今日もきのこ 観察日記

野山を散策したときに見かけたきのこ、草花、虫などを書きとめておきたい。いろいろ教えてください。

2011年  なめこの谷の偵察  2011.10.29(1).

2011-11-02 19:14:49 | Weblog


 今年、初めてなめこの様子を見に行くことにした。予定では次週、友人と一緒に行くことになっていて、その下見と言うわけだ。一度雨が降って気温が下がってから、また異様に暖かい日が続いている。日曜は雨の確率70%、土曜は終日曇りの予報だったので、土曜の朝から出かけることにした。目的地は去年は熊が大活躍した辺りで、一日に8頭の熊が捕獲されたという報道もあったくらいだ。単独での、道のない山歩きだから、熊対策と危ない斜面の登り降りを避けること、これが大切だ。いつも無理して、何かやらかすから、今日は絶対無理はしないこと。それと、GPSを持っていざとなったらSOSを送れるようにしなければ。。。携帯は役に立たない山の中だから。


 朝の6時半過ぎに自宅を出発。紅葉しかけた銀杏に朝日があたっていた。車の通りはほとんどなく、コンビニに寄り、お茶、おにぎり、熱いコーヒーを買う。おにぎりは非常用の積り。


 そのまま、高速に乗り山崎ICへ向かう。





 前日の予報しか見てはいないのだが、曇りのはずが空は快晴。ドアミラーに上り始めた太陽が映って眩しい。でも、ミラーの中の青空ってのも面白い景色だな・・・・



ドアミラーの中の空


 ちょっと、運転中にイタズラが過ぎるか・・・・。


 約2時間後、いつもの場所に車を停め、支度をする。完全に山支度。山靴にスパッツ、ストックは緩斜面では役に立つが、急斜面では邪魔になるので、車に置いておいた。斜面で頼りになるのは細い木とか草とか岩だから、両手を空けておくことが大切だ。
さて、歩き出す。暫くは道が続いていて、花など見ながら歩いてゆく。



ミヤマママコナ


 花の少なくなったこの季節、貴重だと思って写真を撮っていたが、進んだ先に沢山咲いていた。




 そして、晩秋の花、ヤクシソウ。。





 道はやがて獣道になり・・・・







 消えかけ、沢に下る辺りでなくなった。その沢の反対側が急斜面となっていて、そこを登らなければ先に進めないことになっている。ここを通過できれば後はなんとかなるのだが、土の壁はよく滑り、登る手がかりは、細いタニウツギの木とか、常緑低木など。途中で、一度ずり落ちたが何とか通過した。


 斜面の上は緩斜面になっていて、下草はネマガリタケなどが少しある程度で見渡しが効く。人影は全くなく、熊鈴の音も聞こえてこない。水の流れる音が僅かに聞こえてくるだけだ。天気は快晴。森はあかるくて一人とはいえ、危険を感じない。。


 木々の間からそれらしきものを見つけ歩いてゆくと・・・・




あった。。


 この木は、枯れてからそれほど経っていない。木の肌が崩れていないので、まだ何年かはなめこが出るに違いない。





ザックを降ろして、一人、なめこを採る。


 なめこ採りは、如何に状態の良いものを綺麗に採るかで、後の手間が大きく変わるものだ。今日は一人だし、袋を拡げて鋏を使って、一つ一つ状態の良いものだけ採る。


 こういう時、一人は辛いところ。なめこは沢山あって、時間がかかる。ふと気がつくと周りに音がまったくせず、ときどき、木の実が落ちるのかパサッとか、ドサッとか音がするだけだ。あわてて、熊鈴をザックから外し首から吊るす。途端にチリン、チリン、と賑やかになった。これじゃ、放牧の牛だ。カウベル?。。。


 一本の木で1kgくらい収穫しただろうか。次の木を探して沢筋の崖の上を歩いてゆくと・・・・、またあった。





遠目、ちょっと育っているかな・・・・、近づいてみると・・・




いい感じ。。でも、崖の際の立ち枯れのミズナラで、無理が利かない。





足を滑らせたら、谷底まで転げ落ちてしまう。


 手の届くだけを採って次の木を探した。そして出会ったのが・・・・・




この木には見覚えがあるぞ。。去年も下から上までびっしりとなめこが出ていたっけ・・・。今年は、去年とほとんど同じペースでなめこが出ているようだ。時期も状態も同じ。








ただ、黙々と鋏でなめこを切り取る。若いなめこは残すのだが、まるで意味がない。だって、全くの無競争の山。残しておいても腐るだけだし、残さなかったらなめこの発生が悪くなる訳でもない。


 山ではナラガレ病で立ち枯れるミズナラが増え、なめこは沢山出ているのだから・・・・・。


 その後、何本かのなめこの出ている木に出会ったが、状態の良いものは少なかった。でも、既にザックはほとんど満杯だ。


 下って行くと、ムキタケの沢山出ている木に出会った。



ムキタケ

手の届くところを収穫して、見上げる。





如何にも大きくなりそうな赤味の強い大粒のなめこ幼菌の上には、ムキタケがまた出ているが、届かないものはしょうがない。。


 森に入ってから2時間とちょっと過ぎたところだが、ザックは重く、これ以上採っても手で持っては帰りの斜面が心配。

 昼飯にしよう。陽あたりの良い斜面に木の根っこが転がっていた。その辺りでザックを降ろし、まずビール。。





美味い! ビールを置いた根っこからきのこが出ている。ヌメリスギタケとかの類だが・・・・


 そして、昼は途中のコンビニで貰ったお湯で・・・・




旨い! 食べて、飲んだが、まだ12時だ。時間が有り余っているかんじ。ポカポカと暖かくて気持ちが良い。しばらくウトウトとしていた。


 そしてふと周りを見回すと、寝転んだ脇の木から可愛いなめこの幼菌が出ている。





 木の反対側を見てみると・・・・




こういうの、味噌汁に入れたら美味そうだな、と思って幼菌だが採集。


 ブナ林の紅葉はもうひと息、もっと冷え込まないと綺麗に色付かないだろうな・・・





 結局、1時間以上、この暖かな斜面でくつろいでから谷を下った。その下りが大問題・・・・・




ここは無事には降りられそうもない・・・・・


 ここは・・・・・




途中まで木の根を掴みながら降りていったが、にっちもさっちも行かなくなり、必死で這い上がって元に戻ってきた。


 結局、登ってきた場所に辿り着き、慎重に下る。そして、歩いてきた獣道を通り・・・・・





 歩いてゆく。左側、山側の斜面では去年はなめこを沢山採ったのだが、今年は紅葉が遅い。葉が全く落ちておらず、見通しが利かない。





 

 あるだろうなとは思いつつ、そのまま車まで戻った。


 偵察の積りだったが、帰宅後、計ってみると収穫は3.6kg。良いところだけ採ってだから、まあ、良いんじゃない?
コメント (8)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする