初心者のクラシック

有名な曲からおすすめの曲まで、できるだけ初心者にも分かり易く紹介します。

子供の領分  (ドビュッシー作曲)

2007年02月28日 | その他の作曲家
たまには、クラシック音楽を聴いてみてはいかがですか?

今日はドビュッシー:子供の領分です。


この曲はドビュッシーが、まだ幼い自分の娘のために作曲した曲のようです。子供の~とタイトルがついていますが実際には子供向けに作曲された訳ではなく、大人が童心に返れるようにという意味で作曲されているようです。

ピアノソロの曲なんですが、曲というよりは、タイトルに合わせて聴こえてくるピアノから何かを想像しながら聴いてみると、楽しく聴けるんだと思います。
初めて聴いたときには「音楽」として、メロディを探してしまったので、なんじゃこりゃ??みたいになってしまいましたが、何の気なしに聴いてみるといろんな情景や雰囲気が伝わってきますから、いろいろと想像しながら聴いてみると面白いんだと思います。


 第1曲グラナドゥス・アド・バルナッスム博士:めくるめく、転げ落ちるような
 ピアノが次から次へとフレーズを響かせていきます。
 急いで着いていかないとおいていかれそうな勢いには耳を奪われてしまいます。
 途中では少し落ち着いたかと思うと、また、すぐにスピードを上げて駆け出して
 しまいます。

 第2曲像の子守歌:大きな像がブツブツとなにかをつぶやいているんでしょうか?
 低音のピアノがぽつりぽつりと子守歌、と言うよりは、眠くてあくびをしている
 ような、そんな感じに聴こえてきます。

 第3曲人形へのセレナード:静かなピアノが、こっそりとやさしい響きを聴かせて
 くれます。
 小さな子供がお人形さんとヒソヒソ話でもしているんでしょうか?
 ささやくような、小さなフレーズが最後までヒミツのお話をしているようです。
 
 第4曲雪が踊っている:最初はヒラヒラと舞い降りていた粉雪が・・・やがて
 木枯らしにふかれて、あちこちへ舞い散るように激しい雪へと変わっていくようです。
 風に飛ばされた雪はいつのまにか何処かへ消えてしまったようにして曲を終えます。
 
 第5曲小さい羊飼い:ポツンと取り残されたようなピアノの音がひとつ寂しく響きます。
 羊はどこかへ行ってしまったんでしょうか?
 取り残された小さな羊飼いは、とても寂しそうに広い牧場で羊をいつまでも待っている
 ような、ちょっと悲しい雰囲気のする曲です。
 
 第6曲ゴリウォーグのケークウォーク:とても陽気なメロディに、ズンタタ♪ズンタ♪
 のコミカルなリズムが軽快に響きます。
 途中で何かに気を執られたのか?足を止めて立ち止まるようなフレーズが愛嬌たっぷり
 に楽しい音楽を聴かせてくれます。まるで「だるまさんがころんだ」ですねこれは。

 
全部で6曲ありますが、1曲あたりは2~3分程度なので、全曲聴いても約15分くらいなので、なんにも考えずに音に耳を傾ければ不思議な世界を楽しませてくれます。
ドビュッシーの自由な音使いが、遊び心たっぷりに作曲されている曲なんだと思います。特に第1曲や第5曲のコミカルなリズムはホント童心に返ってしまいますね。逆に第4曲や第5曲なんかは、今なら特になんでもない事が、子供の頃にはとても怖かったり寂しかったりしたような、そんな気持ちを思い出してしまいます。


≪オススメCD≫
ベルガマスクも一緒に入ってます。
ドビュッシー:ピアノ名曲集
ワイセンベルク(アレクシス), ドビュッシー
ユニバーサルクラシック

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【コレってどんな曲】
喜:☆☆☆☆★
怒:☆☆★★★
哀:☆☆☆★★
楽:☆☆☆★★

≪おすすめシチュエーション≫
子供の頃って何を考えてたかなぁ??と思ったら聴いてみよう。


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フルート四重奏曲第1番

2007年02月27日 | モーツァルト
たまには、クラシック音楽を聴いてみてはいかがですか?

今日はモーツァルト:フルート四重奏曲第1番です。

この曲は、名前にあるとおりフルートにヴァイオリン、ヴィオラ、チェロの弦楽器を加えた四重奏です。小編成の曲ですがフルートのさわやかな音色を弦楽器が鮮やかに演出していますから、サラッと聴ける快適な曲ですね。

モーツァルトのこういう小編成の曲は、とても耳障りもよくて特にクラシックという意識をしなくても気軽に聴けるのがいいですよね。
フルート四重奏曲は全部で4つ作曲されているようですがCDなら、たいていの場合は全曲が録音されているようですから、フルートファンなら必見(必聴?)の曲だと思います。


