初心者のクラシック

有名な曲からおすすめの曲まで、できるだけ初心者にも分かり易く紹介します。

ドラマ「のだめカンタービレ」 (第3話)

2006年10月31日 | テレビでクラシック
たまには、テレビでクラシックを見てはいかがですか?

今日はドラマ「のだめカンタービレ」(第3話)です。

いつもの時間にお越しの皆さんこんばんは、今日はドラマ「のだめカンタービレ」の日なので、気になるリストの第5話はこの下です。(前もこんなことありましたけどフェイントじゃないですよ。)

今週はコントラバスのさくら(サエコ)ちゃんが活躍するお話でしたね。そして、いよいよ千秋先輩(玉木宏)が指揮をすることになりましたが・・・。

のっけからいきなりベートーベンの交響曲第7番の合わせからでしたが、最初に出てくるずっこけのオーボエ、ふにゃふにゃクラリネット、へなちょこホルン。誰が聴いてもへっぽこオーケストラでしたね。・・・というか他はそれなりに弾いていたのでハズれた楽器が目立っていましたが、「こんなに悲しいベートーヴェンがあっていいのか!?」と千秋も言ってましたが、おっしゃる通りですね。(ウマイ事言う)

更に、オーボエとクラリネットがパートを変えて嫌がらせをしていましたが、マンガであったこのシーンは難しそうだからカットするのかな?とも思ってたんですが、やっちゃいましたねぇ。オーボエだけ音量がかなり大きかったので、目立ちすぎるくらい目立ってましたけど。

ところが、シュトレーゼマン(竹中直人)が指揮を変わり、楽団員にねぎらいの言葉をかけて再度演奏すると結構それなりの演奏をしてしまうんですね。

実際のオーケストラの練習もテレビで何度か見たことありますけど、千秋先輩バリに怒号の響く風景だったような気がします。ただ、オーケストラは基本的に音が大きいですから、指示を伝えるときにはたいてい力が入っているでしょうし、別に団員にムカついているから怒鳴る訳じゃないんですね。(たまにはムカついてるときもあるんでしょうけど)

それに、シュトレーゼマンは楽団と一緒にコンパに行ってましたが、NHK交響楽団にモントリオールから、シャルル・デュトワが指揮者に呼ばれて間もない頃に、デュトワはN響のメンバーを理解するために団員を食事に誘ったとか誘わなかったとかいう話も聞いた事ありますし、
そんな訳で実際の指揮者も楽団をまとめていい演奏をするためにいろいろやってるんですね。

そして、今回はコントラバスのさくらちゃんが家庭の事情(結果的には大した理由じゃなかった)で音大を続けられなくなるところでしたが、やっぱり貧しい音大生の方はいろいろと苦労が多いんでしょうね。音大には行った事無いので、実際は分かりませんが・・・。
それにしても千秋の持つ“貧乏”のイメージが「マッチ売りの少女」と「フランダースの犬」ってのがなんともはや。

ちなみに、さくらちゃんが「ボウイング教えてください!」とか言ってましたが、コントラバスの他にも弦楽器には必須である弓の上げ下げの事ですね。オーケストラを見れば分かると思いますが、ヴァイオリンを初め、全ての弦楽器がまるで示し合わせたように弓の上げ下げがぴったりとそろっています。あれは皆で事前に示し合わせているんですね。(楽譜にもちゃんと書き込んでいるらしい。)だからさくらちゃんもみんなに聞いてたんですね。

≪原作マンガ≫
のだめカンタービレ第3巻
のだめカンタービレ (3)

講談社

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さてドラマの方は・・・、シュトレーゼマンがロクに指揮もふらないうちにいきなり、Sオケを放り出して千秋に指揮者を任せてAオケの指揮に行ってしまいましたが、来週がまた気になる内容になりましたね。

♪ベートーヴェン「交響曲第7番」の記事はこちら

♪ドラマ「のだめカンタービレ」第2話の記事


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「ピアノの魔術師」フランツ・リスト(第5話)

2006年10月30日 | 作曲家の生涯
たまには、作曲家の生涯にふれてみてはいかがですか?

