初心者のクラシック

有名な曲からおすすめの曲まで、できるだけ初心者にも分かり易く紹介します。

交響詩「中央アジアの草原にて」 (ボロディン作曲)

2007年08月31日 | ちょっとした曲
たまには、クラシック音楽を聴いてみてはいかがですか?

今日はボロディン:交響詩「中央アジアの草原にて」です。

この曲は、ロシアが中央アジアの国を併合したアレクサンドル2世の即位25周年の記念行事として行われた祝典で演奏するために作曲された曲のようです。

「中央アジア」とはウィキペディアによると、カザフスタン、キルギス、タジキスタン、トルクメニスタン、ウズベキスタンを含む地域。だそうです。

まあ、カスピ海とチベット高原の間と言った方が分りやすいのかな?
ロシアとアジアのフレーズが交錯する曲調は静けさの中に、幻想的な雰囲気としっとりとした雰囲気が合わさって、壮大な世界が広がる感じが、なんともゆったりと聴ける一曲です。


 ひんやりとした弦楽器がひっそりと静かに、すうっと入ると、
 クラリネットがやわらかく、ゆるやかなフレーズをふわっと鳴らします。
 遠くから聴こえるホルンの音色は、遠くから誰かが呼んでいるんでしょうか?
 やがて、ピチカート※の響きがポツポツと聴こえてくると、
 少人数の人影がこちらへ向かってくる足音のようにも聴こえます。
 イングリッシュホルンのフレーズは、誰かが会話をしているんでしょうか?
 足音は次第に大きくなり、クラリネットを中心としたゆるやかなメロディは
 ホルンを交えつつ次第にハッキリと聴こえてくるようになります。
 そして、トランペットが大きな響きで響くと、荒野に広がる大草原の中で
 ようやく出会えた仲間たちが喜びをかみしめるように、ずっしりと響いてくるようです。
 その後は、チェロのしなやかな響きは出会えた仲間とともに歩み始め、
 遠くにある目的地へ向かっているようです。
 やがてヴァイオリンの明るく美しい響きに変わると、曇りがちの空が明るくなり、
 大草原が大きく照らし出されているように聴こえてきます。
 ホルンにオーボエ、イングリッシュホルン、のソロがそれぞれ聴こえると
 草原の旅人たちは歩き出し、その姿が地平線に向かってだんだん小さく
 なっていくようです。
 そこには、誰も居なくなった大草原だけが悠然と残ります。
 最後にフルートが最初のフレーズをひとつ残すと大草原の日も落ちて
 今日も平和な一日が終わるのでした。

とても、のどかな中央アジアの大草原で旅人達が出会う、みたいな感じで書いてみました。なんとなくこの辺だと、シルクロードなんかも通ってたりするのかな?
とにかく、雄大な大自然が満喫できる雰囲気を作り出していると思いますし、聴いていても涼しげなのがいいですよね。
演奏時間は約8分と短めですが、ゆったりとしたフレーズはとてものんびりと時間が流れていく感じがなんとも心地よく響く一曲です。

≪オススメCD≫
ボロディン他ロシアの名曲が入ってます。
ロシア管弦楽名曲集
オムニバス(クラシック),サロネン(エサ=ペッカ),グリンカ,バイエルン放送交響楽団,ボロディン,バイエルン放送合唱団,バラキレフ,デイヴィス(サー・コリン),ムソルグスキー,ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団
ユニバーサルクラシック

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【コレってどんな曲】
喜:☆☆★★★
怒:★★★★★
哀:☆☆★★★
楽:☆☆☆★★

≪おすすめシチュエーション≫
ゆったりと、涼感たっぷりにスッキリと聴けます。

※ピチカート


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組曲第3番

2007年08月30日 | チャイコフスキー
たまには、クラシック音楽を聴いてみてはいかがですか?

今日はチャイコフスキー:組曲第3番です。

チャイコフスキーは番号のついた組曲を全部で4番まで作曲していますが、どの曲も作曲家の明るく楽しそうな曲調が親しみを持って聴ける曲ばかりだと思います。

そして、今回の第3番も様々な曲を盛り込んで、それぞれの曲を盛りだくさんで聴かせてくれます。組曲なので、いろんな曲調を楽しめますが、
最初の全4曲の時間配分は若干アンバランスで、最初の“エレジー”が10分で間のワルツとスケルツォはそれぞれ5分、最後の“主題と変奏”は20分とやや長めです。

最後は“変奏”なので句読点ごとに一変奏と見ていただければと思います。

 エレジー:ゆったりとした弦楽器が、優しいフレーズをしっとりと奏でます。
 ハープがポロン♪と鳴りフルートが響くと、少しだけ悲しげな表情になり、
 ホルンが虚しく響きますが、またすぐにやわらかな弦楽器のメロディに戻ります。
 ゆっくりと流れる弦楽器のフレーズはとても穏やかに響き、安心感を感じます。
 やがて、低音弦楽器がピチカート※のリズムをゆっくりつけると曲に深みが
 増して行きます。
 そこへ、木管楽器が加わり、チェロのフレーズがじんわりと響くと曲は
 徐々に盛上がっていきます。
 落ち着いたフレーズが一段落すると、フルート、オーボエの響きにチェロや
 ヴァイオリンが少しずつ強い風のようにあたりはじめ、弦楽器は大きなうねり
 のように盛上がります。
 ホルンにトランペットが加わると嵐のように舞い上がっていきますが、
 フルートの音色が聴こえると、それも治まり、イングリッシュホルンが穏やかに
 ソロを寂しげに聴かせると、またゆるやかな弦楽器を聴かせながら
 静かに終わっていきます。

