初心者のクラシック

有名な曲からおすすめの曲まで、できるだけ初心者にも分かり易く紹介します。

ピアノソナタ第9番 (ベートーヴェン作曲)

2009年02月28日 | ベートーヴェン
たまには、クラシック音楽を聴いてみてはいかがですか?

今日はベートーヴェン:ピアノソナタ第9番です。

有名なピアノソナタ第8番「悲愴」と同じ時期に作曲されたこの曲ですが、“悲愴ソナタ”とは一転してケロッとした感じの曲です。

まぁ、次の番号だからって前作をひきずる必要もないですし、新たな展開!?としてもおかしくはないですが、
クラシックの場合ベートーヴェンに限らず、必ずしも「番号が近いから曲調が似てる」わけではないので、その辺は初心者にとって要注意なのかもしれません。

手持ちのCDの解説によると、スケッチ(構想)は4、5年前からあったとされていますから、その時にある程度出来上がっていたのかもしれません。

基本的には明るい曲で、サラッと聴ける曲ですが、敢えて“悲愴ソナタ”と似てるところを探すとすれば、2楽章が若干違うというところでしょうか?



 第1楽章:軽やかなフレーズがポロン♪と流れると、おだやかなメロディが軽快に
 流れていきます。
 自然な感じで次々に進むメロディも心地よく響き、明るく広がるピアノの響きは、
 単純なんだけど、飽きる事無く軽快に続きます。
 途中、低音の和音で何度か仕切りを入れながら、アレンジが加わる度に違った
 結末にたどりつきますが、それでも明るく転がるようなメロディが駆け抜けるように
 最後まで軽快に聴かせてくれます。

 第2楽章:少し暗めのフレーズが響くと、低音と高音が掛け合うように響きます。
 両者は冷静に議論をしているような緊張感も感じます。
 少し落ち着くと、今度は様子を伺うような響きをゆっくり聴かせていきます。
 そして最初のしっかりとしたフレーズに戻ります。最後は結末を言い終わらないうちに
 静かに終わっていきます。 

 第3楽章:小走りなフレーズが軽やかに始まると、そのまま盛り上がっていきます。
 かわいらしいフレーズを挟むと、またすぐに小走りに戻り、
 そのまま駆け昇っていくように、めくるめくピアノのフレーズが舞い上がります。
 どこまでも転がり続けるようなフレーズは軽快に、そしてテクニカルにその
 響きを聴かせると、
 最初のフレーズに戻って、そこから一気に駆け上ってクライマックスを迎え、
 きれいにラストを締めくくります。


演奏時間は全部で約15分足らずと比較的短い曲なので、その意味では聴きやすい曲だと思います。
ちなみに今回聴いた手持ちのCDはクラウディオ・アラウでしたが、下のオススメCDで紹介しているリヒテルの演奏をアマゾンの「視聴する」で聴いてみると結構イメージが違っていて、個人的にはリヒテルの方がベートーヴェンっぽい感じがしました。
アラウはゆっくりと、なめらかな感じなので、これは好みが分かれるところかもしれませんね。


≪オススメCD≫
リヒテルも全部聴いてみたい
ベートーヴェン:ピアノソナタ第9番&11番&12番&27番
リヒテル(スヴャトスラフ)
ユニバーサル ミュージック クラシック

このアイテムの詳細を見る


【コレってどんな曲】
喜:☆☆★★★
怒:☆☆★★★
哀:☆☆☆★★
楽:☆☆★★★

≪おすすめシチュエーション≫
短い間に聴きどころのある一曲です。


音楽ブログランキング
 


CMのクラシック(その34)

2009年02月25日 | CMのクラシック
たまには、クラシック音楽を聴いてみてはいかがですか?

今日はCMのクラシック(その34)です。

さてテレビでは連日たくさんのコマーシャルが流れていますが、そんなTVCMの中にもクラシック音楽は結構使われています。それをクラシック音楽と意識しなくても知らず知らずのうちに聴いてしまう愉快なメロディを思わず口ずさんでいる事もあるんじゃないでしょうか?

という感じで毎回いろんなCMを紹介しているこのコーナーなんですが、最近「アクセス解析」を見ると、“リバイタルグラナスのCM”というキーワードからこのブログにアクセスしている方が結構いるみたい。
そう言えば前にそんな事も書いたなぁとは思ってましたが、以前紹介していたときのCMは「ベートーヴェンのクロイツェルソナタ」のCM。
これはイカン!現在新しく放送されているCMは、別の曲なのにぃ!!と思ったので、誤解があってはいけないと思い、今回は急きょ(CMのクラシック34弾)です。


資生堂:リバイタルグラナス(光沢ファンデーション編)
【曲目:交響曲第25番:モーツァルト】
劇場のバルコニーからオペラグラス(双眼鏡)を持った鈴木京香さんが「大人の肌には輝きと軽さ、この光沢リキッドファンデーション・・・」と、商品を紹介するナレーションを語るCM。
また、(光沢美白編)として諏訪内晶子さん(ヴァイオリニスト)とマイコさん、鈴木京香さんの3人が出演している別バージョンもあるみたいですが、いずれも曲は同じです。


