初心者のクラシック

有名な曲からおすすめの曲まで、できるだけ初心者にも分かり易く紹介します。

ドラマ「SP」 (エピソード4)

2008年01月30日 | テレビでクラシック
たまには、テレビでクラシックを見てはいかがですか?

今日はドラマ「SP」(エスピー)です。

さて、以前から紹介していたドラマSPの中で使用されているクラシック音楽ですが、後半では、いろんなレクイエムがやたら使われていましたね。

最初は、ショスタコーヴィチの曲に魅かれてちょっと見てましたが、8話を終了して、あとはまとめて最後の記事を書こうかな?なんて思っていましたが、最後になって、タイトルの分らない曲が出てきて、「アレ?これも多分クラシックだよな??」なんて思いながら曲が分らなかったんですが、最終回のエンドロールでご丁寧にエピソード別の曲目リストが…!

と、いう訳で、今回はエンドロールを参考にしたところが多いので、多分合ってると思いますが、曲が流れたシーンを中心にまた紹介してみます。

【第9話】
刑期を終えて出所した西山(平田満さん)は、しばらくは大人しく過ごしていたものの、自転車で巡回中の警察官を襲い、拳銃を奪い上着のポケットに隠します。
「事件発生18時間前」という字幕が出た後に、ヴェルディの「レクイエム」がガツン!と鳴り響きます。
犯人がライフル銃を分解してカバンに詰め込むと、アトリウムの入口から堂々と侵入して、非常階段を上ります。更に屋上に出てペンライトを口にくわえて、「警護計画書」を照らし、アトリウムの図面を確認して、狙撃場所に向かいます。(曲はつづく)
その頃、尾形(堤真一さん)も、同じ「警護計画書」目を通していると、田中(野間口徹さん)が現れ、山西が出所している事を告げる。
尾形が計画書から目を上げると、曲は再びボリュームを取り戻して響きます。
更に、場面が変わって井上が(岡田准一さん)ひとり、ベンチに座っていると、隣にはなんと銃を奪った西山が!だんだんと盛り上がるトランペットの音が最高潮に達すると西山は銃をしまったポケットに手を…!
井上がその様子に目をやると、西山はベンチを立ってその場を去っていきます。
しばらくしてから回想する井上が後を追うが、西山は雑踏の中に消える・・・。

【第10話】
麻田首相が車で部下と永正大学の記念館アトリウムに到着するときにはエルガーの「威風堂々だ第1番」が流れていました。警護官に囲まれて拍手でアトリウムに総理が登場すると、トリオ部分がさっそうと響きます。
司会進行が始まると、会場にも曲が流れてたかな??

式が進むと、井上は、過去に麻田を狙った犯人が母親を襲った記憶が脳裏をよぎります。すると、グレゴリオ・アレグリの「ミゼーレ」が流れます。
何を思ったか、井上はスタスタと総理の元に歩み寄り、目の前に立ち、「覚えているか?」と総理に語りかけ、銃を抜いて総理に銃口を向けます。
尾形の「撃つな!」という叫びも虚しく、井上が引き金を引くと、銃弾は総理に命中し、周りにいる客は騒然と逃げまどいます。
・・・と思ったら、それは井上の空想で現実では無かったようです。

現実に戻った井上は会場に不審者を発見すると、警護官たちに警戒を呼びかけます。
しかし、銃弾はその不審者からではなく、会場の大きな天窓のスキマからライフルで撃ち込まれ総理に命中します。

総理に当たったのはペイント弾でしたが、それに驚いた客は騒然となり逃げ出します。
周りにいた警護官が総理の元に集り無事を確認した瞬間にモーツァルトの「レクイエム」が鳴り響くのでした。客の悲鳴と共に聴こえるレクイエムがなんとも臨場感あふれる雰囲気を作り出します。
パニックを起こして逃げ惑う客の中には西山が・・・!
発見した井上が目を奪われていると、マークしていた不審者がナイフで井上に襲いかかる。
不審者を振り払う井上は銃を西山に向けるも、逃げる客がその視界に入り、引き金が引けない・・・、そうこうするうちに西山はニヤリと笑い、総理に銃を向けて撃つ!
そして・・・警護官は次々に銃弾に倒れていくのでした。

