初心者のクラシック

有名な曲からおすすめの曲まで、できるだけ初心者にも分かり易く紹介します。

交響詩「高い城」  (スメタナ作曲)

2007年07月31日 | その他の作曲家
たまには、クラシック音楽を聴いてみてはいかがですか?

今日はスメタナ:交響詩「高い城」(ヴィシェフラド)です。


スメタナの交響詩と言うと、有名なのは「モルダウ」ですが、この曲も含めてスメタナは「わが祖国」というタイトルで“連作交響詩”として全部で6曲の交響詩を作曲しています。

今回の「高い城」はその連作交響詩のひとつですが、CDでは「モルダウ」とは違いなかなか単独で録音されていることは少ないようで、たいていの場合は「わが祖国」全曲としてCD1枚に録音されていることが多いようです。

ちなみに「高い城」のモチーフはボヘミア国王が住んでいたプラハの城のようです。


 ポロン♪ポロン~♪とゆっくりとなだらかなハープの音色が涼しげに響き渡ります。
 小川のせせらぎのようにも聴こえてくるハープの音色は、やわらかく穏やかに
 雰囲気を演出します。
 やがて、ホルンが優しく入り、オーボエなどの木管楽器が同じくやわらかく曲を
 ほぐしていくと、弦楽器に勢いがつき、トランペットが張りのある音をつけると
 曲は盛り上がり、シンバルやバスドラム、トライアングルが一斉に鳴り響き、
 トランペットの堂々とした響きと共に曲を盛上げていきます。
 中盤に入ると、少し穏やかさを取り戻し、フルートがゆっくりと涼しげなフレーズ
 で間をつなぎます。
 次にはテンポを速めた弦楽器が、テキパキとしたフレーズを作り、トランペット
 につなぎます。
 賑やかな流れを受け継いだ弦楽器は、青空にそびえる城を彩るように流れる雲の
 ように、次々とめぐっていくようです。
 弦楽器が勢いよく流れ出すと、ティンパニが心地よいリズムを軽快に叩きだし、
 続いてシンバルが賑やかに打ち鳴らされると、トランペット、トロンボーンの
 ファンファーレが豪快に響きます。
 その後はクラリネット、フルートが寂しげなフレーズを静かに奏でますが、
 落ち着きを取り戻すと、冒頭のハープのフレーズが今度はフルートや弦楽器で
 静かに始ります。
 そのフレーズは静かに変化をつけながら徐々に力を蓄えるようにゆっくりと響きます。
 溜めた力を一気に噴き出すようにトランペットが高らかに響きます。
 その後は力を出し切った余韻のようにフルートが静かなフレーズを残しつつ
 穏やかなまま奇麗に終わっていきます。


「モルダウ」が有名なスメタナの交響詩ですが、「高い城」を含む他の交響詩も「モルダウ」に負けず劣らずのダイナミックなサウンドを楽しめる作品だと思います。
特にこの曲は冒頭から奇麗なハープのソロが結構長く聴けますし、これだけ長めのハープのソロはなかなか珍しいと思います、それだけでも結構聴き所のある曲だと思いますから、一度聴いてみても損はないと思います。


≪オススメCD≫
「高い城」ほか「わが祖国」全曲です。
スメタナ:連作交響詩「わが祖国」
ボストン交響楽団 クーベリック(ラファエル),クーベリック(ラファエル),ボストン交響楽団,スメタナ
ユニバーサルクラシック

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【コレってどんな曲】
喜:☆☆☆☆★
怒:☆☆★★★
哀:☆★★★★
楽:☆☆☆☆★

≪おすすめシチュエーション≫
おだやかなハープの響きから勇ましいトランペットの響きまでをダイナミックに聴けます。


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CMのクラシック(その3)

2007年07月30日 | CMのクラシック
たまには、クラシック音楽を聴いてみてはいかがですか?

今日はCMのクラシック(その3)です。

さて、CMのコーナーですが、見てると結構ありますね。有名なクラシックだとインパクトというよりも、安定感があるものが多いのかな?いや、やっぱり曲によるんでしょうね。
という訳でクラシックCMいろいろです。

ホンダ
【曲目:交響曲第9番「合唱」:ベートーヴェン作曲】
「歓喜の歌」のメロディを最初は口笛で軽く始めると、ホンダ製品の様々なエンジン音が微妙にそのメロディをつないでいきます。
やがて画面にはバイク、自動車、フォーミュラカーの映像が次々に流れ出すと、エンジン音はオーケストラサウンドに、そしてセスナが青空に舞うと、最後は自動車にロックを掛けるシーンになり、メロディも口笛で締めくくります。
なかなかシャレた感じの面白いCMに仕上がってると思います。

三井不動弾レジデンシャル
【曲目:ベルガマスク組曲~月の光:ドビュッシー作曲】
「窓を開けたとき聴こえてくる音は何か?」なんて意味深なセリフをつけて、緑の生い茂る集合住宅(団地っぽいけど)の映像をバックに曲が流れてきます。
曲調の効果と、ゆるやかなナレーションが、なんとなく幻想的なCMでした。

再春館製薬:ドモホルンリンクル
【曲目:美しく青きドナウ:J.シュトラウス2世作曲】
「はじめてのお客さんにはお売りできません」の有名なナレーションと同時にオルゴール風の可愛らしいリズムが流れてきます。そして盛上がるとオーケストラサウンドになるのかな?と思いきや、おそらくシンセサイザーとか何とかでしょう。
ひょっとして、このCMって結構前からやってたかな??

国民新党:
【曲目:交響詩「モルダウ」:スメタナ作曲】
選挙終わりましたねぇ~。なんだかエライ事になってるみたいですが・・・。
で・・・、前回は自民党のCMを紹介して、民主、公明党のCMは見た事あるけど…、なんて書いてましたが、他の党のCMもあったんですね。TVタックル(テレビ朝日系列)で各党のCMやってましたほぼ全部。なかなか貴重なモノを見てしまった…気がする。
その中でクラシックを使っていたのが国民新党!
内容は・・・、階段でだべっている茶髪の連中に、綿貫党首が「若者よ!ビシッとしろ!これからは君達の時代だ!」とか言ってるのが、なんとも滑稽なCMでした。
そのバックで弦楽四重奏風のモルダウが流れてます。結構笑えました。


前に自民党のCMを紹介した頃に、gooブログ編集画面に「※公職選挙法に関するご注意」なんていうリンクがついてしまって、あんまり調子に乗っていろいろ書いてると違法になります的な事が書いてあったので、「国民新党」のCMは自主規制してましたが・・・、上の番組では各党の貴重なCMが見れて面白かったです。見た人も結構いるのかな?

【このブログの中で】
♪前回紹介したCMのクラシック
♪ベートーヴェン:交響曲第9番「合唱」の記事はこちら
♪ドビュッシー:「ベルガマスク」組曲の記事はこちら
♪J.シュトラウス:美しく青きドナウの記事はこちら
♪スメタナ:交響詩「モルダウ」の記事はこちら

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チェロ協奏曲 (シューマン作曲)

2007年07月29日 | その他の作曲家
たまには、クラシック音楽を聴いてみてはいかがですか?

今日はシューマン:チェロ協奏曲です。


チェロ協奏曲自体があまり数が少ないので、チェロ協奏曲の中でも演奏される機会の多いこの曲です。
協奏曲なのでチェロをソロ楽器としてそれをフルオーケストラが伴奏する曲なんですが、個人的にはチェロのソロの音って、他の楽器とは違って大勢のチェロパートで聴く音とは、かなりイメージが違うように思います。(気のせいかな?)

そんなイメージのチェロ協奏曲ですが、この曲は少し暗い曲調で、結構渋いフレーズを持っている曲です。
ただ、2楽章のゆっくりとしたフレーズはチェロの音色を活かして、しっとりと中低音を聴かせてくれる音楽なので、その辺がオススメだと思います。
各楽章は切れ目無く演奏されるのもこの曲の特徴です。


 第1楽章:オーボエなどの管楽器の前奏(イントロ)につづいて、しっとりと
 後ろ髪を引かれるようなチェロの切ないメロディが響きます。
 その後も締め付けられるような切ないフレーズをオーケストラと合わせていき、
 チェロが終わると、弦楽器が劇的なフレーズを作り出します。
 低音のチェロがじわじわと浮き上がるように高音へ移り行くフレーズが
 フルートが混ざり始めると、やわらかく淡い響きにもなっていきます。
 ふわふわとした音色から、次第にツヤをつけていくと、力強い響きを聴かせたり
 という変化を付けた音も聴かせてくれます。
 メインテーマを挟みながら、切ない響きをときには悲しく、ときには淡くやわらかく
 チェロの響きでうつろい行くフレーズで聴かせてくれます。