マツダ:デミオ他(キャンペーンCM)
【曲目:乙女の祈り:バダジュフスカ】(2009年3月リンク追加しました)
喫茶店で同じ衣装を着た劇団ひとりさんがふたり!?マツダの自動車のパンフレットを開いて「低燃費のマツダデミオにナビがタダでついてくるんだ~」と関心しています。
他の席からそれを見た客は「劇団ふたりだ!似てねえな、似てるよ!」と言い合うCM。
マツダのホームページにいくと、この他にも(アクセラ編)、(ビアンテ・アテンザ編)の全部で3種類ありました。シーンは同じ喫茶店なんですが、車種の他にも微妙にセリフが違ってたりして、間違い探しみたいなCM。
ちなみに曲は喫茶店のBGM風に流れてます。


au携帯(見送り編)
【曲目:愛の夢:リスト】(まだ記事書いてません。)
喫茶店で男女がひと組。嵐の松本純さんが「え!留学」と彼女原田さんに聞き返します。
彼女が「うん」と応えると、シーンは空港へ、
ベンチに腰掛ける松本さんが、携帯電話を開き、キーボードで「愛の夢」を演奏します。
原田さんが立ち寄って横に座ると、周りには友人たちが集まって同じメロディを奏でます。「楽器つきケータイでサプライズな日々を」というキャッチフレーズでしめくくります。

docomo携帯(家族だから編)
【曲目:ラ・マルセイエーズ:フランス国家】
このブログではチャイコフスキーの大序曲「1812年」を紹介してます。このフレーズが使われてます。
孫の成海璃子さんが「おじいちゃん、沼と池の違いって何?」と携帯で聴くと、祖父の山崎務さんが「河童がいるかどうか」と応えたり、いろんな質問をおじいちゃんにしますが、結局「もう、いい」と言われてしまうCM。
CM冒頭の口笛風のメロディがマルセイエーズなんですけど、CM的にはあんまり意識してないかも?!


※曲目のリンクはこのブログで書いた記事のページにつながります。


いや~ホントCMのサイクルって早いですよね。一応モメったCMの数がなんとか足りたので、いろいろ書いてみましたが・・・、イカン!せっかくCMを紹介しても肝心の記事の方が追いついてないような・・・。
有名で短い曲なので、すぐに書けそうな気もするんですが、曲のCDとかを持ってなかったりするので・・・、適当にオムニバスみたいなのを買おうかなぁ(CM用に)なんちゃって。

【前回のCMのクラシック】

―――――――――――――――――――――――――――――――――――
【ブログパーツ情報】
「アクセス情報」のパーツを左側のサイドバーに追加しました。
ちなみに閲覧PVはこのブログをクリックしてもらった数で訪問者IPはこのブログにアクセスしたパソコン・携帯など・・・つまりひとりの人(IP)でいくつかの記事を何回かクリック(PV)すると、(PV)の数は増えても(IP)の数は増えないという事。だと個人的には理解してます。(違ってたらゴメンナサイ)
ランキングは「gooブログ」の中のランキングみたいです。3,000位代というのが高いんだか低いんだか・・・。

ホントはアクセスカウンターが欲しかったんですけど、いろいろ面倒臭そうだったので、こっちにしてみました。「トータル」は昨日からの分が積算されてるような気がしますが、ちょっとよく分らないので、当分は様子見みたいな感じで場合によっては非表示にするかも??



音楽ブログランキング
 

交響曲第2番 (シューマン作曲)

2009年02月24日 | その他の作曲家
たまには、クラシック音楽を聴いてみてはいかがですか?

今日はシューマン:交響曲第2番です。

この曲は1846年に完成すると、同年メンデルスゾーンの指揮によってライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団によって初演された曲です。
今考えると、こんな豪華なプログラムが当時は普通に組まれていたんですねぇ。

曲調は弦楽器のフレーズが多く使われているため、人によっては好みが分かれる作品なのかもしれません。
ただ、一方で弦楽器が多い分だけ、自然に間に入る木管楽器などのソロが一層際立つ作品と言う事もできるかもしれません。



 第1楽章:中低音のトランペットが静かに響き渡ると、その響きをうっすらと包み込む
 ようにおだやかな弦楽器がしなやかに流れていきます。
 ゆっくりと漂うトランペットに続いて、ゆるやかなクラリネットが流れます。
 トランペットは現れては消え、を繰り返しますが、
 バスドラムと低音の弦楽器がバシッとひとつ決まると、
 曲に緊張感が現れ、弦楽器も激しくなり、トロンボーンが大きなフレーズを歌い
 盛り上がっていきます。間にズシン!ズシン!と地響きのようなアクセントを
 加えながら、曲を進めます。
 やがて弦楽器の動きが慌ただしくなると、荒れ狂うようにも聴こえますが、
 弦楽器の響きはなめらかで美しくキレのある響きを奏でていきます。
 弦楽器は高低を入り交えながらうねるように、ときにはしなやかにその響きを自在に
 あやつりながら曲に勢いをつけていきます。
 いつの間にかトランペットの響きも加わり更に勢いを増していくと、
 弦楽器の音色にも艶やかになっていくように美しく響きます。
 終盤ではトランペットの華やかな響きを加えながら、弦楽器がピシャリと決めます。