今日は「ピアノの魔術師」フランツ・リスト(第5話)です。

≪作曲家の写真≫
リスト/巡礼の年:第2年「イタリア」
ブレンデル(アルフレッド), リスト
ユニバーサルクラシック

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【Franz Liszt】

さてさて、なんだか「できちゃった」みたいなマリー!今日はいつもよりちょっと早めでその続きからです。

(第5話)【ライバル出現】
「・・・、私・・・できちゃったみたいなの・・・。」
「え!?ホントに!!」リストが聞き返すと「・・・だって、あの人とはしばらく無かったんだもの。あなたの子供よ。」マリーはそう答えた。

「・・・・・・・・・・・・・。」ふたりの間に沈黙が続き、リストはしばらく考え込むと、ゆっくりとこう切り出した。「マリー、ふたりでパリを出よう!僕と一緒に逃げるんだ!!」
「ホントに!嬉しい!!実は私、こんな事になってあなたに捨てられたらどうしようかと思っていたの。」

 こうしてふたりは、夜陰に紛れてパリの街を後にするのでした。1835年、このときリストは24歳、マリーは30歳になっていました。

リストが二人の愛を育む新天地として選んだのは、スイスのジュネーヴでした。ジュネーヴに着いて4ヵ月後に、二人にとって初めての子供ブランディーヌが生まれました。

 その頃、リストの去ったパリではいろんな噂が流れていたのでした。もちろんリストがマリーを連れてジュネーブへ駆け落ちした事も話題になっていましたが、リストにとって聞き捨てならなかったのは、「リストの時代はもう終わった」という噂でした。

 リストの去ったパリでは、タールベルクというピアニストがリストに変わってパリで天才ピアニストの名を欲しいままにしていたのでした。当時リストは「6本の指を持つ男」としてその超人的なピアノテクニックを比喩されていましたが、このタールベルクは「3本の腕を持つ男」として、リストを上回るようにそのピアノテクニックがもてはやされていたのでした。

 ピアノの技術に関して人一倍自尊心の強かったリストは、いかにも自分の事がタールベルクより低く扱われたこの噂に耐え切れず、タールベルクのいるパリへと単身向かうのでした。その間マリーは当時、同じくサロンで一躍名前が売れていたジョルジュ・サンドの住むノアンへ滞在することになるのでした。

 パリへ戻ったリストは難解な曲をプログラムした演奏会を次々に開き、その華麗な演奏を聴いた聴衆は、「リストここに在り!」という印象を受け、タールベルクに一歩も引けを取ることはなく、再びパリでの評価をものにするのでした。

 パリでの名声を取り戻したリストはマリーのもとへ戻ると、ふたりはジュネーヴを離れてイタリアへ向かいました。ふたりが選んだ次の土地はイタリア北部のコモ湖畔の街でした。1837年のクリスマスに2人目の子供コジマが生まれた。

 更に二人は翌1838年にはヴェネツィアへ移ると、その後もルガーノ、ローマなどのイタリア諸都市を転々とするのでした。

リストはこのときの様子を「巡礼の年」という曲にして「第1年スイス」、「第2年イタリア」、「第2年への追加ヴェネツィアとナポリ」の3部作として作曲していくのでした。



さて、「愛の逃避行」でスイス・イタリアへ駆け落ちした二人でしたが、子供ができてから幸せそうに暮らしていますが、その後はどうなるのでしょうか?つづきはまた明日。


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「ピアノの魔術師」フランツ・リスト(第4話)

2006年10月30日 | 作曲家の生涯
たまには、作曲家の生涯にふれてみてはいかがですか?

今日は「ピアノの魔術師」フランツ・リスト(第4話)です。

≪作曲家の肖像≫
リスト/巡礼の年:第1年「スイス」
ブレンデル(アルフレッド), リスト
ユニバーサルクラシック

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【Franz Liszt】

さて、失恋からなんとか立ち直って音楽活動へ意欲を燃やすリストでしたが、心機一転で今日はその続きです。

(第4話)【マリー・ダグー伯爵夫人】
 1832年にはパリで初めて行われたショパンの演奏会を聴いて、また感銘を受けると、リストは次々にたくさんの音楽家から影響を受けて次々と自分の音楽に取り入れようを研究を重ねていくのでした。

 そして、この頃パリで音楽活動といえば欠かせないのがサロンの存在です。ショパンと同様にリストも芸術家の集まるサロンで大活躍する事になるのでした。ここでもリストはたくさんの芸術家から、影響を受けて自分の音楽に磨きをかけていく事になります。

 サロンでは、卓越したピアノテクニックを披露するリストが客席に向かって投げるハンカチに女性たちは歓声を上げ、リストはサロンでも大人気のピアニストになるのでした。(サロンでリストはモテモテだったようです。元祖ハンカチ王子ですね。)

 こうしたサロンの中で当時パリで1・2位を争う人気があったのがマリー・ダグー伯爵夫人の主催するサロンでした。元々高貴な生まれのマリーは幼い頃から一流の教育を受け、有名女子学校を卒業すると、すぐにシャルル・ダグー伯爵と結婚して子供も二人もうけて、幸せな結婚生活を送っていたのでした。

