初心者のクラシック

有名な曲からおすすめの曲まで、できるだけ初心者にも分かり易く紹介します。

交響曲第9番   (ショスタコーヴィチ作曲)

2006年09月27日 | その他の作曲家
たまには、クラシック音楽を聴いてみてはいかがですか?

今日はショスタコーヴィチ:交響曲第9番です。

交響曲第9番と言えば、ベートーヴェンの「合唱付き」シューベルトの「ザ・グレイト」そしてドヴォルザークの「新世界から」等の偉大なる作曲家の集大成のような曲がひしめく重要なポジションでした。

ショスタコーヴィッチも第5番「革命」や第7番「レニングラード」で大曲を完成させていた事もあって、聴衆もショスタコーヴィチの「第9番」にはかなり期待を持って楽しみにしていました。1945年に第二次大戦が終わり、「勝利の交響曲」としての期待もかなりあったようです。
ところが、実際に出来上がった「第9番」は30分足らずの演奏時間、そして軽い感覚の曲調で、聴衆の期待を裏切る形となり、かなりの批判を浴びる事になったようです。当時のソビエト連邦の当局の意思にもそぐわない形になりそうとうな批判を受ける事になったようです。

確かに、交響曲と言うより組曲みたいに聴こえてきます。その意味では初心者向けなのかもしれませんが、ちょっとつかみ所のない曲とも言えるんだと思います。いわゆる「交響曲」の中でも変わりダネの一曲なんだと思います。


 第1楽章:弦楽器の軽快なテンポにフルートやオーボエが軽やかに彩りを加えて
 いきます。トロンボーンとピッコロの可愛らしいフレーズが対照的な面白い曲
 ですね。その後もピッコロのメロディに合わせて他の楽器がそれを演出します。
 後半はトランペット・ホルンなどの金管楽器が入り乱れて大活躍します。
 いろんな楽器がチョコっとずつ出てくる面白い作りの曲だと思います。

 第2楽章:クラリネットの悩ましげな、奇妙なフレーズから始まります。
 その後はフルートやファゴットが静かにフレーズをつないでいきますが、ちょっと
 怪し気な雰囲気になっていきます。弦楽器が加わってくると不気味な雰囲気に
 なり、怪しげな雰囲気を引きずりながら、ひっそりと終わっていきます。

 第3楽章:軽やかなクラリネット・フルートの演奏で始まります。弦楽器が加わると
 少し緊張感を持ったフレーズになりますが、トランペットがなり始めると、更に
 ピリッと曲が引き締まって聴こえてきます。テンポの速さも手伝ってめまぐるしい
 曲の進行に多少不安も感じてしまいます。

 第4楽章:トロンボーンのにらみつけるようなフレーズで始まります。しかし、
 その後はファゴットの疲れきったような、脱力感を感じるメロディに変わります。
 再びトロンボーンが最初のフレーズを響かせますが、ファゴットは相変わらずで
 淋しそうなフレーズを繰り返します。

 第5楽章:4楽章に続きファゴットのフレーズですが、少しリズムが加わって、
 コミカルなものになっていきます。フレーズがヴァイオリンに変わると若干明るめ
 にはなってきますが、クラリネット・フルートなどの管楽器がソロをつないで、
 曲を作っていきます。再び弦楽器が顔を見せると徐々に曲は盛り上っていきます。
 リズムに鈴が加わって曲が更に盛り上ってくるかと思うと、少し勢いを抑えて
 いきます。そして最後はどういう風に終わるのかな~と思っていると、いきなり
 「チャン、チャン」で終わります。

確かに今聴いても、「え~それで終わりぃ~」と言いたくなってしまいますが、ショスタコービチには彼なりの考えがあったんでしょう、きっと。ただ、現在でも演奏される機会は結構あるようで、ショスタコーヴィチの交響曲の中でも有名な部類に入る曲になっているようです。


≪オススメCD≫
せっかくなので、交響曲第5番「革命」と一緒にどうぞ。
ショスタコーヴィチ:交響曲第5番/第9番
ハイティンク(ベルナルト), ショスタコーヴィチ, ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団, ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
ユニバーサルクラシック

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【コレってどんな曲】
喜:☆☆☆★★
怒:☆☆★★★
哀:☆☆★★★
楽:☆☆☆★★   ?→☆☆☆☆☆

≪おすすめシチュエーション≫
交響曲ですが、ある意味では面白おかしく聴ける曲だと思います。


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テレビでクラシック

2006年09月26日 | テレビでクラシック
たまには、テレビでクラシックを見てはいかがですか?