 第2楽章:小走りな弦楽器がカサカサと始まると、フルートがそれに彩りを加えます。
 弦楽器はその細かなフレーズを何度も重ねながら、次第に曲の厚みを増していきます。
 そのフレーズが急にしなやかになると、弦楽器もフルートを交えてピョンピョンと
 跳ねるように聴かせます。
 再び最初のカサカサのフレーズに戻ると、勢いをつけるようにどんどん盛り上がって
 いきます。
 少し落ち着いてくると、弦楽器の小刻みなリズムにやわらかいオーボエのが優しく
 響き穏やかな表情になります。やがてそのフレーズは弦楽器が引き継いでいきます。
 最後はまた、カサカサのフレーズが現れると大いに盛り上がり、トランペットが
 パーンと響くと、スカッと最後を締めくくります。
 
 第3楽章:少し疲れたような、さびしげなフレーズを弦楽器が聴かせると、暗い雰囲気
 が漂ってきます。
 その中に現れるオーボエのソロは、とてもしなやかでなだらかなメロディを奏でていきます。
 途中にホルンがぼんやりと現れると、少し落ち着いたようにも聴こえ、弦楽器がそれを
 やわらかく包んでいきます。
 フルートに続きクラリネットのまろやかなフレーズも、けだるさとしなやかさを
 併せ持ったようなその音色をゆっくりと聴かせてくれます。
 弦楽器はそれにいざなわれるようにその響きにツヤを加えて、高鳴っていくと
 とても美しい響きが現れます。
 更に弦楽器は、その幻想的な響きを壊さないようにそうっと、ゆっくりとしたリズムに
 変わっていきます。
 そのリズムの上をすべるようにオーボエやクラリネットなどの木棺楽器が
 しなやかなに聴かせると、とてもおだやかな曲があたりを包んでいきます。
 最後までゆっくりとしなやかな弦楽器が続き、ホルンの響きと共にグッとくるような
 思いを抑えるように美しい旋律を響かせると、ゆるやかな弦楽器の響きは
 まるでゆっくりと深呼吸をするように、静かに終わっていきます。
 
 第4楽章:ザックリと賑やかな弦楽器が始まると、
 まるで両手を拡げて歌でも歌い出しているようなおおらかな響きを聴かせます。
 自信に満ち溢れたように堂々とそのフレーズを歌います。
 弦楽器の明るい響きにチェロがじんわりと聴かせると、その勢いは止まらず
 豪快に次々とその曲調を続けていきます。
 弦楽器のフレーズが小刻みになると、それまでの道のりを振り返るようなクラリネット
 などのメロディが現れます。
 少し静かになると、オーボエのメロディが現れ、再び弦楽器を呼び戻します。
 そして、最後を前にして、息を整えるようにすると、弦楽器は一気に盛り上げてから、
 少し軽妙な響きを入れていきます。
 そして、徐々にトランペットの響きを加えながら、ラストに向かって徐々に
 クライマックスを盛り上げると、最後はトランペット、ホルンなどの金管楽器が
 堂々と響き、ティパニ(大太鼓)が引き締めると見事に曲を終えます。
 

う~ん、なんとも堂々として、それでいてしなやかに、緊張感のあるような堂々とした曲に聴こえますが、それでいて妙に重苦しいところがないとでもいいましょうか?
じっくりと聴かせてくれるんだけど、終わってみると結構あっさりしたように感じてしまいます。
流麗な弦楽器のフレーズを中心に管楽器をさらりと奇麗に織り交ぜて聴かせるあたりが、シューマン独特の世界観を味わせてくれます。

≪オススメCD≫
ジョージ・セルでどうぞ
シューマン:交響曲第2&4番
セル(ジョージ)
ソニーレコード

このアイテムの詳細を見る


【コレってどんな曲】
喜:☆☆☆★★
怒:☆★★★★
哀:☆☆★★★
楽:☆☆☆★★


≪おすすめシチュエーション≫
弦楽器の魅力たっぷりの交響曲です。


音楽ブログランキング
 

「芸術劇場」(NHK教育テレビ)

2009年02月21日 | テレビでクラシック
たまには、テレビでクラシック音楽を聴いてみてはいかがですか?

今日は「芸術劇場」(NHK教育テレビ)です。

さて、昨日(2月20日)はテレビをなにげに見ていると、この番組を偶然見かけたので、そのまま「今やってますよ!」的な感じでサラッと紹介したこの番組ですが、さすがにあれだけじゃ、見てない(見れてない)人は「なんのこっちゃ???」みたいになっていると思いますので、本日も引き続き、スタンダード更新の感覚でこの番組を紹介してみようと思います。

と、言っても普段から毎回見てる訳ではない(というか滅多に見ない)ので、その辺はおてやわらかに、

まずは番組ホームページによると、
【芸術劇場】
放送局:NHK教育テレビ
放送日時:毎週金曜22:30~0:45
司会者:中條誠子(音楽・演劇)/中川緑(古典芸能)
番組内容:第一週<音楽>   第二週<演劇>(舞台演劇)
     第三週<音楽>   第四週<舞台芸術>(劇場への招待)
     第五週<古典芸能>
                         NHKホームページより
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
という感じなので、クラシック音楽が放送されるのは第一週と第三週という事ですね。
一応<音楽>という枠ですが、ほぼクラシック音楽です。(全部確認した訳じゃないけど)

個人的には昔見たときには、日曜日に森田美由紀アナがやってたイメージが強かったんですが、今は、いろいろ変ってるみたいですね。

----------------------------------------------------------------------
それで、昨日(2月20日)やってたのが、第三週目にあたる放送だったんですね。

グスターボ・ドゥダメルはこのブログでも以前紹介していて、「来日公演まであるらしい・・・」とか書いてたクセに、しまった!まさかその様子をテレビで放送してたとは…。不覚!?

