初心者のクラシック

有名な曲からおすすめの曲まで、できるだけ初心者にも分かり易く紹介します。

ブランデンブルク協奏曲第4番

2010年02月26日 | バッハ
たまには、クラシック音楽を聴いてみてはいかがですか?

今日はバッハ:ブランデンブルク協奏曲第4番です。

全6曲で構成される「ブランデンブルク協奏曲」今回はその第4番です。
協奏曲”というタイトルがついていますが、楽器の名前がタイトルについていない事からも分かるように特定の楽器のための協奏曲ではありません。
(普通ならヴァイオリン協奏曲とかピアノ協奏曲ですよね。)

タイトルの「ブランデンブルク」というのは、バッハがこの曲を献呈したブランデンブルク辺境伯ルートヴィヒの名前に由来しているようです。

という前置きはさておいて、
この曲は「ウィキペディア」によるとヴァイオリンソロと2台のリコーダーが・・・とありますが、手持ちのCDだとどうみてもフルート(だってジャン・ピエール・ランパルって書いてあるし)なので紹介でも、その部分はフルートとして紹介します。

そして、そんな表記もあるように、2台のフルートとヴァイオリンが大活躍する曲です。
2台のフルートがさわやかに織りなすハーモニーとそこへうまく掛け合わせるヴァイオリンの魅力をお楽しみください。




 第1楽章:2台のフルートの掛け合いがさわやかに始まると、弦楽器がスルリと入り、軽快な音楽を聴かせていきます。
 フルートの掛け合いが可憐に舞い上がると、今度は、それまで隠れていたヴァイオリンのソロが浮き上がるように鮮やかに響きます。
 フルートは伴奏にまわりますが、いいコンビネーションで、絡み合います。
 ヴァイオリンが終わると、またフルートに戻り、最初のフレーズを聴かせ、
 ヴァイオリンが、ぐるぐるとそれを引き立てるように盛り上げていきます。
 特別に派手にはならないものの、とても華やかに繰り広げられるそのフレーズが
 あふれ出すように、現れては消えフルートからヴァイオリンへ、そしてまたフルートへ・・・。
 常に支え続けるチェンバロのリズムもなめらかに、最後までさわやかな曲を演出してくれます。
 
 第2楽章:低音の弦楽器が入ると、すきま風のようなフルートが切なく吹きすさぶように奏でると、
 ゆったりとした曲が始まります。
 悲しげなフルートは、昔の思い出を語るように切々と、それでいて
 淡々とその様子を語るように、静かに聴かせていきます。
 そして、昔語りのフルートは、その結末をあいまいに濁したまま、
 ふと、ため息をつくように終えてしまいます。

 第3楽章:きらびやかなチェンバロの伴奏に、心地よく流れる弦楽器のメロディ。
 気持ちを切り替えて明るく、豪華に響くアンサンブル。
 ヴァイオリンやフルートも弾み、華やかなフレーズが戻ってきます。
 そして、ヴァイオリンの伴奏から2台のフルートが自由に駆け巡るように
 そのフレーズを聴かせていきます。
 そのフレーズは弦楽器にも引き継がれ、重ねられていきます。
 ヴァイオリンのなめらかなソロに、次第に曲が盛り上がっていくと
 フルートも負けじと弾むようにそのフレーズを聴かせ、
 ヴァイオリンとフルートが重なるようにそのメロディを聴かせていくと
 更に曲も盛り上がり、
 最後は綺麗にその曲を締めくくっていきます。


改めて、久々に聴くと、バロックの魅力あふれる無駄のない動き、というか、結構サラッとやってるように聴こえる割には難しい事を平然とこなす独特の響きが、なんとも軽快でさわやかに聴ける一曲です。
これは自分だけなのか?皆さんもそうなのか分かりませんが、「定番」の曲を改めて聴いてみると、意外と素直にサラッと聴けたり、今までは、少し距離をおいていた曲も、何気にスルッと聴けたりという事があるので、とても不思議です。

正直「バッハ」の音楽は、もちろん前から聴いてましたけど、個人的にちょっと距離を置いていた気もするので、最近あまり紹介してませんでしたが、こうやって「たまに」聴いてみると、とても素直に聴ける気がします(って何様のつもりだよって?!)

≪オススメCD≫
ブランデンブルク協奏曲 3曲入ってます
(自分の持ってるCDは確かにこのシリーズなんですけど、なんせ昔のヤツなんで曲が1番、2番、4番でした。)
バッハ:ブランデンブルグ協奏曲
パイヤール(ジャン=フランソワ)
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無伴奏チェロ組曲 第3番

2009年08月28日 | バッハ
たまには、クラシック音楽を聴いてみてはいかがですか?

今日はバッハ:無伴奏チェロ組曲第3番です。

はじめに、バッハが作曲した無伴奏チェロ組曲は全部で6曲あって、それぞれが更に6曲で構成されています。

そして今回はその「第3番」ですが、結構メリハリの利いた力強い一曲なんだと思います。

前にも書いたかもしれませんが、「無伴奏」なので、ホントにチェロ一本で、リズム、メロディ、和音を、一人三役でこなしていますから、初心者には若干、聴きにくいのかもしれません。

しかし、そんな事言ってる自分自身も、完全にどれがどんな役割の音で奏でられているのかを、完璧に把握している訳ではないので、この曲の持つ雰囲気と、その音色を楽しめればそれで十分!くらいの軽いノリで聴いた方が、あれこれ考えるより逆に理解が早いのかもしれません。



 プレリュード:しっかりとした音色が響くと、低音へとグッと迫り、
 そこからまた高音へ向いながら、舞い上がるように広がっていきます。
 ぐるぐるとめぐるように響くと、
 その回転がときには心地よく、ときには苦悩を描いている軌跡のように
 様々な音色を聴かせてくれます。
 やがてその回転に力が入り熱がこもったように力強く響くと、
 何かを強く感じてしまいます。
 しかし、その後は力が抜けたように少し抑え気味になると、まるで空回り
 しているようにも聴こえてきます。
 更に間に和音を挟みながら、その回転を続けると、味わいも深く、
 着地点を求めるようにぐるぐると舞うと、最後は綺麗にまとめてきます。  

 アルマンド:軽快なメロディがはじまると、心地よいリズムにのって、
 サクサクと進んでいきます。
 要所を締める低音のリズムと、それにのって軽快に弾む中音域のメロディが
 響くと、思わず肩を揺らして聴いていたりして、
 メロディをくりかえすうちに、徐々に高音へと向かっていきますが、
 最後まで軽快なリズムで心地よく聴かせてくれます。

 クーラント:ほどよいリズムで走り出すと、
 似たようなリズムが何度も小刻みに、文字通り音を重ねるように
 高音から低音までをめくるめく響かせ、心地よくその重なりを次々に聴かせてくれます。
 まるで二重奏、三重奏を聴いているかのように、後から後からその音に
 かぶせていくように、勢いよく次へ次へと進み、気がつくともう終わってしまう。
 そんな感じでしょうか。
 
 サラバンド:ゆっくりとした和音が、じんわりと響き、低音がグッと迫るように
 ざっくりと響きます。
 伸びやかなメロディがその音を更にじっくりと聴かせてくれます。
 そのゆったりとした時間の流れに耳を傾けていると、
 何か他の事を考えてしまっていたりして、
 いや、それが逆にこの曲に集中させられている?という事なんでしょうか??
 なめらかに響くその音色と、それを際立たせる低音の魅力がたっぷりの一曲です。 

 ブーレ:今度は軽やかなメロディが始まって、まるで何かの童話がはじまる
 かのような、のどかな雰囲気で始まります。
 しかし、童話の主人公が何かの危機に直面したように、少し困ったような
 フレーズが聴こえてきます。
 その危機に主人公は、あれこれと知恵をめぐらせ、あれこれと考えると
 最後はまた、元気よく軽快なフレーズに戻り、何事も無かったかのように
 あっさりと終わるのでした。
 
 ジーグ:力強いその音色がしっかりと響くところから曲がはじまります。
 そして、細やかなフレーズが、ウズウズとした力を徐々に開放するように
 更に盛り上げると、
 その有り余る力を十分に披露するように華やかに広がっていきます。
 ザクザクと力強く、間にしなやかにその音色を交えながら、
 その思いを主張するようにたっぷりと最期までその魅力を伝えてくれます。


正直、「普段よく聴く曲」という部類には入らないこの曲ですが、ぶっちゃけ今回この記事を書くために、こんなにじっくりと聴いたのは初めてかもしれません。
それでも、改めてじっくり聴いてみると、「作曲家大バッハ」という名前も手伝っての事でしょうが、そのじっくりと聴かせるところや、小刻みなリズム、なめらかなフレーズは、これほどチェロの素の音色を堪能できる曲も他には見当たらないほどの名曲の名にふさわしい一曲じゃないでしょうか。



≪オススメCD≫
一応持ってるのはコレですが、アマゾンだと中古なのに値が張っているようで…
(もちろん買った当時は定価でした。)
バッハ/無伴奏チェロのための6つの組曲
フルニエ(ピエール)
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管弦楽組曲 第1番

2009年06月11日 | バッハ
たまには、クラシック音楽を聴いてみてはいかがですか?