【第11話】
倒れる警護官の後ろに立ちすくむ総理に向かって西山は「覚えてるか?」と聞くと、引き金を引く。しかし弾切れで銃は「カチッ」と空回り。

西山が倒れた警護官から拳銃を奪うスキに井上は総理に駆け寄って一緒に逃げる。
ふたりは学内を逃げるものの、井上の傷跡から流れる血の跡を追って西山はふたりに迫ります。ふたりがホールの舞台上に逃げると、グレツキの交響曲第3番「悲歌のシンフォニー」第3楽章が流れます。
西山は、「こいつはオレに人殺しをさせたんだぞ」と井上に告げると、麻田は「ちがう!」と否定し・・・、回想シーンが始まると、曲は虚しくその歌声を響かせていきます。
西山は「こいつを守る理由はないだろ!」とスゴむと、ホールには警護官が集まり、銃を構える西山を遠巻きに取り囲みます。

いよいよ西山が麻田総理に銃を向けると、集まっていた警護官のひとりが西山を撃つと、そこからスローモーションになり、フォーレの「レクイエム」第4曲が流れます。
銃弾に倒れた西山は尚も総理をナイフで狙いますが井上に取り押さえられるのでした。
井上の「救急車を!」という叫び声とともにレクイエムは続き、総理は「すまなかったなぁ」と軽く言い残してその場を去っていくのでした。
舞台に上がった警護官一同をバックに、悲劇のレクイエムはやがて、安堵を告げるかのようにやすらかに聴こえてくるのでした。


今回は、番組のエンドロールに助けられましたが、フォーレのレクイエムはなんとか、ついていけましたが、「アレグリって・・・、グレツキって誰?」と半分あきらめてましたけど、なんとかそれっぽく書いてみました。
しかも、書いたはいいけど、やたら長くなってしまった・・・。
でも、ドラマのそれぞれのシーンを盛り上げてくれたんじゃないでしょうか?
また何かのドラマにクラシックが登場していたら、取り上げたいとは思いますが、ちょっと曲についていけるか心配な今日この頃でした。

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ウィーン気質 (ヨハン・シュトラウス2世)

2008年01月25日 | ちょっとした曲
たまには、クラシック音楽を聴いてみてはいかがですか?

今日はヨハン・シュトラウスⅡ:「ウィーン気質」です。

この曲は、ヨハン・シュトラウスの曲の中でも、有名な曲ですが、このブログでは、まだやってなかったんですね。
それで、今回紹介しようと思って少し調べてみると、喜歌劇「ウィーン気質」にもなっているらしい。
個人的には、ニューイヤーコンサートなんかで使われる、10分程度のシュトラウスの曲。くらいにしか思って無かったんですが、歌劇になっていたとは…、知らんかった。

今回紹介するのは、そのニューイヤー等で演奏される10分程度の曲の方ですが、メロディをメロディを聴けば、おそらく曲を思い出す人も多い曲だと思います。


 ホルンの呼びかけに応えるようになめらかな、流れをヴァイオリンが聴かせると、
 ワクワクするような弦楽器が刻んでいきます。そして一度静かになると、
 ヴァイオリンの艶やかなソロが、チェロの伴奏に乗せて優雅に舞うように
 しなやかなメロディを聴かせてくれます。
 みごとなアンサンブルにうっとりとした時間を楽しませてくれます。
 そして、トランペットとティンパニが大きくファンファーレを響かせると、
 いよいよ本番の始まりです。
 艶やかなヴァイオリンのメロディを、そのまま引き継ぎながら、トランペットや
 管楽器が加わると、豪華な曲へと盛り上がりを見せていきます。
 大きく盛り上がったかと思うと、ヴァイオリンのゆるやかなメロディが
 入り、とても上品にエレガントな様相を楽しませてくれます。
 聴いていると、思わず曲に合わせて肩を揺らしてしまいそうな曲です。
 そして、トロンボーン、トランペットが再び仕切り直しを入れると、
 今度は少し、その足取りも大胆になり、揺れ幅も大きく、一層その曲を
 楽しませてくれます。
 最後は、やはりメインの艶やかなヴァイオリンのメロディを、ひとつ聴かせると、
 徐々に加速をつけて、クライマックスに向けて勢いを付けるとラストは
 トランペットの華やかな響きにティンパニのドラムロールから、トロンボーンが
 ガッツリと締めて、豪快に終わります。