22:30からは
ドゥダメル指揮のシモン・ボリバル・ユースオーケストラが演奏していたらしい。
曲目は、ラヴェルの「ダフニスとクロエ組曲第2番」チャイコフスキー交響曲第5番、他(東京芸術劇場より来日公演)みたいでしたが、見逃してしまった。というか、ブログ書いてました。タハハ

続いて0:06からは
ベルリンフィルのワルトビューネ・コンサート2008を放送していましたので、そちらの様子を少し紹介してみます。
ドイツはベルリンの「ワルトビューネ野外音楽堂」からでしたが、森の中にライトアップされた舞台が、とても幻想的な雰囲気の中で演奏されていました。

レブエルタス作曲「センセマヤ」
:昨日のブログを書きながら聴いてただけなのでほとんどわかりません。

ヴィラ・ローボス作曲「ブラジル風バッハ 第5番」
:ソプラノ歌手アナ・マリア・マルティネスが熱唱、スピード感あふれる歌声がめくるめくうちにひらひらと、テクニカルなフレーズをものともせずに華麗に歌いこなすと、会場からも大喝采でした。

マルケス作曲「ダンソン 第2番」
:拍子木やピアノの独特なリズムはラテン風というかタンゴのリズムか?軽快なリズムに乗せて、なめらかな弦楽器がまるで泳いでいるようにふわふわと、その演奏を奏でると、金管楽器もズバズバと鋭く響き、大きく盛り上がっていきます。ドゥダメルの表情も豊かでニッコリと笑ってみたり、真剣なまなざしをキリッと光らせたり、指揮棒を振るその姿は、まるで踊っているかのように指揮台から飛び出さんばかりの指揮ぶりでした。

オラシオ・サルガン作曲「ア・フエゴ・レント」
:スペイン語では“弱火で煮込む”みたいな意味らしいのですが、弱火どころかもうグツグツ煮立っちゃって豪快に盛り上がると、ドゥダメルの動きもはちきれんばかりに暴れまわってました。暗い会場では手持ち花火を持って盛り上がり、オーケストラも会心の演奏を炸裂させると、舞い上がったドゥダメルがそのまま空に飛んでいってしまうんじゃないかと思うくらいノリノリで演奏してました。
画面が会場を上から見渡すアングルに変わると、その、あふれんばかりの一体感がこちらまで、伝わってくるようでした。

アンコール
リンケ作曲「ベルリンの風」
演目が終わり、会場が大喝采に包まれる中でその余韻にひたる間もないばかりに、アンコールが演奏されると、会場からも「待ってました!」とばかりに手拍子が響き、手拍子と共に、指笛や口笛が会場全体を包んでいくようでした。
会場では白髪の老夫婦が手を取って踊りだしたり、お父さんに肩車された子供が笑顔で手拍子を送ったりとコンサートというか、もう、ちょっとしたお祭り騒ぎ状態で盛り上がる様子が、夜なのに興奮さめやらぬ状態になってしまいました。


残念ながら、来日公演のチャイコフスキーの第5番ほか来日公演の方は見逃してしまいましたので、その後のベルリン公演の方だけ見てましたが、かなり盛り上がってました。
おそらく選曲の効果もあるんでしょうけど、パワフルというかエキサイティングというか、とにかく豪快でイケイケの演奏でした。
曲のせいなんでしょうけど、クラシックのコンサートというより、ジャズのビッグバンドオーケストラみたいな感じでした。見始めてから40分くらいの演奏時間も、あれよあれよという間に終わってしまいました。

一応、「NHKオンデマンド」(有料番組配信サービス)の見逃し番組サービスとかで見れるらしいんですが、さすがにそこまではちょっと。


≪グスターボ・ドゥダメル≫
チャイコフスキー:交響曲第5番
ドゥダメル(グスターボ)
ユニバーサル ミュージック クラシック

このアイテムの詳細を見る



音楽ブログランキング
  



「グスターボ・ドゥダメル」テレビに登場

2009年02月21日 | テレビでクラシック
たまには、クラシック音楽を聴いてみてはいかがですか?

今日は「グスターボ・ドゥダメル」テレビに登場です。

おいおい!マジですか!!!

現在、そうまさに今2月21日0:05現在!

前回紹介したあのグスターボドゥダメルが!NHK教育テレビでに出てます。
なにげに、テレビのリモコンをポチポチ押してたら!
「アレ??ひょっとしてどこかで見たことあるような人が・・・」
と思って番組表を確認すると!やっぱり例のあの人じゃあないですか・・・。

しまった。せっかく前に紹介した人が出てるのに・・・
全然前もってチェックしてなかった。
現在は0・06ベルリン・フィルのワルトビューネ・コンサート2008が放送中です!
(~0:45)

とりあえず、リアルタイム(テレビだけど)で見たい人は、今すぐNHK教育をチェックです。
既に時間が過ぎてしまった人はゴメンナサイ。




音楽ブログランキング
 

交響曲第88番「V字」

2009年02月20日 | ハイドン
たまには、クラシック音楽を聴いてみてはいかがですか?