 第2楽章:1楽章の響きがやわらかくなると、※ピチカートのゆっくりとしたリズム
 に乗せて、やわらかく暖かい響きのチェロがそうっとやさしく触れるように
 始ります。
 フルートがうっすらと、にじんだ光のように入ると、力強いチェロが入りますが、
 その力もすぐに、ふわっと抜けるようにやわらかい響きを聴かせます。
 やがて影のようなホルンがしっとりと周りを包むと、とても幻想的で落ち着いた
 雰囲気を作り出していきます。
 伸びやかにうっすらと拡がっていくようなチェロの響きが染み渡っていくようです。
 しかし、オーボエクラリネットが強く響くと、まるで思い出したかのように1楽章の
 フレーズを力強く振り絞り、引きつけるようにしっかりとした響きを聴かせると…

 第3楽章:2楽章を受けながら、テンポが少し速くなり、ティンパニを交えながら
 力強いフレーズと共に高音のチェロが響きます。
 チェロのソロはやや明るみを含みながら、曲を進めていきます。
 木管楽器と掛け合いながら、少しずつ明るみを増すようにして勢いを付けていくと
 3楽章冒頭の力強いフレーズを呼び起こします。
 じわじわと階段を踏みしめていくように、高音まで登りつめていき、盛り上がります。
 最後にソロを聴かせると、その勢いを借りて豪快に終わります。
 

渋い曲ですね。たぶんチェロという楽器の特徴なんでしょうけど、それにしても渋い。途中やわらかく聴かせたり、しっとりと味わい深い音を聴かせてくれますが、全体的にはやっぱり渋い曲だと思います。
でも、その分ゆっくりと聴かせてくれる部分に入ると説得力があるのも、この楽器の特徴かもしれません。
同じチェロ協奏曲では、ドヴォルザークの方が圧倒的に知名度がありますから、どうしてもその影に隠れてしまいがちの曲ですが、ドヴォルザークの協奏曲にも引けはとらないものも持っていると思うのでよかったら聴いてみてください。


≪オススメCD≫
その他チェロ協奏曲と聴き比べができます!
チェロ協奏曲集
マイスキー(ミッシャ),ヨーロッパ室内管弦楽団,ハイドン,イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団,バーンスタイン(レナード),ドヴォルザーク
ユニバーサルクラシック

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【コレってどんな曲】
喜:☆★★★★
怒:☆☆☆☆★
哀:☆☆☆☆★
楽:☆☆★★★

≪おすすめシチュエーション≫
渋い感じをジワッと聴かせてくれます。

※ピチカート

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ピアノ協奏曲第10番

2007年07月26日 | モーツァルト
たまには、クラシック音楽を聴いてみてはいかがですか?

今日はモーツァルト:ピアノ協奏曲第10番です。

この曲は「第10番」というより「2台のピアノのための協奏曲」としてのほうが有名な曲かもしれません。

作曲された頃は、パリでの就職活動に失敗し、母親を亡くして、アロイジアに振られてザルツブルクへ引き返した頃の作品ですが、曲には暗いところは無く、明るくさわやかに聴ける曲です。

“2台のピアノのための”曲ですが、そうと言われなければ、2台とは思えないほど自然に流れるピアノを聴かせてくれます。


 第1楽章:伸びやかな弦楽器から始ると、軽快なリズムからさわやかな前奏を
 スッキリと聴かせてくれます。
 ピアノのトリルからソロが始ると、まるで1台で弾いているような絶妙な
 コンビネーションで素早いフレーズも可愛らしくサラッとこなしていきます。
 交互に掛け合いを見せたり、ときには重なり合い活き活きとした音を
 やわらかい高音で聴かせてくれます。

 第2楽章:ゆるやかに伸びるオーボエの音を包むように弦楽器がやさしく響くと
 オーボエをなぞるように、ゆるやかなピアノトリルが始ります。
 やわらかく落ち着いたメロディはとてもゆったりと聴けます。
 オーボエと絡み合うピアノも艶やかですが、低音の弦楽器も絶妙なアクセント
 を入れると、ピアノの響きが一層引き立てられてムードたっぷりの曲を
 聴かせてくれます。