 第1楽章:弦楽器が軽快に刻むリズムに乗って軽やかなフルートの音色が心地よく
 響いてきます。
 その後もヴァイオリンとフルートが競い合うように活き活きとしたフレーズを
 聴かせてくれます。
 その後も軽やかなフルートの響きは、心地よく肌に触れる「春一番」のように
 快適な雰囲気を与えてくれます。

 第2楽章:1楽章とは変わって、少し切ないフルートのメロディは、弦楽器の
 ポツポツと響くピチカート(弦楽器を弓ではなく指ではじく演奏)のリズムも
 あわせて悲しく響きます。
 しとしと降る春雨のようにちょっと切ない音楽になっています。

 第3楽章:2楽章の悲しい雰囲気を跳ね飛ばすように、再び勢いを取り戻した音楽が
 さわやかに響きます。
 フルートのメロディにヴァイオリン、ヴィオラなども明るく鮮やかな響きを加えて
 楽しく明るい曲調がとてもまぶしく輝くように最後まで勢いを保ったまま曲を
 終わります。
 
モーツァルトの室内楽(小編成の曲)は、聴きやすいですしフルートのさわやかな響きがとても心地よく聴けますからスッキリとした気分になれますね。
適度なリズムと軽快な音楽がモーツァルトのテイストで楽しめますから、これもオススメの一曲ですね。


≪オススメCD≫
エマーソン四重奏団でどうぞ。
モーツァルト:フルート四重奏曲第1番&第2番&第3番&第4番
ウィンセンス(キャロル), エマーソン弦楽四重奏団, モーツァルト
ユニバーサルクラシック

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【コレってどんな曲】
喜:☆☆☆★★
怒:★★★★★
哀:☆☆★★★
楽:☆☆☆☆★

≪おすすめシチュエーション≫
さわやかな朝に聴くと目覚めもよく起きれそうな曲です。


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バレエ音楽「コッペリア」  (ドリーブ作曲)

2007年02月26日 | その他の作曲家
たまには、クラシック音楽を聴いてみてはいかがですか?

今日はドリーブ:バレエ音楽「コッペリア」です。

このバレエ音楽の中の曲は、最近だとソフトバンクのCMでプロ野球チームホークスのメンバーが「ホワイトぉ~」とか言いながら助っ人外人に突っ込んでいるシーンの後ろで流れている曲ですね。(最近見ないですけどひょっとして関東ローカルなのかな?)

最初あのCMを見たときは、「あ!ソフトバンクがまたクラシックのCMやってる!」と思ってて、いつかブログに書こうと思ってたんですけど、曲には聴き覚えがあるのに、何の曲だったか思い出せなかったので、今頃になってしまいました。

ちなみにバレエ音楽のあらすじは・・・人形創りの職人コッペリウスは、機械仕掛けの少女人形コッペリアを研究室の2階の部屋に置いていました。
コッペリウスの向かいに住むスワニルダは恋人フランツと楽しく過ごしていました。ところが、最近青年フランツはスワニルダの部屋から見えるコッペリアがとても気になる様子。

ある日ひょんな事からコッペリウスの部屋の鍵を拾ったスワニルダは気になるコッペリアを一目見ようと研究室に忍び込みます。気になるコッペリアが実は人形だった事に気付くスワニルダでしたが、そこへコッペリウスが帰ってきます。逃げ遅れたスワニルダは人形のコッペリアになりすまします。
そのときコッペリアを一目見ようと同じく忍び込んだフランツはコッペリウスに見つかり、彼はフランツの魂をコッペリアに移す実験を試みます。
すると人形コッペリアになりすましたスワニルダは、踊って動いて実験は成功したように見えますが、やがてフランツはそれがスワニルダだと気付きます。
 仲直りしたフランツとスワニルダは結婚してめでたしめでたしというお話のようです。

 
 第1幕~前奏曲~:ホルンのおだやかな音色の序奏が終わると、弦楽器が
 徐々に勢いを付けて、シンバルが賑やかに鳴り始めると、楽しく陽気なメロディが
 明るく聴こえてきます。最後まで賑やかな曲調が続きますからスカッと爽快で
 楽しめる曲ですね。

 第1幕~ワルツ~:クラリネットに続いてオーボエのソロ。更にフルートが
 さわやかに鳴らすと・・・、CMでもおなじみのメロディが・・・
 弦楽器の流麗なワルツのメロディはとてもスッキリ美しく聴こえます。
 下で支えるチェロのハーモニーもなんとも言えずいいですよね。

 第2幕~情景と人形のワルツ~:静かな部屋の中でコッペリアに扮したスワニルダ
 がまるで辺りをキョロキョロと見回すような弦楽器がとても可愛らしく聴こえます。
 そして、ワルツが始ると人形がふわっと立ち上がって音も無く静かに床を踊るように
 可愛らしいワルツが始ります。
 
 第2幕~時の踊り~:弦楽器が静かに鳴り始ると、ヴァイオリンがキュートなワルツ
 を鳴らし始めます。フルートとトライアングルのリズムがとても可愛らしく響くと
 チェロが勇ましくアクセントを加え曲を盛上げていきます。
 