今日はハイドン:交響曲第88番「V字」です。

たくさんの交響曲を作曲したハイドン。そして、それと同時に「名前」のついた交響曲も多くある作曲家ですが、

今回紹介する「V字」というのは、特に誰かが意図的につけた訳でもなく、曲の特徴からとった訳でもないようです。
たまたまこの曲を出版するときに、出版社が楽譜につけた整理番号としての「V」が何故かそのまま曲のタイトルになったんだそうな!「マジですか!」

クラシック音楽としてはありがちといえばありがちな名前の付き方ですが・・・、もうちょっと、なんというか、ねぇ。せめてそこから、もう少しひねって「ヴィクトリア」とか「ヴィルトゥオーソ」とか、こじつけでも何でもいいからとりあえず単語にしてほしかったような・・・。個人的には「第88番」みたいに数字だけよりは、見分けがつきやすいのでいくらかはいいと思いますが。

それはそれとして、曲調はハイドンらしくスッキリと聴きやすいさわやかな一曲です。
そして、なんと言っても聴きどころは2楽章でしょうか?おだやかに流れるチェロと、ゆったりと深い味わいを持ったオーボエのメロディが広がると、とてもここちよく聴けます。



 第1楽章:弦楽器が優しく刻むと、ふわふわとしたフレーズがゆっくりと続きます。
 ゆっくりと刻む弦楽器の序奏(イントロ)が終わると、
 さわやかなメロディが小走りに駆けだしていきます。弦楽器を中心に、
 軽快なフレーズが流れていきます。
 フルートやオーボエを交えながら、途中でチェロなどの低音弦楽器がゾワゾワと
 アクセントを付けながら、軽快なメロディは続きます。
 途中で、緊張感を持ったフレーズが入りますが、フルートがひとつひょこりと
 顔を出したようなフレーズが流れると、明るいフレーズに戻り、
 最後は、しなやかに曲をまとめていきます。
 
 第2楽章:ゆっくりとしたチェロのフレーズと共にオーボエが加わると、
 なんとも落ち着いた雰囲気があたたかな気持ちにさせてくれます。
 その後も他の楽器を交えながらも、チェロとオーボエが寄り添うようにゆったりと
 したメロディをゆっくり聴かせてくれます。
 その流れの中で途中ティンパニ(大太鼓)がドン!ドン!ドン!ドン!と
 大きく響きますが、何事もなかったかのように、ゆっくりとした曲調はつづきます。
 周りの楽器もチェロとオーボエのフレーズをいたわる様にやさしく包み込んでいきます。
 ところが、再びドン!ドン!ドン!ドン!とティパニが響くと今度は急に
 険悪な雰囲気になります。
 しばらく不穏な響きに聴こえますが、また大人しくなりやわらかな曲調に戻り
 ゆっくりと穏やかな空気になり、最後はティンパニのドン!ドン!ドン!ドン!
 を2回聴かせて終わります。

 第3楽章:ほどよいテンポで弦楽器が鮮やかにその響きを聴かせると、スッキリと
 したメロディが軽快に響きます。
 さわやかなフレーズがとても心地よく響き、とてもすがすがしい気分で聴けます。
 中盤では弦楽器がなだらかなメロディに変わり、ゆらゆらと聴かせていきます。
 最後はまた、さわやかなフレーズに戻りスッキリと終わります。
 
 第4楽章:コツコツと響くファゴットがリズムを作ると、弦楽器もその後に続き
 コツコツ、コツコツと先へ進みます。
 弦楽器が増えてくると、そのコツコツがシャキシャキに変わり、歯切れよく響きます。
 フルートが入ると、ヒョコヒョコに変わったり、と楽器ごとにそのリズムが面白く
 響いてくると、楽しい気分で次を探すように耳を傾けてしまいます。
 さまざまな楽器がそのテンポを心地よくつなぎながら盛り上がっていくと
 急に静かになって、弦楽器はヒソヒソ、トントン、と小さく響きますが、
 オーボエが最初のコツコツのフレーズを聴かせると、曲は元の調子に戻り、
 そこから一気に盛り上がると、賑やかに曲をしめくくります。


ハイドンの交響曲は、どれもさわやかでいいですよね。いい意味で「型どおり」ですし、こう言うと批判にも聞こえるかもしれませんが、敢えて言うと「ハズレがない」というか、初めて聴く曲でも落ち着いて聴ける気がします。
スッキリとさわやかに、素直に聴ける曲なんだと思います。

≪オススメCD≫
ウィーンフィルでどうぞ。
ハイドン:交響曲第88番&第89番&第90番
ベーム(カール)
ユニバーサル ミュージック クラシック

このアイテムの詳細を見る


【コレってどんな曲】
喜:☆☆☆☆★
怒:☆★★★★
哀:☆☆★★★
楽:☆☆☆☆★


≪おすすめシチュエーション≫
なんでもないときにスルッと聴けます。


音楽ブログランキング
 


CMのクラシック(リニューアル&リバイバルその2)

2009年02月18日 | CMのクラシック
たまには、クラシック音楽を聴いてみてはいかがですか?

今日はCMのクラシック(リニューアル&リバイバルその2)です。

さてテレビでは連日たくさんのコマーシャルが流れていますが、そんなTVCMの中にもクラシック音楽は結構使われています。それをクラシック音楽と意識しなくても知らず知らずのうちに聴いてしまう愉快なメロディを思わず口ずさんでいる事もあるんじゃないでしょうか?