今日はバッハ:管弦楽組曲第1番です。

バッハの作品を代表するこの「管弦楽組曲」は、大変有名で名前だけなら、なんとなく知ってる方も多いこの曲。
全4曲からなるその作品の今回は第1番を紹介する訳ですが・・・。

バッハだけでなくて、バロック音楽を、ひいてはクラシック音楽を代表する「元祖クラシック!」みたいな曲なんですが・・・、

ハッキリ言うと、自分でも未だにこの曲の真価を理解出来ているのか?といわれると全くもって自信はありませんが・・・、(って毎回そうなんですケドね)

逆に、あんまり必要以上に構えない方が聴きやすいんですけどね、実際。
と、いう事でお気楽に・・・、

この時代(バロック)の特徴として比較的小編成で演奏されるように作曲されているこの曲ですが、今回の第1番は、管楽器がオーボエ、ファゴットのみ!という事もあって比較的オーボエが目立ちます・・・、が、それほど派手になる訳でもない。

控え目で、上品な感じは「バロック音楽」の特徴なのかもしれません。



 序曲:オーボエと弦楽器がしなやかにはじまり、ゆっくりとそのフレーズを奏でると、
 チェンバロがキラリとその合間を照らすようにリズムを刻みます。
 低音のゆっくりとした伴奏もおだやかに、静かな序奏(イントロ)が終わると
 テンポが少し速くなり、オーボエのメロディも軽やかに曲が始まります。
 ふたつのオーボエがリズムとメロディを交えながら、ファゴットのリズムにのって、
 軽快に曲を進めると、軽やかなリズムが踊りスムーズに進んでいきます。
 そして、またヴァイオリンがゆっくりとしたフレーズに戻ると、
 静かに終わっていきます。 

 クーラント:あっさりとしたオーボエのメロディがはじまり、
 ほどよいテンポで淡々と曲が進んでいきます。軽やかに流れるオーボエと
 ふわっとした弦楽器、サラリと聴かせるチェンバロ。
 それぞれの楽器をあっさりと聴かせてくれます。

 ガボット:弦楽器のシャキッとした感じにオーボエのフレーズが合わせるように、
 ハキハキとしたテンポで、スッキリと聴かせてくれます。
 途中から入るオーボエの二重奏がとても自然に曲に溶け込んでいますが、
 ぴったりと息を合わせた見事な演奏を、あたりまえのようにスマートに
 終えると、最後はきっちりと締めくくります。
 
 フォルラーヌ:さらりと流れるヴァイオリンのフレーズにオーボエが合わせると、
 コソコソとささやくような曲が進み、静かに終わります。
 
 メヌエット:スッキリとしたメロディを、心地よいリズムにのせて
 サクサクと曲が進んでいきます。
 途中、弦楽器がなだらかになり、ゆっくりとその音色を聴かせると、
 最初のスッキリフレーズにを聴かせて終わります。
 
 ブーレ:やや弾んだ感じの曲調に変わり、オーボエもなんとなくトランペット風。
 派手にはならないものの、曲を盛り上げていきます。
 そして、オーボエの二重奏。軽やかにそのフレーズを奏でる音色がさわやかに響きます。
  
 パスピエ:鮮やかなヴァイオリンの音色を聴かせ、しなやかにその音色を響かせます。
 低音で弾みをつけると、オーボエの長めのソロが、朗々と気持ちよさそうに歌います。
 息の長いソロが終わると、ヴァイオリンを交えて最後を演出して、
 スッキリと終わります。


曲調は、ベートーヴェンやブラームスのように、「風格」とか「威厳」みたいにどっしりと構えた風ではありませんが、敢えて言うなら「気品」みたいな感じでしょうか。そういう意味での存在感はあると思います。

いずれにせよ、古くからの名曲である事には変わりはないでしょうが、あまり構えなくても、聴いていると結構スルッと入ってくる曲調なので、サクサクと次へ進む感じは聴きやすい曲と言えると思います。


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バッハ:管弦楽組曲
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無伴奏チェロ組曲 第2番

2009年05月10日 | バッハ
たまには、クラシック音楽を聴いてみてはいかがですか?

今日はバッハ:無伴奏チェロ組曲「第2番」です。

バッハが作曲した無伴奏チェロ組曲は全部で6曲あって、それぞれが更に6曲で構成されています。

有名なのは第1番なので、ソレを目当てにCDを聴くと、その続きに当然この曲が流れてくるので、普段はそんなに意識せずに聴いていましたが、
改めて聴いてみると・・・、結構暗い曲でジメッとした感じではありますが、味わいの深いチェロの響きが堪能できる曲でもあると思います。

ちなみに、「無伴奏」なのでピアノなどの伴奏はなく、チェロ1台で最初から最後まで聴かせる曲です。




 プレリュード:ひっそりと悲しげに始まる旋律が、伸びやかにじんわりと
 その響きを聴かせていきます。
 低音から徐々に高音に上っていくと、次第に熱のこもった響きが
 強く訴えるように、鋭くなめらかな響きを聴かせると、
 少しトーンダウンして低音をしっかりと聴かせます。
 そして、最後はしっかりと響かせてグッと締めくくります。

 アルマンド:低音からざっくりと踏み込むと、
 中音域をぐるりと旋回するように響かせていきます。
 つぶやくようなその音色は、淡々としているようでしっかりと響く低音が、
 じんわりと響いてくるようです。

 クーラント:小走りなテンポで、軽やかに進みますが、
 小雨の中を傘も持たずに軒下沿いを、駆け抜けていくように進んでいきます。
 途中でパシャリ!と水たまりを踏んでも、止まらずにそのまま駆け抜けて
 いくような、とにかく前へ前へと進んでいく後姿が、何故かさみしげに見えます。
 
 サラバンド:ずぶ濡れになった上着をハンガーに掛けて、椅子に腰を下ろすと
 「ふうっ」とため息をついたような音色が響きます。
 わびしくも、哀愁の漂うフレーズがじんわりと聴こえると、少し切ない気分にもなります。
 それでも慣れてくるといつも、こんなものか、という気もしますが、
 しかし、聴けば聴くほどなんだか切なく哀しい響きが心に刺さるように
 ずっしりと響きます。
 
 メヌエット:ガッツリと力強く響くその音色は、何を訴えているのか?
 渾身の力を振り絞って、編み出されるその響きに、身が引き締まるような、
 罪の意識を覚えるような、そんな響きにも聴こえてきます。
 しかし、急に景色が変わり、ふっと我に返ったようにしなやかなメロディが
 始まると、なんだか救われたような、ほのかな薄明かりが差したように
 肩の力が程良く抜けた感じに聴こえます。
 それも、束の間。またガッツリとした響きが始まると、そのまま終わります。
 
 ジーグ:しっかりと歯切れ良いフレーズが始まると、
 低音のフレーズにかぶせるように中音のフレーズが重なっていきます。
 ふたつのフレーズが重なるように響きあうと、まるで二重奏を聴いている
 ように曲が進んでいきます。
 やがて、ざわめくように盛り上がると、駆け抜けるようにグイグイと進み、
 そのまますうっと終わっていきます。
 

いや~シブイ!シブイですねこの曲。ただ単に静かに聴いている分には、じっくりと味わいのある曲なんですが、書き起こすのがちょっと大変。
上の表現が的を射ているかは、はなはだ疑問ですが(毎回そうなんですケド。)たまにはこういう、しっとりとした曲を静かに聴いてみると、意外と考えがスッキリまとまるかも??


≪オススメCD≫
フルニエでどうぞ。
バッハ/無伴奏チェロのための6つの組曲
フルニエ(ピエール)
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【コレってどんな曲】
喜:★★★★★
怒:☆☆★★★
哀:☆☆☆★★
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≪おすすめシチュエーション≫
たまには、じっくりじんわり聴いてみるのもいいかも?


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無伴奏ヴァイオリンソナタ第1番

2009年04月16日 | バッハ
たまには、クラシック音楽を聴いてみてはいかがですか?

今日はバッハ:無伴奏ヴァイオリンソナタ第1番です。

この曲は、「無伴奏ヴァイオリンのソナタとパルティータ」という全部で6曲からなるシリーズのうちの一曲です。それぞれ「ソナタ」と「パルティータ」が、それぞれ第3番まであります。

そして、今日紹介するのが、その第1番です。
普通の「ヴァイオリンソナタ」の場合はたいてい、ヴァイオリンソロにピアノ伴奏がつきますが、この曲の場合、タイトルにも「無伴奏」とあるように、ピアノ無しのヴァイオリンだけの演奏になります。(パルティータも同様)

ヴァイオリン1台でリズム、メロディ、ハーモニーの一人三役みたいな事をしていますから、この音の感覚に慣れるまで若干時間が居る曲かもしれません。

ただ、透きとおるようなヴァイオリンの音色がまっすぐ響くこの曲なので、単純に聴けば「スッキりと美しい曲」として聴けると思います。
また、ヴァイオリン1台だけなので、フルオーケストラとは違ったソロの迫力も十分に伝わってくる一曲といえるのかもしれません。




 第1楽章:ゆっくりと入る和音の中から、ひとつ抜けた音がまっすぐに伸びると、
 その音は、しなだれるように悲しいメロディを奏でていきます。
 他の音で和音の伴奏を入れながら、ただ切々と歌うように静かに真剣な表情で
 しずしずと語っていきます。

 第2楽章:楽器は1台のはずなのに、初めのメロディを追いかけるような低音の
 フレーズ。まるで2台のヴァイオリンがそのフレーズを掛け合うような響きが、
 淡々と、切々と重なっていきます。
 特に速いフレーズという訳ではありませんが、しっかりとした響きを刻む
 低音と、高音の響きが交互に響くと絶妙なコンビネーションがぴったりと息を
 合わせたようにしっかりと響きます。

