初心者のクラシック

有名な曲からおすすめの曲まで、できるだけ初心者にも分かり易く紹介します。

アニメ「のだめカンタービレ」22・23話(最終回)

2007年06月30日 | テレビでクラシック
たまには、テレビでクラシックを見てはいかがですか?

今日はアニメ「のだめカンタービレ」22・23話(最終回)です。

早いもんでアニメも、もう最終回を迎える事になってしまいました。
って別に見てるだけなんですけどね・・・、さて、コンクールでペトルーシュカを弾いている途中、急に演奏の手が止まったのだめ・・・その続きからですが、

(第22話)
のだめの頭によぎった曲は移動中に聴いたケータイの着信音「今日の料理」。シーンと静まり返った中から再び弾き始めた曲は、やっぱり「今日の料理」(しかもエライ力いっぱい弾いてるし)そうかと思うと、またペトルーシュカ・・・その後も二つの曲を行ったり来たりしながらくりかえし、もうのだめの頭はゴチャゴチャ、とにかく目の前のピアノを弾くだけ・・・。

「夢と現実の区別がつかなくなった道化師の哀れな最後」千秋の心の声も虚しく響くナレーションになっていきます。・・・そして結果は1位は該当者なし。のだめは当然入選するはずもなく、コンクール会場を後にします。

「のだめを野放しにできない」と感じた千秋は、「来年、オレと一緒にヨーロッパに行かないか・・・」とのだめを誘いますが、「コンクールはお金のため!自由に楽しくピアノ弾いて何が悪いんですか!」と、千秋の誘いをはねつけます。

コンクールのために必死に頑張ったのだめでしたが、演奏に失敗し、ヤケになったのだめは、九州の実家に帰っていたのでした。しかし、実家に帰ったのだめは、何をする訳でもなく家でひきこもる日々が続いていたのでした。

一方千秋もニューイヤーコンサートを開催し、R☆Sオーケストラに新しいメンバーを迎えて演奏します。ドビュッシーの「牧神の午後への前奏曲」と清良のソロでサラサーテの「カルメン幻想曲」、R.シュトラウスの「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」前半のプログラムを終えたところで、音楽評論家、佐久間さんの言葉が印象的でした。

「毎年音大生は山のように卒業していくのに・・・、どんなに実力があっても・・・、力を持て余している者はたくさんいる・・・。」

そして、後半のプログラムは千秋が最初に指揮をした曲ベートーヴェンの交響曲第7番を残して次回へつづく・・・


(最終話)
オープニングを飛ばして、いきなり本編から・・・。千秋の指揮するベートーヴェンの交響曲第7番の演奏シーンから始ります。
これまでの回想シーンに乗せて曲が響きます。

演奏会も無事終了し、おなじみの打ち上げのシーンに・・・、千秋他、海外留学聖組の送別会も兼ねた打ち上げで、千秋も日本を離れる事をメンバーに告げるハズでしたが、峰くんから既に話を聞いていたメンバーは、千秋の代わる指揮者を聴いて一安心するのでした。

「これでオレの役目は終わった」と胸を撫で下ろす千秋でしたが・・・、マンションからも姿を消したのだめの事が気になって仕方ありません。
「何でオレがここまで・・・」なんてボヤキながらのだめの実家がある九州を訪ねるのでした。

その頃、実家に居るのだめも、ようやくピアノに手を伸ばしコンクールで弾いた曲を弾き始めるのでした。ピアノソナタに乗せてのだめ回想シーンが続きます。

新幹線で博多に着いた千秋は、タクシーに乗りのだめの実家を目指します。

そして久々にケータイの電源を入れて着信を確認したのだめは、江藤先生からの着信を確認すると、江藤先生はのだめが海外留学ができるように手配をしてくれていたのでした。そして、千秋の着信を確認したのだめは、千秋にも電話します。

海外留学する事を電話で千秋に伝えるのだめでしたが・・・、電話中に土手を歩いているのだめを見つけた千秋は、タクシーを降りてのだめの話を聞きます。
千秋が九州に来ている事を知らないのだめは、海外留学から将来に向けての話に夢中になっていると、千秋は後ろからのだめをギュッと抱きしめます。そして「そういう事は試験に受かってから言え!」千秋がそう言うと頬を赤らめるのだめ。
「今年もよろしくお願いします・・・。」照れながらそう応えます。

ドラマでも見たけどいいシーンだ・・・。と思っていると!?エンディング!!テロップと同時にその後のシーンがセリフ付きで流れていきます。
最後には、のだめの父親が「あの娘留学とか向いろらんとじゃなかとか?」と千秋に問いかけると、「大丈夫ですよ」と応える千秋。
「未来へ」という字幕を残して終わるのでした。


てな訳で、アニメ「のだめ」カンタービレも遂に終わってしまいましたが・・・、う~ん最終回はもう少しなんかこう、ねぇ・・・。回想シーンとかは最終回には必須の条件かもしれないですけど、なんだかちょっと拍子抜けした感じであっさり終わってしまったのが、なんとも残念です。
最終回としてはドラマの方が面白かったように思いますが、どうでしょう?

