここは車の中ではない。教授室である)
私 「先生。はやく行って下さい。今日は有難うございました」



その他、×科に関する事を色々聞いた。
×科が何科かを知られたくないので、それは書かない。



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