 第3楽章:低音のフレーズがゆっくりと入ると、その上に高音のフレーズが
 ゆっくりと重なっていきます。
 やや、落ち着いた面持ちのフレーズがなめらかに響くと、
 やはり、どこか影のあるうつろな表情にも聴こえてきます。
 伸びやかにふくらむその音に、もうひとつの音が重なると、一瞬少しだけ
 宙に浮いたような感覚が、ふわりと響く、そんな曲です。
 
 第4楽章:小走りなフレーズがはじまると、最初はひとつだった音が次第に
 ふたつに分かれていくようなそんな感覚を覚えます。
 何度もくりかえすようなフレーズが重なる度に、くりかえされる度に、
 脳裏に焼きつけられるように響きます。
 まるで、こだまするように響く音色が鮮やかに響くと、
 最後はそれをきっちりと締めくくるような長い和音で終わります。



ヴァイオリンオンリーの一曲なので、演奏者の特徴が伝わりやすい一曲なのかもしれません。(といってもシェリングしか聴いたことないんですが…)
はじめて、この曲を聴いたときは「ヴァイオリン一台」というかなり“まれ”な演奏スタイルも手伝ってか、その音色に引き込まれるように釘付けになって聴いていましが、ちょっとでも油断すると、「アレ?どこからそう来て、今こうなったんだけか?」と、聴いていても“おいてけぼり”をくったようにも感じてしまう事もありましたが、
この曲自体も、演奏者も含めて特徴的な一曲(全6曲)といえると思います。


≪オススメCD≫
たいていのCDは2枚組全6曲のものが多いみたいです。
バッハ:無伴奏ヴァイオリンソナタとパルティータ(全6曲)
シェリング(ヘンリク)
ユニバーサル ミュージック クラシック

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【コレってどんな曲】
喜:☆★★★★
怒:☆☆★★★
哀:☆☆☆★★ →真☆☆☆☆☆
楽:★★★★★


≪おすすめシチュエーション≫
一本勝負!の一曲


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管弦楽組曲 第3番

2009年03月18日 | バッハ
たまには、クラシック音楽を聴いてみてはいかがですか?

今日はバッハ:管弦楽組曲第3番です。

ストレートなタイトルのこの曲。要はオーケストラの組曲ってコトですが、(そのまんまじゃん!)他の作曲家のいわゆる「組曲」とは少し様子が違うようです。

作曲家の時代背景が違う事も関係あるようですが、オーケストラと言っても比較的小規模な編成なので、迫力のある演奏という訳にはいきませんが、逆にこの時代特有の上品な演奏がじっくりと楽しめる一曲です。

また、CDの解説によると、『ゲーテが「美しく着飾った人々の行列が広い階段を下りてくる姿が目に浮かぶ」と評した。』とありますが、「ウマイ事いうなぁ」なんて思ったりして。

そして2曲目のエア(アリア)は、あの有名な【G線上のアリア】として単独で演奏される事も多い曲のひとつです。単独のときと違って組曲として全曲を通して聴くと、また違った聴こえ方がするかもしれません。




 序曲:
 トランペットがゆったりとした響きが伸びやかに始まると、ティンパニ(大太鼓)の
 ドラムロールがゆるやかに響き堂々としたメロディが流れます。
 しなやかに響く弦楽器の上をチェンバロやオーボエが華麗な響きで、
 しずしずと歩くように進みます。
 トランペットもゆっくりと、ティンパニもおごそかに力強く響くと
 気品だたよう雰囲気が伝わってきます。
 途中からテンポが速くなり、掛け足になりますが、
 弦楽器は軽やかに、チェンバロもリズミカルに、トランペットもアクセントを
 加えるように、小気味よく駆け抜けていきます。
 最後はトランペットも高らかに、弦楽器がゆっくりと聴かせて
 堂々と締めくくります。 

 エア(アリア):
 しっとりとした弦楽器のフレーズが、しみわたるように響くと、
 おごそかで神聖な雰囲気になります。
 弦楽器の響きを何層にも折り重ねていくように、しなやかにゆっくりとした
 フレーズを聴かせてくれます。
 すうっと透き通るような音色が静かに聴こえると、とても穏やかな気持ちになります。

 ガヴォット:
 明るく力強いトランペットの響きが、ティンパニの響きも手伝って、
 堂々とした貫禄をもった音色を聴かせます。
 途中、トランペットと弦楽器が交互に響きあうと、お互いに呼び合うように
 その音色をたっぷりと聴かせてくれます。
  
 ブーレ:
 小刻みなリズムにトランペットが明るく跳ねるような演奏は、
 躍動感があって、ウキウキするリズムのまま最後までスッキリと聴かせてくれます。
 
 ジーグ:
 ほどよいリズムに明るく響くトランペット。
 心地よく流れる弦楽器に応じて、ティンパニがアクセントをつけると、
 曲が引き締まります。
 穏やかにスイスイと流れる弦楽器にきらめくチェンバロがさりげなく演出すると、
 最後もサラリと決めて終わります。
 