 第2幕~祭りの踊り~:勢いよくオーケストラがなり始めると、弦楽器は歯切れ良く
 リズムを刻みます。思わず肩を揺らしてリズムを取ってしまいそうな、元気いっぱい
 の曲ですね。


バレエ音楽ということもあって、流れるような華麗なメロディが多くあるこの曲なら初心者でもオーケストラの魅力を楽しめる曲ばかりだと思います。
CDではもちろんバレエ全曲が録音されたものもあると思いますが、ハイライト版や作曲家ドリーブの「バレエ音楽集」みたいなものもあるようです。


≪オススメCD≫
バレエ音楽「シルヴィア」も入っているハイライト版でどうぞ。
ドリーブ:コッペリア
アンセルメ(エルネスト), ドリーブ, スイス・ロマンド管弦楽団
ユニバーサルクラシック

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【コレってどんな曲】
喜:☆☆☆☆☆
怒:★★★★★
哀:☆★★★★
楽:☆☆☆☆★

≪おすすめシチュエーション≫
ワルツのメロディが心地よく響く作品です。

ソフトバンクと言えば・・・前のCM「予想外の・・・」の音楽はコレ↓
♪バレエ音楽「ロメオとジュリエット」の記事はこちら


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初心者のための癒しの曲

2007年02月25日 | どれにしよう?
たまには、クラシック音楽を聴いてみてはいかがですか?

今日は、初心者のための癒しの曲です。


 さてクラシックを聴いたことのない友人に勧めるときに、「癒しの曲が聴きたい」と言われる事もよくあります。
 確かにクラシックの曲には「癒し」のものもたくさんあるんだけど「癒し」以外にも、できればオススメのいろんな曲を聴いて欲しいんですが・・・、なんて思ったりして。

 でも、せっかくクラシックに興味を持ってくれたんで、できるだけそのリクエストに沿うような曲のCDを貸してあげたりするんですが、改めて探してみると、一言で癒しの曲と言ってもなかなか難しいんですよね。

 そこで、今回は有名な曲からオススメの一曲まで「癒しの曲」をいくつか紹介してみようと思います。
 

【愛の挨拶:エルガー作曲】
「癒しの曲」と言って一番に思い出してしまうのはこの曲ですね。エルガーが
妻のために作曲した愛情たっぷりのこの曲は、ヴァイオリンの音色も美しくとても
しっとり聴ける曲だと思います。

【ジークフリート牧歌:ワーグナー作曲】
妻のために作曲した曲と言えばこの曲もそうですね。ワーグナーが奥さんに
クリスマスプレゼントとして作曲した、優しい曲ですが・・・作曲家っていいよなぁ~。

【アヴェ・マリア:シューベルト作曲】
こちらも定番でしょうか?、今更紹介する必要は無いのかも知れませんが、
美しい歌声に聴き入ってみるのもいいですよね。

【マタイの受難曲:マスネ作曲】
こちらもヴァイオリン演奏が魅力的な一曲ですね。とても美しい響きに、
ふと耳を傾けると、普段の嫌なこともすうっと忘れてしまえるような曲だと思います。

【G線上のアリア:バッハ作曲】
この曲にはいろんな演奏の録音がありますが、どれを聴いてもそれぞれの良さが
味わえる多彩な魅力を持った曲ですね。

【ホフマンの舟歌:オッフェンバック作曲】
ゆりかごにゆられたような、ゆったりとしたメロディは、まさに夢心地の名曲。
とてもさわやかで、しっとりと聴ける一曲ですね。

【夢見る人:フォスター作曲】
合唱曲としても有名なこの曲も、たくさんの歌声が大きく包んでくれるような
フォスターのメロディがとても心地よく響きますね。
フォスターの曲ならこの曲以外でも癒し系の曲はたくさんあると思います。


―単一楽章―

ここからは単一楽章を紹介してみます。
クラシックでは交響曲とか協奏曲のように比較的長めの曲(30分~40分ぐらい)の2楽章や3楽章にも、ゆったりとした曲がたくさん作曲されています。
いわゆる「緩徐楽章」と呼ばれている部分で、しっとりと魅力的な曲が多く含まれていますから、ここでは個人的にオススメな曲を紹介してみます。

【ピアノ協奏曲第5番~第2楽章~:ベートーヴェン作曲】
この曲を始めて聴いたときには、ベートーヴェンがこんな曲を書いていたんだ!
という驚きと同時に、2楽章には思わずうっとりと聴き惚れてしまった曲です。
有名な曲ですがまだ聴いたこと無い人はダマされたと思って是非一度聴いて欲しい
曲ですね。

【ヴァイオリン協奏曲~第2楽章~:ブラームス作曲】
のんびりとした、オーボエとヴァイオリン。どれを取ってもしなやかでなめらかな
この曲も魅力たっぷり。さすが三大ヴァイオリン協奏曲!