 しかし、上層教育を受けていたマリーは平凡な結婚生活には満足できず、もともと芸術、文化、音楽に関する興味の深かったため、芸術家達を集めてサロンを開いていたのでした。

 1833年、そんなマリーのサロンに、リストはベルリオーズの紹介によって訪れることになるのです。サロンに訪れたリストは、6歳も年上のマリーに惚れてしまうのでした。芸術文化を愛し、知的で美しいマリーの魅力にとりつかれてしまったんですね。この時リストは22歳、マリーは28歳でした。

 一方、マリーの方も華麗にピアノを弾きこなす年下のリストに少しクラッときていたようです。ふたりは、手紙のやりとりを始めるのでした。手紙のやりとりでお互いの事を少し知ると、やがて音楽や芸術の話を通じて更に親交を深めていくのでした。

 上にも書きましたがマリーは既に結婚していましたが、当時のサロンではこの二人のように、既婚者でもお互いの才能や芸術などの技術に惚れて惹かれ合い、想いを寄せるようなケースは特に珍しい事では無かったようせす。精神的に惹かれ合い、お互いの才能にそれぞれ敬意を払って想いを寄せる事は、当時の結婚観としても、暗黙の了解として容認されていた風潮があったようです。

 ところが、話をするうちにふたりはお互いの理解を深めると同時に、遂には話すだけでは満足できなくなってしまい、一線を越えてしまったのです。とうとう大人の関係を結んで愛し合うようになってしまうのでした・・・。

 そして、愛し合うふたりの甘い夜の生活が続く日々でした。そんな不倫生活を続けていたある日、マリーがリストにこう言ったのでした。「ねぇリスト、落ち着いて聞いてね。・・・・・・私・・・、できちゃったみたいなの・・・。」



あらあら、大変な事になってしまってるみたいですが、「できちゃった」って事は、もうそれしかないですよね。リストの決断は!?
気になるつづきは、また明日。
…と、いつもなら明日このつづきをやるんですけど、明日は「のだめ」の日なんだな~。
う~んどうしよう??


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「ピアノの魔術師」フランツ・リスト(第3話)

2006年10月29日 | 作曲家の生涯
たまには、作曲家の生涯にふれてみてはいかがですか?

今日は「ピアノの魔術師」フランツ・リスト(第3話)です。

≪作曲家の肖像≫
愛の夢~リスト・ピアノ名曲集
ボレット(ホルヘ), リスト
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【Franz Liszt】

大臣の娘カロリーヌと愛し合うリスト、ふたりの関係はうまくいくんでしょうか?今日はその続きからです。

(第3話)【貴族の身分】
 リストとカロリーヌ、若い二人は歴史や文学、そして芸術について熱く語り合いお互いの愛を深めていくのでしたが・・・・・・、

 リストがピアノレッスンの生徒、大臣クリック伯爵の娘カロリーヌと付き合っているらしい。という話はカロリーヌの父クリック伯爵の耳にも当然伝わってくるのでした。
 娘がリストと付き合っている事を知ったクリック伯爵は「ふ~ん君がリスト君か?ちょっとくらいピアノが弾けるからって、田舎モンが調子に乗ってもらっちゃ~困るんだよ!おまえなんぞにウチの娘はやらん!!」なんて言われたかどうかは分かりませんが、身分の違いを理由にふたりは引き離されてしまうのでした。

 カロリーヌと別れたリストはそうとうなショックを受けていたようです。ショックのあまり発作を起こして、2日間意識不明になったという事ですから・・・好きだったんですね。
そんな状態ですから、挙句の果てには新聞にも「リスト死亡」なんて記事まで出てしまっていたようです。(いつの時代も芸能ニュースは大げさなんですね。)

やっとの思いで、なんとか体調を回復したリストでしたが、やはり精神的にもショックが大きかったようで、その後は家に引きこもってしまい文学作品や宗教に関する本などを読みふける毎日がしばらく続くのでした。

 翌1829年、リストはパリで初演されたロッシーニの歌劇「ウィリアム・テル」を見ると、自由を掲げて国王に対抗する主人公テルに共感し、別れたショックは徐々に癒されていくのでした。

 更に翌1830年にはパリで歴史的な出来事が起こるのでした。「7月革命」です。

 この頃のフランスは、フランス革命後ナポレオンも失脚し「王政復古」により旧体制が市民への弾圧が厳しくなり、7月に武装蜂起となりシャルル10世は亡命し、議会によって「人民の王」としてルイ・フィリップが国王に迎えられたのでした。

