初心者のクラシック

有名な曲からおすすめの曲まで、できるだけ初心者にも分かり易く紹介します。

交響的バラード「地方長官」

2009年04月11日 | チャイコフスキー
たまには、クラシック音楽を聴いてみてはいかがですか?

今日はチャイコフスキー:交響的バラード「地方長官」です。

さて、このブログでは久々のチャイコフスキー(約1年ぶり)ですが、

CDの解説によると、「チャイコフスキー晩年の作品で、ポーランドの詩人アダム・ミッキエヴィッツの詩『地方長官』を題材として作曲された曲のようです。

ちょっとしたストーリーもあるようで、「ポーランドの地方長官が戦場から帰還し、若い妻がかつての恋人に求愛をしているのを目迎すると、憤った彼は召使にふたりを射殺するように命じるが、召使は主人に銃を向ける・・・。」
という話のようです。

なんともサスペンスのような展開ですが、曲もそれにぴったりで殺伐とした雰囲気と息詰まる緊迫感が楽しめます。
また、ストーリーもちゃんとありますから、「交響詩」的な聴き方もできる曲なのかもしれません。



 ティンパニ(大太鼓)のドラムロールが小さく響き始めると、その音は
 だんだんと近づいてくるように大きくなり、低音の弦楽器もウズウズと鳴り始めます。
 そして、徐々に盛り上がって、トランペットの劇的なフレーズが響きます。
 再び、弦楽器がウズウズと静かに広がり、また徐々に盛り上げていきます。
 緊迫感のあるリズムに、うねりながら続く曲は打ち寄せる波のように迫り、
 スネアドラムが響くと頂点に達しますが、トロンボーンがピシャリ!と締めると、
 息をひそめるように、静かになっていきます。
 バスクラリネットが、怪しく響き、フルートが息を殺すように吹きすさぶと、
 ハープと、グロッケン(鉄琴)がキラリと輝き、別世界へと誘われるかのようです。
 しばらくすると、しなやかなチェロが響き、幻想的な雰囲気に変わります。
 メロディがオーボエに移ると、しっとりと、まどろみの世界が現れ、
 再びチェロのしなやかなフレーズがそれに続きます。
 そして、フルート、ハープが哀愁のメロディを奏でると、弦楽器も美しい調べを
 合わせていきます。
 弦楽器の悲しい響きは、やがて盛り上がり、トランペットなどの金管楽器が大きく
 入ると、少し落ち着きを取り戻していきます。
 バスクラリネットが小さく鳴り、フルートが響くと、また焦燥感が募り、
 バン!!と急にトランペットが大きく響くと、
 トロンボーン等の重低音がずっしりと響き、まるでその余韻のようなディンパニの
 ドラムロールが続くと、そのまま余韻を残して力尽きていくように終わります。


う~ん。なんとも後味の悪い終わり方。最初にこの曲を聴いたのが、カップリングの「交響曲第5番」の後に入っていたので、とても気分を害されたような気がしました。(解説も読んでなかったし。)
だって、第5番が晴れやかに終わって、すがすがしい気分になっているときに、続いてこんな暗い曲を聴いたら・・・、しかも、初めて聴いた曲だし、そして、こんな終わり方。
CDのラインナップを選んだ人の神経を疑うような感じでした。(せめて「1812年」とか、「スラヴ行進曲」あたりにして欲しかった。)

まぁ、対照的な曲として、「こんな一面もありますよ」的な組み合わせなんでしょうが・・・、ねぇ。

それは、ともかくとして、迫力もさる事ながら、迫真に迫るこの劇的な展開が楽しめるのも、クラシックの魅力のひとつと言えるかもしれません。
上に書いたみたいに、自分の過去の経験もありますから、「初心者」にも自信をもってオススメという訳にはいきませんが、だいぶ慣れてきた方には、「そういう曲」という前提を踏まえて聴くと、ガッツリとインパクトのある一曲です。

この間の「怒りのクラシック」の、ひとつとしても聴けるかも?!

≪オススメCD≫
別のカップリングもあると思いますが聴いたのはコレです。
チャイコフスキー:交響曲第5番/地方長官
シカゴ交響楽団
ソニーレコード

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【コレってどんな曲】
喜:★★★★★
怒:☆☆☆☆☆
哀:☆☆☆★★
楽:★★★★★


≪おすすめシチュエーション≫
劇的なクライマックス?!


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交響曲第1番「冬の日の幻想」

2008年03月07日 | チャイコフスキー
たまには、クラシック音楽を聴いてみてはいかがですか?

今日はチャイコフスキー:交響曲第1番「冬の日の幻想」です。

この曲のタイトル「冬の日の幻想」というのは、クラシックでは珍しくチャイコフスキー本人が名付けた名前のようです。(後付けの場合が多い)

チャイコフスキーは完成したこの曲をニコライ・ルビンシュタインに見せると、批判を受け何度か改訂したようですが、初演はそのニコライ・ルビンシュタインの指揮によって行われますが、まずまずの成功を収めていたようです。

曲調は、前半はフルートや木管楽器を中心にタイトルどおり“冬の日の”を連想させるような寒風吹きすさぶ、激しいフレーズが続きますが、2・3・4楽章と進むに連れて、徐々に暖かく、明く派手に盛り上がっていきますから、その変化が聴きどころだと思います。


 第1楽章:つむじ風のように舞うフルートから始まります。低音の弦楽器が刻む
 リズムにのせて、木管楽器が木の葉のように舞い散ります。
 弦楽器は徐々に強くなる風のように吹きすさび、バスドラムやトランペットが
 打ち鳴らされると、吹雪のように迫ります。
 クラリネットがゆるやかに入ると、内に入りドアを閉めたようになめらかで
 ゆったりとした曲調になり弦楽器も優しく響きます。
 しかし、窓の外は強い吹雪が荒れるように、トランペットや弦楽器が激しく
 吹きすさんでいるように聴こえます。
 そんな外の様子を内からおびえるように、オーボエ、弦楽器などががヒソヒソと
 小声で話すように伺っているようです。
 弦楽器は高音が次第に盛り上がると、低音がグラグラと家を揺らすような力強い
 フレーズで迫ります。
 ひっそりとした弦楽器は、静かにその揺れが納まるのを待っているようです。
 フルートが再びふわふわと鳴りだすと、強風は去ったようにも思えますが、
 しばらくするとまた低音の弦楽器が鳴り始め、勢いを取り戻しますが、
 何度か、強弱を繰り返しながら次第に納まっていき、低音の弦楽器も静かに
 止んでいきます。
 