【交響組曲「シェエラザード」~第3楽章~:リムスキー・コルサコフ】 
サブタイトルは「若き王子と王女」ちょっと切ないこの曲ですが、とてもしっとり
味わいの深いこの曲も大好きですね。

 
一応、今回も個人的な独断と偏見に基づいていろいろ「癒し系」の曲を紹介してみましたが、この他にも癒し系の曲はたくさんあると思いますから、いろいろ探してみるのも面白いかもしれないですね。


≪癒しとくつろぎのクラシック≫
「癒し」とタイトルについたCDもたくさんありますよね。
I LOVE CLASSICS BEST~癒しとくつろぎのクラシック
オムニバス(クラシック), ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス, アーノンクール(ニコラウス), モーツァルト, パイヤール室内管弦楽団, パイヤール(ジャン=フランソワ), パッヘルベル, イル・ジャルディーノ・アルモニコ, ヴィヴァルディ, トラジコメディア
ワーナーミュージック・ジャパン

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≪こんなCDも・・・≫
アダージョ・カラヤン(3)
カラヤン(ヘルベルト・フォン), ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団, ブラームス, ヘンデル, ヴェルディ, ショパン, ロッシーニ, ビバルディ
ユニバーサルクラシック

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アダージョというのは「ゆるやかに」という楽譜の中で使われる記号なんですが、そんなゆるやかな曲を集めたCDですね、これは。
 



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ト調のメヌエット

2007年02月24日 | ベートーヴェン
たまには、クラシック音楽を聴いてみてはいかがですか?

今日はベートーヴェン:ト調のメヌエットです。

短くて明るいこの曲はとっても聴きやすい曲ですね。ひょっとして何かのCMとかにも使われていることもあると思うんですが、今回はちょっと覚えてないので紹介できません。(なんじゃそりゃ)

“ト調”というのは調整の事で、“メヌエット”は毎度おなじみgoo辞書でしらべてみると、「四分の三拍子の舞曲。17世紀中ごろ宮廷に流行し、のち舞踏から離れて楽曲として独立した。」とあります。

心地よいメロディに乗って軽やかに流れるピアノを聴いていると、疲れもどこかへ言ってしまいそうな、とってもやさしい曲ですね。演奏時間も2分少々と短めですし、初心者はもちろん、クラシック好きの人にもおなじみのメロディがこころを癒してくれる一曲だと思います。

 弾むようなピアノのメロディが軽やかに響きます。
 学校帰りにスキップをして、家路に着く子供たちのようにとても和やかな
 雰囲気がとても優しく聴かせてくれます。
 途中で曲調が変わると、道端に生えているたんぽぽや、昆虫に目を取られた
 子供たちが、ちょっと寄り道をして、友達同士で楽しくおしゃべりでも
 しているんでしょうか?
 無邪気にはしゃぐ子供たちの様子が目に浮かんできます。
 そして、メロディが元に戻ると、道草していた子供たちも
 仲良く家路に着くように曲を終わります。


のどかな感じがとても親しみ深い一曲です。有名な曲ですからひょっとすると、どこかで聴いた事のあるメロディかもしれないですね。
こういう曲ならクラシックという堅いイメージも少しは和らげてくれそうな気がします。


≪オススメCD≫
このブログでは登場回数の多いこのCDですが、この中に入ってます。
自分も初心者だった頃にとても良く聴いていた1枚です。
エリーゼのために~P名曲集
アントルモン(フィリップ), ベートーヴェン, モーツァルト, ヘンデル, ドヴォルザーク, シューマン
ソニーミュージックエンタテインメント

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【コレってどんな曲】
喜:☆☆☆☆★
怒:★★★★★
哀:☆☆★★★
楽:☆☆☆☆★

≪おすすめシチュエーション≫
ちょっとブレイクとか息抜きするにはぴったりの曲です。


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クラリネット五重奏曲 (ブラームス作曲)

2007年02月23日 | その他の作曲家
たまには、クラシック音楽を聴いてみてはいかがですか?

今日はブラームス:クラリネット五重奏曲です。


この曲はブラームス晩年の名作とされている曲です。クラリネット五重奏なので、楽器編成はクラリネットの他に2台のヴァイオリンとヴィオラにチェロです。

やわらかいクラリネットの音色に弦楽器がハーモニーを加えていきます。
と、ここまでなら楽器編成から、しっとりと穏やかな曲調をイメージしてしまうかもしれませんが・・・、実はこの曲暗いんですね。

ただ、しっとりとしたクラリネットが聴けることは間違いないですから、その日の気分で聴いてみても面白い曲だと思います。

 第1楽章:後ろ髪を惹かれるような切ないヴァイオリンをクラリネットの
 やわらかい音色が包み込むと、余計に寂しく感じてしまいます。
 そして、弦楽器が激しいフレーズを鳴らすとクラリネットも負けじと絡み付いて
 いきます。
 寂しさを紛らわすかのように、やわらかく、そして伸びやかに、
 しかし、何処かに不安を抱える表情を隠しつつゆっくりと聴かせてくれる
 クラリネットはたまりませんね。
 中盤では、ヴァイオリンとクラリネットが先を競い合うように作り出す
 フレーズが印象的です。
 そして、徐々に激しく鳴り始める弦楽器にクラリネットが加わると、
 抑えきれない感情が一気にあふれ出してくるようです。
 思いのたけをぶつけると、最後には静かになり力尽きていくように終わります。