 優鬱なワルツ:低音のクラリネットが鳴ると、チェロがどんよりと入り、
 フルートも低い音のソロを始めると、どこか悲しげな曲に聴こえてきます。
 しかし、フルートが跳ね上がるように一度終わると、そのメロディは
 風が踊るように軽やかな足取りになり、弦楽器を加えながら流麗な響きを
 聴かせていきます。
 ところが、曲調は変わらず、どこか影のある響きが続いていきます。
 どんよりとした弦楽器の曲調はフルートと共に次第に盛り上がり、
 木管楽器やホルンが加わると怪しくその色合いを濃くしていきますが、
 徐々にそのトーンを落としながら最後は静かに終わります。

 スケルツォ:フルートやオーボエが、足早に駆け抜けていくように
 トトトーン♪と素早いフレーズを聴かせて始ります。
 素早い足音は次第に盛上がっていきます。
 少し静かになると、スネヤドラム(小太鼓)が静かにリズムを取り始めると、
 トランペットが小刻みに入り、木管楽器と交互に言い合うように
 リズムを交わしていきます。
 フルートとオーボエのリズムをベースに軽やかな足取りは最後まで続き
 ラストはトロンボーンがバン!!と一発を響かせて終わります。
 
 主題と変奏:マイペースなチェロが、一歩ずつ踏みしめるようにゆっくりと
 曲を勧めていきます。
 ピチカートのリズムでフルートソロが始ると、さわやかな空気が流れ
 おだやかな曲を聴かせて行きます。
 ソロが終わると、
 急に足早な弦楽器が走り出していくように、どんどん曲を先へ進めていきます。
 弦楽器が終わると、今度は2本のフルートが、ゆっくりと絡みながら穏やかに
 アンサンブルを聴かせます。
 次は弦楽器がのっそり、のっそりと表れますが、金管楽器が入ると、驚いたように
 散らばっていきます。
 今度は張りのある弦楽器が折り重なるように、次から次へとフレーズをかぶせます。
 木管楽器に、歯切れの良いバスドラムのリズムを加えてテキパキと動いていきます。
 フルートとオーボエが緩やかなハーモニーをゆったりと聴かせます。
 イングリッシュホルンは、そのしんみりとした音色で切ないメロディを歌います。
 トライアングルのリズムに、勢いのある弦楽器が迫り、金管楽器が賑やかに
 盛り上がると、
 低音からヴァイオリンのソロが劇的に表れ、その後はピチカートのリズムで
 ワルツのメロディを伸びやかに奏でます。
 更に木管楽器を間に挟みながらソロを続けていきます。
 おおらかな弦楽器が表れると、ようやく落ち着いた雰囲気になり、流麗なフレーズを
 聴かせてくれます。
 ホルンのファンファーレが鳴ると、徐々に盛り上がりファンファーレにはトランペット
 トロンボーンも加わり、タンバリンが加わると賑やかに、明るくなっていきます。
 弦楽器がしなやかになり、一旦、流麗なフレーズを聴かせます。
 再びファンファーレが聴こえてくると、金管楽器は喜び勇んで舞い上がるように
 響かせ、タンバリンも派手に打ち鳴らし、お祭り騒ぎのように盛上がると
 曲は終わります。


最後はやっぱり長ったらしくなってしまいましたがゴメンナサイ。でも4楽章もいろいろな曲調が楽しめますから、これだけでもひとつの組曲みたいな感じになってると思います。
全曲で約40分と結構長い曲なんですが、変奏に入ると、いろんな曲が聴けますから、聴いていると時間の経つのが早く感じてしまう曲かもしれません。

≪オススメCD≫
2枚組で、組曲4つ入ってます。
チャイコフスキー:組曲全集
ドラティ(アンタル),ニュー・フィルハーモニア管弦楽団,チャイコフスキー
ユニバーサルクラシック

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【コレってどんな曲】
喜:☆☆★★★
怒:☆☆★★★
哀:☆☆★★★
楽:☆☆☆☆★

≪おすすめシチュエーション≫
時間があるときにいろいろ聴いてみたい曲です。

※ピチカート


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森の水車 (アイレンベルク作曲)

2007年08月29日 | ちょっとした曲
たまには、クラシック音楽を聴いてみてはいかがですか?

今日はアイレンベルク:森の水車です。

CDの解説によるとドイツの作曲家アイレンベルクは小編成の楽団のためにマーチやワルツを多く作曲した作曲家のようです。そしておそらく一番有名なのがこの曲なんじゃないでしょうか?