 第3楽章:軽やかなリズムに乗せて短い前奏(イントロ)が終わると、2台の
 ピアノは力を合わせて、時には競い合うように勢いよくメロディを作り出します。
 可愛らしく聴かせたかと思えば、力強い響きを聴かせてみたり、そうかと思えば
 力無くよりかかったような音を聴かせたり、とにかく次々に様々な音を
 聴かせてくれますが、全体的にはとても楽しく快活な雰囲気を保ったまま
 最後までスッキリと聴かせてくれます。


明るくさわやかな曲はいつ聴いても楽しくさせてくれる曲です。

≪オススメCD≫
アルゲリッチとその他の協奏曲も入ってます。
モーツァルト:ピアノ協奏曲第10番&第19番&第20番
アルゲリッチ(マルタ),モーツァルト,ラビノヴィチ(アレクサンドル),パドヴァ・エ・ヴェネト室内管弦楽団,フェーバー(イエルク),ヴェルテンベルク室内管弦楽団
ワーナーミュージック・ジャパン

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【コレってどんな曲】
喜:☆☆☆☆★
怒:★★★★★
哀:☆★★★★
楽:☆☆☆☆☆

≪おすすめシチュエーション≫
絶妙な2台のピアノをお楽しみください。


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交響詩「パリのアメリカ人」 (ガーシュウイン作曲)

2007年07月25日 | その他の作曲家
たまには、クラシック音楽を聴いてみてはいかがですか?

今日はガーシュウィン:交響詩「パリのアメリカ人」です。

この曲はガーシュインが、その代表代「ラプソディ・イン・ブルー」に次いで有名な作品だと言われています。“ラプソディ・イン・ブルー”と同様クラシックと言うよりはジャズの要素が多く含まれていて、サックスなどの楽器も特徴的に使われています。

タイトルの“パリのアメリカ人”はガーシュウィンが訪れたパリの情景を印象深く音楽で表現したものだと言われているようです。

いわゆる普通のクラシック音楽とはひと味違ったオーケストラサウンドが楽しめる一曲だと思います。


 軽快な弦楽器のフレーズが始ると、足取りも軽やかにパリの街をスキップでもする
 かのように歩く様子が、いきいきと表現されていきます。
 あまり浮かれて調子に乗っていると、タクシーにクラクションを鳴らされて、
 ヒヤッとする場面もコミカルで面白く聴けます。
 タクシーにクラクションを鳴らされて、少し落ち込んだようにもなりますが、
 しばらくするとまたすぐに、クラリネットが甲高く鳴り響き、トランペットや
 シンバルが派手に響くと、明るく歩き始めます。
 よっぽどはしゃぎ過ぎたのか、少し疲れたようなオーボエの音色がしっとりと
 響くと、弦楽器も優しく、それを包んでいくようにしずかに響きます。
 しかし、またすぐに元気を取り戻し、賑やかに楽しくトランペットが響くと
 勢いを付けた金管楽器が響いていきます。
 そして、今度は疲れたように静かになり、ヴァイオリンがくたびれたような
 ソロを奏でると、フルートや木管楽器が欠伸でもするように、ゆっくりと
 のんびりと、ゆるやかなフレーズに移っていきます。
 そして、夢うつつになりながら、遠く離れた故郷のアメリカを思い出させる
 ようなフレーズがサックスで響くと、それをトロンボーンが追いかけます。
 懐かしの故郷を思い起こさせるように、ノスタルジックな雰囲気が漂います。
 そんな情景に浸っていると、いつの間にか弦楽器が慌しく鋭いフレーズになり、
 一瞬、賑やかな表情を見せていきます。
 それが収まったかと思うと、また軽快な弦楽器のリズムが表れて、晴れやかに
 明るいフレーズが続いていきます。
 独特のリズムに乗せて明るくジャズの雰囲気を盛上げて、頂点を迎えると風船から
 空気が抜けていくようにしぼんでいくようにトーンダウンしていきますが、
 ラストは派手にクライマックスを迎えて、最後はクラリネットがひとつとぼけた
 ようなフレーズを残すして終わります。


この曲はミュージカル映画「巴里のアメリカ人」にも使われており、この曲に基づいて作成された映画とも言われています。
更に映画の中ではこの曲をバックにしたダンスシーンもあるようです。(例によって映画は見た事ないんですけど。)
なので、逆に映画を最初に見てこの曲を知った人も多いのかもしれません。