ちなみにご存知の方も多いと思いますが、ドラマもアニメも日本での、のだめと千秋の活躍を描いていましたが、原作漫画はヨーロッパへ留学した後のお話で現在も続いています。
コミックスでは留学したふたりの相変わらずのドタバタが面白おかしく描かれています。
ひょっとして話の内容にひと区切り付いたら、また続編のアニメ化やドラマ化があるかも?!・・・でも今度は舞台がヨーロッパだからドラマ化は難しいのかな?!

とにかく続きが気になる方は、とりあえずコミックスでお楽しみ下さい。そして原作の二ノ宮先生も体に気をつけて、ガンバッテください!今後も楽しみにしてマス!


≪原作マンガ≫
のだめカンタービレ第9巻
のだめカンタービレ (9)

講談社

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≪スゴイゼのだめ!≫
英語版が発売されているなんて・・・!!
Nodame Cantabile 1

Del Rey

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日本語版と読み比べると英語の勉強になるかも?!


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ピチカートポルカ (ヨハン・シュトラウス2世)

2007年06月29日 | ちょっとした曲
たまには、クラシック音楽を聴いてみてはいかがですか?

今日はヨハン・シュトラウス2世:ピチカートポルカです。

これまでにも何度かこのブログで紹介した「ピチカート」と言うのは、弦楽器の演奏法のひとつで、ヴァイオリンなどの弦楽器の弦を弓ではなく指ではじいて音を鳴らす演奏法の事です。

ヨハンシュトラウス2世はそんなピチカートの演奏だけで、曲を作ってしまったんですね。全曲を通してピチカートしか使われないこの曲は、弓が必要ないため、たいていの場合演奏者は弓を置いて演奏します。

見た目でもちょっと変わった感じがしますが、曲はピチカートのリズムがとても面白く可愛らしい曲ですから、楽しく聴ける一曲だと思います。


 ポン♪と大きなリズムに続き、跳ねるように後に続く小さなピチカート。
 ノックするような投げかけのフレーズに続いて、
 可愛らしいリズムがちょこまかと始ります。小人達がそろって遠足にでも
 出かけるようなとても愛嬌のあるフレーズです。
 やがて、フルートとファゴットが新しいメロディを始めると、相槌を打つような
 グロッケン(鉄琴)が甲高く響きます。
 少し会話が弾むようになると、タンバリンがシャン!シャン!と、
 はしゃぐように響きます。
 そして、賑やかな表情が収まると、またピチカートだけのフレーズになり、
 最後は、テンポを速めると、まるで小走りでどこかへ逃げ出すようにして
 曲を終わります。


約3分と短くて聴きやすい曲なので、初心者にもオススメです。ニューイヤーコンサートでもよく演奏される曲ですが、ニューイヤーではこちらより、同じくJ.シュトラウス2世の「新ピチカートポルカ」が演奏される事が多いような気もします。(数えたこと無いですけど…)
ちなみに、書いてて思いましたが、これまでの記事でも「ピチカート」が使われている曲を何度か記事ごとに紹介していましたが、よく考えれば、もっと最初の方にこの曲を紹介して、記事に「ピチカート」が出るときには、リンクさせればよかったんだ!!と今更ながら気付いてしまった今日この頃です。


≪オススメCD≫
ニューイヤーコンサートでも十八番です。
ニュー・イヤー・コンサート
マゼール(ロリン), マーゼル(ロリン), ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団, J.シュトラウス, シュトラウス, Jo.シュトラウス
ユニバーサルクラシック

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【コレってどんな曲】
喜:☆☆☆☆★
怒:★★★★★
哀:☆★★★★
楽:☆☆☆★★

≪おすすめシチュエーション≫
ピチピチ♪チャプチャプ♪ランランラン♪みたいな曲です。


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幻想序曲「ハムレット」

2007年06月28日 | チャイコフスキー
たまには、クラシック音楽を聴いてみてはいかがですか?

今日はチャイコフスキー:幻想序曲「ハムレット」です。

タイトルの“ハムレット”は、もちろんシェイクスピアの文学作品「ハムレット」に由来するものです。シェイクスピアの文学に深い興味を示したチャイコフスキーはこの作品をモチーフに音楽を書いたようです。

更にこの頃グリーグと出会い、その音楽に関心を持ったチャイコフスキーは、この曲をグリーグに献呈していたようです。

曲調としては、やはりその題材からも悲劇的な要素が強く、暗い雰囲気もかなりありますが、力強い響きと、その中に見せる芯の強さなんかも聴き所かもしれません。

演奏時間は20分弱と、このての曲としては若干長めですが、その分深く曲に浸る事ができるんだと思います。

 
 ティンパニのドラムロールが次第に大きくなると、トランペット他金管楽器がひとつ
 大きな衝撃的なアクセントを付けます。
 チェロ、コントラバスの低音が薄暗い雰囲気を感じさせるフレーズが続き、
 不安の漂う音楽がしばらく続きます。時折り聴こえてくるヴァイオリンの高い
 フレーズは苦しみにあえぐ悲鳴のようです。
 弦楽器は次第に激しく鳴り響き、加速しながらトランペット、トロンボーンが
 「パン!パン!」と強く響くと、急に静かになります。
 しかし、静けさの中から徐々に深呼吸を繰り返しながら勢いをつけて、トロンボーン
 トランペットが大きなファンファーレを鳴らすと、ティンパニのドラムロールに
 乗って悲劇的なフレーズが突き刺さるように響きます。
 すると、テンポが速くなり何かに追われているような切迫感のあるフレーズに
 なり、鋭いシンバルを入れながら激しく響き出します。
 その後はオーボエのソロが始ると、曲調は静かになり美しく切ないオーボエが
 艶やかに響き出します。
 オーボエのフレーズに導かれ、弦楽器が表れると悲しい表情と明るい表情が
 交錯するような音楽になります。しかし、悲しみの表情が強く響きはじめると
 一気に悲しみの色が濃くなっていきます。
 大きな響きが収まると、またオーボエが表れますがやはり切なく悲しげなメロディを
 朗々と歌い上げていきます。
 そして、やはり悲劇の色合いを濃くしながらクライマックスへ向かっていきます。
 トロンボーン、トランペットがひたひたと迫るようにリズムを重ねていくと
 悲劇のトランペットが強く轟き、シンバルやトロンボーンも激しく鳴り響きます。
 大きくうねる荒波のようなフレーズが終わると、
 まるで、その余韻をひきずるかのようなチェロなどの低音の弦楽器が静かに
 悲しく流れ出し、ティンパニがトントン、と乾いた響きを残して終わっていきます。
 
 
激しい悲しみと、辛い苦しみにあえぐような「悲劇」を絵に描いたような・・・、もとい音にしたような作品です。強い怒りをぶちまけたような激しさと、その中に潜む憐れみと悲しみの表情を垣間見たような曲なので、あんまり初心者向けとは言えない曲かもしれませんが、力強く劇的な曲が好きな人にはオススメかも?
逆に、激しく情熱的なフレーズはクラシック音楽の得意分野なのかもしれません。

 
≪オススメCD≫
このCDに入ってます。
チャイコフスキー:マンフレッド交響曲
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団, マゼール(ロリン)
ユニバーサルクラシック

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【コレってどんな曲】
喜:★★★★★
怒:☆☆☆☆☆
哀:☆☆☆☆★
楽:☆★★★★

≪おすすめシチュエーション≫
辛く悲しい物語を音で味わえます。


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愛の言葉 (エルガー作曲)

2007年06月27日 | ちょっとした曲
たまには、クラシック音楽を聴いてみてはいかがですか?

今日はエルガー:愛の言葉です。

エルガーはとてもやさしく、しっとりとした懐かしいメロディのイメージのある作曲家ですが、この曲も短いですが、タイトルどおりにとてもしっとりと暖かみのあるメロディが魅力的な一曲です。

愛妻家としても有名なエルガーは婚約時代に贈った「愛の挨拶」に続いて結婚した年に送ったとされているのがこの「愛の言葉」のようです。

「愛の挨拶」とは違って、あまり演奏される機会は少ないようですが、「愛の挨拶」と同様にエルガーが妻のために作曲した愛情がたっぷり詰まったロマンチックな曲だと思います。

楽器編成はピアノ伴奏にヴァイオリンの小品です。


 落ち着いたピアノのリズムに乗って、ゆるやかなヴァイオリンがしっとり
 流れ出すと、とても穏やかな安心感のあるメロディを聴かせてくれます。
 途中からは、そのあふれんばかりの愛情を、たっぷりと情熱的に歌います。
 ヴァイオリンの美しい音色がとてもやわらかく、
 まるで作曲者の人柄を表しているかのように、おおらかにやさしく響く
 ヴァイオリンの音色をたっぷりと最後まで味わせてくれるます。

 
5分前後の短い曲ですが、やさしく温かみのあるメロディがとてもこころに響く一曲だと思います。
それにしても音楽家はいいですよね。愛する人のために音楽を贈るなんてちょっと羨ましい気もします。エルガーはこの曲の他にも奥さんのために贈った曲がたくさんあるようですから、さぞかしおしどり夫婦だった事でしょう。
この曲も「愛の言葉」なんてシャレたネーミングになってますが、こんな曲を贈られたらもう“言葉”なんていらないですよね。


≪オススメCD≫
CD見つけるのはなかなか難しいみたいです。
愛の言葉~Mot d’amour~
大楽勝美 深山尚久, 深山尚久, 大楽勝美, パガニーニ, エルガー, フォーレ, クライスラー
インディペンデントレーベル

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【コレってどんな曲】
喜:☆☆☆★★
怒:★★★★★
哀:☆☆★★★
楽:☆☆☆☆★ →優☆☆☆☆☆

≪おすすめシチュエーション≫
愛情たっぷりのメロディをどうぞ。

♪エルガーの「愛の挨拶」の記事はこちら


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ヴァイオリン協奏曲第3番 

2007年06月26日 | モーツァルト
たまには、クラシック音楽を聴いてみてはいかがですか?