という訳で毎回、クラシック音楽を利用したCMをいくつか紹介してる訳ですが、さすがにこのブログだけでも30回以上も紹介すると、以前紹介したCMを最近また見かけることもしばしば、あったりなかったり・・・。
せっかくだから、前のCMでも現在放送されてるCMも紹介した方がいいだろう!と思って、前にも1回やった「リニューアル&リバイバル編」それも2回目になったりして。

リニューアル編

ソフトバンク:「アヤ説明する」編
【曲目:バレエ「くるみ割り人形」~葦笛の踊り:チャイコフスキー】
「ソフトバンクは今年も学割のサービスを始めました“ホワイト学割with家族”~今年もよろしくお願いします。」と上戸彩さんが語るCM
ソフトバンクはいくつか曲はそのままで、新しいCMをいつも作ってますよね。

リバイバル編

スズキ:SX4(軽自動車)
【曲目:交響曲第9番「新世界から」:ドヴォルザーク】
曲のせいなのか?!これはなかなかダイナミックで迫力のあるつくりになってますねぇ。最初に見たときは気付かなかったんですが、何気にCMで指揮を振っているのが西本智実さん。
そして、この記事を書く前にちょっと「スズキ」のホームページを見ると、このCMの撮影はなんとドヴォルザークの祖国チェコのプラハなんだそうです!!
スゴイですねぇ~金かかってそう~。そしてCMに移っているホールは地元でドヴォルザークホールと呼ばれているホールだそうです…。
≪CMのクラシック(その8)より転載≫

パラッツォ(パチンコ)
【曲目:「新世界から」:ドヴォルザーク】
ら~らら~らーららー♪"新世界から"のメロディを鼻歌で口ずさむ女性。そして「パラッツォは遊びの世界を新世界に!」とナレーションが入ります。そこにつながるんですね!「新世界」
≪CMのクラシック(その16)より転載≫
リニューアルかな?とも思いましたが、ほぼ内容が変わってないように思うので、リバイバルにしてみました。

プロミス
【曲目:口笛吹きと犬:プライヤー】(曲の記事はまだ書いてません)
“しょこたん”こと中川翔子さんが、探偵シャーロックホームズ風に扮して、手鏡をもって語ります。「マナーさんは思いました、お金を借りるときは返せる自分を想像してみようと…」しょこたんが男性を虫眼鏡でのぞき込むと、男性は「未来を見据えるってコトですね」と言うと「いかにも!」としょこたんが返すCM。
テレビで見てるときは特に誰かは分らずに見てましたけど、プロミスのホームページで確認すると、中川翔子さんだったんですね!「マナー探偵祥子さん」らしいです・・・。
この曲はクラシックと言えるか分かりませんが、一応クラシックの曲と同じCDに入ってたりするので・・・。
≪CMのクラシック(その17)より転載≫


※曲目のリンクはこのブログで書いた記事のページにつながります。


前のネタをコピーして移すだけなので結構簡単に出来るかな?と思ったりして気軽にやってたつもりなんですが、いつ書いたか探したりするのが、これが結構面倒臭かったりして・・・、まあ、考えなくてもいいので、その意味では楽はラクなんですけど。
手抜きじゃないですよ!手抜きじゃ!(おもいっきり言い訳)

【前回のCMのクラシック】

―――――――――――――――――――――――――――――――
【ブログパーツ情報】
「スターバックスコーヒー」と「ドライアイ日記」のブログパーツを左下~~の方に追加しました。スタンダード表示だと、左が空白のままだし、(記事ひとつ表示だと左だけがやたらと長くなってしまいますが・・・)
「gooブログ」さんにもお世話になってるし、(ブログパーツが増えるって事は広告を増やしたいんだろうし。)
一応、テンプレート(下地)と色目が合うものを選んでみました。[2月20日追記]



音楽ブログランキング
 

「ウィーンの歓呼」序曲 (スッペ作曲)

2009年02月17日 | 序曲と前奏曲
たまには、クラシック音楽を聴いてみてはいかがですか?

今日はスッペ:「ウィーンの歓呼」序曲です。

「序曲」というと、たいていの場合は歌劇の冒頭に演奏される曲として作曲されていますが、単純に、短い曲として歌劇を持たないそれだけの曲として作曲されることもあるようです。

今回紹介する「ウィーンの歓呼」序曲も、そんな歌劇を持たない序曲のひとつのようです。CDの解説によると、「どのような意図で作られたかや作曲年数は定かでない」らしいのですが、トランペットの華やかなファンファーレやダイナミックなオーケストレーションは元気を与えてくれる一曲です。



 パーン!とトランペットのファンファーレが華やかに響き渡ります。
 そのトランペットを盛り上げるように弦楽器やスネアドラム(小太鼓)が支えていきます。
 しばらくトランペットが続いていくと、
 弦楽器がそのフレーズでつなぎ、再びトランペットのファンファーレが響きます。
 そして、弦楽器が軽快に走りだすと、シンバルがそれを盛り上げていきます。
 さらに、シンバルが「バシッ」と一区切りをつけると、
 弦楽器はスイスイと軽快に走りだします。フルート、オーボエが楽しそうにその
 フレーズを聴かせていくと、
 我もとばかりにトランペットが華やかにその音色を聴かせます。
 途中、あまり元気すぎて、息切れしたかのように少し大人しくなり、
 弦楽器がゆるやかに聴かせる部分もありますが、なにやらワルツのようなその
 フレーズが心地よく響きます。
 そして、ひと息入れたかと思うと、また賑やかになり、トランペットを中心に
 盛り上がります。
 また、休憩のワルツをはさみながらも、その回を重ねるごとに盛り上がっていく
 ようです。
 後半では、そのワルツも大きく豪快に盛り上がり、その勢いを借りて一気に
 最後まで盛り上がり、シンバルが響くと、トランペットが終わりを告げると
 低音のトロンボーンがガッツり締めくくります。