名前に「ウィーン」とついているだけで、なんとなく優雅で豪華な気がしますよね。かと言って名前だけで判断するのもなんですが、雰囲気と想像力でいろいろな景色を思い浮かべながら聴いてみると面白く曲を楽しめるかもしれないですね。

≪オススメCD≫
ウィーン気質ならウィーンフィルでどうぞ
ウィーン・フィル / ヨハン・シュトラウス、ベスト・オブ・ワルツ&ポルカ
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団,マゼール(ロリン),カラヤン(ヘルベルト・フォン),アバド(クラウディオ),ボスコフスキー(ウィリー),J.シュトラウス
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喜:☆☆☆☆★
怒:★★★★★
哀:☆☆★★★
楽:☆☆☆☆★

≪おすすめシチュエーション≫
シュトラウスの定番の曲をお楽しみ下さい。


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CMのクラシック(その14)

2008年01月21日 | CMのクラシック
たまには、クラシック音楽を聴いてみてはいかがですか?

今日はCMのクラシック(その14)です。

さてテレビでは連日たくさんのコマーシャルが流れていますが、そんなTVCMの中にもクラシック音楽は結構使われています。それをクラシック音楽と意識しなくても知らず知らずのうちに聴いてしまう愉快なメロディを思わず口ずさんでいる事もあるんじゃないでしょうか?

さて、正月からしばらくは、年末から一転クラッシックCMもちょっと新作が足踏み状態の感がありましたが、最近はここぞとばかりに一気に新作CMが放送されてるみたいです。


ヤマダイ ニュータッチ:凄麺(すごめん)
【曲目:交響曲第5番「運命」:ベートーヴェン】
ちょっと前のCMですが、結構印象的だったこのCM。ベートーヴェンのあの有名な「ジャジャジャ、ジャーン」のフレーズに乗せて、麺をすするベートーヴェンが「ズズズズー!」と食べるCM。
そう言えば、誰もが知ってるこの曲ですが、CMで聴くのは意外と珍しいかも?

ソフトバンク
【曲目:カルメン~ハバネラ~:ビゼー】
500万画素、顔認識オートフォーカス、有機ELD、キセノンフラッシュ、実は携帯PHOTOS。
ハバネラのフルートのメロディに合わせて機能を紹介、そして最後のジャーン!で「実は携帯」と強調するシンプルなCMですが、結構インパクトありますよね。
そのままデジカメのCMでもイケルかも?

アサヒ飲料:若武者(お茶)
【曲目:ピアノ協奏曲第1番:チャイコフスキー】
「一等受賞名人の技がお茶をどこまでもウマくする」というナレーションが曲に乗って堂々とアナウンス。ペットボトルのお茶のCMなのに、曲の効果もあって何故か豪華に映るこのCM。いろんな意味でプロの「技」なんですねぇ。

スズキ:SX4(軽自動車)
【曲目:交響詩「モルダウ」:スメタナ】
前回の「新世界編」に続き、指揮は西本智実さん。迫力はそのままですが、曲がモルダウに変わると、以前のときよりインパクトは抑えられているみたいです。
テレビではあんまり見かけませんが、続編ということで紹介します。


※曲目のリンクはこのブログで書いた記事のページにつながります。


新作CMもたくさんありますが、昨年放送されていた旧作??も結構放送されてますよね。(日本和装「渡辺健さん出演」とかカネボウ「松雪泰子さん出演」とか)やっぱりテレビだと、正月特番と同じく撮り貯めしてお正月休みになるんでしょうか?
何はともあれ、CM作成の関係者の皆さんも、今年もどうどクラシック音楽の採用をひとつよろしく・・・なんちゃって。

【前回のCMのクラシック】


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弦楽四重奏曲第10番「ハープ」

2008年01月18日 | ベートーヴェン
たまには、クラシック音楽を聴いてみてはいかがですか?