今日はモーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第3番です。

モーツァルトのヴァイオリン協奏曲というと、クラシックの中ではあまり目立たない存在なのかもしれません。というのもその後の作曲家達の残したヴァイオリン協奏曲があまりにも有名になったり、あるいは個性的なフレーズや印象的なメロディが使われていて、「ヴァイオリン協奏曲=作曲家の代表作」と言ったイメージの作曲家(メンデルスゾーンとか)も少なからずいる事もその原因のひとつかもしれません。

加えてモーツァルトの場合はヴァイオリン協奏曲よりも、ピアノ協奏曲や交響曲の方が圧倒的に有名ですから、それに比べるとヴァイオリン協奏曲があまり日の目を浴びる機会が少ない気がします。

しかし、そうは言ってもやはり同じモーツァルトのヴァイオリン協奏曲が、あまり面白くない訳じゃぁありません(そりゃそうだ。)
逆に、モーツァルトがピアノ協奏曲や交響曲を書かなかったとすれば、ヴァイオリン協奏曲が逆に今以上に有名になっていた事でしょう。
モーツァルトの明るいメロディがヴァイオリンの音色に変わっても瑞々しく、美しい響きを聴かせてくれる。そんな一曲だと思います。


 第1楽章:さわやかな弦楽器の音色がスッキリとしたフレーズで流れてきます。
 明るく華やかな前奏(イントロ)が心地よく響いてきます。
 歯切れの良いヴァイオリンソロが始ると、さわやかさが一層引き立ちます。
 爽快感に加えて艶っぽい音色を聴かせてくれると、ヴァイオリンの様々な
 表情を聴かせます。
 中盤ではやや暗めになるところもありますが、すぐに元気を取り戻して
 快活で歯切れのあるフレーズを聴かせてくれます。
 くったくのない明るい笑顔をあちこちにふりまいてくれるような、元気で
 活発なフレーズがとても新鮮に響きます。
 最後のソロもお聴きのがしなく。

 第2楽章:ゆったりと表れる弦楽器にフルートがそうっと、やわらかい音色
 で触れると、更にしっとりとしたヴァイオリンが、艶やかに表れます。
 瑞々しいヴァイオリンの、ゆるやかな音色はうっとりと聴き入ってしまいます。
 しなだれるように、なめらかに聴かせるヴァイオリンの音色に浸って
 いつまでもこのまま、夢うつつの雰囲気にうつろいながら、
 浮世離れしたくなってしまいそうな甘いメロディがとても魅力的な一曲です。
 途中に入るフルートも雰囲気を盛上げてくれます。

 第3楽章:スカッと晴れた日にスッキリと目覚めよく、起きた朝のような
 清涼感のあるオーケストラの前奏に、明るいヴァイオリンの音色が響くと
 今日一日いい事がありそうな、ワクワクするメロディを聴かせてくれます。
 途中、なにか気になって思い出せないようなもどかしいフレーズを聴かせ
 ますが、しばらくすると、「ま、いっか!」とばかりに細かいことは
 気にせず明るいメロディを聴かせてくれます。
 後半では少し雰囲気の違ったメロディをいくつか加えながら、
 やはり最後まで明るいまま、あっさり終わります。


明るく朗らかなヴァイオリンの音色を素直に楽しめる一曲だと思います。鮮やかでハキハキとした輝きあふれるヴァイオリンの魅力を満喫できる楽しい曲です。
初心者の方にもオススメです。シンプルなメロディが自然に聴ける耳障りのよい音を楽しめます。

≪オススメCD≫
繊細でしなやかなヴァイオリンです。
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第3番/第4番/第5番
藤川真弓, モーツァルト, ヴェラー(ヴァルター), ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団
ユニバーサルクラシック

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【コレってどんな曲】
喜:☆☆☆☆☆
怒:★★★★★
哀:☆★★★★
楽:☆☆☆☆☆

≪おすすめシチュエーション≫
明るくさわやかなヴァイオリンが心地よく楽しめます。


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ピアノ協奏曲 (クララ・シューマン作曲)

2007年06月25日 | その他の作曲家
たまには、クラシック音楽を聴いてみてはいかがですか?