おだやかな小川のせせらぎでも聴こえてきそうな、とても愉快で楽しい印象のある曲です。もうすぐ9月ですから暑さも収まってきそうなこの時期にはちょっとした涼感が味わえる面白い曲だと思います。


 フルートが様子を伺うように表れると、他の木管楽器たちがそれに続き、
 小川がチョロチョロと流れるように始ります。
 愉快なメロディが始ると、木琴の響きも軽やかに、思わず体をゆすって
 耳を傾けてしまいます。
 チューバとトランペットが楽しそうなリズムを始めると、トライアングルも
 可愛らしい響きを聴かせ、水車小屋の中で動く木製の歯車がなにやら楽しそうな
 動きをしているのが目に浮かんでくるようです。
 トランペットのメロディも、とても親しみの持てる愉快なものです。
 メロディが続く中、ホルンが奥行きのある音を聴かせると、
 森に囲まれた村にある水車小屋を遠くから眺めているような、とても
 平和でおだやかな一日をゆったりと過ごしている雰囲気を味わえます。
 最後は、いい調子で回っていた水車が、少しずつその動きをゆるやかにして
 止まりそうになりますが、スネヤドラム(小太鼓)がドラムロールで
 盛上げてトランペットの響きと共に奇麗に終わります。
 
 
演奏時間は5分足らずと短い曲ですし、明るく愉快な音楽はクラシックを意識させない音楽がとても聴きやすい曲だと思います。
CDではオススメでも紹介しているように、アンダーソンやワルトトイフェルの曲と一緒に録音されている事が多いようです。どの曲も短く楽しく聴ける曲ばかりですから、クラシック入門編としても、気軽に聴けますし、こういう曲からオーケストラの音楽を親しみを持って聴き始める人も大いんじゃないでしょうか?

≪オススメCD≫
タイトルどおりポップスのイメージですね。
オーケストラ・ポップス・コンサート
グローヴズ(チャールズ),フィルハーモニア管弦楽団,アンダーソン,シューベルト,ワルトトイフェル,ネッケ,アイレンベルク
コロムビアミュージックエンタテインメント

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【コレってどんな曲】
喜:☆☆☆☆☆
怒:★★★★★
哀:☆★★★★
楽:☆☆☆☆★

≪おすすめシチュエーション≫
愉快に楽しくオーケストラサウンドを聴けます。


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もくじ(作曲家別T~Z 曲名リンク)

2007年08月29日 | ♪ も く じ
頭文字T以降の作曲家別です。

A・Bの作曲家・もくじはこちらから
C~Lの作曲家・もくじはこちらから
M~Qの作曲家・もくじはこちらから

☆TCHAIKOVSKY【チャイコフスキー】
バレエ音楽「白鳥の湖」 バレエ音楽「くるみ割り人形」 ♪バレエ音楽「眠りの森の美女」
♪交響曲第2番「小ロシア」 ♪交響曲第3番「ポーランド」 交響曲第4番 交響曲第5番
交響曲第6番「悲愴」♪マンフレッド交響曲
ピアノ協奏曲第1番」  ヴァイオリン協奏曲」  ♪ロココの主題による変奏曲
♪組曲第1番 ♪組曲第2番 ♪組曲第3番  組曲第4番「モーツァルティアーナ」
〈大序曲〉1812年 イタリア奇想曲」♪スラヴ行進曲 ♪幻想序曲「ロメオとジュリエット」
♪幻想曲「フランチェスカ・ダ・リミニ」♪幻想序曲「ハムレット」 弦楽セレナーデ 
♪弦楽四重奏曲第1番 ♪なつかしい土地の思い出 ♪ピアノ三重奏曲「偉大な芸術家の思い出」
♪弦楽六重奏曲「フィレンツェの思い出」 ♪四季

☆TEIKE【タイケ】マーチ「旧友」

☆THOMAS【トマ】 歌劇「ミニヨン」序曲

☆VAUGHAN-WILLIAMS【ヴォーン・ウィリアムズ】  グリーンスリーブス幻想曲

☆VERDI【ヴェルディ】
歌劇「椿姫」  
歌劇「アイーダ」歌劇「運命の力」序曲 ♪歌劇「ナブッコ」序曲
♪歌劇「マクベス」序曲 ♪歌劇「仮面舞踏会」前奏曲 

☆VIVALDI【ヴィヴァルディ】 ヴァイオリン協奏曲「四季」マンドリン協奏曲

☆WAGNER【ワーグナー】
楽劇「ニーベルングの指輪」  
歌劇「タンホイザー」序曲  ジークフリート牧歌
♪「ニュルンベルクのマイスタージンガー」第1幕への前奏曲
♪「ローエングリン」第1幕への前奏曲♪「トリスタンとイゾルデ」第1幕への前奏曲
♪歌劇「さまよえるオランダ人」序曲♪楽劇「パルジファル」第1幕への前奏曲

☆WALDTEUFEL【ワルトトイフェル】スケーターズワルツ

☆WEBER 【ウェーバー】舞踏への勧誘 ♪歌劇「魔弾の射手」

【その他】
♪アイルランド民謡:ロンドンデリーの歌

→全部のもくじはこちらから←

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アランフェス協奏曲 (ロドリーゴ作曲)

2007年08月27日 | その他の作曲家
たまには、クラシック音楽を聴いてみてはいかがですか?