今日はベートーヴェン:弦楽四重奏曲第10番「ハープ」です。

“弦楽四重奏”なので、ヴァイオリン2台とヴィオラ、チェロがそれぞれ1台ずつの弦楽器4台でのアンサンブルなんですが、タイトルは「ハープ」なんですねぇ。
その名前の由来は1楽章で多用される各種弦楽器の※ピチカートの音色をハープのそれにみたてて、そう名付けられたようです。

“ハープ”というと、ポロロロ、ロ~ン♪と流れるような音色を想像してしまいますが、この曲ではどちらかというと、ピン、ポン、パン!とひとつずつの音が特徴的に聴こえてきます。


 第1楽章:ゆるやかなハーモニーが、ゆっくり流れると、ヴァイオリンとヴィオラが
 抜けるように聴こえ、チェロがそれをしっかりと支えていきます。
 ゆるやかな曲調の中に、ザッと切り込みを入れるような弦楽器全体の刻みが入ります。
 何度かの刻みが入り、ゆるやかな前奏(イントロ)が終わると、最後の刻みから
 弾みをつけて、跳ねるように勢いをつけてテンポを上げていきます。
 軽快なフレーズに乗せて、流れるようにメロディが始まると、ピチカートが次々と
 降り注ぎ、ひとつずつの音がはじけていくように聴こえます。
 流れるメロディも軽やかに心地よく響きます。
 弦楽器は刻みを入れて、何度かアクセントを付けながら明い響きを聴かせます。
 やがて、少し静かな雰囲気になりますが、ピチカートから、徐々に曲を作り
 上げていきます。ピチカートを使いテンポを刻みながら、盛り上がり、最後を迎えます。

 第2楽章:しんみりとした低音の響きをチェロなどが聴かせると、
 その上に浮かび上がるようなヴァイオリンの音色が、しなやかに響きます。
 伸びやかな弦楽器がなめらかに、しっとりとハーモニーを歌い上げていきます。
 ゆったりとした中に時折、高く響くヴァイオリンはどことなく悲しげな表情を
 見せると、チェロなどの低音は、やさしくそれをなぐさめるようにも聴こえて
 きます。
 ゆったりと交わる弦の響きは、ゆっくりと流れる時間が、いつまでも続くように
 味わいのある音を聴かせてくれます。
 中盤では、ヴァイオリンがピチカートと供に細かいリズムを刻み、
 ヴィオラ(第2ヴァイオリン?)が低音のメロディをじんわりと語るように
 聴かせてくれます。
 そして、最後も、そうっと荷物を置くようにして、ゆるやかに終わります。

 第3楽章:慌ただしく揺れるようなざわめきで始まります。
 力強く刻むチェロのリズムに、ヴァイオリンの繊細かつ鋭い響きが冴えわたります。
 やがて弦楽器はフレーズを重ねるように大きな波を作り出していきます。
 激しく、大胆に大きなフレーズを何度も重ねていきます。
 そして最後まで続くチェロのガサゴソとしたリズムが少しずつ小さくなっていき
 次の楽章へ続きます。
 
 第4楽章:少しゆっくりと、そしてツルンとなめらかなフレーズが、あっけらかん
 と始まると、終盤に向けて何かに向かっていくような期待感を持たせます。
 そして、それぞれの楽器が、ひとつひとつの音を噛みしめるように、テンポよく
 しっかりと聴かせます。
 チェロがゆるやかに入ると、それまでの緊張感がゆるみ、しなやかなメロディを
 楽しませてくれます。
 ゆるやかで、のどかな雰囲気が終わると、
 細かな動きを何度も重ねた大きなフレーズを編み出して、アクセントをつけます。
 こうして、ゆるやかな動きと力強いフレーズを繰り返すと、
 ズズズ!と低音から迫るリズムの響きが始まります。
 いよいよラストを迎えるべく、じわじわと始まる響きになめらかなメロディを
 軽快に乗せると、最後に少し盛り上がり、あっさりと終わります。
 

モーツァルトやハイドンの弦楽四重奏曲みたいに、全編が“しなやかに”という訳にはいきませんが、ガッツリとダイナミックな曲調が楽しめる一曲だと思います。
一方で、第2楽章がしんみりと、しなやかに聴かせてくれますから、そのギャップが気持ちいいくらいにグサッとハマる曲かもしれません。

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ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第9番&第10番
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【コレってどんな曲】
喜:☆☆☆☆★
怒:☆☆☆★★
哀:☆★★★★
楽:☆☆☆★★

≪おすすめシチュエーション≫
じっくり聴ける弦楽四重奏曲をどうぞ。


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カヴァレリア・ルスティカーナ「間奏曲」 (マスカーニ作曲)

2008年01月14日 | ちょっとした曲
たまには、クラシック音楽を聴いてみてはいかがですか?