今日はクララ・シューマン:ピアノ協奏曲です。

今回は、シューマンの妻クララのピアノ協奏曲です。ピアニストでもあり作曲家でもあったクララ・シューマンは10代のときにこの作品を作曲したと言われていますが、誰の作品とは聞かされずに、黙って聴いているとなかなかどうして、見事な曲を聴かせてくれます。

しかも、10代でこんなフレーズの曲を作曲するなんて、「おませなクララちゃん」って感じでしょうか?個人的に独断的な見方をすればショパンとシューマンの間みたいな印象を受ける、そんな曲です。

 第1楽章:弦楽器の怪しい雰囲気が漂う前奏(イントロ)が流れると、堂々と重みの
 あるピアノが響きます。印象的で力強いピアノの響きを聴かせると、
 その後は静まり返った中に、なだらかなピアノが朗々とそして一途に何かを語り
 かけるようなフレーズが、儚くもありつつも凛とした輝きを失わずにその旋律を
 作り出していきます。

 第2楽章:静けさの中にポツリとつぶやくような、ピアノの響きは、落ち着いた
 中にも、少しもの悲しさを漂わせるフレーズがとてもキレイに聴かせていきます。
 途中に入るしっとりとしたチェロの伴奏に響く甲高いピアノの響きは艶っぽく
 アンニュイなムードをたっぷり味わせてくれます。

 第3楽章:トランペットのファンファーレから、引き締まったピアノの響きが
 聴こえると、緊張感を持ったフレーズをしっかりと聴かせます。
 途中ではくじけそうになるような、か弱いフレーズになりますが、
 なんとか力を振り絞って力強い音を聴かせると、次にはキラリと輝きを見せる
 ような明るいフレーズを重ねながら、次第にクライマックスに向けて、
 盛り上がりを見せていきます。そして、くじけそうになりながら、何度も
 立ち向かっていくような力強いフレーズを繰り返していきます。
 ラストも激しい弦楽器と、ティンパニのリズムに乗せて劇的なラストを飾ります。
 
 
クラシック曲でも、あまり演奏される機会の少ないこの曲ですが、CDも他の作品に比べると極端に少ない作品だと思います。
ただ、素人ながら曲としては決して悪くない創りをしているこの曲なら、個人的にはもっと演奏や録音される機会が多くてもいいんじゃないかと思いますがどうなんでしょう?
今回も、記事を書くにあたっては市販のCDではなく少し前にやっていたFM放送を録音したときのものを聴きながらでしたが、そのときの演奏は、ピアノ:伊藤恵、演奏:N響、指揮:準メルクルのものです。
ピアニスト伊藤恵さんもアルバム「シューマニアーナ」で出してるのかな?と思ってましたが、今のところは無いみたいです。


≪この曲のCD≫
アマゾンではこれしか探せませんでしたが、お店に行けばもっとあるかも?
クララ・シューマン:ピアノ協奏曲
ニコロージ
アイヴィー

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【コレってどんな曲】
喜:☆☆★★★
怒:☆☆★★★
哀:☆☆☆★★
楽:☆☆★★★

≪おすすめシチュエーション≫
しっとりと切なく聴ける一曲です。


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ピアノソナタ第12番「葬送」

2007年06月24日 | ベートーヴェン
たまには、クラシック音楽を聴いてみてはいかがですか?

今日はベートーヴェン:ピアノソナタ第12番「葬送」です。


この曲は第3楽章に「葬送行進曲」というサブタイトルがつけられたために、この曲を総称して「葬送」と呼ばれるようになったようです。

「葬送」と聴くとどこか縁起の悪い暗そうな感じのする曲に思えるかもしれませんが、確かに第3楽章は暗く、そのイメージ通りの曲ですが、逆にその他の楽章はそれぞれ多彩な表情を聴かせてくれますから、ベートーヴェンの様々な表現を1曲で聴ける曲と言うことができるのかもしれません。


 第1楽章:ゆっくりとおだやかなフレーズが、なだらかに流れてきます。
 まるで2楽章(緩徐楽章)が始ったのかと思うほど、しっとりと聴かせてくれます。
 おだやかな曲調はしばらく続き、ゆったりとした雰囲気を楽しめます。
 ゆっくりとした中にも曲が進むに連れて少しずつ音が増えてきます。
 少しテンポを上げると、軽やかに響くリズムが軽快に始ります。
 軽快なリズムにやがて影が差してきますが、後半では穏やかな表情を取り戻し、
 軽快で伸びやかな響きをゆったり聴かせてくれます。

 第2楽章:軽やかなリズムに乗せて明るく弾むピアノが聴こえてくると、次第に
 スピードと迫力が増していき、低音で迫力のある伴奏に乗せて高音の鮮やかな
 メロディが華麗に響きます。
 中盤では一時落ち着いた響きを聴かせてくれますが、最後は駆け抜けるように
 流れるメロディを鮮やかに聴かせてくれます。

 第3楽章:うなだれるような、中低音のピアノがしとしと降りしきる雨のように
 悲しく響きます。雨音は次第に強くなり、大きな悲しみを呼んでいるようです。
 ブルブルと震えるような響きは、無言のうちにその悲しみを表しているようにも
 聴こえてきます。
 やがてひたひたと込み上げる感情を、一気に吐き出したかと思うと、その後は
 力なく崩れていくようにして終わります。
 
 第4楽章:サラサラと流れるように、軽やかなピアノが転がり始めると、
 輝くような明るい表情を振りまくように、華麗な演奏を聴かせてくれます。
 軽やかに流れるメロディは留まることを知らず、あちこちを跳びはねるように
 流れると、あっという間に終わります。


この曲はベートーヴェンのピアノソナタの中でもあまり有名と言えるものではないかもしれません。なので、多くの場合は「ベートーヴェンピアノソナタ全集」としてBOXで販売されているCDが多いようなので、1枚CDで見つけるのは難しいかもしれません。
ただ、大型レコード店なら、有名なピアニストの作品も1枚モノで探せると思いますから、お店で買った方がいいかも?!