今日はロドリーゴ:アランフェス協奏曲です。

この曲は、ギターのための協奏曲で、ソロギターをフルオーケストラが伴奏する曲です。ギターはもちろんクラシックギターなんですが、ギターをソロにした曲というのもなかなか珍しい作品だと思います。

ただ、この曲は2楽章が有名でイングリッシュホルンのソロが流れると、ひょっとしてどこかで聴いたことのある曲なんじゃないかな?と思うようなメロディが聴こえてくるハズです。

軽やかなギターの響きは、とても心地よく響き、オーケストラのそれぞれの楽器とも、響きあって、情熱的なギターの響きを演出してくれます。


 第1楽章:涼しげなギターが、そよ風のように流れると、だんだん大きくなり
 フルートや弦楽器を呼び込んでくるようです。
 鮮やかな弦楽器がさわやかに響くと、フルートやクラリネットの木管楽器も
 心地よく響きます。
 ギターの響きは、ほどよく散りばめられ、木管楽器や弦楽器とも実にうまく
 絡み合い、絶妙なコンビネーションを聴かせてくれます。
 チェロのソロが渋く入ると、少し厳しい表情も見せますが、メインのメロディに
 変化を付けながらギターは活発に動き回ります。
 その後もフルート、ピッコロ、クラリネット、ファゴット、トランペット等々
 のあらゆる楽器とコンビネーションを繰り広げていきます。
 
 第2楽章:寂しげなギターがポロンと響くと、哀愁の漂うイングリッシュホルンの
 メロディが切々と歌い上げます。
 ギターがそのメロディを追うように響くと、一層、感極まるものが込み上げて
 きます。ホルンがゆるやかに鳴ると、遠く離れた誰かを思うような切ない
 メロディが引き立ちます。
 ギターは、それだけでもまるで弾き語りを聴いているような、しっとりと
 したメロディを奏でていきます。
 切ないメロディが、次にはか細く高い音になり、トランペットと響き合いながら
 少し厳しい表情を見せていきます。
 ギターのソロが低音に入ると、真面目に打ち明けられているようなシリアスな
 ムードが盛上がります。
 真面目なギターをあざ笑うかのようなフルートが入ると、
 ギターは一層深刻になり、ゆっくりじわじわと単独のソロを、もの悲しく
 始めていきます。ソロは徐々に激しくなり大きくなると、弦楽器がそれを
 受けて大きく悲しいメロディを歌います。
 最後は、ゆるやかなギターが小さく消えるように終わっていきます。

 第3楽章:明るく軽やかなギターが、さわやかに始ると、
 歯切れのよい弦楽器が、心地よいリズムを刻んでいきます。
 ギターのフレーズは心地よく響き、次々に歩みを進めるように、着実に
 前へ前へと進んでいきます。
 管楽器をリズムに従えながら、流麗にその響きを聴かせていきます。
 ギターの細かな動きは大きく盛上がると奇麗にラストをまとめて
 終わります。

情熱的なスペインのギターは、やっぱりスペインのお家芸なんでしょうか?作曲家ロドリーゴもスペインの人のようですが、
最初に聴いた時には、ここまでギターとオーケストラが合うものだとは、思いもよりませんでした。
更に、聴いている分にはサラッと弾きこなしているようにも聴こえますが、よく聴くとソロで弾くにも難しそうなフレーズを、オーケストラの様々な楽器とタイミングを合わせてビシッと決めてくるのは脱帽の一曲なのかもしれません。


≪オススメCD≫
ジョン・ウィリアムスはギターリストです。
ロドリーゴ : アランフェス協奏曲 他
ウィリアムス(ジョン),フィルハーモニア管弦楽団,ロドリーゴ,フレモー(ルイ),イギリス室内管弦楽団,ヴィラ=ロボス,バレンボイム(ダニエル)
ソニーミュージックエンタテインメント

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【コレってどんな曲】
喜:☆☆☆★★
怒:☆☆★★★
哀:☆☆☆☆★
楽:☆☆☆★★

≪おすすめシチュエーション≫
ギターとオーケストラのコラボレーションをお楽しみ下さい。


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交響曲第1番 (ビゼー作曲)

2007年08月26日 | その他の作曲家
たまには、クラシック音楽を聴いてみてはいかがですか?

今日はビゼー:交響曲第1番です。

ビゼーというと、「カルメン」や「アルルの女」などをすぐに思い出してしまいますが、ちゃんと交響曲も書いてたんですね。

ただ、その作品数は少なく、“交響曲”として作曲されたのもこの1曲だけのようです。そして、ウィキペディアによると、作曲されたのは17歳の頃のようですが、ビゼーが生きている間に演奏される事は無かったようです。

若い頃の作品だったせいもあるのかもしれませんが、軽やかで明るい曲調はとても親しみやすく、初心者にも聴きやすい曲だと思うんですが、どうなんでしょう。


 第1楽章:キリっと引き締まった弦楽器のさわやかな音色が流れると、明るく
 流麗なフレーズが後に続きます。
 弦楽器のフレーズが落ち着くと、軽やかなオーボエのソロがなめらかに
 聴こえてきます。
 軽快なフレーズは続き、ホルンが遠くから響くように聴こえると、
 それに応えるようにオーボエがまた響きます。
 明るくさわやかなフレーズは、元気が出てくるように感じる、とてもハツラツ
 とした響きを最後まで聴かせてくれます。