さて、クラシックのいろんな曲や作曲家を紹介しているこのブログですが、ちょっと変わりダネで、先週終わったドラマ「結婚できない男」なんかのテレビ番組のクラシックも紹介してみました。

こんな感じでテレビでクラシックを身近にやってくれると、普段はクラシックなんか聴かない人も興味を持ってもらえると、非常にありがたいですね。しかし、残念ながら番組は先週で終わってしまいました。(まあドラマですから当然なんですけど)

しかし、今日インターネットで記事のネタを探していたら・・・マンガ「のだめカンタービレ」がドラマ化するそうじゃないですか!面白いマンガだったので、読んでたんですが、アニメ化ならともかくドラマ化なんて・・・!?ちょっとビックリしてしまいました。そんな訳でせっかくだから、新企画でこんなカテゴリーを作ってみました。番組が始まったら、せっかくなのでいろいろ書いてみたいと思ってます。

放送は10月16日(月)~フジテレビで、しかも「月9」みたいです。
ストーリーは、原作どおりになるのか、オリジナルになるのかは詳細不明ですが、原作みたいに面白い話になる事を期待してます。

ちなみに、原作は音大に通う学生「野田めぐみ」(通称“のだめ”)が主人公としてキャンパスライフを描いた作品ですが、クラシックを知らない人でもマンガだけで十分楽しめるギャグマンガです。なので、初心者にもクラシックデビューにはうってつけの作品だと思います。

このマンガを知ったのは、普段はクラシックを聴かない友人から「このマンガ読んだ事ある?」と言って借りて読んでいたのが最初でした。何はともあれ、いろんなきっかけでクラシックを聴く人の人口が増えるのは大歓迎です!!少々気が早いですが、まあお知らせと言う事で・・・。


≪オススメCD≫
ちなみにこんなCDまで既に出てます。

ブラームス:交響曲第1番~のだめカンタービレ
R☆Sオーケストラ,千秋真一
キングレコード

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楽しい番組になるといいですよね。


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ドラマ「結婚できない男」

2006年09月26日 | テレビでクラシック
たまには、テレビでクラシックを見てはいかがですか?

と、いう訳で先週最終回を迎えたドラマ「結婚できない男」について書いていた記事をとりあえずまとめてみました。

このドラマの記事を書いたのは2話からだったんですね。最初は、ショスタコーヴィッチの5番を毎週聴いてるのかな?と思ってたんですけど、毎週違う曲を聴いているのに第4話で気付いたので3話は記事になってませんね。日付はこのブログに記事が載っている日付なので、ドラマの放送日ではありません。


7月18日≪第2話≫ショスタコーヴィチ:交響曲第5番「革命」の記事
ちなみにこの曲を紹介しようと思い立った一番のきっかけは、フジテレビのドラマで「結婚できない男」っていうのを見ていると主人公役の阿部寛さんが、この曲の4楽章を聴いてたんですよ。ワンルームマンションでリクライニングチェアに深々と座り込み目を閉じてタクトを振るような仕種をして、そうとうハマり込んだ聴き方をしてるんですよね。「だから結婚できないんだよ」的な番組のつくりになっているのが少し悲しい設定ですが、これなら分かりやすいだろうと思って紹介してみました。今週もこのシーンあるかなぁ?

7月26日≪第4話≫
先週紹介したショスタコーヴィチの交響曲第5番「革命」だったんですが、ドラマ「結婚できない男」で主人公桑野さん役の阿部寛さんが聴いてますよと載せたところ、結構好評でしたので、せっかくだから毎週彼の聴いた曲を紹介してしまおうという訳でちょっとしたコーナーにしてみました。
ちなみに先週はたしかワーグナーの序曲を聴いていたと思うんですけど、はっきり覚えてません。
そして今週は休日出勤の事務所でシューベルトの歌曲「魔王」の日本語バージョンでしたが、学校でも習いましたよね。

8月2日≪第5話≫
今週のドラマ「結婚できない男」で主人公役の阿部寛さんが聴いていたのは、冒頭からお部屋掃除をしながら、マーラーの交響曲第5番~第5楽章~を聴いてましたねぇ~。管楽器がコミカルに鳴り響くあの曲は面白いですからねぇ。そのうち紹介します。
今週はもう一曲。家に仕事を持って帰って「BGMを聴こう!」とか言って聴いていたのが、「アヴェ・マリア」ですね。シューベルト(だったと思います、たぶん。)

8月9日≪第6話≫
ドラマ「結婚できない男」で阿部寛演じる桑野さんが聴いていたのは、エルガーの「威風堂々」でしたね。仕事が終わってリクライニングチェアに深々と腰掛けて聴いてました。今週は後半になるまで、このシーンが無かったのでどうしようかと思ってしまいました。

8月16日≪第7話≫
ドラマ「結婚できない男」で主人公役の阿部寛さんが聴いていたのはスメタナの交響詩「モルダウ」でしたね。曲が盛上がってクライマックスに差し掛かったところで来客でしたが、作りがウマイというか、ニクイというか・・・。

8月23日≪第8話≫
ドラマ「結婚できない男」で阿部寛さん演ずる主人公桑野さんが今週聴いていたのは、はじめに犬を預かってえさをあげてから聴いていたのは、マーラーの交響曲第2番「復活」の第3楽章…だったと思うんですが、今週はちょっと自信が無いです。ドラマ見てたときは「アレだな!」と確信があったんですが、ドラマ見終わってからCD聴いてみたら「アレ?!ドレだっけ??」になってしまったので、間違ってたらゴメンナサイ。
そして、もう一曲。犬がタイタニックの模型をひっくりかえしたときに聴いてたのはモーツァルトの交響曲第41番「ジュピター」ですね。

8月30日≪第9話≫
ドラマ「結婚できない男」で主人公役の阿部寛さんが今回聴いていたのは、ムソルグスキー作曲ラヴェル編曲の組曲「展覧会の絵」からプロムナードですね。若い彼女からメールが届いたときに聴いてましたね。そして冒頭に弟とその奥さんがいた喫茶店で、うっすら流れていたのは、モーツァルトのクラリネット五重奏曲の第2楽章だと思います。たぶん