 第2楽章:低音の※ピチカートがひとつ響くと、チェロがしんみりと響き渡り、
 嵐が去った夜のひっそりとした雰囲気が、やすらかに伝わってきます。
 オーボエがやわらかく響き、フルートのフレーズとファゴットのリズムが
 聴こえてくると、暖炉のそばでおばあちゃんが椅子に腰かけて
 編み物をしながら、昔話を語っているように聴こえてきます。
 弦楽器がしなやかなフレーズを奏でると、話を聴いていた子供がスヤスヤと
 眠りについたようなおだやかな曲調になります。
 更にチェロのフレーズが温かく響くと、その場に眠り込んだ子供を起こさない
 ように毛布を掛けて、そのままおだやかな表情を眺めているような温かい
 気持ちになります。弦楽器がだんだん静かになっていくと、
 夜も更けて家の明かりを消し、風の納まった外もすっかりと平和を取り戻した
 ように家の煙突から煙だけがふわふわと立っているように聴こえます。
 そして、いざベッドに入って眠りに就こうとすると、ホルンの音が響きます。
 響きがだんだん大きくなると、今日の嵐を思い出したかのように不安がよぎります
 しかし、フルートが流れ落ち着くと、その事もようやく忘れて、いつの間にか
 眠るようにして終わります。

 第3楽章:フルートから弦楽器へと少し変わったフレーズが小気味よく響きます。
 一夜明けて、まだ少し肌寒い空模様の中、昨日の嵐がまき散らしたゴミをテキパキと
 片付けているような、弦楽器はほうきで掃き掃除をして、木管楽器やピチカートは
 テクテクとあちこちに散らかったものを集めるような、そんな響きに聴こえます。
 すると、いつの間にか日が昇り午後には温かい日差しが降り注ぐように
 ゆらゆらと揺れる弦楽器がじんわりと響きます。
 フルートも昨日とは違って、さわやかに心地よい風に変わっているようです。
 ホルンがゆったりと響くと、まるで吹雪が嘘だったように温かく響きます。
 心地よい余韻に浸っていると、ふと思い出したように最初のフレーズが…、
 まだ掃除の途中だった事に気付いて、テキパキと片付け仕事に戻ります。
 最後にティンパニ(大太鼓)がドロロン!と鳴ると、遠くで雷が響いたように
 聴こえて少し気になりますが、最後はきっちりと片付けて終わり!
 
 第4楽章:ファゴットが静かに流れると、弦楽器もひっそりとしたフレーズに
 低音のピチカートがリズムをつけていきます。ティンパニのドラムロールが
 更に静かに鳴ると、
 低音の弦楽器はゆっくりと首を持ち上げるように盛り上がり、徐々に高音域に
 達します。トロンボーンが響き、シンバルが大きく鳴り響くと、曲調は一気に
 華やかになりトランペットは派手になります。
 山奥で冬眠していた動物たちが目覚めて、雪解けを喜びあうかのように
 あちこちを飛び回っているようです。
 さわやかな木管楽器の音色に続き、弦楽器が少し厳しい表情も見せますが、
 後半は勇ましい弦楽器に高鳴るトランペットなどが続きシンバルが響くと
 もう、おおはしゃぎの展開になっていきます。最後に一時、静かになりますが
 ラストはフルオーケストラが一気に盛り上がり、トランペットが高らかに
 鳴り響くと、華やかに春を迎えて終わっていくようです。


う~ん、やっぱり長くなってしまった…。実際の演奏時間は約42・3分なんですが、いろんな事を伝えようとすると長文になってしまって申し訳ないです。(長けりゃいいってもんでもないし)
と、いう訳で冬から春のイメージで書いてみました。前から冬の内に早くこの曲を紹介したかったんですが、早くも3月になってしまいギリギリでしたが、まだ寒いのでいいかな?なんて思ったりしながら書いてみました。

≪オススメCD≫
交響曲第1~3番まで入ってます
チャイコフスキー:交響曲第1番,第2番,第3番

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「冬から春」のイメージなら今時期がちょうどいいかも?


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組曲第3番

2007年08月30日 | チャイコフスキー
たまには、クラシック音楽を聴いてみてはいかがですか?

今日はチャイコフスキー:組曲第3番です。

チャイコフスキーは番号のついた組曲を全部で4番まで作曲していますが、どの曲も作曲家の明るく楽しそうな曲調が親しみを持って聴ける曲ばかりだと思います。

そして、今回の第3番も様々な曲を盛り込んで、それぞれの曲を盛りだくさんで聴かせてくれます。組曲なので、いろんな曲調を楽しめますが、
最初の全4曲の時間配分は若干アンバランスで、最初の“エレジー”が10分で間のワルツとスケルツォはそれぞれ5分、最後の“主題と変奏”は20分とやや長めです。

最後は“変奏”なので句読点ごとに一変奏と見ていただければと思います。

 エレジー:ゆったりとした弦楽器が、優しいフレーズをしっとりと奏でます。
 ハープがポロン♪と鳴りフルートが響くと、少しだけ悲しげな表情になり、
 ホルンが虚しく響きますが、またすぐにやわらかな弦楽器のメロディに戻ります。
 ゆっくりと流れる弦楽器のフレーズはとても穏やかに響き、安心感を感じます。
 やがて、低音弦楽器がピチカート※のリズムをゆっくりつけると曲に深みが
 増して行きます。
 そこへ、木管楽器が加わり、チェロのフレーズがじんわりと響くと曲は
 徐々に盛上がっていきます。
 落ち着いたフレーズが一段落すると、フルート、オーボエの響きにチェロや
 ヴァイオリンが少しずつ強い風のようにあたりはじめ、弦楽器は大きなうねり
 のように盛上がります。
 ホルンにトランペットが加わると嵐のように舞い上がっていきますが、
 フルートの音色が聴こえると、それも治まり、イングリッシュホルンが穏やかに
 ソロを寂しげに聴かせると、またゆるやかな弦楽器を聴かせながら
 静かに終わっていきます。