 第2楽章:ゆるやかな音を鳴らすホルンと木管楽器が交互に呼び合うように
 静かな響きを聴かせていきます。
 前奏(イントロ)が終わるとオーボエのソロがゆっくりと始りますが、
 まるで夜想曲のように、ひっそりと、どこか切なそうなメロディを奏でて
 いきます。
 弦楽器の響きも優しく、それでいて芯のある響きを美しく奏でます。
 透き通るような艶のあるフレーズは、とても美しく感じます。
 その後、弦楽器は自然にスケルツォ風の細やかなフレーズに変わっていきます。
 そして、最後はオーボエがしっとりとしたフレーズを聴かせると、
 曲は静かに終わっていきます。

 第3楽章:民謡のような、明るいフレーズを奏でる弦楽器の演奏から始ります。
 フレーズがヴァイオリンの部分になると鮮やかに響きます。
 弦楽器を中心に、木管楽器がうまく相槌を打つように心地よいリズムに乗せて
 軽やかに響くメロディがとても愉快に楽しめます。
 
 第4楽章:弦楽器が低い音で、ひとつ合図を入れると、ヴァイオリンが細やかな
 フレーズを忙しそうに響かせます。
 バスドラムのタイミングを取るリズムと共に管楽器が入ると少し賑やかになります。
 途中ではヴァイオリンが、流れるように、なめらかなメロディを聴かせると、
 またリズムは軽快な速さに戻り、セカセカと曲をすすめていきます。
 このセカセカと、なめらかなメロディを何度か繰り返しながら、少しずつ
 盛上がっていきますが、それほど派手にはならず、最後もキリリと締めくくります。


“交響曲”というよりは、ちょっと組曲っぽい感じもしますが、聴きやすい事は間違いないと思います。
クラシックで、しかも交響曲と言うと、なんとも堅苦しい印象がありますが、この曲に関しては、そんな印象とは一切無縁な感じがします。
明るくサラッとテンポ良く、みるみるうちに曲は進んでいきますから、とっても聴きやすい曲だと思います。
ちなみに演奏時間は約30分と、交響曲としては標準サイズですが、聴いているとテンポがいいので、時間の経つのが早く感じるかもしれません。


≪オススメCD≫
「アルルの女」と一緒に入ってます。
ビゼー:交響曲第1番
ビーチャム(トーマス),フランス国立放送管弦楽団,ビゼー,ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団
EMIミュージック・ジャパン

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【コレってどんな曲】
喜:☆☆☆★★
怒:★★★★★
哀:☆☆★★★
楽:☆☆☆☆☆

≪おすすめシチュエーション≫
いつでもサラッとさわやかに聴けます。


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「ダフニスとクロエ」第2組曲 (ラヴェル作曲)

2007年08月24日 | その他の作曲家
たまには、クラシック音楽を聴いてみてはいかがですか?

今日はラヴェル:「ダフニスとクロエ」第2組曲です。

ラヴェルの曲の中でも有名なこの曲ですが、もともとはロシアバレエ団から作曲を依頼されてバレエ音楽として作曲されていた作品です。

この曲はその中からラヴェル自身がいくつかの曲を選び、それぞれ第1組曲、第2組曲と分けて編纂されていますが、その中でもおそらく演奏される機会が多いのは、この組曲第2番だと思います。

ラヴェルの作品が持つ幻想的そして刺激的なフレーズは、いつ聴いても新鮮な感覚を味わせてくれる不思議な魅力を持った作品です。


 1夜明け:フルート等の木管楽器が朝もやのような、まどろんだフレーズを
 演奏すると、次第に明かりが差し込むように弦楽器も盛上がっていきます。
 弦楽器の演奏も落ち着いてくると、小鳥達が鳴くようにオーボエやフルート、
 クラリネットがそれぞれフレーズを重ねていきます。
 木管楽器を従えた弦楽器は大きなうねりを作り更に曲を盛上げていきます。
 次第に大きくなる音はシンバルの響きを加えると最高潮に達し、
 トライアングルはそれを飾るようにキラキラとした響きを聴かせます。

 2無言劇:幻想的な弦楽器のやわらかい音が続きます。
 ハープがポロン♪と響くと、オーボエが、それに続きフルート、そして
 クラリネットが伸びやかなフレーズを演奏すると、鮮やかな弦楽器が入ります。
 曲は少し怪しげな表情を覗かせると、フルートのソロが凛とした響きを
 聴かせます。
 妖艶でゆったりとしたソロを聴かせるフルートはとても魅力的です、
 やがて、トライアングルがチリーン♪と鳴るとフルートのソロは急に慌しく
 なり、何処かへ逃げていくように走り出します。
 逃げ出したフルートがようやく落ち着いてゆっくりになると、鮮やかな弦楽器
 が表れハープのフレーズと共に幻想的な空間を作り出していきます。

 3全員の踊り:弦楽器がおおらかなトランペットと共におおきなフレーズを
 奏でると、壮大なスケールを感じさせます。
 しかし、急に足早なフレーズが続き緊張感が漂ってきます。
 クラリネット、フルートがフレーズを続けると、トランペットが加わり、
 曲はどよめきを交えるようにしながら、次第に盛上がっていきます。
 トランペットがきらめく稲光のように差し込むと、バスドラムも大きく
 リズムを取り、木管楽器たちも、おびえるようにざわつき始めます。
 一旦静かになりますが、それは嵐の前の静けさのようで、すぐにまた
 迫り来るようなオーケストレーションが続き、シンバル、トランペット、
 トロンボーンが派手に鳴らすと盛上がってラストを飾ります。
 