 この出来事がリストにも大きく影響を与えるのでした。恋人とは「身分の違い」で別れることになり、文学作品を読みふけったリストは「身分の違いがなんだ!オレだってパリ市民みたいに身分なんか無くたって欲しいものを手に入れるんだ!!」なんて思ったんでしょうね、きっと。

 7月革命をきっかけに、ふっきれたというか完全復活したリストは、ようやく音楽活動を積極的に再開することが出来たのでした。その年の12月にはパリでベルリオーズの「幻想交響曲」を聴いていたく感銘を受けるのでした。

 更に1831年、パガニーニがパリで行った演奏会を見たリストはその超人的なテクニックに舌を巻き、スゲエ!こんなヤツがいるなんて・・・、よし!「オレもピアノのパガニーニになる!」と一念発起するのでした。



失恋の痛手をなんとか克服したリストでしたが、ピアニストとしての活動も含めてその後はどうなるのでしょうか?つづきはまた明日。

♪ロッシーニの「ウィリアムテル」序曲の記事はこちら


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「ピアノの魔術師」フランツ・リスト(第2話)

2006年10月28日 | 作曲家の生涯
たまには、作曲家の生涯にふれてみてはいかがですか?

有名な作曲家にはその真偽はともかくとして、たくさんの興味深いエピソードがあります。
そんな興味深いエピソードを中心に作曲家の生涯をたどっていきます。

今日は「ピアノの魔術師」フランツ・リスト(第2話)です。

≪作曲家の肖像≫
リスト:名演集 ラ・カンパネッ
ボレット(ホルヘ), リスト
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【Franz Liszt】

さて、有名な指導者ツェルニーからもピアノを学び名声を高めていきましたが、今日はその続きからです。

(第2話)【ヨーロッパ演奏旅行】
 卓越したピアノ技法を得たリストはその後もヨーロッパ各地で演奏会を開きます。1823年、ハンガリーのブタペストでも演奏会を行いますが、この演奏会が大成功したため、3度も追加公演を開催することになります。

 息子の大成功に気を良くして、たぐい稀なる才能を更に育てようとした父親アダムは、更なる高みを目指しウィーンを引き払い、パリ音楽院に向かうのでした。途中の都市でも演奏会を開催し、好評を受けながらパリへと旅を続けるリスト一家でした。

 1823年12月にパリに到着したリスト一家は、オーストリア帝国の時の外相メッテルニヒ侯の推薦状を携えて、意気揚々と目的地のパリ音楽院に入学を申し込むのですが、「フランス人ではないから」という理由で時の学長に入学を拒否されてしまうのでした。

 しかし、反対していたのは学長など一部の人間だけだったらしく、パリ音楽院には入学こそ出来なかったものの、リストの才能を愛する音楽院の教授たちが、リストに作曲などを教えていくのでした。

 パリに着いた翌1824年、13歳のときにパリで初の演奏会を行うとやはり大成功を収め、パリでも人気を集めるのでした。パリで評判になったリストは貴族たちの間でも人気の的になり、次々とサロンへ招待されていく事になります。

 サロンは、今で言うセレブのホームパーティーみたいな貴族の社交場だったんですね。同時代の作曲家としてはショパンもサロンで活躍していました。パリのサロンで人気を得たリストはパリだけに留まらず、3度にわたるイギリスでの演奏や南フランスの各地を演奏旅行で回り、各地で人気を集めていくのでした。

 ヨーロッパ各地を演奏旅行で回るリストでしたが、1827年8月には父アダムが急逝してしまうのでした。父アダムは51歳の若さでした。まだ15歳の少年リストでしたが、パリへ部屋を借りて母とふたり暮らしをする事になりました。

 しかし、若くして既にピアノでは天才の名前を欲しいままにしていたリストは、貴族や大富豪たちの子女にピアノを教える事で生計を立てていくのですが、裕福な家庭を教えるレッスン料は多額だったため、経済的には恵まれた生活を送ることが出来ていたようです。

 この時期にリストは、貴族たちの令嬢にもレッスンをしていましたが、その中でフランスの大臣であるクリック伯爵の娘カロリーヌに恋をしてしまうのでした。同い年の17歳で、美しかったカロリーヌもリストに想いを寄せるようになり、やがて若い二人は相思相愛の割り無き仲になってしまうのでした。




さて、若くして早くも父親を失ってしまったリストですが、パリに来て同い年の恋人をみつけたようですが、ふたりの恋はうまく実を結ぶのでしょうか?つづきはまた明日。


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「ピアノの魔術師」フランツ・リスト(第1話)

2006年10月27日 | 作曲家の生涯
たまには、作曲家の生涯にふれてみてはいかがですか?