スカッと華やかに聴かせてくれる気分爽快な一曲です。途中にワルツ風のフレーズも入ってますし、賑やかで明るいこの曲を聴いていると、なんとなく気持ちも晴れやかに明るくなってきます。
終盤にかけては、もうまるで運動会でもしてるんじゃないのかと思うくらい賑やかで派手に盛り上がりますから、最後までワクワクしながら聴けます。

≪オススメCD≫
スッペ:名序曲集
アカデミー室内管弦楽団
EMIミュージック・ジャパン

このアイテムの詳細を見る


【コレってどんな曲】
喜:☆☆☆☆☆
怒:☆★★★★
哀:★★★★★
楽:☆☆☆☆★

≪おすすめシチュエーション≫
気分爽快でスカッと聴けます!


音楽ブログランキング
 


ブランデンブルク協奏曲第2番

2009年02月16日 | バッハ
たまには、クラシック音楽を聴いてみてはいかがですか?

今日はバッハ:ブランデンブルク協奏曲第2番です。

全6曲で構成される「ブランデンブルク協奏曲」今回はその第2番です。
協奏曲”というタイトルがついていますが、楽器の名前がタイトルについていない事からも分かるように特定の楽器のための協奏曲ではありません。
(普通ならヴァイオリン協奏曲とかピアノ協奏曲ですよね。)

タイトルの「ブランデンブルク」というのは、バッハがこの曲を献呈したブランデンブルク辺境伯ルートヴィヒの名前に由来しているようです。

曲は、オーケストラ伴奏にトランペット、フルート、オーボエがソロを展開していきますが、この曲に関してはトランペットの超高音のメロディが特に印象的といったところでしょうか?
普段よく聴くトランペットのファンファーレ的な要素は無く、どちらかというとオーボエに近いフレーズをメロディ楽器のように聴かせています。



 第1楽章:チェンバロと弦楽器の伴奏にトランペットが高らかなメロディを奏でます。
 ヴァイオリン、オーボエ、フルートと受け継がれるメロディですが、
 やたら甲高いトランペットの音色が特徴的です。明るく賑やかな曲調が
 華やかに聞こえてくると、ウキウキしてきますが、それでもやはりきっちりと
 まとまった響きが心地よく伝わります。
 その後もトランペットのメロディは高音を的確に捉えながら、フルートやオーボエ
 等と絡みながら、最後まで堂々と響きわたります。

 第2楽章:チェロの寂しげなフレーズにオーボエが入り、フルートも加わりますが、
 悲しい旋律が、ひっそりと響くと、うつむき加減で下を見るようにも聞こえます。
 しかし、ゆったりとしたテンポには不思議と落ち着いた雰囲気も持ち合わせています。
 フルート、オーボエを中心にしっとりと続くメロディはチェロの伴奏もあって、
 聴けば聴くほど体にしみわたっていくようです。

 第3楽章:派手なメロディのトランペットが、またも高らかに響くと、オーボエが
 それに共鳴していきます。
 小走りに駆けていくようなメロディが高らかに響くと、それにひっぱられていくように
 フルート、オーボエが続きます。
 フルートのソロはトランペットとは対照的に涼しげに、オーボエのソロはしっとりと
 それらがまた、トランペットソロを引き立てるように、輝くようなトランペットの
 響きが響いていきます。
 そして、最後はトランペットソロが決まると、疑問を投げかけるように曲を終わります。


久々にバロック音楽を紹介してみましたが、背筋が伸びるというか、引き締まるというか、シャキッとした感じにさせてくれます。
クラシック音楽の中でも、更にマイナーな位置を占めるバロック音楽(ホントか?)ですが、背筋が引き締まるというか、クラシックを聴いてるなぁと思うような気がします。
チェンバロの音色がまたこの、独特な世界観を引き出しているのかもしれません。


≪オススメCD≫
バロックならやっぱりパイヤール室内管弦楽団?!
バッハ:ブランデンブルグ協奏曲
パイヤール(ジャン=フランソワ)
コロムビアミュージックエンタテインメント

このアイテムの詳細を見る


【コレってどんな曲】
喜:☆☆☆★★
怒:☆★★★★
哀:☆☆☆★★
楽:☆☆☆☆★


≪おすすめシチュエーション≫
背筋を正して聴きましょう。


音楽ブログランキング
 

はじめてのクラシック (黒田恭一 著)

2009年02月13日 | どれにしよう?
たまには、クラシック音楽を聴いてみてはいかがですか?