この曲は、かなり「有名な曲」という事もあって、クラシック音楽を聴き始めた、かなり早い段階で、初めて聴きましたが、当時は「こんなに斬新な曲がクラシックにあったのか」と思っていました。
そして、クラシックの繊細さと、ダイナミックなオーケストレーションを兼ね備えたこの曲に愕然としていたんだと思います。曲に飲み込まれたというんでしょうか?
こんな曲の楽譜が良く書けるなぁ・・・。とかいろいろと感じたものです。
今、改めて聴いても新鮮に聴けるこの曲はやっぱりすごいんだなぁと思ってしまいます。


≪オススメCD≫
ラヴェルの代表作が入ってます。
ボレロ(ラヴェル管弦楽名曲集)
ミュンシュ(シャルル),パリ管弦楽団,ラヴェル
EMIミュージック・ジャパン

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【コレってどんな曲】
喜:☆★★★★
怒:☆☆☆★★
哀:☆☆☆★★  →幻☆☆☆☆☆
楽:☆☆★★★

≪おすすめシチュエーション≫
まどろみの中にきらめく音がスゴイんです。


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ピアノソナタ第12番 (モツーァルト作曲)

2007年08月22日 | モーツァルト
たまには、クラシック音楽を聴いてみてはいかがですか?

今日はモーツァルト:ピアノソナタ第12番です。

モーツァルトに関しては、ピアノソナタでもタイトルのついた曲が、たくさんありますが、もちろんモーツァルトの曲もタイトルがついていなくても、明るく楽しい曲はたくさんあります。

この曲もタイトルは特についていませんが、明るくおちついた曲調はモーツァルトらしく、朗らかなフレーズが続きます。


 第1楽章:おだやかなピアノが軽やかに響いていきます。
 やわらかな序奏(イントロ)が終わると、力強いフレーズが曲を引き締めます。
 その後も、おだやかなフレーズに低音がキリッとアクセントを効かせながら、
 お互いのバランスを保ちつつ進めていきます。
 ゆるやかに聴かせながらも、何度も崩れそうになりますが、すぐに元の調子に
 戻っていきます。
 何度も似たようなフレーズが続きますが、毎回どこか少し違ったニュアンスを
 聴かせてくれます。
 可愛らしく聴こえたり、やわらかく聴こえたり、間に入る少し暗めのフレーズ
 もちょうど良いアクセントになっていて、最後まで飽きずに聴いていられます。

 第2楽章:やさしく、あたたかいゆったりとしたメロディが、ふわっと
 やわらかく響きます。
 聴いていると、いつの間にか少し切ない雰囲気になってしまいますが、
 それでも、ゆっくりと流れる時間にそのまま身をまかせていると、
 わずらわしい事も忘れて、ピアノの響きの中にいつまでも居たくなるような
 なごやかな響きがずっとつづいていくような、そんな気分になって
 しまいます。
 シンプルなフレーズが短い時間をゆったりと感じさせてくれます。

 第3楽章:少し勢いをつけたピアノが、転がり出すように音を響かせていきます。
 止まりそうになったかと、思うとポーンと高く弾む音はとても軽快に聴こえます。
 勢いはあるものの、決して速すぎず、かと言って遅くも無い、
 程よい速さで軽快なリズムとメロディを聴かせてくれます。
 マイペースなメロディは少しずつ変化を付けながら聴かせていきます。
 後半に行くに従って低音が効果的に入ってくると、少しずつ元気になっていって
 いるような気がします。
 少しだけ、切ないような表情も見せながら、高音のメロディが明るく朗らかに
 転がるように聴かせると、最後はしっとりと終わります。


久々にモーツァルトのピアノを聴いた気がしますが、いつ聴いてもマイペースで明るく軽やかに聴かせてくれるモーツァルトは、落ち着いた気分にさせてくれると思います。
暑い日がまだまだ続くようですから、こういう軽やかな曲を聴くと、少しは暑くてうっとおしい日も、気分転換になるかもしれないですね。

≪オススメCD≫
クラウディオ・アラウのゆったりとした演奏でどうぞ。
モーツァルト:Pソナタ第11番
アラウ(クラウディオ),モーツァルト
ユニバーサルクラシック

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【コレってどんな曲】
喜:☆☆☆★★
怒:☆★★★★
哀:☆☆★★★
楽:☆☆☆☆★

≪おすすめシチュエーション≫
明るく軽やかなピアノは、ゆっくりと聴きたいですね。


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交響曲第2番 (シベリウス作曲)

2007年08月21日 | その他の作曲家
たまには、クラシック音楽を聴いてみてはいかがですか?