 優鬱なワルツ:低音のクラリネットが鳴ると、チェロがどんよりと入り、
 フルートも低い音のソロを始めると、どこか悲しげな曲に聴こえてきます。
 しかし、フルートが跳ね上がるように一度終わると、そのメロディは
 風が踊るように軽やかな足取りになり、弦楽器を加えながら流麗な響きを
 聴かせていきます。
 ところが、曲調は変わらず、どこか影のある響きが続いていきます。
 どんよりとした弦楽器の曲調はフルートと共に次第に盛り上がり、
 木管楽器やホルンが加わると怪しくその色合いを濃くしていきますが、
 徐々にそのトーンを落としながら最後は静かに終わります。

 スケルツォ:フルートやオーボエが、足早に駆け抜けていくように
 トトトーン♪と素早いフレーズを聴かせて始ります。
 素早い足音は次第に盛上がっていきます。
 少し静かになると、スネヤドラム(小太鼓)が静かにリズムを取り始めると、
 トランペットが小刻みに入り、木管楽器と交互に言い合うように
 リズムを交わしていきます。
 フルートとオーボエのリズムをベースに軽やかな足取りは最後まで続き
 ラストはトロンボーンがバン!!と一発を響かせて終わります。
 
 主題と変奏:マイペースなチェロが、一歩ずつ踏みしめるようにゆっくりと
 曲を勧めていきます。
 ピチカートのリズムでフルートソロが始ると、さわやかな空気が流れ
 おだやかな曲を聴かせて行きます。
 ソロが終わると、
 急に足早な弦楽器が走り出していくように、どんどん曲を先へ進めていきます。
 弦楽器が終わると、今度は2本のフルートが、ゆっくりと絡みながら穏やかに
 アンサンブルを聴かせます。
 次は弦楽器がのっそり、のっそりと表れますが、金管楽器が入ると、驚いたように
 散らばっていきます。
 今度は張りのある弦楽器が折り重なるように、次から次へとフレーズをかぶせます。
 木管楽器に、歯切れの良いバスドラムのリズムを加えてテキパキと動いていきます。
 フルートとオーボエが緩やかなハーモニーをゆったりと聴かせます。
 イングリッシュホルンは、そのしんみりとした音色で切ないメロディを歌います。
 トライアングルのリズムに、勢いのある弦楽器が迫り、金管楽器が賑やかに
 盛り上がると、
 低音からヴァイオリンのソロが劇的に表れ、その後はピチカートのリズムで
 ワルツのメロディを伸びやかに奏でます。
 更に木管楽器を間に挟みながらソロを続けていきます。
 おおらかな弦楽器が表れると、ようやく落ち着いた雰囲気になり、流麗なフレーズを
 聴かせてくれます。
 ホルンのファンファーレが鳴ると、徐々に盛り上がりファンファーレにはトランペット
 トロンボーンも加わり、タンバリンが加わると賑やかに、明るくなっていきます。
 弦楽器がしなやかになり、一旦、流麗なフレーズを聴かせます。
 再びファンファーレが聴こえてくると、金管楽器は喜び勇んで舞い上がるように
 響かせ、タンバリンも派手に打ち鳴らし、お祭り騒ぎのように盛上がると
 曲は終わります。


最後はやっぱり長ったらしくなってしまいましたがゴメンナサイ。でも4楽章もいろいろな曲調が楽しめますから、これだけでもひとつの組曲みたいな感じになってると思います。
全曲で約40分と結構長い曲なんですが、変奏に入ると、いろんな曲が聴けますから、聴いていると時間の経つのが早く感じてしまう曲かもしれません。

≪オススメCD≫
2枚組で、組曲4つ入ってます。
チャイコフスキー:組曲全集
ドラティ(アンタル),ニュー・フィルハーモニア管弦楽団,チャイコフスキー
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【コレってどんな曲】
喜:☆☆★★★
怒:☆☆★★★
哀:☆☆★★★
楽:☆☆☆☆★

≪おすすめシチュエーション≫
時間があるときにいろいろ聴いてみたい曲です。

※ピチカート


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組曲 第2番

2007年08月03日 | チャイコフスキー
たまには、クラシック音楽を聴いてみてはいかがですか?

今日はチャイコフスキー:組曲第2番です。

この曲は、とてもいろんな要素が含まれていますから、聴いていても飽きないですし、次から次へと、めまぐるしくいろんな展開を聴かせてくれますから、聴いていても様々な面白さが楽しめる曲だと思います。

全5曲には、それぞれのタイトルがついていますから、それらか想像していろんなイメージで聴ける曲だと思います。

 音遊び:自然に入る弦楽器の優しい音色から始ります。ゆっくりとなだらかな
 弦楽器のフレーズが穏やかに響いていきます。
 しばらくして低音が響くと静かに消えていきます。
 雰囲気が変わり、緊張感のある弦楽器の音色が今度はざわめくようにフルート、
 オーボエなどの木管楽器を巻き込んで渦巻いてゆきます。
 シンバルがシャーンと鳴り響くと金管楽器たちも盛り上がり、ヴォリュームも
 大きくなっていきます。
 一旦、盛り上がりが収まると、弦楽器が機械的なフレーズを作り出し、その後を
 追うようにフレーズが重なり、曲に厚みが増していきます。
 トロンボーンがバリバリと加わってくると迫力も満点ですが、
 盛り上がりが頂点に達すると、急に静かになり弦楽器がひっそりと鳴る響きに
 合わせてホルンがエコーのように響き、静かに終わっていきます。

 ワルツ:流麗な弦楽器がすべり下りるようにフルートを従えてスルスルと
 軽やかなワルツのメロディを聴かせます。途中に入るホルンを絡めて
 はじけるようなフレーズもアクセントが効いて曲に弾みを付けてくれます。
 続くオーボエの軽やかなフレーズに、フルートが加わると新鮮に聴かせます。
 その間をスルリと抜けるような弦楽器が最後まで軽快なワルツを楽しませて
 くれます。

 ユーモラスなスケルツォ:弦楽器のリズムから管楽器のユーモラスなフレーズが
 行ったり来たりを繰り返します。
 ぎこちなくも愉快なフレーズは徐々に盛り上がり、トランペット、トロンボーンが
 豪快に鳴り響くと、スカッと気分も爽快です。
 その後も派手なリズムのまま最後はドシン!と、しりもちを着くようにして終わります。
 
 子供の夢:不安気なクラリネットが寂しく響きながら始ります。
 弦楽器が表れると少し明るい表情になり、オーボエの音色が聴こえる頃にはまた少し
 笑顔がこぼれているようです。
 チェロを中心にフルート、オーボエにメロディをつなぎながら、だんだんと曲を
 盛上げていきます。
 しかし、再びチェロのメロディに戻るとまた少し悲しい表情になり、フルートは
 吹きすさぶ風のように冷たく響きます。
 そしてフルート、ピッコロが絡み合うと暖かいオーボエの響きが表れますが、
 ホルンの虚しい響きと共に曲調は沈み込んでしまいます。
 その後はあいまいなまどろみに消えていくように静かに終わっていきます。
 
 野性的な踊り:民謡風の弦楽器のメロディがせわしなく表れると、慌しく曲は
 始まり、タンバリンのリズムに弦楽器がザクザク刻むと、トロンボーン、ホルン
 などの金管楽器が間髪要れずに響きをつなぎ、慌しい弦楽器がどんどん曲を
 勧めていきます。
 その後もトロンボーンがバリバリ鳴らしながら、シンバル、タンバリンが派手に
 打ち鳴らし、無我夢中のうちにクライマックスを迎えると、最後はトロンボーンが
 終わりの合図を鳴らすようにして終わります。


弦楽器、管楽器とにかくいろんな楽器の特徴を活かしながら、それぞれの楽器が持ち味を発揮した面白い曲なんだと思います。
基本的には明るい曲調が続きますし、全曲は多少長めの演奏時間ですが、1曲ずつ、つまみ食いみたいな聴き方をしても、逆にそれぞれの曲の面白さが聴こえてくる曲なのかもしれません。


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チャイコフスキーの「組曲」全曲版です。
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怒:☆☆★★★
哀:☆☆★★★
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いつでも楽しく聴いてみてください。


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幻想序曲「ハムレット」

2007年06月28日 | チャイコフスキー
たまには、クラシック音楽を聴いてみてはいかがですか?

今日はチャイコフスキー:幻想序曲「ハムレット」です。

タイトルの“ハムレット”は、もちろんシェイクスピアの文学作品「ハムレット」に由来するものです。シェイクスピアの文学に深い興味を示したチャイコフスキーはこの作品をモチーフに音楽を書いたようです。

更にこの頃グリーグと出会い、その音楽に関心を持ったチャイコフスキーは、この曲をグリーグに献呈していたようです。

曲調としては、やはりその題材からも悲劇的な要素が強く、暗い雰囲気もかなりありますが、力強い響きと、その中に見せる芯の強さなんかも聴き所かもしれません。

演奏時間は20分弱と、このての曲としては若干長めですが、その分深く曲に浸る事ができるんだと思います。

 
 ティンパニのドラムロールが次第に大きくなると、トランペット他金管楽器がひとつ
 大きな衝撃的なアクセントを付けます。
 チェロ、コントラバスの低音が薄暗い雰囲気を感じさせるフレーズが続き、
 不安の漂う音楽がしばらく続きます。時折り聴こえてくるヴァイオリンの高い
 フレーズは苦しみにあえぐ悲鳴のようです。
 弦楽器は次第に激しく鳴り響き、加速しながらトランペット、トロンボーンが
 「パン!パン!」と強く響くと、急に静かになります。
 しかし、静けさの中から徐々に深呼吸を繰り返しながら勢いをつけて、トロンボーン
 トランペットが大きなファンファーレを鳴らすと、ティンパニのドラムロールに
 乗って悲劇的なフレーズが突き刺さるように響きます。
 すると、テンポが速くなり何かに追われているような切迫感のあるフレーズに
 なり、鋭いシンバルを入れながら激しく響き出します。
 その後はオーボエのソロが始ると、曲調は静かになり美しく切ないオーボエが
 艶やかに響き出します。
 オーボエのフレーズに導かれ、弦楽器が表れると悲しい表情と明るい表情が
 交錯するような音楽になります。しかし、悲しみの表情が強く響きはじめると
 一気に悲しみの色が濃くなっていきます。
 大きな響きが収まると、またオーボエが表れますがやはり切なく悲しげなメロディを
 朗々と歌い上げていきます。
 そして、やはり悲劇の色合いを濃くしながらクライマックスへ向かっていきます。
 トロンボーン、トランペットがひたひたと迫るようにリズムを重ねていくと
 悲劇のトランペットが強く轟き、シンバルやトロンボーンも激しく鳴り響きます。
 大きくうねる荒波のようなフレーズが終わると、
 まるで、その余韻をひきずるかのようなチェロなどの低音の弦楽器が静かに
 悲しく流れ出し、ティンパニがトントン、と乾いた響きを残して終わっていきます。
 
 
激しい悲しみと、辛い苦しみにあえぐような「悲劇」を絵に描いたような・・・、もとい音にしたような作品です。強い怒りをぶちまけたような激しさと、その中に潜む憐れみと悲しみの表情を垣間見たような曲なので、あんまり初心者向けとは言えない曲かもしれませんが、力強く劇的な曲が好きな人にはオススメかも?
逆に、激しく情熱的なフレーズはクラシック音楽の得意分野なのかもしれません。

 
≪オススメCD≫
このCDに入ってます。
チャイコフスキー:マンフレッド交響曲
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団, マゼール(ロリン)
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【コレってどんな曲】
喜:★★★★★
怒:☆☆☆☆☆
哀:☆☆☆☆★
楽:☆★★★★

≪おすすめシチュエーション≫
辛く悲しい物語を音で味わえます。


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組曲 第1番

2007年06月21日 | チャイコフスキー
たまには、クラシック音楽を聴いてみてはいかがですか?

今日はチャイコフスキー:組曲第1番です。

「組曲」は普通、ひとつのテーマに基づいて、それに伴ったいくつかのサブタイトルをつけた曲を集めて、作曲される事が多いんですが、この曲の場合は曲全体にも特にタイトルはついておらず、各曲には一応タイトルはついているものの、とても形式的なものになっています。

せっかくの組曲なので、もっと気の利いたタイトルでもついてればもう少し有名になった気もするんですが、どうでしょう?ちなみにチャイコフスキーはオーケストラのための「組曲」を全部で4つ作曲していますが、その中でタイトルがついているのは第4番の「モーツァルティアーナ」だけです。

今回の組曲第1番はクラシックでもそれほど有名とは言えない曲ですが、チャイコフスキーの魅力はところどころで発揮されていると思います。
確かに他の曲と比べると、若干地味なイメージではありますが、それでも特に気を張らずに聴ける曲ばかりだと思いますから、たまにはこんな曲を聴いてみてもいいんじゃないでしょうか?


 1.序奏とフーガ:ファゴットのか細い音色がこころもとなく、寂しく響きます。
 弦楽器もそれをあおるように、ソワソワするような音を合わせてきます。
 フレーズは弦楽器に渡り、ますが寂しげな雰囲気は、そのままです。
 静まり返った曲調に弦楽器が浮き上がるようなメロディが続きます。
 やがて、ホルン、トランペットが加わり、ティンパニのドラムロールで
 盛り上がりを見せます。
 再び静かになると、弦楽器がフレーズを重ねていくフーガに入ります。
 高音から低音までの弦楽器が重なり合うように織り成すフレーズが幻想的です。
 途中にトランペットやホルンなどの金管楽器のフレーズが入ると曲が引き締まります。
 最後はホルンがひとつファンファーレのような響きを残して静かに終わっていきます。

 2.ディベルティメント:のんびりとしたクラリネットのソロがやわらかに響きます。
 弦楽器のピチカートのリズムに乗ってのびやかに響くクラリネットは、とても
 心地よく響きます。
 すると弦楽器が急に素早いフレーズで迫ります。しかし、その後のフルートが
 ファゴットのコミカルなリズムに乗ってさわやかに響くと、スッキリとした
 気分になれます。
 次に現れるオーボエ、ホルンの音色も艶やかに聴かせてくれます。
 その後も木管楽器を中心にのびやかなメロディを次々に聴かせます。

 3.間奏曲:中低音のフレーズが少し影を落としたような寂しげなメロディが
 もの悲しく響きます。
 オーボエ、クラリネットのフレーズが現れると、曲調が変わり、チェロの
 のびやかなフレーズが明るく拡がっていきます。
 弦楽器が勢いをつけてだんだん盛上がっていきますが・・・、
 曲は一度、最初の中低音のフレーズに戻ります。それから、また少し明るく
 なりますが、最後はやはりもの悲しく終わっていきます。
  
 4.小行進曲:ガラッと曲調が変わり、フルート、ピッコロの可愛らしいメロディが
 始ります。オーボエに、トライアングルがチリリーン♪と響くと、小人達の小さな
 お祭りのようです。
 弦楽器もピチカートのリズムから、甲高く響くメロディまで、愉快な木管楽器の響き
 に混じって楽しく聴かせてくれます。
  
 5.スケルツォ:弦楽器がグイッと引っ張るようなフレーズから始ります。
 木管楽器もそのフレーズに続き、少し奇妙なやり取りを続けていきます。
 やがて、ピッコロ、トランペットがアクセントをつけて盛上げていきます。
 しかし、オーボエのフレーズが入ると、弦楽器も少し不安を感じるフレーズなります。
 再びオーボエのフレーズが入り、弦楽器は次第に勢いがなくなり静かになって
 しまいます。
 ところが、やはりグイッと引っ張るフレーズが現れると、再び勢いを取り戻して
 木管楽器と供に、軽妙な曲を聴かせていきます。
  
 6.ガヴォット:ゆっくりとしたピチカートのリズムにファゴット、クラリネット、
 フルートがキレイにフレーズを重ねていきます。
 木管楽器のフレーズの受け渡しが心地よく響きます。あっさりとした曲調を
 しばらく淡々と進めていきますが、あっけらかんとした感じがなんとも面白い
 響きにも聴こえます。
 しばらくはのほほんとした雰囲気が味わえます。
 そしてラストは弦楽器がトランペットと共に大きく盛上がって最後を飾ります。


演奏時間は約40分と若干長めですが、様々な曲がありますから、いろいろ楽しめると思います。ただ、交響曲なんかとは違って大きく動いて引きつけるようなインパクトには欠けるところがありますから、その意味では少し物足りなく感じる曲かもしれません。
(個人的には「小行進曲」が結構好きです。)


≪オススメCD≫
チャイコフスキーの組曲が2枚組で全部入ってます。
チャイコフスキー:組曲全集
ドラティ(アンタル), ニュー・フィルハーモニア管弦楽団, チャイコフスキー
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【コレってどんな曲】
喜:☆☆☆★★
怒:☆★★★★
哀:☆☆★★★
楽:☆☆☆★★

≪おすすめシチュエーション≫
少し長めですが、いろいろ聴ける曲です。


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弦楽六重奏曲「フィレンツェの思い出」

2007年05月09日 | チャイコフスキー
たまには、クラシック音楽を聴いてみてはいかがですか?

今日はチャイコフスキー:弦楽六重奏曲「フィレンツェの思い出」です。

この曲は、ちょっと変わった編成で通常の弦楽四重奏のヴァイオリン2台、ヴィオラ1台、チェロ1台の4つの楽器に加えて、ヴィオラ、チェロがそれぞれ1台ずつ増やされての六重奏曲になります。

ただ、実際に演奏される場合はこの編成よりも更に弦楽器を増やして弦楽器のための作品として演奏される機会も多いようです。

タイトルにある“フィレンツェ”は言うまでもなくイタリアの都市ですが、チャイコフスキーもイタリア旅行をしているようですから、そのときの事を思い出して書いていたのかもしれませんね。
しかし、曲自体はイタリアというより、いつものしなやかなチャイコフスキーサウンドですから、あまり強く意識しなくてもいいのかもしれません。
弦楽器のしなやかで美しい旋律を楽しめますから、ちょっと変りダネでこういのもいいんじゃないでしょうか。


 第1楽章:やや急な感じがする弦楽器の序奏(イントロ)から始まり、序盤は
 少し悲しい雰囲気が続きます。
 しかし、ヴァイオリンの音色がスゥ~っとしなやかに入ってくると、いつもの
 チャイコフスキーのようにさわやかな響きを聴かせてくれます。
 そして、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロと高音から順に受け渡される音が
 とても新鮮に聴こえる美しいフレーズで楽しませてくれます。
 後半では、イントロのフレーズに力が入り劇的な展開を一部見せますが、
 その後に聴かせるフレーズがやはり、しなやかに決まり、その対照的な聴かせ方が
 また曲に引きつけられてしまいます。

 第2楽章:暖かく、じわっと聴かせる緩やかなハーモニーで始ります。
 やがて※ピチカートのリズムに乗せてヴァイオリンの清らかなメロディが
 始ると、とても神秘的で美しい調べを聴かせてくれます。
 途中でやわらかく入るチェロがとても絶妙な感覚を味わせてくれます。
 そして、一度静かになると少しざわついたように、弦楽器がどよめいていきます。
 しかし、しっとりとしたチェロのソロが始るとまた落ち着いてロマンチックな
 フレーズを聴かせます。
 
 第3楽章:少し引きずるような低音から始ります。静かに始るフレーズが
 徐々に盛上がると、何度も揺さぶるような力強いフレーズが続きます。
 そして、ガサガサと空寒いリズムに乗せていきます。
 急にテンポアップしてせわしないような、そして勢いのあるフレーズが
 飛び出してきます。
 慌てて駆け出しているようにも聴こえます。
 そして激しく音を重ねていきますが、だんだんボリュームが小さくなり最後は
 ボン♪と大きなピチカートをひとつ残して終わります。

 第4楽章:民謡風な弦楽器のフレーズから始ります。
 そして幾重にもそんなフレーズを重ねながら、続けるとやがて、曲も勢いが
 付き始めて、盛上がっていきます。
 やや緊張感を持った表情にもなりますが、明るいクライマックスを迎えると
 そのままの勢いでラストを飾ります。
 
(※ピチカート→弦楽器の弦を弓ではなく指ではじく演奏法)
 
かなり、変わった編成ですし、あまり聴きなれない曲かもしれませんが、チャイコフスキーの持ち味がそのまま生かされている曲ですから、チャイコフスキーのそのままのイメージで聴ける曲だと思います。
あまり有名な曲ではありませんが、チャイコフスキーファンなら、チェックしてみてください。


≪オススメCD≫
クラシック専門店とかなら置いてあると思います。
フィレンツェの思い出
チャン(サラ), ハルトーク(ベルンハルト), クリスト(ヴォルフラム), クリスト(ターニャ), ファウスト(ゲオルク), マニンガー(オラフ), チャイコフスキー, ドヴォルザーク
東芝EMI

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【コレってどんな曲】
喜:☆☆★★★
怒:☆☆★★★
哀:☆☆☆☆★
楽:☆☆☆★★

≪おすすめシチュエーション≫
弦楽器の少し変わった編成の曲ならコレかな?


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四季

2007年03月19日 | チャイコフスキー
たまには、クラシック音楽を聴いてみてはいかがですか?

今日はチャイコフスキー:四季です。

「四季」といえばヴィヴァルディのヴァイオリン協奏曲が有名ですが、実はチャイコフスキーも作曲してたんですね。
ヴィヴァルではヴァイオリンで作曲していますが、チャイコフスキーはピアノです。そして、四季というと、春夏秋冬ですがチャイコフスキーは1~12月の各月ごとに題名を付けてそれぞれを曲にしています。

通常はピアノ版が有名なこの作品ですが、実は自分自身ピアノ版では数回しか聴いたことがないんですね。一番初めにこの曲を知ったのは、FM放送で流れていたガウクの編曲による管弦楽版だったんですね、その事をしばらく知らなかったのでチャイコフスキーの四季はずっとオーケストラ作品だと思ってました。

でも、様々な表情を持つこのピアノ作品をオーケストラで聴くとまた、深い魅力を味わえると思いますから、今回は管弦楽による編曲版を紹介してみることにします。


 1月 炉ばたで:弦楽器の温かみのある、ゆったりとしたフレーズで始ります。
 オーボエやホルンなんかものびのびと、やわらかく聴かせてくれる落ち着いた
 曲です。

 2月 謝肉祭:ホルンやトランペット、タンバリンが賑やかに鳴り響き、
 フルート、ピッコロが忙しそうに行き交うとても陽気な明るい曲です。

 3月 ひばりの歌:チェロなどの低音弦楽器の序奏からクラリネットが切ない
 メロディを奏でると、フルートは吹きすさぶ木枯らしのように乾いた響きに
 聴こえます。ちょっと寂しい雰囲気の曲です。
 
 4月 待雪草:ヴァイオリンがやさしく可愛らしいメロディを始めると
 雪解けの中から健気に顔を覗かせる野生の草花のような、愛らしいフレーズが
 聴こえてきます。
 
 5月 5月の夜:やわらかいオーボエとクラリネットのフレーズは、少し暖かくて
 過ごしやすくなった、5月の夜にまんまるお月さまをのんびり眺めているような、
 とてものどかな曲ですが、中間部では少し月に雲がかかるような怪しいフレーズも
 聴かせてくれます。
 