ちなみに今回のオススメはそんな貴重な1枚モノですが、自分もコレを持ってる訳じゃ無いんですね、実は。たまたまぶらっと入った中古屋で、「ウィルヘルム・バックハウス」のソナタ「悲愴・葬送・月光」という珍しいパターンのCDが安かった(1,000円もしなかったと思う)ので衝動買いしたCDです。聞いた事もないメーカーのCDで実際にアノ「バックハウス」かどうかさえ怪しいんですが、(解説もピアニストの写真も一切無いので…)それっぽい演奏なので、「ま、いっか、安かったし」くらいの感じです。


≪オススメCD≫
ゼルキンだったら間違いないと思います。
ベートーヴェン:ピアノソナタ第1番、第6番、第12番「葬送」
ゼルキン(ルドルフ), ベートーヴェン
ソニーミュージックエンタテインメント

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【コレってどんな曲】
喜:☆☆★★★
怒:☆☆★★★
哀:☆☆☆★★
楽:☆☆☆☆★

≪おすすめシチュエーション≫
バラエティにとんだベートーヴェンのソナタです。


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CMのクラシック

2007年06月23日 | CMのクラシック
たまには、クラシック音楽を聴いてみてはいかがですか?

今日はCMのクラシックです。


さてテレビでは連日たくさんのコマーシャルが流れていますが、そんなTVCMの中にもクラシック音楽は結構使われています。それをクラシック音楽と意識しなくても知らず知らずのうちに聴いてしまう愉快なメロディを思わず口ずさんでいる事もあるんじゃないでしょうか?

という訳で今回はそんなCMで流れているクラシックの曲をいくつか紹介してみたいと思います。初心者でなくてもクラシックに出会うのがCMが始めてという人も少なからずいると思います。でも「アノ曲は何の曲なの?」な~んて思った人がいたら参考にしてみてください。

 ソフトバンク:「ホワイト家族24編」
 【曲目:バレエ音楽「くるみ割り人形」~葦笛の踊り:チャイコフスキー作曲】
 女優上戸彩さんがソフトバンクの店舗で案内係になり、商品説明をする・・・
 帰宅後もとんでもない家族編成の家族(母:日本人 父:犬 兄:外国人)に
 商品説明をすると、最後に流れてくる。
  少し前に流れていた「Wホワイト編」犬が会話(もちろんアテレコで)しながら
 「マイホーム建てちゃいました」とか「子宝にめぐまれました」とかいう話をして
 いるCM中で流れてます。
 いずれも同じ曲です。フルートの音色がさわやかに流れる曲です。
 ソフトバンクのCMはヴォーダフォンから変わるときににも以降ずっとバレエ音楽
 が使われていますが、次回以降もバレエ音楽が続くんでしょうか?


 紅茶花伝ロイヤルミルクティー:
 【曲目:バレエ音楽「くるみ割り人形」~花のワルツ:チャイコフスキー作曲】
 ヨーロッパの石畳が敷き詰められた広場でオーケストラがこの曲を演奏しています。
 「ミルクがくれた贅沢な時間」というキャッチフレーズがバッチリ決まってるCM
 です。

 インテル:
 【バレエ音楽「白鳥の湖」~バ・ド・ドゥ:チャイコフスキー作曲】
 「マリエさん・・・」
 「朝起きたらこうなってて・・・」
 「踊りなさい…バエレは心で踊るのよ・・・」と言うと黒人男性がバレエを
 楽しそうに踊っているときに流れています。
 
 

この他にもいろんなクラシックの曲がTVCMで流れていますから、またそのうち新しいCMが流れたらいくつか取り上げてみたいと思います。今回はいずれもチャイコフスキーの作品を取り上げましたが、やっぱり人気なのかな?(個人的な趣味ってのもありますけど、)
ちなみに上のCMは各社のホームページに行けば今もインターネットで見れるようになっています。

≪オススメCD≫
ソフトバンクとミルクティーのCMの曲は入ってますが、インテルの曲は「白鳥の湖」全曲版でないと探すのは難しいと思います。
チャイコフスキー:三大バレエ・ハイライツ
フィストラーリ(アナトール), ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団, チャイコフスキー
ユニバーサルクラシック

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【これまでにこのブログで紹介していたCMのクラシックの記事】
あくまでも音楽中心に紹介してますが、懐かしいCMもありましたね。
◎ソフトバンク「ホークスの選手が出演してた」CMの記事
◎ヴォーダフォン→ソフトバンク「予想外!?」のCMの記事
◎メルセデスベンツのCMの記事
◎ゼクシィのCMの記事
◎グリコ「パナップ」のCMの記事
◎スタッフサービス「オー人事」のCMの記事


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楽劇「パルジファル」第一幕への前奏曲

2007年06月22日 | 序曲と前奏曲
たまには、クラシック音楽を聴いてみてはいかがですか?