今日はシベリウス:交響曲第2番です。

今年はシベリウス没後50年という事で、先日はシベリウスの生涯について書いてみましたが、だったら彼の代表作とも言えるこの「交響曲第2番」も早めに書いておいた方がいいだろう!という訳で今日はこの曲です。

他の作曲家と違って、比較的早いうちに代表作を生み出していたシベリウスの、交響曲第2番ですが、聴き所はやっぱり第4楽章の壮大なクライマックスですよね。
盛上がる弦楽器に、鳴り響くトランペット!シベリウスの見事なオーケストレーションが炸裂する訳ですが・・・、

惜しむらくは、この曲に名前が無い事ですね。有名な交響曲には、たいてい「ジュピター」とか「運命」とか「新世界から」みたいに、通称がつけられているので、名前と共に曲も有名になっているんですが、

もし・・・シベリウスの、この交響曲にもなんらかの名前がついていれば、今以上に有名になっていたんだろうに…、と考えるのは自分だけでしょうか?

彼のもう一つの代表作交響詩「フィンランディア」は短い曲ですが、ちゃんと名前がついているから、一般的にも有名になっていますから、誰か気の効いた名前を付けてくれていれば・・・と、思ってしまいます。


 第1楽章:ふわふわと、漂うような弦楽器に軽やかなオーボエが、カラッと響くと
 ゆるやかなホルンの響きも手伝ってのどかな風景が目に浮かんできます。
 さらに、鮮やかな弦楽器が入ると、ひんやりとした心地よい風がサラッと吹き込んで
 くるようにさわやかに聴かせます。
 弦楽器は次第にざわつき始め、木管楽器や、ティンパニ(大太鼓)の鋭い音と
 ともに、混沌とした響きに変わっていきます。
 しかし、トランペットやトロンボーンが伸びやかなフレーズを重ねると、
 冒頭のオーボエのフレーズがよみがえってきます。
 そして、今度は少し明るい響きとなって曲を盛上げていきますが、
 最後は弦楽器がヒソヒソとざわめくようにして終わります。 

 第2楽章:ティンパニのドラムロールが静かに響くと、低音弦楽器のピチカートが
 様子を伺うようにポツポツ響きます。
 ピチカートに乗せてファゴットのソロが怪しく響くと、少し怖い感じもします。
 ファゴットにオーボエが加わりホルンがこだますると弦楽器も加わり、
 曲は一気に緊張感を加え、弦楽器は金管楽器と争うように響き合います。
 トロンボーンが鳴り、金管楽器が重厚なフレーズを鳴らすと、ティンパニの
 ドラムロールが終わり、一旦静かになります。
 フルートのやわらかいフレーズが始ると、ファゴットのリズムに乗ってチェロが
 表れます。チェロはチューバと共に大きなフレーズを聴かせるとすぐに静まります。
 トランペットソロが悲しいソロを歌うと、
 それに促されるように曲は一気に盛り上がりトロンボーン、チューバを加えて、
 激しくうごめき出します。
 金管楽器はその後も、寄せては返す波のように大きく、行ったり来たりを
 繰り返していきます。
 波が収まると、弦楽器は悲しいフレーズを奏でていきます。
 まるで悲しいおとぎ話のエンディングを語るように淡々と曲を進めながら、
 最後に悲しい結末を語るように大きなクライマックスを聴かせると
 弦楽器とオーボエが激しく絡み合って終わります。

 第3楽章:ガサガサと弦楽器が始ると、強風が吹き荒れて木々を揺らすような
 どよめきを聴かせます。
 風が収まり、オーボエ、フルートがゆったりとしたフレーズを聴かせ、チェロの
 フレーズがグッと引き付けるように、暖かいフレーズを聴かせますが、
 落ち着くのも束の間、またしても強風が始まり、激しく吹き荒れていきます。
 そして、強風が止むと、またオーボエ、フルートがおだやかなフレーズを
 ゆっくりと奏でていきます。
 やがて弦楽器がまたどよめき始め、次第に盛り上がりトロンボーンを鳴らし
 トランペットが響き、壮大な曲が最高潮に盛上がると・・・、
 
 第4楽章:チェロのメロディが堂々と表れます。輝くトランペットが奇麗に演出し、
 ホルンとチューバのリズムが深く深呼吸をするような鼓動を聴かせると、
 次第に胸も高鳴っていくようです。
 朗々と語るチェロがつなぐと、ヴァイオリンのメロディが鮮やかに表れティンパニを
 従えて堂々と曲を歌います。
 一度、落ち着いてフルート、オーボエなどが曲をつなぎ、ヴァイオリンも流麗な
 メロディを聴かせていきます。
 コントラバスやチェロが低音でじわじわと響くと、曲は急にトーンダウンして
 木管楽器も力無さげに悲しい響きを聴かせます。
 か細い弦楽器の響きはフルートとともにひっそりと聴かせていきます。
 やがて、弦楽器がコントラバスだけになると淡々と語っているようですが、音は
 次第に高くなりチェロやヴァイオリンを加えていきながら、徐々に徐々に
 大きくなります、金管楽器を加えて、チューバの深呼吸が再び聴こえてくると、
 ヴァイオリンの鮮やかなメロディも、よみがえります。
 壮大なスケールはオーケストラ全体を包み、ティンパニが轟き、鮮やかなメロディ
 が高鳴り重厚な金管楽器が響くと、言い知れぬ感動が押し寄せてくるようです。
 そして、いよいよラストを前にすると、また静けさが辺りを包み、オーボエと
 トランペットが悲しい響きを虚空に響かせますが、
 弦楽器が最後の力を振り絞るように、何度ももがきながら一歩ずつ曲を前に進めると
 トランペット、トロンボーンが見事に壮大なファンファーレを響かせ、
 弦楽器がその余韻を残しながら、そこに金管楽器が大きく雄大な響きを歌い
 ラストを堂々と飾ります。