≪オススメCD≫
マイケルでどうぞ。
ガーシュイン:ラプソディ・イン・ブルー/パリのアメリカ人 他
ガーシュウィン(ジョージ),コロンビア・ジャズ・バンド,ガーシュウィン,トーマス(マイケル・ティルソン),ニューヨーク・フィルハーモニック,ロスアンジェルス・フィルハーモニック
ソニーミュージックエンタテインメント

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【コレってどんな曲】
喜:☆☆☆☆★
怒:☆★★★★
哀:☆☆★★★
楽:☆☆☆★★

≪映画「巴里のアメリカ人」DVD≫
旧作って今こんなに安いんですね!
巴里のアメリカ人

ファーストトレーディング

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≪おすすめシチュエーション≫
ジャズ感覚でクラシック音楽が楽しめます。


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プロメテウスの創造物 序曲

2007年07月20日 | ベートーヴェン
たまには、クラシック音楽を聴いてみてはいかがですか?

今日はベートーヴェン:バレエ音楽「プロメテウスの創造物」序曲です。

この作品はベートーヴェンの初期の作品で、交響曲第1番やピアノ協奏曲第1番を作曲した頃に作曲されています。

交響曲第1番を完成させて自身をつけたベートーヴェンは舞台音楽に興味を持ち、当時有名だったイタリアのバレエダンサー、サルヴァトーレ・ヴィガーノから新作バレエのための音楽を依頼されて作曲しています。

完成すると、初演から1年で20回以上も公演されていたという事ですから、かなりの人気作品だったようです。

曲調はスカッと爽快!元気ハツラツの一曲ですから、初心者でも十分楽しめる曲だと思います。

そして、バレエ音楽なので当然ストーリーもあるハズなんですが、分んないんだなコレが…。ちなみに“プロメテウス”はギリシア神話の中に出てくる神々のひとつなので、彼が何か創ったんでしょう、たぶん。

ジャン!ジャン!!ジャン!!ド・ド~ン♪と大きな和音が三つ入ると、
次は木管楽器がやわらかくつないでいきます。
ゆったりとした序奏(イントロ)が終わると、きめ細かい弦楽器が素早く、そして
だんだんと賑やかに曲を盛上げていきます。
キレのある弦楽器のフレーズに、フルートやクラリネットの軽やかなフレーズを
織り交ぜながら軽快に曲を進めていきます。
最後は弦楽器がザクザクっと刻んでラストを奇麗にまとめます。 
 
ちなみに序曲だけなら演奏時間は5分程度の短い曲です。ただ、この短い間にベートーヴェンらしさがギュッと凝縮されて、勢いにあふれる一曲です。
ただでさえ短い曲なのに、目まぐるしく始ってあれよあれよという間にすぐ終わってしまいますから、聴いてても気持ちのいい曲ですね。

≪オススメCD≫
どれもベートーヴェン初期の作品です。
ベートーヴェン:交響曲第1番&第2番
ヨッフム(オイゲン),バイエルン放送交響楽団,ベートーヴェン,ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
ユニバーサルクラシック

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【コレってどんな曲】
喜:☆☆☆☆★
怒:☆☆★★★
哀:★★★★★
楽:☆☆☆★★

≪おすすめシチュエーション≫
コンパクトにスッキリ聴ける曲です。


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交響詩「トゥオネラの白鳥」 (シベリウス作曲)

2007年07月19日 | ちょっとした曲
たまには、クラシック音楽を聴いてみてはいかがですか?

今日はシベリウス:交響詩「トゥオネラの白鳥」です。

この曲はシベリウスの「レンミンカイネン組曲」の“4つの伝説曲”と呼ばれる曲の2番目にあたる交響詩のひとつですが、中でもこの曲が特に有名で単独で演奏される事も多いようです。(他の3曲はまだ、聴いた事ないんですけど。)

“トゥオネラの白鳥”はシベリウスの祖国フィンランドに古くから伝わる有名な叙事詩「カレワラ」の中に登場します。
英雄レミンカイネンは北方の国の美女に求婚しますが、美女の母親に、死の河トゥオネラに住む白鳥を射る事を条件とされます。レミンカイネンはこれに失敗してしまい、殺されてしまうという、なんとも悲しい物語のようです。(その後レミンカイネンは母親によって蘇生されます。)