今日ワーグナー:楽劇「パルジファル」第一幕への前奏曲です。


この曲はワーグナー最後の楽劇となってしまいましたが、正式には楽劇ではなく「舞台神聖祝祭劇」という特別な位置付けがされています。一般的には「楽劇」として広く認識されているようなので、ここでも楽劇として紹介してみます。

気合の入った最後の楽劇は演奏時間もかなり長く、全3幕で4時間半もあるようです。(スゴイや)なのでいつものように下にあらすじを書きますが、いつも以上にかなりザックリ紹介していますので、悪しからずご了承ください。

あらすじは、中世ヨーロッパ、聖なる槍を奪われたときに出来た傷を癒すために湖に訪れたアンフォルタス王がこの傷を完治するためには、「同情による純粋な愚者」を見つけなければなりません。
すると、従者が湖で白鳥を射た若者を連れてきます。これを「純粋な愚者だ!」と感じた王は彼を城に連れ帰り、「聖杯の儀式」を行います。

若者は訳も分らず儀式に立ち会いますが、王の傷は治らず、若者は城を追われます。そのままふらふらと聖槍を奪った魔の城に入る若者は、ここで初めて自分の名前がパルジファルという事を知り、自分の使命に気付きます。悪魔の放った聖槍をパルジファルが見事に受け止めると魔法が解けて魔の城は崩れ去ります。

パルジファルが聖槍を持ってアンフォルスタ王のもとに駆けつけると、生気を失いかけていた王は聖槍の力で見事に傷が完治します。パルジファルは「聖杯の儀式」を受けて新たな王に即位するというお話のようです。

 
 何も無い静かな闇の中からすうっと浮き上がるような美しいチェロの音色が現れます。
 そのチェロの清らかな流れを受け継ぐように、フルートやクラリネットなどの
 木管楽器がやわらかくおだやかに流れてきます。
 再び流れてくるチェロの音色は少し力無く、寂しげな表情に聴こえてきます。
 ホルンやオーボエの音色も悲しく響きます。
 しかし、ゆっくりと伸びやかに響く楽器の音色は現実の世界とは別の空間へいざなって
 くれるようにじっくりと音を楽しませてくれます。
 やがて一瞬の静寂の中に、トロンボーン、トランペットなど金管楽器のファンファーレ
 が、重厚な、それでいてあっさりと聴かせる音を作り出すと、ふと我に返ったような
 ハッキリとした感覚を与えてくれます。
 その後はフルートがやわらかくそのファンファーレの音色の後をたどり、弦楽器が
 つなぐと、今度はトロンボーンのファンファーレに入り、金管楽器がその音色に
 厚みを加えていきます。
 その後も、ゆったりとした壮大なスケールを保ったまま、ホルンと弦楽器が
 緊張感を持ったフレーズを続けます。
 それほど過度に悲劇的な表現では無いにも関わらず、苦悩にあえぐような弦楽器の
 フレーズがずっしりとのしかかってくるような気さえするのが不思議ですが、
 曲自体になにか熱いものが流れているからなのかもしれません。
 しかし、苦悩にあえぐフレーズもオーボエやフルートが流れてくると、ふっと
 一瞬にして肩の力が抜けたように安らぎの表情を見せて、
 そのまま優しく終わっていきます。


一番最初にこの曲を聴いたときには、ワーグナー序曲集みたいなCD(下のヤツなんですけど)で聴いたので、他に収録されている曲にくらべると少し地味な曲だな・・・くらいにしか思ってませんでしたが、ワーグナー晩年の作品という事もあって、改めて聴いてみると、かなりグットくる、そして、じっくり味わえる曲だという事が最近分るようになってきました。
なので、この曲に限らず、最初はあんまりなんとも思わなかった曲でも、他の曲をいろいろ聴いていくうちに、改めて聴きなおしてみると、曲の良さがじっくりと味わえるものもクラシック音楽には多いと思いますから、同じ曲を何度も聴いてみる楽しみもありますよね。


≪オススメCD≫
ワーグナーの序曲他、代表作が入ってます。
ワルキューレの騎行~ワーグナー:管弦楽名曲集
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団, ワーグナー, メータ(ズービン), シュタイン(ホルスト), ショルティ(サー・ゲオルク)
ユニバーサルクラシック

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【コレってどんな曲】
喜:☆★★★★
怒:☆☆★★★
哀:☆☆☆★★  →壮☆☆☆☆☆
楽:☆★★★★

≪おすすめシチュエーション≫
味わいの深いじっくりと聴ける一曲です。


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組曲 第1番

2007年06月21日 | チャイコフスキー
たまには、クラシック音楽を聴いてみてはいかがですか?