今日は黒田恭一:「はじめてのクラシック」です。


このブログで本をタイトルにしてそのの内容まで紹介するのははじめてなんですが、前からこの本の事は書きたいなぁと思っていたので、ちょっと紹介してみます。

≪今日は本のお話です≫
「現代新書」というワクみたいですけど20年以上前の本です。
はじめてのクラシック (講談社現代新書)
黒田 恭一
講談社

このアイテムの詳細を見る


この本は、自分がクラシックを聴くようになって、クラシック音楽についての書籍ってどんなものがあるのかな?と思いながら書店をあさっていると、まあ小難しい本から作曲家に関する本まで、いろいろありましたが、なかなかどうして、音楽の本ですから専門用語から何からパラパラと立ち読みしてもすぐには理解できない事がなにやらと書いてあったりして、「やっぱり自分にはまだこういう本は早いのかな?」と思っていたら、
著者に見慣れた名前が・・・そう、今回紹介する「黒田恭一」の名前があったんですねぇ。当時NHK-FMの番組でパーソナリティをされていたこの名前を見て、
「おお!これは・・・」と思って手にとってみると、「これなら分かる!」と思って、そのままレジに向かいました。

「黒田恭一」さん・・・は上にも書いたようにNHK-FMの番組「20世紀の名演奏」を当時よく聴いていたので、ラジオから流れるその、ものごしやわらかな声と、決して批判的な評価をしないというイメージがあったので、どちらかというと著者の名前にひかれてしまったところもあると思います。
(ラジオでも演奏が終わると「すばらしい演奏でしたね。」というのが、まるで決まり文句のようにされていたのを思い出します。)

そして、肝心の本の内容は、

まえがき・・・
「わたし、クラシック音楽のことなんにも知らないんです」初対面の人はかならずそういう。―中略―(それに応えて)
「むかし、ベートーヴェンという作曲家がいたのですが……」
「クラシック音楽のことはなんにも知らない」という言葉を真にうけたぼくは、そういった。相手はとたんに、むっとした表情になって、こういった。
「ベートーヴェンくらい知っています」―中略―(何故知っているのに・・・と思い返すと)
なるほど、ぼく(黒田恭一)はクラシック音楽について書くことを仕事にしている人間である。そのような人間であれば、アレグロとか、ソナタ形式とか、アッチェレランドとか、わけのわからない専門用語を駆使して、なにやらむずかしいことをいいださないともかぎらない。そうなってからではおそい。ともかく予防線をはっておくことにしよう。その予防線が、「わたし、クラシック音楽のことは、なんにも知らないんです」ということばになった。―中略―(よくよく考えると)
だれもがひとまず予防線をはっておこうと考えるような雰囲気がクラシック音楽の周囲にあることは、みすごせない事実である。―中略―
肝腎なのは、クラシック音楽そのものにふれて、ほかには味わえない感動を味わうことである。そのために、どうしたらいいか。ぼくがここで書こうとしているのは、そのことである。

                        黒田恭一「はじめてのクラシック」より
 ――――――――――――――――――――――――――――――――――

こんな感じの書き出しではじまります。
いくら「なにも知らない」っていってもベートーヴェンから語りはじめるところが何とも黒田さんらしいというか、なんというか、ねぇ。
そして、自らの体験をもとに上みたいなエピソードを交えながら懇切丁寧に語ってくれる一冊です。
目次は以下のとおり

1クラシック音楽とのつきあいはむずかしくない(または、無愛想な男と友人になる方法)
2シンフォニーはフルコースのディナー(または、つまみぎきのすすめ)
3ソナタ形式を耳で読む、(または、知ることの功と罪)
4コンサートできく音楽と再生装置できく音楽(または、一緒もいいが、孤独もいい)
5オペラは「みる」ものか「きく」ものか(または、肥満したカルメンを許せる理由)
6クラシック音楽も生きている(または、きかれる音楽の栄枯盛衰)
7旅は道づれ(または、好きな音楽家をガイドにみたてて)
8損をしないディスク選び(または、名曲・名演・銘盤の「名」にまどわされない賢明なききてへの道)
9「聞く」か「聴く」か(または、音楽の微妙さについて)

内容としては、
はじめての人が聴くにはこんな曲がいいとか、難しい用語の解説というようなことではなく、体験談や失敗談を元に、クラシック音楽に対する接し方みたいな感じを語っています。(巻末には一応「音楽小僧7人のディスク案内」というオススメCDみたいなのもついてます)
更に、この本の初版は1987年10月20日なので、エピソードも含めてやや時代が古いですが、今読み返してもちょっとおもしろかったりします。
ちなみに表紙も自分の持っているものとは変わっているみたいですが、内容は同じハズ!?です。



この本をはじめて読んだのは、たしか学生時代でクラシック音楽も既にそこそこは聴いていたと思いますから、個人的にはスラスラとおもしろおかしく読んでいましたが、
クラシック音楽をはじめて聞く人が参考書みたいにして読むには向いてないのかもしれません。
というのは、この本にも書いてましたけど、読む人とクラシック音楽の距離感がポイントなんだと思います。
なので、はじめてオーケストラやヴァイオリン、ピアノ他クラシック音楽を聴いて、「すごい!これがクラシック音楽なの?!大好き!!」と思った人なら、ある程度スラスラ読めると思いますが、
単純に「形から入る」的な恰好で、まずはテキスト本からはじめよう!という人にはちょっと不向きなのかも。
逆に「はじめての・・・」とはありますが、ある程度知っている人ならば「クラシックあるあるネタ」として面白く読めるかもしれません。
いずれにせよ、エピソードを中心とした本なので、やっぱり興味が無いと何事もつまらない本になってしまうと思います。

ちなみにアマゾンでは在庫がわずかみたいですが、古本屋とか大型書店ならたいてい置いてあると思いますが、どうだろう??よかったらどうぞ。



音楽ブログランキング