曲調は弦楽器を中心に幻想的なフレーズを聴かせながら白鳥に見立てたイングリッシュホルンのソロが聴き所です。
 
 ひっそりと静まり返った中から、まるでうっすらと浮き上がるように弦楽器が
 自然に現れます。
 透き通るようなヴァイオリンのフレーズが、幻想的に聴かせると、ゆっくりと
 したチェロが首をもたげるように、低音をしっとり響かせます。
 ヴァイオリンの流麗なフレーズの中にイングリッシュホルンが鳴り始めるるのが
 聴こえてくると、白鳥のか細い鳴き声が、静まり返った湖に響くように美しく
 聴こえます。
 もの悲しい白鳥の声は、何かを語りかけているようにも聴こえます。
 弦楽器が響く中に、イングリッシュホルンが更に強く何かを訴えかけるように響くと
 その音色に思わず耳を傾けてしまいます。
 泣き声が止み、チェロが入ると白鳥はやがて向きを変えて、音も立てずにこちらへ
 近づいてくるようにも思えてきます。
 そして、クラリネットが響きハープがポロロン♪と響くと、まるで目の前に来た
 白鳥が水面に浮かんだまま翼を大きく広げるて、水しぶきがキラキラと光るように
 輝き出します。
 そうかと思うと白鳥は翼をたたんで、また音も立てずにもと来た法へ静かに
 去っていくようです。
 ヴァイオリンが奇麗に響き、チェロがしっとりと最後を飾ると、白鳥はまるで
 湖の霧の中に消えていくようにして終わります。

美しく幻想的な曲ですから、暑くてうっとおしい夏に聴くとスッキリできるかもしれないですね。とても不思議な雰囲気を持った曲ですが、そこがまた魅力的な一曲だと思います。演奏時間も10分足らずと短めですし、CDでは交響曲と一緒に入っていたり、シベリウスの序曲集なんかにも録音されている事が多いようです。
北欧つながりでグリーグの曲と一緒に録音されていることもあるようです。


≪オススメCD≫
オールシベリウスでどうぞ。
シベリウス:作品集
オムニバス(クラシック),ヘルシンキ放送交響楽団,カム(オッコ),シベリウス,ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団,カラヤン(ヘルベルト・フォン),シュテンプニク(ゲルハルト)
ユニバーサルクラシック

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【コレってどんな曲】
喜:☆★★★★
怒:☆☆★★★
哀:☆☆☆★★  →幻☆☆☆☆☆
楽:☆☆★★★

≪おすすめシチュエーション≫
スッキリと涼しげに聴ける一曲です。


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オーボエとヴァイオリンのための協奏曲

2007年07月17日 | バッハ
たまには、クラシック音楽を聴いてみてはいかがですか?

今日はバッハ:オーボエとヴァイオリンのための協奏曲です。

協奏曲と言うと、だいたいはひとつのソロ楽器をオーケストラが伴奏する曲ですが、バッハの時代には、複数楽器をソロ楽器として作曲した作品も一般的だったようです。

オーケストラの楽器の中でもいわゆる“花形”として主メロを担当する事が多いヴァイオリンとオーボエですが、バッハはこのふたつの楽器のための協奏曲も作曲しています。

最初はオーボエのメロディがヴァイオリン伴奏を従える感じがしますが、気がつけばヴァイオリンもしっかりと存在感をアピールしていきます。
ただ、曲調としては、基本的にはもの悲しい雰囲気がありますから、ちょっと切ない曲ですね。

 第1楽章:ゆるやかで、しっとりとした弦楽器が悲しく響くと、それにこだま
 するように響くオーボエの音色。
 やがてオーボエのソロが悲しく響きます。ヴァイオリンはリズムを中心に
 しながらも、存在感を持ちながらオーボエと絶妙なコンビネーションを編み
 出していきます。
 そして、何かから逃げるようにしえ足早に駆け抜けていくように、最後まで
 スピードを落とさずに走り去っていくように終わります。

 第2楽章:伸びやかに始るオーボエのメロディにヴァイオリンがしっとりと
 音を重ねていきます。
 悲しい響きに変わりはありませんが、ゆっくりと落ち着いた曲調が妙に
 しっとりと響き、ゆるやかなオーボエとヴァイオリンのハーモニーは、
 いつの間にかまどろんでしまいそうな、暖かい響きにも聴こえてきます。