9月6日≪第10話≫
ドラマ「結婚できない男」で主人公役の阿部寛さんが聴いていたのは・・・、聴いていたのは・・・、分からん!!わかりませ~ん(T_T)だって、桑野さんすぐにCD止めちゃうんだもん!たしか「フィガロ!フィガロ!」とか男声で言っていたので、モーツァルトの「フィガロの結婚」か、ロッシーニの「セビリヤの理髪師」かどっちかだと思うんですが、どっちかわかりません。ぜんぜん違う曲だったりして・・・。「フィガロの結婚」はハイライト版しか持って無いし、「セビリヤの理髪師」は序曲しか聴いたことないので、スミマセン。

それより、今日の桑野さんはあんまりだと思いませんか!沢崎(高島礼子)さんに「お前は便利な女だ!」なんて・・・、思わずテレビを二度見しちゃいましたよ。不器用なのは分かりますけど、いくらなんでも言っていい事と悪い事が・・・と思ったのは私だけ・・・?なんでしょうか?あの台詞を言われた沢崎さんも、ニコッと笑って「仕事のパートナーとして…」なんて言ってましたけど、それって桑野さん(阿部寛)が結婚せずに、同じ職場にいると思ってるからなのかなぁ。でも、ドラマの展開からすると桑野さんは、どう見ても女医の夏美(夏川結衣)さんとくっつきそうな展開だし…、う~ん今後の展開が気になりますね。
な~んて話題をそらしたりなんかして・・。

↑これは↑結局「セビリヤの理髪師」から「私は町の何でも屋」でしたね。Thirteen Starsさんコメントありがとうございます。

9月13日≪第11話≫
ドラマ「結婚できない男」で主人公役の阿部寛さんが聴いていたのは、ドラマが一見落着して、リクライニングチェアに深く腰掛けて、ドヴォルザークの交響曲第9番「新世界から」の第1楽章を大手を振り上げて聴いてましたね。ノリノリです。

それより、ドラマの方は来週が最終回だというのにここに来て急展開ですね。みちるちゃん(国仲涼子)が「わ・わ・わ、私、桑野さんの事好きになっちゃたかも?!」だなんて、ここに来てドラマにハマリ込んでしまった感のある今日この頃です。

9月20日≪最終回≫
ドラマ「結婚できない男」で主人公役の阿部寛さんが聴いていた曲は、オープニングでいきなり手巻き寿司を食べながらプッチーニの歌劇「ジャンニ・スッキ」から「私のお父さん」でしたね。確かこの歌の歌詞は「素敵なお父様、お願いあの人と結婚したいの」なんて歌ってるんじゃなかったでしたっけ?
その次に聴いてたのは、ヨハンシュトラウス2世のワルツ「皇帝円舞曲」です。
そして、後半なつみ(夏川結衣)さんに頼まれた家を考えてるときに聴いていたのが、たぶんベートーヴェンの交響曲第7番の第1楽章だったと思います。

今週は最終回でしたが、う~んどうも歯切れの悪い最後だったような・・・。みちる(国仲涼子)ちゃんは告白がうまく出来ずに、身を引いた感じになっちゃうし、桑野(阿部寛)さんは相変わらず無愛想で、ここぞ!というときに「結果的に結婚できない…」とか言っちゃうし。結局、桑野さんは最後に夏美さんを家に誘いますが・・・、どうなるんだろう?と思ってたら、次の番組が始まっちゃうし・・・、思わず「それで終わりかい!!」とテレビにつっこんでしまいたくなってしまいました。
でも、来週からこの番組が見れなくなると思うとちょっと淋しい気もします。



いや~、こうやってまとめてみると結構書いてたんですね。コメントなんかも頂いて助けてもらった記事もありましたね。ありがとうございます。「のだめ」の記事はどんな風になるかは分かりませんが、とりあえずはドラマを見てからですね。

≪ドラマのDVD≫
早くもDVDの発売が決まっているらしい
結婚できない男 DVD-BOX

ポニーキャニオン

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発売は12月20日で現在は予約受付中のようです。



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チェロ協奏曲第2番   (ハイドン作曲)

2006年09月25日 | ハイドン
たまには、クラシック音楽を聴いてみてはいかがですか?

今日はハイドン:チェロ協奏曲第2番です。

実はこの曲を知ったのは最近なんですが、「なんだこの曲だったのか!」と思わず言ってしまいそうになりました。結構有名なフレーズだったので、今更ながらちょっと興味深く聴いてしまいました。初心者の方でもきっと知ってるフレーズだと思います。

オーケストラでも普段から重要な役割を果たしているにも関わらず、どうしてもあまり
目立たない楽器「チェロ」ですが、数少ない協奏曲ではもちろん主役ですから、その特徴を存分に発揮しています。(あたりまえだけど)
ハイドンのこの曲はそんなチェロ協奏曲の中でも比較的聴きやすい曲だと思います。時間的にも20分少々ですし、軽快で明るいフレーズは初心者でも違和感無く聴ける一曲だと思います。


 第1楽章:弦楽器の明るく親しみのあるメロディが流れてくると思わず笑顔になって
 しまいそうな、とても微笑ましいフレーズで始まります。少し長めの前奏(イントロ)
 が終わるとチェロのソロが冒頭と同じメロディを演奏しますが、とても新鮮に聴こえ
 ます。更にチェロのフレーズは小気味よく軽やかに進んでいきます。細かい動きも
 軽快にこなしているところなんかも聴き所ですね。協奏曲なので最後にはカデンツァ
 (アドリブソロ)もありますからそこも楽しめますよ。

 第2楽章:ゆっくりと、やわらかみのあるチェロのソロで始まります。とても落ち
 着いた雰囲気で、しっとりとしたチェロの響きは一日の疲れを癒してくれるような
 とても暖かいフレーズです。じっくりと聴かせる低音からため息の出てしまいそう
 な高音域までチェロの魅力をわかりやすくたっぷりと味わえます。

 第3楽章:心地よい風のようなサラッとしたフレーズで、さわやかなチェロを聴かせ
 てくれます。軽快なリズムに戻り、細やかな動きも何気なく弾きこなして、とても
 自然体な響きで聴かせてくれます。中盤ではゴツゴツした低音を特徴的に演出して
 いますが、前後のなめらかな演奏との対照的な音使いがとても魅力的な曲の作り
 になっていると思います。

チェロ協奏曲では、ドヴォルザークの作品が知名度ではダントツですが、親しみが持てて、気軽に聴けるのはハイドンのこの作品の方だと思います。クラシックとしても十分に聴けますが、イージーリスニングみたいな聴き方も出来る、万人受けする曲なんだと思います。


≪オススメCD≫
2枚組みで有名チェロ協奏曲が4曲+αのお買い得版です。
チェロ協奏曲集
マイスキー(ミッシャ), ヨーロッパ室内管弦楽団, ハイドン, イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団, バーンスタイン(レナード), ドヴォルザーク
ユニバーサルクラシック

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【コレってどんな曲】
喜:☆☆☆★★
怒:☆★★★★
哀:☆★★★★
楽:☆☆☆☆★

≪おすすめシチュエーション≫
肩の力を抜いて聴けるチェロ協奏曲です。


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交響詩「ローマの祭」   (レスピーギ作曲)

2006年09月24日 | ちょっとした曲
たまには、クラシック音楽を聴いてみてはいかがですか?

今日はレスピーギ:交響詩「ローマの祭」です。

いよいよ、ローマ三部作の大トリ「ローマの祭」です。さて、前にも紹介しましたが、ローマにゆかりのある場所や出来事をたどってローマの歴史を実感していくというコンセプトのもとに出来たこの企画、いやいやこの作品。

今回はローマの歴史を祭になぞらえて作曲しています。ローマの4つの祭としてサブタイトルをつけられた作品になっていますが、「交響詩」なので曲に切れ目は無く、連続して演奏されていますが、たいていのCDなら各祭ごとに、トラック分けされています。(こういうときってCDは便利ですね。)

 チルチェンス:いきなり、何事が起こったかと思うほど衝撃的なフレーズが響き、
 続いてトランペットのファンファーレが流れます。賑やかに派手に鳴りまくりますが、
 ちょっと怖いです。序奏(イントロ)が終わると、バストロンボーンを中心に、低音
 楽器の重く鋭い響きがずっしり響きますが、もうこれは悪の帝国ですね。マジで怖い
 です。更に、金管楽器やら弦楽器やらが、好き放題に鳴らしまくり、もう手がつけら
 れません。しまいにはパイプオルガンまでがガツンととどめを刺します。これを初め
 て聴いた日には怖くて眠れなくなるほどです。

 五十年祭:ひっそりと、暗い弦楽器のフレーズがまるで、とぼとぼと下を向きながら
 寂しく足を引きずって歩いているように聴こえます。CDの解説によると、これは
 聖地ローマを目指す巡礼者たちの賛歌だとされています。足取りのフレーズは、
 フルート、イングリッシュホルン、オーボエなどが引き継いでいきます。途中から
 その足取りを邪魔するかのような、チェロの刻むリズムが入りますが、ヴァイオリン
 のフレーズが現れると、曲調にも明かりが差したかのように聴こえます。
 鐘の音が鳴ると賛美歌は終わり、後に続くホルンは次の十月祭に向けての場面転換
 として使われているようです。

 十月際:ホルンの明るいファンファーレは秋の収穫祭の様子を表しているそうです。
 しかし、金管楽器の明るいフレーズが鳴り響くと、時を刻むかのようなピアノの
 フレーズにタンバリン(鈴かなぁ)の音が緊張感を加えた雰囲気に変わっていきます。
 しかし、気がつくと次に表れるのはヴァイオリンの美しいメロディです。緊張感を
 持ったリズムの中で聴く美しいフレーズは独特のものですね。そして、ホルンの
 静かなテンポの中にマンドリンの調べがやわらかく流れてきます。更にホルンがそれ
 をつなぐと次には美しいヴァイオリンソロが流れてきます。これらのソロも聴き所
 ですね。
 
 主題祭:クラリネットとトランペットの奇抜なフレーズで始まります。そして、
 また、荒れ狂ったかのようなすさまじい演奏が大迫力で現れます。ドンチャン騒ぎ
 です。しかし今度はホルンとトランペットが制御して、なんとか治めてくれています。
 ホルンがメロディを始めると、スネヤドラムに乗ってクラリネットが明るく続きます。
 酔っ払いのトランペットやのんきなトロンボーンのソロも愉快に聴こえます。
 そして、トランペットのファンファーレと共にフルオーケストラの大迫力の演奏が
 フィナーレを盛り上げて、最後は綺麗に終わっています。
 
このローマ三部作は有名でクラシックファンのみならず、ブラスバンドファンにも人気のある曲なんですが、おそらく一般的にはそれほど目立った存在ではないと思います。特に初心者の方にとっては「なんじゃこりゃ」みたいな曲に聴こえると思います。しかしインパクトだけは強烈なものを持っているのも確かだと思います。かなり奇抜な音楽なので万人にオススメできる訳ではないんですが、この手の曲が好きな人にはたまらない一曲です。(ん?!三曲かな?)