いや~久々に調子に乗って長々と書いてしまいました。
構成は全4楽章なんですが、この曲は第3楽章と第4楽章の間を休まずに続けて演奏するように作曲されています。(でも、この曲で3楽章と4楽章の間に一旦休みを入れて、演奏しようものなら、客席から石を投げられそうなので、絶対に無いと思います。)
この曲の作りも全体的に、統一感と壮大なスケールを演出する、ためのひとつのしかけなのかもしれません。
終盤のクライマックスはとても盛り上がり、グッとくるものがありますから、一度聴けば絶対に忘れないフレーズになるんだと思います。
演奏時間は約45分と、やや長めですが、最後まで聴いていると言い知れぬ感動を味わえるこの曲は「名曲」の名に恥じない一曲だと思います。

≪オススメCD≫
フィンランディアも入ってます。
シベリウス:交響曲第2番
フィンランド放送交響楽団,シベリウス,サラステ(ユッカ=ペッカ),ヘルシンキ・フィルハーモニー管弦楽団,カム(オッコ)
ワーナーミュージック・ジャパン

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【コレってどんな曲】
喜:☆☆★★★
怒:☆☆☆★★
哀:☆☆☆★★
楽:☆☆★★★

≪おすすめシチュエーション≫
たっぷり時間があるときに、じんわり感動できる一曲です。


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ピアノソナタ第31番

2007年08月20日 | ベートーヴェン
たまには、クラシック音楽を聴いてみてはいかがですか?

今日はベートーヴェン:ピアノソナタ第31番です。

この曲はベートーヴェン晩年の作品ですが、全盛期の激しい印象のあるベートーヴェンとは、また違った魅力のある作品だと思います。

全体的には落ち着いた感じのある中に、モーツァルトのような軽やかなメロディを利かせてみたり、ショパンのように切ないフレーズを聴かせてみたり・・・、なんだかいつものベートーヴェンのイメージとは、ちょっと違った感じのピアノを聴かせてくれる気がします。

やや、暗い感じはしますが、ドン底に落とされたような激しいものではなく、ちょっとセンチメンタルな感じになる程度で、可愛らしく明るく聴かせるフレーズもありますから、普段は激しい印象のあるベートーヴェンをあまり聴かない人でも、スルっと聴ける作品かもしれません。


 第1楽章:落ち着いた和音からポツリ、ポツリとピアノが始ると、いつの間にか
 リズムは弾んでいて、転がるように奇麗なメロディを聴かせてくれます。
 途中で勢いをつけると、少し盛上がって弾んでいきますが、
 しばらくすると、少し悲しいメロディが入ってきて、どこか切なく感じさせます。
 しかし、切なさの中にもどこか前向きな明るさが感じられる暖かい響きにも
 聴こえます。
 安定した低音のリズムに高音のメロディがはじけるように響くと、とても奇麗に
 可愛らしい響きが楽しく聴こえてきます。

 第2楽章:力強いがっちりとした響きで始ると、軽快なメロディが軽やかに
 流れてきます。
 更に途中からは流れるようなメロディが、こぼれ落ちるようになめらかに
 聴かせます。らせん階段を滑り降りるようなフレーズがここちよく響きます。
 最後はがっちりと決めて終わりますが、少し物足りなさそうに何かをこぼす
 ようなフレーズが意味深です。

 第3楽章:けだるい感じがする、モヤモヤとした響きが淋しそうに続きます。
 その中に連続して続く高音が高らかに響いていきます。やがて高音から中音域に
 移る大きいフレーズは何を伝えようとしているのでしょうか?
 とても悲しく響くフレーズは、穏やかにして強く響くものを感じます。
 
 雰囲気が変わって新たなメロディが始ると、それは幾重にも折り重なり、最初は
 小さかった響きが、音を重ねるに連れて重厚感のあるものに変わっていきます。
 そびえたつ大きなお城を見上げるような壮大なスケールになりますが・・・、
 ふと急にトーンダウンしてポツリ、ポツリと悲しげなフレーズになってしまいます。
 そして、また一からやり直し、
 今度は最初よりも力強く、音を重ねていきます。きめ細かく、しかし重ねられた音は
 以前にも増して大きく積み上げられていき、見事に完成させるようにして終わります。


年齢を重ねた晩年のベートーヴェンの「かど」がとれたようなおだやかな感じのピアノに聴こえます。
なので、いつものように「激しく」「強く」「熱い」ベートーヴェンのピアノを期待した人には、少し物足りないのかもしれませんが、ベートーヴェンだって、年中肩肘張ってガチガチだった訳じゃあないでしょうから(たぶん)、そんなベートーヴェンの日常を垣間見たような作品なのかもしれません。


≪オススメCD≫
バックハウスでどうぞ。
ベートーヴェン:Pソナタ第30
バックハウス(ウィルヘルム),ベートーヴェン
ユニバーサルクラシック

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【コレってどんな曲】
喜:☆☆★★★
怒:☆☆☆★★
哀:☆☆☆★★
楽:☆☆☆★★

≪おすすめシチュエーション≫
構えなくても聴けるベートーヴェン。かな?


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