さて、ブログを始めてすぐの頃に紹介した「G線上のアリア」ですが、当時その曲の事を書いたときは、今回の「管弦楽組曲第3番」の中のアリアだという事を知らずに書いてましたから、自分でも全く別物だと思ってましたが、この曲の中の一曲だったんですね。
その後、何かの機会でそれを知って「アレ?・・・ってコトは、紹介の仕方がちょっと・・・」とも思いましたが、結局しれーっとそのままにしてましたが、
まぁ「G線上のアリア」はそれとして、単独での地位を揺るがざるものとしてますから・・・なんてコトにしておいて、「ソレはソレ、コレはコレ」という事で…。

改めてこの曲を聴いても、やっぱり単独で演奏される時と、組曲として演奏されるときでは、状況も違うでしょうし、編曲も違ってる場合がありますから、そんな感じで聴き比べてみても面白いかもしれませんね。


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トン・コープマンでどうぞ。
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喜:☆☆☆★★
怒:★★★★★
哀:☆★★★★
楽:☆☆☆★★


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ゲーテもオススメ?!の一曲です。


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ブランデンブルク協奏曲第2番

2009年02月16日 | バッハ
たまには、クラシック音楽を聴いてみてはいかがですか?

今日はバッハ:ブランデンブルク協奏曲第2番です。

全6曲で構成される「ブランデンブルク協奏曲」今回はその第2番です。
協奏曲”というタイトルがついていますが、楽器の名前がタイトルについていない事からも分かるように特定の楽器のための協奏曲ではありません。
(普通ならヴァイオリン協奏曲とかピアノ協奏曲ですよね。)

タイトルの「ブランデンブルク」というのは、バッハがこの曲を献呈したブランデンブルク辺境伯ルートヴィヒの名前に由来しているようです。

曲は、オーケストラ伴奏にトランペット、フルート、オーボエがソロを展開していきますが、この曲に関してはトランペットの超高音のメロディが特に印象的といったところでしょうか?
普段よく聴くトランペットのファンファーレ的な要素は無く、どちらかというとオーボエに近いフレーズをメロディ楽器のように聴かせています。



 第1楽章:チェンバロと弦楽器の伴奏にトランペットが高らかなメロディを奏でます。
 ヴァイオリン、オーボエ、フルートと受け継がれるメロディですが、
 やたら甲高いトランペットの音色が特徴的です。明るく賑やかな曲調が
 華やかに聞こえてくると、ウキウキしてきますが、それでもやはりきっちりと
 まとまった響きが心地よく伝わります。
 その後もトランペットのメロディは高音を的確に捉えながら、フルートやオーボエ
 等と絡みながら、最後まで堂々と響きわたります。

 第2楽章:チェロの寂しげなフレーズにオーボエが入り、フルートも加わりますが、
 悲しい旋律が、ひっそりと響くと、うつむき加減で下を見るようにも聞こえます。
 しかし、ゆったりとしたテンポには不思議と落ち着いた雰囲気も持ち合わせています。
 フルート、オーボエを中心にしっとりと続くメロディはチェロの伴奏もあって、
 聴けば聴くほど体にしみわたっていくようです。

 第3楽章:派手なメロディのトランペットが、またも高らかに響くと、オーボエが
 それに共鳴していきます。
 小走りに駆けていくようなメロディが高らかに響くと、それにひっぱられていくように
 フルート、オーボエが続きます。
 フルートのソロはトランペットとは対照的に涼しげに、オーボエのソロはしっとりと
 それらがまた、トランペットソロを引き立てるように、輝くようなトランペットの
 響きが響いていきます。
 そして、最後はトランペットソロが決まると、疑問を投げかけるように曲を終わります。


久々にバロック音楽を紹介してみましたが、背筋が伸びるというか、引き締まるというか、シャキッとした感じにさせてくれます。
クラシック音楽の中でも、更にマイナーな位置を占めるバロック音楽(ホントか?)ですが、背筋が引き締まるというか、クラシックを聴いてるなぁと思うような気がします。
チェンバロの音色がまたこの、独特な世界観を引き出しているのかもしれません。


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バロックならやっぱりパイヤール室内管弦楽団?!
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喜:☆☆☆★★
怒:☆★★★★
哀:☆☆☆★★
楽:☆☆☆☆★


≪おすすめシチュエーション≫
背筋を正して聴きましょう。


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オーボエとヴァイオリンのための協奏曲

2007年07月17日 | バッハ
たまには、クラシック音楽を聴いてみてはいかがですか?