 6月 舟歌:ゆっくりとした悲しい弦楽器のフレーズで始ります。クラリネットが
 そのフレーズを受け継ぎひっそりとした雰囲気を味わえます。この曲の中でも特に
 有名な一曲です。
 
 7月 刈入れの歌:弦楽器の陽気なメロディを伸びやかに聴かせてくれます。
 盛上がってくると途中からはシンバルなんかも賑やかに鳴り響いたりしますが
 クラリネットやホルンなんかも明るくゆったりと聴かせます。
 
 8月 収穫の歌:クラリネットの少し変わったフレーズから始まり、取入れを
 急ぐような感じでしょうか?ちょっと異色な雰囲気が曲に彩を添えています。
 中間部では弦楽器のおおらかな曲調がやさしくつつんでくれているような
 優しい曲です。
 
 9月 狩の歌:トランペットが鳴り響き、スネヤドラム(小太鼓)がリズムを
 刻むと、とても大掛かりな王様や貴族の狩のマーチが堂々と行進するような
 ちょっとしたマーチですね。
 
 10月 秋の歌:オーボエが悲しい音色で聴かせると、季節はもう秋なんですね。
 あえぐようなクラリネットの妖艶なメロディも魅力的です。弦楽器もしなやかに
 切ない秋の歌を奏でてくれます。
 
 11月 トロイカ:フルートの陽気なメロディが始ると、弦楽器やオーボエもその
 メロディを楽しむように、明るく聴かせてくれます。
 中間部は少し賑やかになり、楽しく弾むフレーズがとても親しみやすい一曲です。
 
 12月 クリスマス:ヴァイオリンの明るいワルツが、軽やかに聴かせてくれます。
 決して派手ではありませんが、ゆるやかなワルツは気軽に聴けて親しみやすく
 とっても可愛らしい曲だと思います。

全部で12曲ありますが、演奏時間は35分前後なので1曲あたりは約3分程度と短い曲ばかりです。未だにピアノのCDは持ってませんが、管弦楽版を先に聴いてしまったので、個人的にはどうしてもこっちの方がイメージが強く、好きなんですねぇ。しかも今回記事を書くにあたって聴いたのも10年程前にFM放送を録音したテープが音源なんですよ、これが。なのでオススメCDで管弦楽版を探したんですが・・・、多分これで合ってると思います。ひょっとすると編曲とかが違ったりするかもしれませんのであしからず。
ちなみに、FM放送の案内だとレオニード・グリン指揮タンペレフィルハーモニー管弦楽団の演奏でした。(我ながらえらいマイナーだなぁ)
購入の際にはお店で店員さんに聴いたほうが確実だと思います。


≪オススメCD≫
今回はちょっと自信が無いんですけど…。
チャイコフスキー:四季
マリナー(ネビル), 小澤征爾, ジャンドロン(モーリス), アカデミー・オブ・セント・マーティン・イン・ザ・フィールズ, パリ管弦楽団, マガロフ(ニキタ), オムニバス(クラシック), バッハ, ロッシーニ, チャイコフスキー
アブソードミュージックジャパン

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【コレってどんな曲】
喜:☆☆☆★★
怒:☆☆★★★
哀:☆☆☆★★
楽:☆☆☆★★

≪おすすめシチュエーション≫
一年の流れをいろいろと聴かせてくれます。

♪ヴィヴァルディの四季の記事はこちら


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交響曲第3番「ポーランド」

2007年03月01日 | チャイコフスキー
たまには、クラシック音楽を聴いてみてはいかがですか?

今日はチャイコフスキー:交響曲第3番「ポーランド」です。

“ポーランド”というタイトルはチャイコフスキー自身が名付けた訳ではなく、最終楽章にポーランドの舞曲(ポローネーズ)のリズムが使われている事から、次第にこの名前で呼ばれるようになったようです。

交響曲なので演奏時間も長く約45分。ただ、それぞれの楽章は様々な表情を見せてくれますから、長く聴いていても充実した時間を過ごせる曲でもあると思います。
序盤、中盤では若干物足りない感じがする曲なのかもしれませんが、ラストではチャイコフスキーらしく盛上げて聴かせてくれますから、聴き応えはあると思います。


 第1楽章:弦楽器のひっそりとしたフレーズから始まり、同じフレーズをホルンが
 受け継ぎます。ゆっくりとした前奏(イントロ)が終わると、
 弦楽器は徐々にスピードを上げて勢いをつけていきます。トロンボーンや
 トランペットが更にそれを盛上げていくと、木管楽器もざわめき始めます。
 何度か似たようなフレーズを繰り返しますが、1回ごとにアレンジが加えられ
 ています。
 トランペットが高らかに鳴り響いたかと思うと、クラリネットがなめらかに
 聴かせたり、オーボエが朗々と歌い上げると、ピッコロがスパイスを加えたり。
 とにかく色彩豊かな表情が軽快なテンポに乗って最後まで走り続けます。

 第2楽章:フルートの、のどかなフレーズがあっけらかんとした感じで
 始ります。やがて美しい弦楽器が表れると曲もやわらかい雰囲気になります。
 フルートが小刻みなリズムを始めると、少しざわついた曲調になりますが、
 再び弦楽器が表れると、落ち着きを取り戻したようにのびやかな表情に
 聴こえてきます。

 第3楽章:木管楽器が悲しいメロディを奏でると、ファゴット、ホルンが続いて
 寂しげなソロを聴かせます。
 しかし、ここでも弦楽器が入ると穏やかな表情に変わりヴァイオリンが切なくも
 優しいフレーズを聴かせると、心が締め付けられるような、それでいてどこか
 やわらかい弦の表情が楽しめます。
 最後にはホルン、オーボエ等がこだまするように響かせると静かに終わって
 いきます。
 
 第4楽章:クラリネット、オーボエなどが、つむじ風のように渦巻きながら
 曲をつないでいきます。
 やがてトロンボーンがメロディを始めると、曲も落ち着きを見せるように
 管楽器も順番にそれぞれのフレーズを鳴らしていきます。
 