有名な作曲家にはその真偽はともかくとして、たくさんの興味深いエピソードがあります。
そんな興味深いエピソードを中心に作曲家の生涯をたどっていきます。

今日は「ピアノの魔術師」フランツ・リスト(第1話)です。

≪作曲家の肖像≫
リスト:超絶技巧練習曲
アラウ(クラウディオ), リスト
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【Franz Liszt】

【ハンガリー】
【1811-1886】
【ロマン派】

「ピアノの魔術師」と呼ばれ、ピアノ奏者としても有名なリストはどんな生涯を送っていたのでしょうか?

(第1話)【天才ピアノ少年】
 1811年10月22日、リストはハンガリーの西部オーストリア国境に程近いライディングという田舎町に生まれました。(10月22日?!って事はついこないだですね。リストお誕生日おめでとう!)彼の父アダムは当時エステルハージ侯爵の土地管理人として勤めていたため、侯爵の土地ライディングに赴任してリストが生まれたという訳でした。

 さて、このエステルハージ侯爵。このブログを前から読んでいる方で「アレ?どっかで聞いた名前だなぁ、」と思ったそこのあなた!鋭いですねえ。そう、このエステルハージ侯爵はあのハイドンが遣えていた名門貴族なんですね。(世間って広いようで狭いんですね。)

 そんな訳で、父アダムも実は音楽家としてハイドンの指揮下でヴィオラを弾いていた事もあったようです。そんな音楽家としての父の元に育ったリストも幼い頃から音楽の才能を発揮するのでした。
「コイツには才能がある!」と見た父アダムはリストにピアノを教え込むと、リストはみるみるうちにピアノの腕を上げていくのでした。

 1819年、8歳のときにリストはバーデンで最初のステージを踏むのでした。演奏会は好評だったため、リストは領内で次々に演奏会を行いました。ピアノ少年リストの噂は瞬く間に広がり、翌1820年には領主ミヒャエル・エステルハージ侯爵の宮殿で演奏することになるのでした。

 この演奏会でエステルハージ侯爵から絶賛を受けたリストは更に、音楽には理解のあるエステルハージ侯爵ほか数名の貴族からピアノの才能を磨けるようにと、奨学金を受けることになるのでした。

 この奨学金を元手にリストは一家でウィーンへ移り住み音楽の勉強を始めました。ウィーンでは、あのベートーヴェンの弟子で、現在ではピアノ教則本の作者としても有名なツェルニーをピアノの師と仰ぐことになるのですが、
 リストの演奏を聴いたツェルニーは彼の才能を高く評価し、自ら無償でリストのためのピアノレッスンを引き受けるのでした。

 プロの指導を受け、益々ピアノの腕を上げたリストは、ウィーンで演奏会を開きますが、1823年の演奏会にはベートーヴェンも聞きに足を運んだと言われています。
 「演奏会では、リストがベートーヴェンのテーマによる幻想曲を弾き終わると、52歳のベートーヴェンがステージに上がり12歳の少年リストを強く抱きしめて額にキスをした。」というエピソードもありますが、どうやらこれは後から作られたお話のようです。
 
 しかしベートーヴェンが少年リストの演奏会に行ったのはホントみたいですね。



さて、ピアノの腕前を買われて少年時代から奨学金まで受けた少年リスト、その後のつづきは、また明日。

♪エステルハージ侯爵に遣えていたハイドンのお話はこちら


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2台のピアノのためのソナタ

2006年10月26日 | モーツァルト
たまには、クラシック音楽を聴いてみてはいかがですか?

今日はモーツァルト:2台のピアノのためのソナタです。

ドラマ「のだめカンタービレ」でも演奏されていたこの曲。せっかく話題になっているので、今日はこの曲を紹介してみます。
モーツァルトは普通のピアノソナタなら、たくさん作っていますが、2台のピアノソナタはこの1曲のみのようです。(ドラマでも言ってましたよね)

でも何でまたわざわざピアノ2台で弾く曲をわざわざ・・・と最初は思ってたんですが、いざ聴いてみると、分かりましたね。豪華でとっても華やかなんですね。
ピアノなので、1台でも10本の指で十分豪華に演奏できる曲もたくさんあるんですが、そこはさすがモーツァルト!更に彩りを加えてより一層華やかにそして、たくさんある音もイヤミに聴こえない絶妙のバランスがおみごとですね。

更にこの曲は貴族の令嬢アウエンルンハンマー嬢と演奏するために作曲されていたので、2台のピアノがいずれもどちらの伴奏に徹するという事はなく2台とも見せ場のある互角の立場で作曲されているようです。


 第1楽章:2台のピアノのユニゾン(同じ音「またはオクターブ違い」)で堂々と演奏
 されるフレーズで始まります。2台のピアノがお互い競い合うように元気いっぱいに
 歌うフレーズはとても明るい表情です。
 明るく歌う2台のピアノはとても幸福感たっぷりにあふれる音で存分に表しているよう
 です。聴いていても思わず思わずニッコリしてしまうゴキゲンな曲ですね。
 更に、2台のピアノはときには可愛らしく、そして時にはしっとりと絡み合う様子は
 とても仲のいいカップルか兄弟のようにも見えてきます。とにかくとても嬉しそうに
 最後まで聴こえてくる曲です。

 第2楽章:のんびりと穏やかな響きがとても綺麗に聴こえてくきます。ゆるやかな
 高音のフレーズが、さらりと流れてくると、真っ青に晴れた秋の空の下で川原に
 寝そべりながら、ゆっくりと流れていく雲をぼんやりと眺めているような、とても
 ゆったりとした気分になれます。都会の雑踏からのがれて、ひとときの開放感に
 浸れるような、のびのびとした中にもきらめくピアノはとても美しい響きです。

 第3楽章:ちょっと小走りなフレーズを繰り返しながら、だんだん勢いをつけて豪華
 な演奏に変わっていきます。途中では若干影を落とすような、寂しいフレーズも出て
 きますが、第1楽章以上に元気な曲調の中にはちょっとお茶目な部分も見えてきて、
 最後まで楽しく聴ける曲ですね。


実は、この曲は「のだめカンタービレ」を友達に借りたマンガで読んだときに初めて知った曲だったので、その頃はまだ全然知らない曲だったんですけど、マンガでもとても印象的に描かれていたので、「どんな曲なんだろう?」と興味が沸いてきて、それをきっかけにCDを買いにいった曲でした。早速聴いてみるととても明るい曲調がとてもマンガの印象と合っていて、これはタダの少女漫画じゃないな!?と思って当時は読むようになっていました。
「のだめ」では第1楽章の演奏しかされていなかったようでしたが、2楽章・3楽章も負けず劣らず素晴らしい曲なのでこの機会に是非聴いてみて欲しい1曲ですね。


≪オススメCD≫
カップリングの「四手のためのピアノ」は1台のピアノを2人で弾く曲みたいです。
モーツァルト:2台と四手のためのピアノ作品集
ラビノビチ(アレクサンドル) アルゲリッチ(マルタ), アルゲリッチ(マルタ), ラビノビチ(アレクサンドル), モーツァルト
ワーナーミュージック・ジャパン

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【コレってどんな曲】
喜:☆☆☆☆☆   →快☆☆☆☆☆
怒:★★★★★
哀:☆☆★★★
楽:☆☆☆☆★

≪おすすめシチュエーション≫
明るく楽しいモーツァルトがたっぷり楽しめる曲です。


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組曲「キージェ中尉」  (プロコフィエフ作曲)

2006年10月25日 | その他の作曲家
たまには、クラシック音楽を聴いてみてはいかがですか?

今日はプロコフィエフ:組曲「キージェ中尉」です。

この作品はもともと映画音楽として同名の映画「キージェ中尉」の音楽から5曲を抜粋して「組曲」にした作品のようです。とてもコミカルで親しみやすい曲調は初心者にもオススメの一曲です。

さて、この「キージェ中尉」のあらすじは、舞台は帝政ロシア時代を描いており、ある日皇帝が気持ちよく昼寝をしていると、大きなクシャミの音で起こされてしまいます。気を悪くした皇帝の逆鱗に触れてしまい、皇帝は誰のしわざかと家来たちを問い詰めます。
しかし、家来たちがあいまいに答えたのを皇帝は「キージェ中尉!?」と聞き違えてしまい、皇帝はキージェ中尉を流刑にしてしまうのでした。

これで一件落着!かと思いきや、皇帝はキージェ中尉に恩赦を与え、呼び戻すように言ってきたり、結婚させろと言ったりしたもんだから、困ったのは家来たち。なんとかごまかすのですが、皇帝はキージェ中尉に勲章を贈ると言い出したのでした。
どうしようもなくなった家来たちはキージェ中尉は死にました。と報告すると、からの棺桶を盛大に祭り上げて豪勢な葬式が行われるのでした。

皇帝も家来たちもどっちもどっちっていう気もしますが、あんまり変なウソをついてしまうと後始末が大変みたいですね。


 キージェの誕生:コルネット(トランペットの親戚)のしんみりとしたファンファーレ
 から始まり、ピッコロが朗らかに鳴り響くと行進曲風の音楽がたのしく始まります。
 やがて、ホルン、トロンボーン、トランペットの金管楽器が次々に賑やかに鳴り響き
 ます。コルネットの最初の響きで最後を締めくくります。

 ロマンス:コントラバスがのっそりのっそりと動き出すと、とても気だるいムードに
 なります。そんな曲調にサックスが更に輪をかけて、しかしなんとなく妖艶に曲を
 作っていきます。フルート、ピッコロもサックスに合わせるように妖しげなニュアンス
 を演出しています。

 キージェの結婚:トロンボーンのファンファーレは盛大な結婚式を想像させます。
 明るく朗らかなコルネットはとてもご機嫌みたいですね。途中のサックスはどこか
 怪しげですが、曲にアクセントを加えています。
 
 トロイカ:風変わりなオーケストラ演奏に続いて、駆け巡るようなリズムに乗って
 鈴やタンバリンなどが、シャンシャンと迫るように鳴り響きます。トロンボーンの
 メロディもリズムに乗って心地よく響いてきます。
 
 キージェの葬式:キージェの誕生のときのコルネットのファンファーレが響きます。
 その後スネヤドラムのリズムにクラリネットが、あやしくもしんみりとしたフレーズ
 を合わせてきます。弦楽器がしめやかにも美しい旋律を奏でますが、途中からはまた
 あのコルネットの陽気なフレーズを響かせます。家来たちも一安心てなもんでしょうか?
 最後に一番初めのコルネットが鳴り響くと曲は終わります。
 
一曲あたりはだいたい4・5分で、全曲聴いても20分程度ですから、組曲としては聴きやすい曲ですね。コミカルで親しみやすいフレーズも多く楽しんで聴ける曲だと思います。ストーリーも面白い内容ですから、本当は誰も知らないキージェ中尉を想像しながら聴くとまた面白い曲に聴こえてくるかもしれませんね。


≪オススメCD≫
ジャケットは「キージェ中尉」ではなく、プロコフィエフです。
プロコフィエフ : 組曲 「キージェ中尉」
デュトワ(シャルル), モントリオール交響楽団, プロコフィエフ
ユニバーサルクラシック

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【コレってどんな曲】
喜:☆☆☆☆★
怒:★★★★★
哀:☆☆☆★★
楽:☆☆☆☆★

≪おすすめシチュエーション≫
楽しく陽気に聴ける組曲ですね。


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ドラマ「のだめカンタービレ」 (第2話)

2006年10月24日 | テレビでクラシック
たまには、テレビでクラシックを見てはいかがですか?

今日はドラマ「のだめカンタービレ」(第2話)です。


 さて、先週から始まったのだめですが、早速いろんなブログでも話題になっていますね。そこで、先週から気になっていた主人公の千秋先輩が師と仰ぐ「ヴィエラ先生」ですが、まあ、多分あれだけは本物の指揮者なんだろうなぁと思っていたんですが、やっぱりそうだったんですね。たくさんのブログを見るとどうやら彼はチェコフィルハーモニー管弦楽団の指揮者(ズデニェク・マーツァル)さんだったんですね。

知らんかった!!それにしてもよく出演してくれましたね。(おそるべし!フジテレビ)そういえば何年か前にチェコフィルが「音が違う!」とか言ってオキシライト乾電池のCMに出てた気がしますが、チェコの人は親日家が多いんでしょうか?

さて、今回のドラマは龍太郎(瑛太さん)と真澄ちゃん(小出恵介さん)が大活躍でしたね。

特に峰くんのヴァイオリン!ロック風?にしたエレキヴァイオリンを気持ちよく弾きまくるシーンも面白かったですが、あの演奏も凄かったですね。キュイ~ンとかなんとかアレンジして我が物顔で演奏してましたが、あれはあれで凄いですね。加えてのだめと合わせてるところなんかも絶妙の間合いが最高でした。

ただ、千秋もドラマで言ってましたけど、あれがベートーヴェンじゃないですからね。

それと、もうひとつ今日の注目は真澄ちゃんでしたね。オカマちゃんの真澄ちゃんが一目ぼれした、千秋にいいところを見せようとして、ベートーヴェンの第九のティンバニを振り付きで思いっきりハデに叩いてましたが、こちらも凄いですね曲とちゃんと合ってるところが、また笑えるんですよね。