今日はバッハ:オーボエとヴァイオリンのための協奏曲です。

協奏曲と言うと、だいたいはひとつのソロ楽器をオーケストラが伴奏する曲ですが、バッハの時代には、複数楽器をソロ楽器として作曲した作品も一般的だったようです。

オーケストラの楽器の中でもいわゆる“花形”として主メロを担当する事が多いヴァイオリンとオーボエですが、バッハはこのふたつの楽器のための協奏曲も作曲しています。

最初はオーボエのメロディがヴァイオリン伴奏を従える感じがしますが、気がつけばヴァイオリンもしっかりと存在感をアピールしていきます。
ただ、曲調としては、基本的にはもの悲しい雰囲気がありますから、ちょっと切ない曲ですね。

 第1楽章:ゆるやかで、しっとりとした弦楽器が悲しく響くと、それにこだま
 するように響くオーボエの音色。
 やがてオーボエのソロが悲しく響きます。ヴァイオリンはリズムを中心に
 しながらも、存在感を持ちながらオーボエと絶妙なコンビネーションを編み
 出していきます。
 そして、何かから逃げるようにしえ足早に駆け抜けていくように、最後まで
 スピードを落とさずに走り去っていくように終わります。

 第2楽章:伸びやかに始るオーボエのメロディにヴァイオリンがしっとりと
 音を重ねていきます。
 悲しい響きに変わりはありませんが、ゆっくりと落ち着いた曲調が妙に
 しっとりと響き、ゆるやかなオーボエとヴァイオリンのハーモニーは、
 いつの間にかまどろんでしまいそうな、暖かい響きにも聴こえてきます。

 第3楽章:テキパキと始るオーボエとヴァイオリン。規則正しく次から次へと
 まるで、与えられた仕事をこなしていくように、機械的にさえ聴こえてしまう
 フレーズですが、ヴァイオリンソロが何度も素早く、繰り返すテクニカルな
 ソロは思わず脱帽の妙技です。
 そのまま、速いテンポを最後まで崩さずに、目まぐるしく続くヴァイオリンの
 要所をオーボエが的確に押さえながら、これでもかと言わんばかりの安定した
 テンポを保ちつつ最後を迎えます。
 
CDでは、やはりオーボエよりもヴァイオリニストがメインで曲を録音する事が多いようですが、オーボエもしっかり、しっとり聴かせてくれるものが多いですから、そちらもお聞き逃しないように、と言ったところでしょうか?
演奏時間は全3楽章をあわせても15分足らずですから、比較的短めと言える曲だと思います。


≪オススメCD≫
ヒラリーハーンのヴァイオリンです。
バッハ:ヴァイオリン協奏曲第1番&第2番
ハーン(ヒラリー),カヘイン(ジェフリー),ロサンゼルス室内管弦楽団,バッハ,バーチャー(マーガレット)
ユニバーサルクラシック

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【コレってどんな曲】
喜:★★★★★
怒:☆★★★★
哀:☆☆☆☆★
楽:☆☆★★★

≪おすすめシチュエーション≫
感傷に浸るにはいいかもしれませんが、ほどほどに。


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ヴァイオリン協奏曲第1番  (バッハ作曲)

2007年01月09日 | バッハ
たまには、クラシック音楽を聴いてみてはいかがですか?

今日はバッハ:ヴァイオリン協奏曲第1番です。

バッハの「ヴァイオリン協奏曲」と名前のついた作品はこの曲も含めて3曲ありますが、その中では比較的マイナーな部類に入ってしまうこの曲。
しかしながら、ヴァイオリンのテクニックをはじめ、緩急の取れた曲調も他の2つのヴァイオリン協奏曲に引けはとらない一曲です。

CDではだいたい3曲セットになっているものが多いようですが、せっかくだから一度聴いてみてください。マジメに聴かせる曲調は日常のちょっとした悩みを、そのまま曲にしたような感じですが、それが逆に身近に感じる一曲なのかもしれません。


 第1楽章:生真面目で少し無愛想な弦楽器のフレーズが続き序奏(イントロ)が終わると
 忙しそうなソロヴァイオリンのフレーズが始ります。
 ソロヴァイオリンと弦楽器が、まるで口論を交わすようにそれぞれのフレーズを
 しているようにも聴こえますが、実はしっかりとソロヴァイオリンをサポートする
 弦楽器でした。
 きっちりと理路整然とした曲調はまるで「物理」とか「数学」の講義を聴いている
 ようなそんな感じでしょうか?(物理や数学は得意じゃなかったですけど決して
 退屈な訳じゃないですよ。)

 第2楽章:落ち着いた低音弦楽器の序奏に続きソロヴァイオリンがやわらかい
 メロディを始めます。
 しなやかで伸びのあるヴァイオリンがゆったりと聴かせてくれます。
 しかしながら、少し背中に影を背負ったように暗い響きですが、それもまた美しく
 魅力的に聴こえてくるのはバッハならではでしょうか?
 最後までゆったりとしたヴァイオリンの響きを聴かせてくれます。

 第3楽章:テンポを速めて先を急ぐような弦楽器のフレーズから始ります。
 ヴァイオリンもしっかりと聴かせてくれるものの、心なしか少し焦っているような
 切迫感のあるフレーズに聴こえてきます。
 特に中盤から後半にかけての熱の入ったソロは聴き所ですね。
 力いっぱい弾いているようで、どこかサラッと弾きこなしてしまうヴァイオリン
 にも注目です。