今日はチャイコフスキー:組曲第1番です。

「組曲」は普通、ひとつのテーマに基づいて、それに伴ったいくつかのサブタイトルをつけた曲を集めて、作曲される事が多いんですが、この曲の場合は曲全体にも特にタイトルはついておらず、各曲には一応タイトルはついているものの、とても形式的なものになっています。

せっかくの組曲なので、もっと気の利いたタイトルでもついてればもう少し有名になった気もするんですが、どうでしょう?ちなみにチャイコフスキーはオーケストラのための「組曲」を全部で4つ作曲していますが、その中でタイトルがついているのは第4番の「モーツァルティアーナ」だけです。

今回の組曲第1番はクラシックでもそれほど有名とは言えない曲ですが、チャイコフスキーの魅力はところどころで発揮されていると思います。
確かに他の曲と比べると、若干地味なイメージではありますが、それでも特に気を張らずに聴ける曲ばかりだと思いますから、たまにはこんな曲を聴いてみてもいいんじゃないでしょうか?


 1.序奏とフーガ:ファゴットのか細い音色がこころもとなく、寂しく響きます。
 弦楽器もそれをあおるように、ソワソワするような音を合わせてきます。
 フレーズは弦楽器に渡り、ますが寂しげな雰囲気は、そのままです。
 静まり返った曲調に弦楽器が浮き上がるようなメロディが続きます。
 やがて、ホルン、トランペットが加わり、ティンパニのドラムロールで
 盛り上がりを見せます。
 再び静かになると、弦楽器がフレーズを重ねていくフーガに入ります。
 高音から低音までの弦楽器が重なり合うように織り成すフレーズが幻想的です。
 途中にトランペットやホルンなどの金管楽器のフレーズが入ると曲が引き締まります。
 最後はホルンがひとつファンファーレのような響きを残して静かに終わっていきます。

 2.ディベルティメント:のんびりとしたクラリネットのソロがやわらかに響きます。
 弦楽器のピチカートのリズムに乗ってのびやかに響くクラリネットは、とても
 心地よく響きます。
 すると弦楽器が急に素早いフレーズで迫ります。しかし、その後のフルートが
 ファゴットのコミカルなリズムに乗ってさわやかに響くと、スッキリとした
 気分になれます。
 次に現れるオーボエ、ホルンの音色も艶やかに聴かせてくれます。
 その後も木管楽器を中心にのびやかなメロディを次々に聴かせます。

 3.間奏曲:中低音のフレーズが少し影を落としたような寂しげなメロディが
 もの悲しく響きます。
 オーボエ、クラリネットのフレーズが現れると、曲調が変わり、チェロの
 のびやかなフレーズが明るく拡がっていきます。
 弦楽器が勢いをつけてだんだん盛上がっていきますが・・・、
 曲は一度、最初の中低音のフレーズに戻ります。それから、また少し明るく
 なりますが、最後はやはりもの悲しく終わっていきます。
  
 4.小行進曲:ガラッと曲調が変わり、フルート、ピッコロの可愛らしいメロディが
 始ります。オーボエに、トライアングルがチリリーン♪と響くと、小人達の小さな
 お祭りのようです。
 弦楽器もピチカートのリズムから、甲高く響くメロディまで、愉快な木管楽器の響き
 に混じって楽しく聴かせてくれます。
  
 5.スケルツォ:弦楽器がグイッと引っ張るようなフレーズから始ります。
 木管楽器もそのフレーズに続き、少し奇妙なやり取りを続けていきます。
 やがて、ピッコロ、トランペットがアクセントをつけて盛上げていきます。
 しかし、オーボエのフレーズが入ると、弦楽器も少し不安を感じるフレーズなります。
 再びオーボエのフレーズが入り、弦楽器は次第に勢いがなくなり静かになって
 しまいます。
 ところが、やはりグイッと引っ張るフレーズが現れると、再び勢いを取り戻して
 木管楽器と供に、軽妙な曲を聴かせていきます。
  
 6.ガヴォット:ゆっくりとしたピチカートのリズムにファゴット、クラリネット、
 フルートがキレイにフレーズを重ねていきます。
 木管楽器のフレーズの受け渡しが心地よく響きます。あっさりとした曲調を
 しばらく淡々と進めていきますが、あっけらかんとした感じがなんとも面白い
 響きにも聴こえます。
 しばらくはのほほんとした雰囲気が味わえます。
 そしてラストは弦楽器がトランペットと共に大きく盛上がって最後を飾ります。


演奏時間は約40分と若干長めですが、様々な曲がありますから、いろいろ楽しめると思います。ただ、交響曲なんかとは違って大きく動いて引きつけるようなインパクトには欠けるところがありますから、その意味では少し物足りなく感じる曲かもしれません。
(個人的には「小行進曲」が結構好きです。)


≪オススメCD≫
チャイコフスキーの組曲が2枚組で全部入ってます。
チャイコフスキー:組曲全集
ドラティ(アンタル), ニュー・フィルハーモニア管弦楽団, チャイコフスキー
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【コレってどんな曲】
喜:☆☆☆★★
怒:☆★★★★
哀:☆☆★★★
楽:☆☆☆★★

≪おすすめシチュエーション≫
少し長めですが、いろいろ聴ける曲です。


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