≪オススメCD≫
ローマ三部作をお楽しみください。
レスピーギ : 交響詩「ローマの祭」
ロスアンジェルス・フィルハーモニック, レスピーギ, トーマス(マイケル・ティルソン), ニューヨーク・フィルハーモニック, バーンスタイン(レナード)
ソニーミュージックエンタテインメント

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【コレってどんな曲】
喜:☆☆☆★★   →激☆☆☆☆☆
怒:☆☆☆★★
哀:☆☆★★★
楽:☆☆☆★★

≪おすすめシチュエーション≫
奇抜な感じがハマるとたまらない一曲です。

≪ローマ三部作の残りの二曲≫
♪交響詩「ローマの松」の記事はこちら
♪交響詩「ローマの噴水」の記事はこちら


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牧神の午後への前奏曲  (ドビュッシー作曲)

2006年09月23日 | ちょっとした曲
たまには、クラシック音楽を聴いてみてはいかがですか?

今日はドビュッシー:牧神の午後への前奏曲です。

ドビュッシーの作品の中でも有名なこの曲ですが、“印象派”と呼ばれるドビュッシーだけの事もあり、とても印象的というか幻想的な曲だと思います。

タイトルの「牧神の午後」というのはドビュッシーの友人である詩人の詩のタイトルのようで、その詩に感銘を受けて作曲した曲のようです。やっぱり作曲家ってこういうパターンが多いんですね。お互いの芸術活動に影響し合って切磋琢磨って感じでしょうか?
「牧神の午後」への“前奏曲”って事はこの曲を聴いたあとで詩を読んでね。って事なんでしょうか?

 幻想的でとても神秘的なフルートの音色がふわっと鳴り響きます。それをやさしく
 追いかけるようにホルンが包み込み、ハープがさわやかに流れてきます。
 弦楽器はざわめく風のように2・3回寄せては返すように勢いをつけると、すぐに
 消えていきます。フルートとハープが魅惑の演奏をしばらく続けていきます。
 やがてクラリネットのソロが流れてくると曲は怪しげな表情を見せます。それは、
 まるで魅惑的な美女が含みのある微笑を見せているようにも感じてしまいます。
 美しくもあり妖しくもあるとても幻想的な雰囲気を作り上げていきます。そして、
 弦楽器がそれに加わっていくと、気付いたときには既に盛り上がった曲調に変わって
 います。フルートとオーボエのソロが美しくも妖しく絡み合っていきます。
 ヴァイオリンやチェロのソロが少しだけ顔を見せて、しっとりと聴かせてくれる
 のも、見事な演出のように聴かせてくれます。
 そして、だんだんと静かになってゆき、まるで何事も無かったかのようにして、
 静かに曲は終わります


まるで、蜃気楼か何かを見ているように、もやの中に美しい幻想を見せてくれているかのような音楽を聴かせてくれます。夢見心地にさせてくれるんですけど、夢から覚めると恐ろしい現実が待っていそうな、ちょっとした恐ろしさも感じさせる不思議な曲です。ただ、演奏時間も10分弱とお手ごろな長さですし、聴いていると「フッ」っと気の抜ける曲だと思います。

学校でも確か教えてもらった記憶がありますけど、今聴くと、とても大人の魅力たっぷりな曲なので、学生時代に聴いても十分にこの曲の魅力を味わえていたのかがちょっと疑問です。


≪オススメCD≫
ドビュッシーの名作が他にも入ってます。
ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲
ハイティンク(ベルナルト), ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団, ドビュッシー
ユニバーサルクラシック

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【コレってどんな曲】
喜:☆☆☆★★
怒:☆★★★★
哀:☆☆★★★  →幻☆☆☆☆☆
楽:☆☆★★★

≪おすすめシチュエーション≫
まったりしたいときに、夢うつつでしっとりと聴ける一曲です。



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交響曲第40番

2006年09月22日 | モーツァルト
たまには、クラシック音楽を聴いてみてはいかがですか?

今日はモーツァルト:交響曲第40番です。

モーツァルトの作品では、数少ない短調(暗め)の曲です。モーツァルトは基本的に明るく軽快な曲が多いので、聴く方としてもハッキリ言って最初はなじめませんでした。ただ、数少ない短調の曲には明るいモーツァルトの中にはない、とてつもなく深い何かがあるように感じてしまいます。

普段は、明るく振舞っているけどオレにだって悩みのひとつや、ふたつぐらいあるんだよ。とモーツァルトの意外な一面を垣間見る事のできる曲なんだと思います。短調の曲ですが、ベートーヴェンほど、「この世の終わり」的な暗さではなく、誰にでもある心の隙間にできる闇の部分を浮き彫りにさせたような作品なんだと思います


 第1楽章:もどかしも悲しい弦楽器のメロディで始まります。激しい動揺を見せ
 ながらも、ふっと力の抜けた悲しいフレーズが悲しみをあおります。
 しかし、迫るような悲しみを訴えるフレーズの方が圧倒的に強く、速いテンポにも
 押しつぶされるような曲です。

 第2楽章:脱力感のあるゆったりとしたフレーズが、じわっと始まります。
 やわらかいフレーズで次第に光が差して来たかのように明るいメロディへと変わって
 いきます。ところが、急に悲しい事を思い出したかのように胸に突き刺さる暗い
 影が差すフレーズが一時入ってきます。すると忘れられなくなったように悲しい
 フレーズが少し続きます。しばらくすると落ち着いてもとのゆったりしたフレーズ
 に戻ります。

 第3楽章:決断を迫られているような、何かに焦っている雰囲気を感じます。曲調は
 しっかりとしたフレーズを刻んでいますが、どこか気の抜けない切迫した状況を
 物語っているようにも聴こえてきます。途中に入るフルート、オーボエなどの木管
 楽器がその切迫感をやわらげるかのようにして、しばしのゆとりをみせてくれます
 が、やはり、

 第4楽章:いよいよ、決断の時が来たかのように、テンポも一層速くなり、決断を
 迫る時間に追い立てられるようなフレーズで始まります。しかし、気持ちを決めると
 ふっ切れたかのような余裕のある一面も見ることができます。
 しかし、決断の代償は重くそれを受け止める葛藤に最後まで迷いを見せる曲調が
 激しい動揺のようにも聴こえてきます。最後は辛い決断をきっちり下したかのように
 しっかりと終わります。

上にも書いてますが正直言って、最初はジメッとしたこの曲にあまり共感を得る事はありませんでした。暗い部分よりもどかしい部分の方が先に立ってしまい、聴きにくい曲だと、思ってましたが、いろんな演奏を聴くうちにその、もどかしさが曲にアクセントを付けてくれているようにも聴こえて、不思議と聴き込んでしまうようになってしまいました。
なので、初心者には一番に薦められる曲とは言えないかもしれませんが、モーツァルトファンなら自然に興味をかき立てられる曲なんじゃないでしょうか?


≪オススメCD≫
モーツァルトは何故かクレンペラーの演奏がお気に入りです。
モーツァルト:交響曲第35番&第40番&第41番
クレンペラー(オットー), フィルハーモニア管弦楽団, モーツァルト
東芝EMI

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【コレってどんな曲】
喜:☆★★★★
怒:☆☆☆☆★   →焦☆☆☆☆☆
哀:☆☆☆★★
楽:☆☆★★★

≪おすすめシチュエーション≫
モーツァルトの数少ない貴重な短調の名作です。


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皇帝円舞曲  (ヨハン・シュトラウス2世作曲)

2006年09月21日 | ちょっとした曲
たまには、クラシック音楽を聴いてみてはいかがですか?

今日はヨハン・シュトラウス2世:「皇帝円舞曲」です。

さて、昨日紹介していた「ドラマ結婚できない男」にも出てきたこの曲なんですが、昨日紹介した記事の中に1曲も既に書いていた記事が無かったので今日はこの曲にしてみました。ワルツはやっぱりいいですよね。ウキウキワクワクです。その中でもこの曲は有名で、おそらく聴けば、「あ~この曲ね。」なんて言ってしまう曲なんだと思います。

 「皇帝円舞曲」のタイトルはCDの解説によると、元々は「手に手をとって」という曲名だったようですが、ドイツ皇帝ヴィルヘルム2世とオーストリア皇帝フランツ・ヨーゼフがこの曲の演奏会にそろって出席したため、こんなタイトルになったんだそうです。


 ひっそりとした行進曲のリズムがだんだんと盛り上がり大行進へと変わっていきます。
 そして、ゆったりしたチェロのソロが流れると・・・、賑やかなワルツのメロディに
 変わります。軽快なワルツのリズムがとてもさわやかに響きます。途中に入るフルート
 やスネヤドラム(小太鼓)の響きが曲に彩りを加えていきます。その後メロディが
 トランペットに引き継がれると、曲も一層華やかに聴こえてきます。
 中盤に曲調を変えると今度はヴァイオリンの響きが艶やかに曲を演出します。気分は
 もうウィーンにいる心地ですね。
 一度繊細なフレーズを聴かせるとまた派手に盛上がる。この変幻自在な落差も聴き
 どころだと思います。最後には静かになりチェロのしっとりとしたソロを十分に楽し
 ませてくれるとラストはオーケストラ全体でビシッと決めてくれます。


ニューイヤーコンサートでも常連のこの曲ですが、改めて聴いてみても思わず肩を揺らしながらワルツのリズムに酔いしれてしまう名曲です。久々にこれなら初心者の方でも十分に満足して楽しく聴ける曲だと思います。


≪オススメCD≫
定番のワルツがたくさん入ったCDです。
美しく青きドナウ~ウィーン・フィル・シュトラウス・コンサート
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団, J.シュトラウス, クリップス(ヨゼフ), カラヤン(ヘルベルト・フォン), Jo.シュトラウス
ユニバーサルクラシック

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※2006年9月20日 復旧致しました。大変ご迷惑をおかけ致しました。
だそうです。「オススメ投稿」が直りました!gooの人ありがとう!