 第2楽章:モヤか霞がかかったような弦楽器の響きの中に、薄明かりが灯るように
 クラリネットの音色が表れます。
 全てを忘れて静寂の中に居るような不思議な感覚に浸りながら、高音で繊細な
 響きを鳴らすヴァイオリンを道しるべに、クラリネットがその後をに着いて
 行くようなフレーズを聴かせます。
 すると、それまで着いて行っていたクラリネットがふと思い立ったかのように
 ソロを歌い始めます。
 ゆっくりと伸びやかに、やわらかく響くクラリネットに説得力を感じます。
 クラリネットを聴いていたチェロやヴィオラが、身震いをするような
 フレーズを鳴らすと、クラリネットも満足したかのようなフレーズになり、
 ヴァイオリンと共に、静かにどこかへ歩き出していくようにして終わります。

 第3楽章:暖かいクラリネットの響きは、暖炉の前で和やかな表情を浮かべる
 家族のように、他の弦楽器も仲良くメロディを作り上げていきます。
 中盤では弦楽器がひそひそ話を始めると、クラリネットが話題の中心に変わって
 行きます。ひそひそ話はだんだんと盛り上がり途中からは口論をしているように
 聴こえてきます。
 声の大きさに気付いた一同は再び辺りを見回して、声のトーンを絞ります。
 ところが、話しているとやはり話声は大きくなっていきます。
 今度はお互いの話がうまくいったらしく、最後は和やかな雰囲気で終わります。 

 第4楽章:なめらかに、そして悲しく響く弦楽器、やわらかく響くクラリネットも
 やけに切なく感じます。
 チェロのソロがなにやら語り始めると、クラリネットや他の弦楽器もうなずく
 ようにそのソロにしっかり耳を傾けているようです。
 その後をヴァイオリンがつないでいくと、
 今度はクラリネットのソロ、まるで木の葉がヒラヒラと舞い降りてくるような
 フレーズは、美しくもあり切ない情景が浮かんできます。
 そして、クラリネットの穏やかなフレーズがしばらく続くと、
 終盤には第1楽章冒頭のフレーズを思い出すように聴かせ、
 最後にクラリネットが高音で聴かせると、全てを言い尽くしたようにして終わります。


ブラームス晩年の名作だけあって、聴き所もたくさんあります。演奏時間は35分程度と五重奏なら普通くらいなんですが、クラリネット他、フレーズを大きく長めに取ってありますから、実際にはもっと長く聴いていたようにも錯覚してしまいます。それだけ曲に引き込まれているという事なのかもしれません。

CDでは「クラリネット五重奏」つながりでモーツァルトの五重奏と一緒に録音されている事が多いようですが、実は自分も最初に買ったCDはモーツァルトのクラリネット五重奏目当てで購入したものでした。
モーツァルトの五重奏は鮮やかで明るい曲調だったので、一緒に入っていたブラームスのこの曲も、さぞや明るく楽しいものだと期待していたんですが、モーツァルトのものとはあまりにも対照的なこの曲がどうも聴きにくいと感じていましたが、今改めて単独で聴くと、しんみりとしたこの曲の持ち味がよく分かるような気がします。

≪オススメCD≫
モーツァルトの曲と一緒に入ってます。
モーツァルト:クラリネット五重奏曲
ライスター(カール), ベルリン・フィルハーモニー・ゾリステン, モーツァルト, アマデウス弦楽四重奏団, ブラームス
ユニバーサルクラシック

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【コレってどんな曲】
喜:☆★★★★
怒:☆☆☆★★
哀:☆☆☆☆★
楽:☆☆★★★

≪おすすめシチュエーション≫
ちょっと切ない気分のときに、何故か聴きたくなる曲です。

♪モーツァルトのクラリネット五重奏の記事はこちら

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ヨハネス・ブラームス(最終話)

2007年02月22日 | 作曲家の生涯
たまには、作曲家の生涯にふれてみてはいかがですか?

今日はヨハネス・ブラームス(最終話)です。

≪作曲家の肖像≫
ブラームス:交響曲第1番
バンベルク交響楽団 岩城宏之, 岩城宏之, バンベルク交響楽団, ブラームス
コロムビアミュージックエンタテインメント

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【Johannes Brahms】

数々の名声を受けるブラームス。巨匠としての次の仕事は?今日はその続きからです。

(最終話)【最後の仕事】
 1889年ブラームスが56歳になった年の12月、ブラームスの元に変わったお客が訪ねてきました。エジソンの代理人と名乗る人物が蓄音機にブラームスの「ハンガリー舞曲」を録音させて欲しいと言うのです。

 この申し出を快く引き受けたブラームスは蓄音機に自分の演奏を録音させたようですが、自分の演奏を始めて録音で聴いたブラームスは衰えを感じ、かなりショックを受けてしまったようです。

 翌1890年、ブラームスは大好きなイタリア旅行に出かけ、その合間にいつものように作曲を続けていきますが、いつもなら次々に進める作曲活動がここにきて五線紙に走らすペンの動きが鈍ってきてしまったようです。
 昨年の録音がトラウマになってしまったのでしょうか?創作意欲にも老いを感じ始め、苦心の末「弦楽五重奏」を書き上げると、これまでの作品を整理し始めるのでした。

 しかし、1891年、マイニンゲンで優秀なクラリネット奏者ミュールフェルトを知ると、彼のためにクラリネット三重奏とクラリネット五重奏を作曲します。
 この年には恩師シューマンの「交響曲第4番」を編集して出版するのでした。
おそらくブラームスは自分の生きている間に恩師シューマンにも恩返しのつもりで、シューマンの交響曲に手を加えて出版するのですが・・・、

 クララには特に断りを入れずに独断でこれを行ってしまったため、クララはカンカンに怒ってしまい、ブラームスとの関係は絶縁状態になってしまうのでした。

 ブラームスとしては、良かれと思って行ったことですが、これではイカンと感じたブラームスは、すぐにクララに詫びの手紙を書き、クララとの関係をなとか修復するのでした。

 年齢と共にその名声を更に高めるブラームスは、1893年60歳を迎える年には盛大な祝賀パーティーが企画されていたようですが、あまり派手に騒がれる事を嫌ったブラームスは友人と共にイタリアに逃げるように出かけていってしまうのでした。

 1895年にはオーストリア皇帝から、「芸術と科学に対する十字勲章」を授与され栄光を受けるのでした。

 翌1896年、ブラームスの元に訃報が届きます。なんとクララが亡くなった報せです。連絡が遅かったため、急いで向かいますが葬儀には立ち会うことができず、ボンで埋葬されるクララを見送る事になりました。

 クララを失ったブラームスはそうとうショックを受けた事でしょう。一時は熱い想いを寄せ、またその後も音楽を共に作り出す上においてもブラームスには欠かせない存在だったはずです。その後、演奏会や旅行には足を運んでいたものの、まるでクララの後を追うように1897年3月に病床に着くと、4月に息を引き取ってしまうのでした。享年64歳の春でした。



仕事にも音楽にも真面目に取り組んだブラームス。ときにはその真面目さが仇になる事も多かったようですが、その作風にもブラームスの人間性を味わえる深いものが多い事も、きっとそのせいなんでしょう。


【その他の作曲家の生涯はこちら】

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ヨハネス・ブラームス(第15話)

2007年02月21日 | 作曲家の生涯
たまには、作曲家の生涯にふれてみてはいかがですか?

今日はヨハネス・ブラームス(第15話)です。

≪作曲家の肖像≫
ブラームス:交響曲第4番
ザンデルリンク(クルト), ドレスデン・シュターツカペレ, ブラームス
コロムビアミュージックエンタテインメント

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【Johannes Brahms】

次第に名声を得て新作も次々に大成功を収めるブラームス。対人関係だけはどうも苦手だったようですが・・・、その続きからです。

(第15話)【交響曲第4番】
 1883年2月、ブラームスに訃報が届きます。その作風の違いからブラームスの対立軸にいたと言われるワーグナーが亡くなったという報せでした。
 当時のドイツ音楽界ではこの二人の音楽感を戦わせた論争が続いていたようですから、ワーグナーの訃報はブラームスにも影響を与えることになります。

 この年にブラームスは交響曲第3番を完成させます。年末にはウィーンで初演が行われ、いつものように大成功を収めますが、この曲に批判をする人物が現れます。

 ワーグナー派の評論家フーゴー・ヴォルフはブラームスの交響曲第3番に対して「陳腐な作品」と痛烈な批判をしますが、これはワーグナーが亡くなった後の作品と言うこともあり、ブラームスを批判する事でワーグナーの優位を強調する論調だったようです。

 そして次に交響曲第4番の作曲に取り掛かり、約1年をかけて完成すると1885年にマイニンゲンで初演を行います。この初演では当時の大指揮者ハンス・フォン・ビュローのアシスタントをしていたリヒャルト・シュトラウスも演奏に加わり、トライアングルを担当していたようです。

 初演当日は、こちらも大成功を収めますが、やはりフーゴーからは「虚無」や「偽善」などの批判を浴びてしまいます。そして、このときには、それまで一貫してブラームスの擁護をしていた、評論家ハンスリックも「万人向きではない」として評価を保留するような反応をしていたようです。
 そんな世間の逆風がある一方、指揮者ハンス・フォン・ビュローだけはこの曲を絶賛し、初演の翌週にすぐ再演を行うほどその内容を高く評価していたようです。

 今でこそ、ブラームスの交響曲第4番と言えば不動の人気を誇る彼の代表作のひとつですが、古風と言われたブラームスの作風の中から、その伝統に乗った形式で新しい曲を生み出す上で、結果的に当時としては独特な曲が出来上がってしまった事に、周りとしても、どう評価すればいいのか分からなかったのかもしれません。

 ましてや、ワーグナーの対立軸の代表と目されていた訳ですから、攻撃的な批判を加える方としては、格好の餌食になってっしまったんでしょう。

 こうして、様々な評価を受けるブラームスの交響曲第4番でしたが、これに負けずその後も多くの作品を生み出していくのでした。同時に演奏会をドイツ各地で行い既に巨匠の域に達していたブラームスでしたが、1887年こうした音楽に対する評価としてプロイセンから功労勲章を授与される事になります。

 ブラームスの評価は年を追うごとに高まり、1889年にはオーストリア皇帝から、レオポルト勲章を授与されると、故郷ハンブルクからも名誉市民の称号を授与される事になります。

 ハンブルクの名誉市民にはハンス・フォン・ビューローが強く推薦をしていたようです。これに対してブラームスは翌年60歳を迎えるビューローの誕生日に交響曲第3番の手書きの楽譜を贈ったと言われています。



ここに来て賛否両論の交響曲第4番ですが、その実績から各賞を授与されるブラームスの実力は誰もが認めるものとなっていきます。このつづきはまた明日。(そしてたぶん最終回)

【その他の作曲家の生涯はこちら】

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アニメ「のだめカンタービレ」5・6話

2007年02月20日 | テレビでクラシック
たまには、テレビでクラシックを見てはいかがですか?

今日はアニメ「のだめカンタービレ」5・6話です。


少し遅れましたが、先週の第6話が終わったので「のだめ」を紹介するんですが・・・第5話をまるまる見逃してしまった!!うつら、うつらとして「あ!」っと思って目が覚めたら、ちょうどエンディングが終わったところでした・・・。
なので5話は、ドラマと原作マンガのおぼろげな記憶を元に紹介してみます。(だったらやるなよ!って話ですけど一応・・・)


(第5話)
 千秋の転科の条件としてのだめにキスを求めるシュトレーゼマン。のだめは迫るシュトレーゼマンを突き飛ばして、シュトレーゼマンはそのまま気を失ってしまいます。
Sオケの練習を待たせていたシュトレーゼマンに替わって千秋が指揮を振ることに・・・、とにかくオーケストラを指揮したかった千秋にとっては、願っても無いチャンス!
とりあえず、振ってみますが・・・、

 何を基準にメンバーを選んだのか?ヘタクソぞろいのメンバーに、思わず怒号を撒き散らす千秋。挙句の果てにはメンバーから嫌がらせまで受けてしまいます。

 せっかく指揮ができるのに、自分の思う音をSオケから引き出せない千秋がホトホト困り果てていると、正気を取り戻したシュトレーゼマンが登場。
千秋が振ると思い通りにならなかったSオケが、シュトレーゼマンが気を遣いながら振ると、それなりの音を出してしまうからさあ大変。

 ダテに巨匠と言われるだけあってSオケを見事に指揮していくのでした。実力の違いをまざまざと見せ付けられた千秋でした。


(第6話)
 シュトレーゼマンの集めたSオケのメンバーで、千秋が副指揮者に一方的に任命されてしまいます。そして定期公演の演奏会で指揮をする曲はベートーヴェンの交響曲第3番「英雄」です。おお~ドラマと違う!練習風景では第1楽章が流れてましたね。
そしてコントラバスのさくらちゃん登場!
ところが、(やっぱり)さくらちゃんのヘタクソさに千秋が目をつけるのでした。
さくらちゃんは実家が事業に失敗したので、学費を稼ぐためにバイトをして練習にも参加できませんでしたが、千秋とのだめが、さくらちゃんの実家を訪ねて、無事解決。
親父さんが高価なヴァイオリンに大金を注ぎ込んでただけだったんですね。

 S(シュトレーゼマン)オケのはずなのに、なかなか練習に来ないシュトレーゼマン。たまりかねた千秋が、シュトレーゼマンを訪ねて夜のキャバクラを訪ねると、キャバ嬢にモテモテの千秋。
・・・翌日、「宣誓!私はSオケを脱退しまーす。」とシュトレーゼマン。キャバ嬢に人気を奪われた恨みを買ってしまいます。
指揮者を正式に千秋にしてSオケを続ける事になります。シュトレーゼマンのが指揮を降るAオケと対決することになります。

 気合の入った千秋の練習は過酷なものになり「鬼の千秋」が復活し、怒号が飛び交うすさまじい練習風景になってしまうのでした・・・。果たしてちゃんと曲が出来上がるんでしょうか?今回は「英雄」・・・。



さすがに深夜放送なので、よもや外出することはあるまい!と思ってビデオの予約録画もしてなかったので、(第5話)は話が合ってるかどうか微妙ですが、とりあえずこんな感じでした。

 トラックバックにもつけてもらってますが、ドラマじゃなくてアニメのDVDも発売が決まったようですね。
 ドラマが終わって「のだめブーム」も、やや下火になったのかなと思ってたんですが、書店に行くと原作マンガは既巻が全て平済みにされているので、まだまだ話題の作品のようですが、実際はどうなんでしょう?

 今週はちゃんと見なければ!と思う今日この頃でした。(予約録画でもするかな?!)


≪原作マンガ≫
のだめカンタービレ第3巻
のだめカンタービレ (3)

講談社

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≪アニメのエンディング≫
こっちもまだ発売されてないんですね。
こんなに近くで...
Crystal Kay, 六ツ見純代, H.U.B.
ERJ

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≪アニメ「のだめカンタービレ」3・4話の記事はこちら≫

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「トリスタンとイゾルデ」前奏曲 (ワーグナー作曲)

2007年02月19日 | 序曲と前奏曲
たまには、クラシック音楽を聴いてみてはいかがですか?

今日はワーグナー:「トリスタンとイゾルデ」前奏曲です。


この曲はワーグナーの楽劇「トリスタンとイゾルデ」の第1幕への前奏曲と正式に言うとかなり長いタイトルになってしまうので、上では省略しました。
ワーグナーの作曲した楽劇の序曲とか前奏曲と言うと、個人的には迫力のある金管楽器が壮大なスケールで鳴り響く、というイメージがあったんですが、この曲に関しては弦楽器が大活躍しています。

やわらかい弦楽器とおおらかな金管楽器が絶妙なハーモニーを奏でる名曲です。いつものワーグナーのような派手さはそれほどありませんが、少し抑え気味ながらも、やっぱり壮大なスケールにはワーグナーの貫禄でしょうか?

さて、楽劇なのでストーリーは…、主人公トリスタンはスウェーデン国王マルケの甥ですが国王の使者として、国王の妃として迎えるためのイゾルデを迎えに行きます。
ところが、スウェーデンにイゾルデを連れて帰る途中トリスタンとイゾルデは愛し合うようになってしまいます。
国内に帰っても愛し合う二人ですが、そんな関係が長く続くはずもなく国王と家来たちに二人が待ち合わせをしているところを見られてしまいます。家来はトリスタンに剣を抜いて切りかかります。トリスタンはなんとかその場から逃げ出しますが、重症を負ってしまいます。イゾルデはトリスタンの後を追って逢いに行きますがトリスタンはイゾルデの腕の中で絶命します。
イゾルデが居なくなると、国王は二人の仲を許す使者を送りイゾルデの後を負わせますが、使者がたどりついた頃には既にイゾルデもトリスタンの後を追っていたのでした。
・・・という悲しい物語のようです。

 
 ひっそりとしたチェロの静かな響きから、しなだれかかるようなオーボエが
 虚しく響き渡ります。
 弦楽器がつづき、ホルンが響くと少し曲に厚みが加わります。
 その後も弦楽器を中心にさわやかで、それでいてどこか温かみを感じるゆったりと
 したフレーズが続きます。
 オーボエと弦楽器そしてクラリネット等がお互いに呼び合うようなフレーズは
 トリスタンとイゾルデなんでしょうか?
 やがてホルンの音色が次第に大きくなり、弦楽器もそれにつられる様にして徐々に
 そのうねりが大きくなっていきます。
 気が付けばトランペットやティンパニのドラムロールが曲を盛上げて大きく変化を
 魅せています。
 しかし、その後はまるで全てを出し切ったような脱力感のある曲調に変わります。
 すべての力を振り絞った後のような曲調には、脱力感と共にどこかスッキリした
 曲調にも聴こえてきます。
 フルートがさわやかに歌いハープが軽やかに曲を彩ると、
 まるで眠りにでも着いてしまったかのように静かに曲を終わります。


ワーグナーの作品としては比較的控え目な感じのする曲ですが、さわやかで音無しめの感じの中にもワーグナーの熱い感情がギュッと込められている曲のようにも聴こえます。
CDではもちろん楽劇の全曲の中にも入っていますが、「ワーグナー管弦楽集」みたいなワーグナーの序曲集のようなCDにも入っている場合も多いと思います。


≪オススメCD≫
ワーグナーの魅力をたっぷりお楽しみください。

ワーグナー:序曲・前奏曲集
オムニバス(クラシック), ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団, ベーム(カール), ワーグナー, ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団, クーベリック(ラファエル)
ユニバーサルクラシック

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【コレってどんな曲】
喜:☆★★★★
怒:☆☆★★★
哀:☆☆☆☆★
楽:☆★★★★

≪おすすめシチュエーション≫
いつでも落ち着いてゆっくりと聴ける曲です。


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