ちなみにこの学生オーケストラの指揮を振っていたのはひょっとしてフジテレビの軽部アナ?!似てたような気がしたんですけど、どうなんだろう?と思って最後のエンドロールを見ていると・・・やっぱりそうでしたね。(芸が細かい)

さて来週は!いよいよ千秋先輩が指揮をするようですが、どうなるんでしょう?また、演奏面でもいろいろ面白いことやってますから、そちらも楽しみですね。各種特撮もみどころのようですから、益々楽しみですね。

原作とも大筋では同じストーリーですが、若干違った作りになっているようですから、まだまだ何がおこるのか楽しみです。


≪原作マンガ≫
のだめカンタービレ第2巻
のだめカンタービレ (2)

講談社

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≪ヴィエラ先生ことマーツァルさんのCD≫
この人でしたよね!
チャイコフスキー:交響曲第1番「冬の日の幻想」
マーツァル(ズデニェク), チェコ・フィルハーモニー管弦楽団, チャイコフスキー
インディペンデントレーベル

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ちなみにこのCDは左下にロゴがありますが「SACD(スーパーオーディオCD)」なので、専用のデッキがないと再生できないようです。



≪今週のドラマに出てきた曲≫
♪ベートーヴェンのヴァイオリンソナタ第5番「春」の記事はこちら
♪ベートーヴェンの交響曲第9番「合唱付」の記事はこちら

♪ドラマ「のだめカンタービレ」第1話の記事はこちら


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「キャンディード」序曲  (バーンスタイン作曲)

2006年10月23日 | 序曲と前奏曲
たまには、クラシック音楽を聴いてみてはいかがですか?

今日はバーンスタイン:「キャンディード」序曲です。

この曲も「ウエスト・サイド物語」と同じで、クラシックというよりミュージカル色の強い曲のようですが、ミュージカル(オペラ?)も見た事ありません。
もともとはフランスの哲学者ヴォルテールの「カンディード」という作品が原作のようです。

ストーリーは、城下に住む主人公キャンディードは、家庭教師の教え「世界はありうる限り最善の姿をしている」という言葉(楽天主義!?)を実践すべく、男爵の令嬢クネゴンデと結婚の約束をするのでした。
しかし、周りから結婚を許されず、キャンディードは城を追放されてしまいます。その後、キャンディードは踏んだりけったりの大波乱の人生を送りながら世界中を旅します。そして、亡くなったと思い込んでいたのクネゴンデと再開して、最後にもう一度プロポーズをする。というお話のようです。

かなり、おおざっぱに紹介しましたが、そんな感じです。一方、曲は「序曲」ですから、5分弱程度と、聴きやすく、曲調も楽しくとても勢いのある曲ですから、いつでも元気になれる曲ですね。


 「ドドーン」とティンパニが響くとトランペットが高らかにファンファーレを鳴り
 響かせます。勢いよく始まるフレーズはスカッと心地よいですね。中盤ではクラリ
 ネットと フルートが可愛らしくつなぐと、弦楽器がなめらかに流麗なフレーズを
 聴かせてくれます。
 スネヤドラムのリズムに乗ってトランペット・トロンボーンなどの金管楽器が
 とても賑やかに鳴らしたてて、その他の楽器を巻き込んでとても楽しく大騒ぎを
 しているように聴こえます。最後に少しだけ聴かせるるワルツ風のフレーズも
 小粋な感じでサラッとサービスしてくれますから、楽しいですね。そして大宴会
 さながらの盛り上がりを展開しながら、イケイケ!!のうちに楽しく曲を終わります。
 

短い曲ですが、楽しく聴けますから初心者にも、もってこいの作品ですね。この曲もやはり、序曲だけが演奏される機会が多く吹奏楽用にも編曲されていますから、そんなこの曲を実際に演奏した方も意外と多いのかもしれませんね。短い時間でめくるめく演奏が続きますから、聴いていてもあっという間に終わってしまう、楽しい曲です。


≪オススメCD≫
有名序曲が目白押しのこの1枚でお楽しみください。
名序曲集
オムニバス(クラシック), メトロポリタン歌劇場管弦楽団, バーンスタイン(レナード), ビゼー, ヨーロッパ室内管弦楽団, アバド(クラウディオ), ロッシーニ, ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団, ベートーヴェン, バイエルン国立管弦楽団
ユニバーサルクラシック

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【コレってどんな曲】
喜:☆☆☆☆☆
怒:☆★★★★
哀:★★★★★
楽:☆☆☆☆☆

≪おすすめシチュエーション≫
どんなときでもこの曲を聴けば一発で元気の出る一曲です。


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