 
 第5楽章:弦楽器が鋭く表れると曲が引き締まり、エンディングへ向けての
 準備が整ったように聴こえます。
 木管楽器のメロディが流れ、ゆるやかに聴かせると、次には弦楽器を中心に
 揺さぶりをかけアクセントをつけると、
 弦楽器が仕切りなおして、今度は幾重にもその旋律を重ねていきます。
 そして、トランペット、トロンボーンの金管楽器が加わると曲は盛り上がり
 大きな流れへと変わります。
 トランペットが堂々とメロディを歌い上げると、クライマックスを向かえ
 曲は一気にラストを駆け抜けて堂々と曲を終わります。

チャイコフスキーの前半の交響曲なので、後半の作品と比べると演奏される機会やCDも少なめにはなっているようですが、それでもやはりチャイコフスキーのオーケストラ作品なので、様々な楽器を効果的に使っていますから、この第3番にもその作風は表れていますから、代表作の4・5・6番を聴いた後にでも聴いて欲しい曲ですね。

≪オススメCD≫
交響曲1・2・3番の2枚組みCDです。
チャイコフスキー:交響曲第1番
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 マゼール(ロリン), マゼール(ロリン), ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団, チャイコフスキー
ユニバーサルクラシック

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【コレってどんな曲】
喜:☆☆★★★
怒:☆☆★★★
哀:☆☆☆★★
楽:☆☆☆★★

≪おすすめシチュエーション≫
あんまり堅苦しくない交響曲ならこれで。


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ピアノ三重奏曲「偉大な芸術家の思い出」

2007年01月29日 | チャイコフスキー
たまには、クラシック音楽を聴いてみてはいかがですか?

今日はチャイコフスキー:ピアノ三重奏曲「偉大な芸術家の思い出」です。

この曲はチャイコフスキーが友人のピアニスト、ニコライ・ルービンシュタインの死を悼んで作曲した作品です。なので、“偉大な芸術家”というのはルービンシュタインの事ですね。

ルービンシュタインはチャイコフスキーの多くの作品の初演を手がけたと言われています。それもあってチャイコフスキーが親しかった彼の死に寄せる思いがとてもよく伝わってくる作品でもあると思います。

「ピアノ三重奏曲」ですから、楽器編成はピアノ、ヴァイオリン、チェロの3つの楽器で演奏される小編成の曲なんですが、演奏時間は長く45分前後です。


 第1楽章:チェロの悲しいフレーズから始ります。ピアノ伴奏ももの悲しく、
 寒い日に音も無く降りしきる冷たい雨のように感じます。やがて加わるヴァイオリンも
 高音が息苦しく迫り友人の死に寄せる悲しみがどれ程のものなのかを感じます。
 やがて、ピアノの音がやわらかくなり明るいものとなってきます。
 在りし日の友人の姿を思い出し、楽しかった思い出を浮かべているんでしょうか?
 喧嘩をしたり、共に苦労を乗り越えたりと様々な出来事が次々に現れては
 消えていくようです。
 そして、ヴァイオリンとチェロが美しい響きを掛け合うところは、お互いに競い合った
 事なんでしょうか。
 ところが、思い出に浸っていても「そんな友人の死」という現実を突きつけるような
 悲しいチェロのメロディは、ふと我に返る瞬間のようにも聴こえます。
 そんな現実と回想を行きかいながら繰り返し、最後は寂しそうに終わります。

 第2楽章:悲しい現実を受け入れるものの、やはり失ったものは大きく、
 ひっそりとしたピアノが寂しそうに始ります。
 そんなピアノを慰めるかのようにヴァイオリンとチェロが優しいメロディを
 聴かせてくれます。元気付けようと明るく振舞う様子がとてもいじらしく聴こえます。
 しかし、いつまでも悲しい思いを引きずってはいけないとピアノも少し明るく
 軽やかにリズムを刻みます。
 しかしどうつくろっても、隠せない寂しいヴァイオリンやチェロの響きは、まるで
 頬を伝って流れる涙のようです。抑えきれない悲しみの中に一筋の明かりがこぼれる
 ように美しく輝くピアノのフレーズがとても綺麗に聴こえてくると
 チェロがそれを暖かく包みヴァイオリンも元気を取り戻そうと元気なフレーズを
 聴かせてくれます。
 そして、いつまでもくよくよしていてはいけないとばかりに、それまでの悲しさ
 を吹き飛ばすような快活なフレーズがしばらく続きます。

 ところが、どう明るく振舞っても友人を失った現実は変わらず、虚しさが漂う
 チェロのふさぎこんだフレーズと共にピアノ、ヴァイオリンも力を無くした様な
 響きになります。
 しかし、突然ピアノの明るい響きと共に変化は急に現れます。さっきまでの悲しさが
 まるで嘘だったかのように、ピアノ、ヴァイオリン、チェロが跳びはねるように
 楽しく歌います。最後にはすっかり元気を取り戻したかのように見えますが、
 でも、決して「友人の死」と言う現実から目を背ける事は出来ません。
 冒頭のフレーズがまるでそれを刻み込むように、心の中にしっかりと残り
 疑問を投げかけるようにして終わります。

終盤には何度も立ち直ろうとするフレーズが聴こえますが、やはりチャイコフスキーにとって友人ルービンシュタインの存在は大きかったように聴こえます。
演奏時間も長く、曲調も割りと暗めの曲なんですが、何か考えさせられるような意味深なフレーズに引き込まれていくような曲ですね。


≪オススメCD≫
ヴァイオリン、ピアノ、チェロの名ソリストでどうぞ。
(ショスタコーヴィチの作品と一緒に入ってます)
ショスタコーヴィチ:ピアノ三重奏曲第2番
クレーメル(ギドン),マイスキー(ミッシャ) アルゲリッチ(マルタ), アルゲリッチ(マルタ), クレーメル(ギドン), マイスキー(ミッシャ), ショスタコーヴィチ, チャイコフスキー
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【コレってどんな曲】
喜:☆★★★★
怒:☆☆★★★
哀:☆☆☆☆★
楽:☆☆☆★★

≪おすすめシチュエーション≫
ドキュメンタリーを見ているような現実味のある曲調です。


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