 第3楽章:テキパキと始るオーボエとヴァイオリン。規則正しく次から次へと
 まるで、与えられた仕事をこなしていくように、機械的にさえ聴こえてしまう
 フレーズですが、ヴァイオリンソロが何度も素早く、繰り返すテクニカルな
 ソロは思わず脱帽の妙技です。
 そのまま、速いテンポを最後まで崩さずに、目まぐるしく続くヴァイオリンの
 要所をオーボエが的確に押さえながら、これでもかと言わんばかりの安定した
 テンポを保ちつつ最後を迎えます。
 
CDでは、やはりオーボエよりもヴァイオリニストがメインで曲を録音する事が多いようですが、オーボエもしっかり、しっとり聴かせてくれるものが多いですから、そちらもお聞き逃しないように、と言ったところでしょうか?
演奏時間は全3楽章をあわせても15分足らずですから、比較的短めと言える曲だと思います。


≪オススメCD≫
ヒラリーハーンのヴァイオリンです。
バッハ:ヴァイオリン協奏曲第1番&第2番
ハーン(ヒラリー),カヘイン(ジェフリー),ロサンゼルス室内管弦楽団,バッハ,バーチャー(マーガレット)
ユニバーサルクラシック

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【コレってどんな曲】
喜:★★★★★
怒:☆★★★★
哀:☆☆☆☆★
楽:☆☆★★★

≪おすすめシチュエーション≫
感傷に浸るにはいいかもしれませんが、ほどほどに。


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ポルカ「雷鳴と電光」 (J.シュトラウス2世作曲)

2007年07月16日 | ちょっとした曲
たまには、クラシック音楽を聴いてみてはいかがですか?

今日はJ.シュトラウス2世:ポルカ「雷鳴と電光」です。

J.シュトラウスはさまざまな題材を使って、数多くのワルツやポルカを作曲していますが、この曲もそのひとつで「雷」をイメージして作曲された曲です。

先日も、梅雨時期に台風が重なって雷こそは聴きませんでしたが、風と雨がすごい勢いでしたね。雷とか、台風とか聞くと、怖いイメージがありますが、この曲はそんな雷の音を楽しく陽気に聴いてしまおうという曲です。


 トランペットの音は稲光でしょうか?その後すぐにティパニ(大太鼓)の
 ドラムロールがドロロ~ン♪と流れます。これは雷鳴でしょう!
 するとフルートピッコロが振り出した雨のようにサラサラと流れてきます。
 雨音は次第に大きくなり、シンバルやトランペットが賑やかに入ると
 大雨が振ってきたように派手に盛上がります。
 合間にシャーン!と入るシンバルと、バスドラムの激しい音は、
 とても印象的に雷鳴を演出します。
 しかし、曲は軽快に飛ばして、ここまで大雨が振るとスカッとさわやかに
 聴かせてくれる一曲です。


この曲は、シュトラウスが当時開催されていた、パリ万博で聞いたドイツ製の大砲の轟音を聞いて、ヒントを得た曲とも言われているようです。
雷鳴を軽快なリズムに乗せて、陽気に楽しく聴ける曲ですから初心者にもオススメの一曲です。
 

≪オススメCD≫
雷鳴と電光 / シュトラウス・ポルカ・マーチ集
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団, J.シュトラウス, ボスコフスキー(ウィリー)
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【コレってどんな曲】
喜:☆☆☆☆★
怒:☆☆★★★
哀:★★★★★
楽:☆☆☆★★

≪おすすめシチュエーション≫
雨の日は気がめいりがちですが、この曲を聴けば楽しくなるかも


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クラシックファンのためのシリーズCD

2007年07月15日 | どれにしよう?
たまには、クラシック音楽を聴いてみてはいかがですか?

今日はクラシックファンのためのシリーズCDです。

クラシックCDは以前紹介したみたいに、初心者のために、キャラクターやテーマ別にいろいろな曲を集めた企画ものシリーズや、スタンダードなタイトルを集めた100枚シリーズを販売したりしていますが、その他にも様々なコンセプトのもとにオリジナルのシリーズを販売しています。

そこで今日は、各メーカーが力を入れて企画したクラシックファンのためのシリーズをいくつか紹介してみようと思います。(と言ってもクラシックファンの方なら既に知っている人も多いと思うので、初心者の方は参考にしてみてください。)