短調(暗め)の曲なので、初心者には若干聴きづらい曲なのかもしれませんが、たまに耳にしてみると、少し暗めのこの曲がハマると逆に心に刺さって忘れられない一曲になるかもしれませんね。しかし演奏時間は全3楽章でも15分弱ですから、長さ的には他の作曲家のものと比べると短めですし、時間を取らせることは無いハズです。
いずれにせよ、バッハのヴァイオリン曲の名曲のひとつですからこの機会に是非一度聴いてみてください。

≪オススメCD≫
前にも紹介したヒラリー・ハーンでどうぞ。
バッハ:ヴァイオリン協奏曲第1番&第2番
ハーン(ヒラリー), カヘイン(ジェフリー), ロサンゼルス室内管弦楽団, バッハ, バーチャー(マーガレット)
ユニバーサルクラシック

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【コレってどんな曲】
喜:★★★★★
怒:☆☆★★★
哀:☆☆☆★★
楽:☆☆★★★

≪おすすめシチュエーション≫
どことなく後ろ髪をひかれているような曲です。


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2台のヴァイオリンのための協奏曲

2006年09月03日 | バッハ
たまには、クラシック音楽を聴いてみてはいかがですか?

今日はバッハ:2台のヴァイオリンのための協奏曲です。

ヴァイオリンファンにはたまらない、2台もソロヴァイオリンを楽しめる豪華な曲です。ただ、「短調」の曲ということもあって、暗い曲調なのが初心者には聴きにくいかもしれませんが、こういう編成の曲は数も少ないと思うので、たまにはこんな曲を聴いてみるのもいいんじゃないでしょうか?

しかも、作曲はかの有名な「大バッハ」ですから聴き応えもありますし、演奏時間もそれ程長くも無く、全3楽章でも15分程度です。少し忙しくテンポの速い曲ではありますが、面白い作品でもありますから、いろんな意味で楽しめる曲だと思います。

 第1楽章:あくせくした感じで小走りに曲は始まります。ヴァイオリンが悲しげに
 入ってきて、結構あわただしく2台のヴァイオリンが絡み合います、しかし、あれ?
 ちょっと待って!ホントに2台で弾いてるの?と最初は疑ってしまうくらい忙しく
 メロディを弾いていますから、ちょっと見分け(聴き分け)は難しいと思います。
 ちょっと聴いているだけなら、1台で一生懸命弾いてると言われればそう聴こえな
 くもない曲ですね。
 しかし、ヴァイオリンの音色とテクニックを楽しむのであれば、ここは1台だろうが
 2台であろうが、「バッハのヴァイオリンの曲」として楽しめると思います。

 第2楽章:2台のヴァイオリンが本領を発揮するのはここからですね。しっとりと
 した、甘く切ないメロディを1台が弾き始めると、もう1台のヴァイオリンが絶妙の
 タイミングで自然に入ってきます。そこからは2台のヴァイオリンが交互にメロディ
 と伴奏を弾き分けていますが、すこし暗めのメロディをたっぷりと歌って聴かせて
 くれます。落ち着いた雰囲気の中でしばらく聴いていると、少し切なくなってくる
 曲です。

 第3楽章:再び忙しい曲調に戻り、切々と、そして淡々と歌い上げていきます。
 2台のヴァイオリンが複雑に絡み合い、妖艶ささえも感じさせてくれます。しかし、
 1楽章に比べると、耳も慣れてくるせいか若干2台のヴァイオリンが聴き分けられる
 ようになっている(?)と思います。オーケストラもあいまって、スピード感と
 同時に重厚感も感じられる少し堅めの曲ですが、真剣な表情は聴く方も背筋がピン
 と伸びる曲だと思います。

とっても真面目に聴こえる曲ですね。下に紹介しているヴァイオリニスト「ヒラリー・ハーン」の真剣な、まなざしがそのまま曲になったような作品だと思います。生真面目なクラシックの代名詞とも言える曲なんだと思います。しかし、シンプルで真面目なメロディラインだからこそ、曲にも深みを感じる事のできる作品と言う事もできるんだと思います。

≪オススメCD≫
バッハのヴァイオリン協奏曲が沢山入ってるCDです。
バッハ:ヴァイオリン協奏曲第1番&第2番
ハーン(ヒラリー), カヘイン(ジェフリー), ロサンゼルス室内管弦楽団, バッハ, バーチャー(マーガレット)
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【コレってどんな曲】
喜:☆★★★★
怒:☆☆☆★★   →焦☆☆☆☆★
哀:☆☆☆★★
楽:☆★★★★

≪おすすめシチュエーション≫
2台のヴァイオリンという楽器編成の興味本位だけで聴いてみても面白い曲だと思います。


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