今日はマスカーニ:カヴァレリア・ルスティカーナ「間奏曲」です。

この曲のタイトルは、歌劇「カヴぁレリア・ルスティカーナ」は「田舎の騎士道」という意味なんだそうです。
元々はイタリアの小説家ヴェルガが書いた同名の「戯曲」が原作で、これを作曲家マスカーニが一幕のオペラ作曲作品として作曲したようです。

歌劇のあらすじは・・・、19世紀後半のシチリアが舞台で、かつては恋人同士だったドゥリッドとローラの物語です。ローラはトゥリッドが兵役でかり出されている間に、別の男(馬車屋の)アルフィオの妻になります。
残されたトゥリッドは、別の女性サントゥッツァとつきあう事になりますが、やはりローラが気になる様子。最近はローラに急接近するのでした。
トゥリッドの心変わりが気になって仕方がないサントゥッツァは、トゥリッドにローラとの関係を問いただすと、逆ギレされてしまうサントゥッツァ。

ならばと、今度はサントゥッツァはローラの夫アルフィオに「あなたの妻がトゥリッドにちょっかい出してるわよ!」と話すと、アルフォは「人の妻にちょっかい出しやがって!」とばかりに、その矛先をトゥリッドに向けて復讐を誓います。

ある日、トゥリッドとローラの関係がアルフォに悟られたと感じたトゥリッドは、アルフィオに決闘を申し込みます。決闘に勝利したのはアルフィオで、トゥリッドは絶命してしまうのでした。その知らせを聞いたサントゥッツァとローラは、がっくりと崩れてしまうという、なんとも悲しいお話なのでした。

今回は、この歌劇の中でも最も有名な「間奏曲」を紹介してみます。この曲は単独で演奏される事も多く、情感たっぷりの弦楽器のフレーズがなんともしんみりしてしまう一曲です。


ゆるやかに、ひっそりと、始まる弦楽器がなんともやわらかく、しなやかに耳に溶け込んでくるように聴こえます。
とても幻想的な雰囲気の中に、艶やかに入るオーボエの音色は、しんみりと、そして暖かく染み渡るように響いてきます。切なくどこか遠くを真剣に見つめているような、想いが伝わってくるようです。
やがて、ハープが優しくポロン♪と入ると、弦楽器の曲調も更におおらかになり、こころの中にあるモヤモヤが解けていくように、解放感があふれるメロディが、心地よく伝わってきます。
更に、弦楽器が情感たっぷりに強くその思いを伝えるべく盛り上げると、まるでそれまで必死にこらえていた涙が一気にあふれだすように、聴こえてきます。
最後は、その涙を誰にも見られないように黙って背中を向けて、その場を去っていくようにひっそりと終わっていきます。 


この曲(間奏曲)は映画「ゴッドファーザーⅢ」でも使用されていたため、この映画が更にこの曲を一層有名にした。という話は、よく聞くんですが、映画そのものは見た事がないんですよね。だけど、はじめてCDで聴いた時にもどこかで聴いたような気がします。CMか何かで流れてたのかな?

それにしてもこの曲、久々に聴いてちょっと感動してしまいました。3分少々の短い曲なんですが、あらすじを調べたり、書くために何度も聴いていると、グッと引きつけられてしまいました。改めてこの曲の良さを再発見したような、得した気分になった一曲です。

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【コレってどんな曲】
喜:☆☆★★★
怒:★★★★★
哀:☆☆☆☆★  →感☆☆☆☆☆
楽:☆☆☆★★

≪おすすめシチュエーション≫
ちょっと「ほっこり」するにはいい曲かも?!


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ニューイヤーコンサート2008 (ウィーンフィル)

2008年01月10日 | テレビでクラシック
たまには、クラシック音楽を聴いてみてはいかがですか?

