初心者のクラシック

有名な曲からおすすめの曲まで、できるだけ初心者にも分かり易く紹介します。

ジャン・シベリウス(第1話)

2007年08月05日 | 作曲家の生涯
たまには、作曲家の生涯にふれてみてはいかがですか?

有名な作曲家にはその真偽はともかくとして、たくさんの興味深いエピソードがあります。
そんな興味深いエピソードを中心に作曲家の生涯をたどっていきます。

今日はジャン・シベリウス(第1話)です。

交響詩「フィンランディア」やヴァイオリン協奏曲が有名なシベリウス。今年2007年はなんと没後50年なので、各地で記念演奏会が開催されているようですが、年初に比べると若干、ブームが収まっているようにも思えますが、せっかくなので、シベリウスがどんな生涯を送っていたのかを少しさぐってみましょう。

≪作曲家の肖像≫
500円クラシック(6)シベリウス
オムニバス(クラシック),アイスランド交響楽団,サカリ(ペトリ),シベリウス,オーケストラ・アンサンブル金沢,本名徹次,クラッケルード(ヘンニング),ボーンマス交響楽団,エンゲセット(ビャーテ),アウリアラ(リスト)
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【Jean Sibelius】

【フィンランド】
【1865~1957】
【近代】

(第1話)【ヴァイオリンに魅かれて】
1865年シベリウスはフィンランドの南部の都市ハメーンリンナに生まれます。医師の父クリスチャン・グスタフ・シベリウスと母マリア・シャルロッタの息子として生まれますが、シベリウスが3歳を迎える前に、父クリスチャンは他界してしまいます。

そのため、シベリウスはその後母親に育てられることになります。5歳の頃からピアノを弾き始めたようですが、特に優れた才能を発揮する訳でもなく、普通に楽しくピアノを弾いていたようです。

その後は、ヴァイオリンをはじめると、その魅力に取り付かれ10歳になる頃にはヴァイオリンのための作品を作曲するようになります。
いよいよヴァイオリンに魅かれていったシベリウスは15歳の頃から、地元のヴァイオリニストから正式にヴァイオリンを習い始めると、ヴァイオリニストを目指し熱心に学んでいくようになります。

そして自分のヴァイオリンと姉のピアノ、弟のチェロを合わせて三重奏を楽しんだり、街の音楽会にも招待されるようになり、ヴァイオリンの実力を次第に付けていきます。

1885年20歳になると、シベリウスはヴァイオリニストになるべく音楽の勉強を続けたかったようですが、今も昔も音楽で身を立てる事は難しく、そんな夢見る青年シベリウスに不安を感じた家族(親戚)の反対もあって、ヘルシンキの大学で法律を学ぶようになります。

しかし、どうしてもヴァイオリンを諦めることができず、家族には内緒でヘルシンキ音楽院で音楽を学ぶようになります。この事はすぐに家族の知るところとなりますが、シベリウスの音楽に対する熱意に根負けした家族は、シベリウスを正式にヘルシンキ音楽院に入学する事を許されます。

晴れて音楽の勉強に打ち込むシベリウスでしたが、ヴァイオリンと共に音楽を学ぶ内に、周囲の音大生との間に実力差がある事を自覚するようになっていきます。

他の生徒達に比べてピアノやヴァイオリンを習い始めた時期が遅く、しかも幼い頃から特に音楽の英才教育を受けていた訳でもないシベリウスは、自分の育ってきた音楽的な環境が違うことに、次第に劣等感を感じるようになっていたのかもしれません。

それもあってか、ヴァイオリンを持って演奏会に臨んでも、緊張とプレッシャーのために思うように演奏が出来なくなってしまい、ヴァイオリニストとしてやっていく自信を失ってしまうのでした。

しかし、音楽に対する想いを諦めることができず、以降は作曲家として音楽院で学ぶことを決意するのでした。


ヴァイオリンの魅力に魅かれて音楽院に入学するものの、周りの音大生との差に悩み作曲の勉強にシフトしてしまうシベリウス。このつづきはまた明日。

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