【コレってどんな曲】
喜:☆☆☆☆★
怒:★★★★★
哀:☆★★★★
楽:☆☆☆☆☆  →舞☆☆☆☆☆

≪おすすめシチュエーション≫
代表的なワルツで心も軽く弾んでしまう一曲です。



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アントニン・ドヴォルザーク   (最終話)

2006年09月20日 | 作曲家の生涯
たまには、作曲家の生涯にふれてみてはいかがですか?

今日はアントニン・レオポルド・ドヴォルザーク(最終話)です。

≪作曲家の肖像≫
ドヴォルザーク:管弦楽曲・協奏曲集
チェコ・フィルハーモニー管弦楽団, ドヴォルザーク, グレゴル(ボフミル),ノイマン(ヴァーツラフ)
コロムビアミュージックエンタテインメント

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【Antonin Leopold Dvorak】

アメリカでも大歓迎を受けるドヴォルザークですが、その後のアメリカでの生活はどうなったのでしょうか?今日はその続きです。


(第6話)【帰国・・・そして、】
 アメリカに渡りニューヨーク・ナショナル音楽院で教鞭を奮っていると、ニューヨクフィルハーモニーの名誉会員に推薦される事になります。アメリカでもドヴォルザークはその業績を認められたのでした。アメリカでもその活躍を期待されるドヴォルザークは1894年、2年間の契約延長を求められるのでした。5ヶ月の休暇をもらいボヘミアの故郷へ一時帰国する事を条件に、契約を更新します。
 
 久々の故郷。祖国ボヘミアに帰るとドヴォルザークはゆっくりと羽を伸ばし、リフレッシュすると、再びニューヨークへと戻るのでした。
 仕事とはいえ、今でもアメリカとチェコを往復するなんて結構大変そうですけど、当時は片道2週間ですからねぇ~船に乗ってるだけでちょっとした旅行ですよね。というかもはや“ちょっとした”の域を超えた本格的な旅行ですよね。

 さて、長い旅路を経て1894年10月、ニューヨークへ戻ったドヴォルザークは又教壇に立つ予定でしたが、一度ボヘミアへ帰ったせいなのか、ホームシックにかかってしまい、体調を崩してしまうのでした。なんとか体調を回復させるドヴォルザークでしたが、この頃、なんと!あろうことに音楽院の経営も危ういものになっているのでした。

 ナショナル音楽院は理事長のサーバー夫人の夫(だんな)の経済力によるものが大きかったのですが、その夫の本業が1893年に起きた大恐慌に影響されて破産寸前にまで追い込まれていたのでした。すると当然ドヴォルザークに対する報酬の支払いにも遅延が起きるようになてきたのでした。
 その後も報酬が滞ることがたびたび続くと、さすがのドヴォルザークもこれにはたまりかねてしまい、ニューヨークを去る事を決意するのでした。

 ドヴォルザークは音楽院を辞めて、ボヘミアへ帰る事を理事長サーバー夫人に伝えると、夫人はもちろん周囲からもアメリカ残留を説得されるのですが、ドヴォルザークの決意は固く、1895年4月にはアメリカを発つのでした。

 帰国したドヴォルザークは再びプラハ音楽院で教壇に立つのでした。翌1896年にはイギリスへも訪問するのでした。帰国後ウィーン学友協会から名誉会員に推薦されます。ドヴォルザークの名誉受賞ラッシュはとどまる事を知らず、1897年にはオーストリア国家委員に就任するのでした。この国家委員はかつてブラームスがドヴォルザークの提出していた作品を審査していた地位だったのです。

 更に、1898年には芸術科学名誉勲章を受章するのでした。その後のドヴォルザークは、歌劇の作曲へ専念していくのでした。そして、更に更に、1901年オーストリア貴族院から終身議員に任命されるのでした。そして同年、長年務めたプラハ音楽院の院長に就任するのでした。出世街道まっしぐらですね。

 ドヴォルザークは動脈硬化を患っていたのですが、1904年あっけなく永遠の眠りについてしまうのでした。葬儀は国葬とされ、偉大なる作曲家は盛大に見送られていくのでした。享年63歳のさいごでしたが、当時としては音楽家としても大成功を収め医療事情を考えても大往生だったのではないでしょうか?



さて、デビュー当初は多少苦労をした時代もありましたが、一度ヒットを出すとその後はもう、トントン拍子でしたね。しかも評価を受けると次々に名誉を受賞していき、イギリスやアメリカにまで招待を受け、高待遇を受けています。音楽家としては周りからもその存在を十分に認められて、とても幸せな生涯だったのではないでしょうか。

≪今週の桑野さんが聴いてた曲≫
ドラマ「結婚できない男」で主人公役の阿部寛さんが聴いていた曲は、オープニングでいきなり手巻き寿司を食べながらプッチーニの歌劇「ジャンニ・スッキ」から「私のお父さん」でしたね。確かこの歌の歌詞は「素敵なお父様、お願いあの人と結婚したいの」なんて歌ってるんじゃなかったでしたっけ?
その次に聴いてたのは、ヨハンシュトラウス2世のワルツ「皇帝円舞曲」です。
そして、後半なつみ(夏川結衣)さんに頼まれた家を考えてるときに聴いていたのが、たぶんベートーヴェンの交響曲第7番の第1楽章だったと思います。