今日はウィーンフィル:ニューイヤーコンサート2008です。

毎年、このブログでも何度かニューイヤーコンサートを紹介しましたが、今年はついこの間
NHKでやっていたウィーンフィルのニューイヤーコンサートを紹介してみます。

NHKの番組では司会が高橋美鈴さんゲストは黒柳徹子さん、そして解説が堀内修さんでした。そして、今年の指揮者はジョルジュ・プレートルです。解説の堀内さんによると、フランスの指揮者でオペラを中心に活躍中で、今年はなんと御歳83歳だそうな!スゴイ!
という訳で選曲もフランス風味が盛り沢山だそうです。

その中からいくつかの曲を紹介してみます。


≪第1部≫
【ナポレオン行進曲:ヨハン・シュトラウスⅡ】
1曲目のこの曲は、オープニングにふさわしく華やかなスネヤドラム(小太鼓)の賑やかなリズムに乗って軽やかなトランペットのファンファーレで始まります。
フルートのふんわりとしたフレーズの要所をトランペットやシンバルで押さえて、軽快なマーチを聴かせてくれます。

【パリのワルツ:ヨハン・シュトラウス】
低音の弦楽器から、あふれるように盛り上がると弦楽器は高音になり、ティンパニ(大太鼓)で賑やかに聴かせます。
そこへクラリネットがひとつ、やわらかく入ると、弦楽器もふんわりとしたワルツのテーマを奏で始めます。軽やかなトランペットやフルートが彩りを加えると、華やかなワルツのメロディが踊るように流れていきます。

【天国と地獄のカドリーユ:ヨハン・シュトラウスⅡ】
オッフェンバックの原曲ではクライマックスのトランペットから始まります。これを賑やかな前奏(イントロ)にして、曲を進めていきます。木管楽器の愉快なフレーズに弦楽器も楽しそうに合わせていきます。ウッドブロックが鳴り、スネヤドラムが響くと、
また天国と地獄のメロディに変わります。
トロンボーンやトランペットが大活躍する聴きなれたメロディのまま最後まで突っ走っていきます。

≪第2部≫
【喜歌劇「インディゴと40人の盗賊」序曲:ヨハン・シュトラウスⅡ】
ひょこひょこと可愛らしい弦楽器とフルートのリズムで曲が始まります。
ハープが流れ、ホルンとフルートがゆるやかにメロディを奏でると、おだやかな曲調がしばらく続きます。
再びフルートが可愛らしく入ると、テンポも速くなり、華やかに楽しく曲が続き、盛り上がると、トランペットやトロンボーンも賑やかに鳴り響きます。
その後も、愉快に楽しく賑やかな曲調を最後まで楽しませてくれます。

【ロシア行進曲:ヨハン・シュトラウスⅡ】
甲高いピッコロの響きがキリキリと始まると、スネヤドラムのリズムにのせて、トランペットが勇ましく鳴り響きます。ゴツゴツとした軍隊が更新するように、どっしりとした曲が続きます。
途中、弦楽器がしなやかに聴かせるところもありますが、それでもやっぱりリズムは規律正しく、テキパキとそのリズムを刻みます。
悪路にもつまずくこと無く進むかに見えた行進も終盤では徐々に音が小さくなり、最後は消えるようにして終わります。

【ポルカ「パリジェンヌ」ヨハン・シュトラウスⅡ】
ピッコロ、フルートがさわやかに始まると、すましたようなヴァイオリンが、涼しげに始まります。ヴァイオリンがしばらく淡々とメロディをきかせますが、すこし気取ったように聴こえるのは、曲名のせいでしょうか?
つつましやかなようで、可愛らしさも見せる曲がなんとも愛らしい一曲です。

ごあいさつ
2008年は北京オリンピックの年ということもあって、ここで中国人ピアニストのラン・ラン(男)からごあいさつが入り、「ウィーンフィルから贈り物があります」と言って次の曲が始まります。
【中国風ギャロップ:ヨハン・シュトラウス】
足早な弦楽器が走り出すと、フルート、ピッコロも負けずに素早いメロディを始め、ドラムやティンパニも軽快にリズムを刻み、どんどん突っ走って行き、あっというまに曲が終わってしまいます。