今週は最終回でしたが、う~んどうも歯切れの悪い最後だったような・・・。みちる(国仲涼子)ちゃんは告白がうまく出来ずに、身を引いた感じになっちゃうし、桑野(阿部寛)さんは相変わらず無愛想で、ここぞ!というときに「結果的に結婚できない…」とか言っちゃうし。結局、桑野さんは最後に夏美さんを家に誘いますが・・・、どうなるんだろう?と思ってたら、次の番組が始まっちゃうし・・・、思わず「それで終わりかい!!」とテレビにつっこんでしまいたくなってしまいました。
でも、来週からこの番組が見れなくなると思うとちょっと淋しい気もします。

♪今週の曲の記事はまだ書いてない曲ばかりだったので、その内書いていきます。


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アントニン・ドヴォルザーク   (第5話)

2006年09月19日 | 作曲家の生涯
たまには、作曲家の生涯にふれてみてはいかがですか?

今日はアントニン・レオポルド・ドヴォルザーク(第5話)です。

≪作曲家ゆかりの曲≫
ドヴォルザーク:交響曲第9番「新世界から」
シカゴ交響楽団, ドヴォルザーク, ライナー(フリッツ)
BMG JAPAN

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【Antonin Leopold Dvorak】

イギリスでもかなりの好評価を受けるドヴォルザーク。飛ぶ鳥を落とす勢いですが、気になるその後はどうなるのでしょうか?続きをどうぞ。

(第5話)【いざ、アメリカへ】
数々の名誉ある称号をうけたドヴォルザークは1891年、アメリカのニューヨーク・ナショナル音楽院の理事長から、学院長へ就任する事を依頼されます。この話をはじめにもらったときに、ドヴォルザークは一度辞退します。(いくら何でもアメリカは遠いですもんね。)しかし、この音楽院の理事長サーバー夫人には壮大な計画があったのです。その計画は、アメリカにもアメリカ独自の国民音楽を根付かせその発端をドヴォルザークに担って欲しかったようです。既にチェコでその実績をつくり、チェコの音楽文化に花を咲かせたドヴォルザークに非常に興味を持ち、アメリカでも同じ事を再現させようとしていたようです。

 そんな思いもありドヴォルザークになんとしてでもアメリカへ来て欲しかった理事長サーバー夫人は、彼を熱心に説得し、破格の報酬を提示してドヴォルザークを口説き落とすのでした。(ちなみに理事長の提示した年俸はプラハ音楽院でもらっていた額の25倍だったそうです。)

サーバー理事長の熱意に押されたドヴォルザークはアメリカ行きを決心します。1892年、51歳になったドヴォルザークは約2週間ほどかけてはるばるニューヨークへと旅立つのでした。

 ニューヨークに着いたドヴォルザークは、アメリカ市民の間でもその業績が既に有名になっていたため、偉大なる作曲家の到着を熱烈に歓迎するのでした。
当時のアメリカは音楽の分野ではまだまだ、途上国でしたが既にニューヨーク・フィルやボストン交響楽団などの楽団はあり、演奏面では申し分のない状態でしたが、音楽家を育成するシステムが確立されていなかったため、サーバー理事長がニューヨーク・ナショナル音楽院を設立して、勢いをつけようとしている最中でした。ドヴォルザークも学院長としても、自ら教壇に立ち教鞭を奮うことになるのでした。

 アメリカですから、当然生徒の中には黒人も居たようで、ドヴォルザークはこうした生徒達に音楽を教えると同時に、自分の作曲にもこれらの生徒達から「黒人霊歌」を吸収し、大いに影響を与え合うようになっていったのでした。

 こうした環境に接して作曲したのが1893年に完成した「交響曲第9番新世界から」だったのです。そして、ドヴォルザークは同年ボヘミア人たちが開拓したと言われるアイオワ州にも足を運ぶのでした。既に大都市となっていたニューヨークとは違い、同郷人のいるアイオワ州に郷愁を感じながらもしみじみとした土地柄に影響され、ドヴォルザークは「弦楽四重奏アメリカ」を作曲するのでした。

 故郷を遠く離れ、異国の地で同郷のボヘミア人たちと接する事で一種のノスタルジーを感じていたのでしょうか?それともヨーロッパが懐かしく感じたのでしょうか?ドヴォルザークは、イギリス交響曲依頼、関係の悪かったジムロック社の事を思い出したようです。同時に些細な事で腹を立てていた自分に恥ずかしくなったのでしょうか?

 アメリカの地で作曲した「新世界から」と「アメリカ」の出版をジムロック社に依頼するのでした。ジムロック社はこれを出版するためにこれらの作品の校正をブラームスに依頼するのでした。この依頼を受けたブラームスも、たいそう感激したようでした。その様子を伝え聞いたドヴォルザークの方もいたく感動するのでした。



さて、「新世界から」「アメリカ」などの名曲が次々と作曲され、ジムロック社とも寄りを戻すドヴォルザークでしたが、その後のアメリカでの生活はまた明日。

♪交響曲第9番「新世界から」の記事はこちら
♪弦楽四重奏曲第12番「アメリカ」の記事はこちら


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