【ポルカ「インドの舞姫」:ヨハン・シュトラウスⅡ】
中低音の弦楽器がひとつ入ると、その後すぐにヴァイオリンが軽快なメロディを奏でていきます。曲に勢いがついてくるとトランペットとティンパニでアクセントを付けながら軽快なメロディをスイスイと奏でていきます。

最後の曲が終わり、拍手喝采が巻き起こると、プレートルがボールを持って現れます。すると何やら楽団員たちも、もぞもぞと赤いスポーツタオル?(マフラー?)を取り出し、首元に巻きます。そしてプレートルが、「ヨゼフ・シュトラウス、ポルカ!」と叫び、自らホイッスルを「ピー!」と鳴らして曲を始めます(アンコール)
【スポーツポルカ:ヨーゼフシュトラウス】
駆け抜けるようにはじまる小気味よいテンポで曲が始まると楽しく賑やかな曲が始まります。
盛り上がる曲の中で、浮かれたコンサートマスターがヴァイオリンを弾くのを止めて、両手を上げて、客席にアピールすると、プレートルはすかさず胸元からイエローカードを出して、彼を制します。そしてコンサートマスターも席に戻り、演奏を続けます。
最後もやはり、プレートルがホイッスルで曲を終わり、めでたしめでたし、かと思いきや、今度は、コンサートマスターがレッドカードをプレートルに向けて出すと、プレートル肩をすくめて、すごすごと舞台を後にするのでした。

客席もこのミニコント?!に拍手喝采を贈ります。

そして、例年のように指揮者から一言を加えて、「美しく青きドナウ」を演奏します。途中から客席の通路をドレスアップした男女二人がワルツを踊るという演出をつけて、ラストはラデツキー行進曲で華々しく最後を飾りコンサート終わります。


去年から、せっかくなら新年のニューイヤーコンサートを紹介してみようと思ってはみたものの、結局、去年は別の年のコンサートを紹介していましたが、今年こそはコレを紹介しよう!と意気込んで、ビデオまで撮ってたんですが、その分更新が遅れてダラダラとした文章になってしまいました。(タハハ)

それにしても、指揮者のジョルジュ・プレートルはスゴイですね。とても80代には見えなかったです。テレビで見てる分には、表情豊かに演奏者に向き合い、ニコッとした笑顔がとても印象的でした。

年始から元気いっぱいの活力のあふれる演奏がとても華やかなコンサートでした。

≪オススメCD≫
ニューイヤーコンサートのCDは、毎年発売です。
(1月30日発売予定らしいです)
ニューイヤー・コンサート2008
プレートル(ジョルジュ),ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団,J.シュトラウス,Jo.シュトラウス,J.シュトラウス(1世),ヘルメスベルガー,ランナー
UNIVERSAL CLASSICS(P)(M)

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【コレってどんな曲】
喜:☆☆☆☆☆
怒:★★★★★
哀:★★★★★
楽:☆☆☆☆☆

≪おすすめシチュエーション≫
新年はこれで決まり!?


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あけましておめでとうございます

2008年01月03日 | その他


あけましておめでとうございます

昨年は、後半から更新の間隔がひろがってしまいがちになりましたが、お楽しみ頂けましたでしょうか?

当初は、曲を紹介していくブログでしたが、「作曲家の生涯」をたどってみたり、CMを紹介してみたり、いろんな企画CDを紹介してみたり、とりあえずクラシック絡みでいろいろ紹介してみましたが、今年もひきつづき、新しいことを(思いつきで)やってみようと思いますので、何卒よろしくお願い申し上げます。

とは言え、まだまだ紹介できていない有名な曲もあるので、基本的には曲を紹介しようと思ってますが、長い曲だと、ちょっと構えてしまって紹介が伸び伸びになってしまっている現状です。

そんな更新の状況にもかかわらず、毎日変わらずアクセスご愛読いただいたみなさんには、とても感謝しております。本当にありがとうございます。

一応、構想の中には、マーラーとかショスタコーヴィチの交響曲やストラヴィンスキーの名曲も紹介しようとは思ってますが、いつになるやら・・・。

そんなこんなで、今年はどんな展開になっていくか自分でもよく分りませんが、それも含めて楽しみに読んで頂ければと思いますので、温かく見守ってやってください。



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