 グラモフォン:パノラマシリーズ
 2枚組で1500円のお買い得シリーズです。作曲家別に○○作品集としてまとめ
 られています。とにかくたくさん聴きたい!という人にはオススメのシリーズ
 でしょう!有名どころをしっかり押さえたシリーズですから初心者でなくても
 たっぷり楽しめます。
 風景写真が真ん中に入ったシンプルなデザインのジャケットです。
 グラモフォンの黄色いロゴにPANORAMAの文字が目印です。
 
シベリウス:作品集
オムニバス(クラシック), ヘルシンキ放送交響楽団, カム(オッコ), シベリウス, ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団, カラヤン(ヘルベルト・フォン), シュテンプニク(ゲルハルト)
ユニバーサルクラシック

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アニバーサルなのでシベリウス
 ――――――――――――――――――――……・・・
 
 EMI:グレートレコーディングス
 いわゆる“名盤”ってヤツですね。指揮者・オーケストラ・ソリストなど世紀の名盤と
 銘打って、後世に残したい録音を集めたシリーズです。
 金色の下地に黒いレコードがなかなか渋いジャケットです。目印は右上にある赤い
 EMIのロゴとレコードの上に書かれたGreatRecordingsOFTHECenturyの文字です。
 (中身はもちろんCDなんですけど)
 
ベートーヴェン:交響曲第9番「合唱」
フルトヴェングラー(ウィルヘルム), バイロイト祝祭管弦楽団, ベートーヴェン, ホップ(ハンス), エーデルマン(オットー), シュワルツコップ(エリザベート), ヘンゲン(エリザベート), バイロイト祝祭合唱団
東芝EMI

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名盤というとこのCDを思い出してしまう・・・
 ――――――――――――――――――――……・・・

 ユニバーサルクラシック:オリジナルズ
 こちらは、なつかしのCDみたいな感じなんでしょうか?名前からするとおそらく
 オリジナル当時のジャケット写真を斜めにして、新しくリリースしたCDです。
 左上の青または黒のに書かれたORIGINALSの文字が目印です。
 これも、いわゆる“名盤”といわれるCDですね。グラモフォンとデッカが
 あるみたいです。
バッハ/無伴奏チェロのための6つの組曲
フルニエ(ピエール), バッハ
ユニバーサルクラシック

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アマゾンではあんまりこのシリーズは無いみたいです。
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 フィリップス:デュオシリーズ
 2枚組みならフィリップスからも発売されてます。特徴は組曲や交響曲など、2枚に
 収まるくらいの曲をちょっとした全集みたいにして録音している事が多いみたいです。
 各種協奏曲やソナタ、弦楽四重奏なんかもあります。とにかく入る限り2枚にギッシリ
 収録されています。1,800円も魅力的です。
チャイコフスキー:組曲全集
ドラティ(アンタル), ニュー・フィルハーモニア管弦楽団, チャイコフスキー
ユニバーサルクラシック

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最近買ったCDです。
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 ソニー:1,000円シリーズ?
 何ていうシリーズなのか名前は分りませんが、お店で見かけて安かったので何枚か、
 シリーズのCD持ってます。白地にほぼ一色のカラーの風景写真を載せたシンプルな
 ジャケットが目印です。
 安いから聞いたことも無い演奏家のCDかな?なんて思いながら手にとってみると
 そうでもない!と思って衝動買いしてた気がします。
 どれくらい発売されているか分りませんが、有名な曲ならひととおりそろっている
 と思います。
ガーシュイン:ラプソディー・イ
フィラデルフィア管弦楽団, ガーシュウィン, オーマンディ(ユージン)
ソニーミュージックエンタテインメント

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ジャケットが印象に残ってました。
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 グラモフォン:ドイツ・グラモフォン・ザ・ベスト1000
 ベスト1000と言っても1000枚CDを出す訳ではなくお値段が1,000円なんですね。
 いや~最近のCDは安いからいいですよね。音楽のダウンロード販売に押されてる
 ようですが、買う方としては安いに越したことはないですよね。
 しかもレーベルは天下のグラモフォンですから、名演が150枚でラインナップされて
 います。
 昨年の秋から発売されているようですが・・・、ああ!こんなお買い得なCDが
 聴き始めた頃にあれば・・・、と思うのは自分だけでしょうか・・・。
 目印はジャケット中央下にあるTheBest1000のロゴです。
ベートーヴェン:交響曲第6番
カラヤン(ヘルベルト・フォン), ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団, ベートーヴェン
ユニバーサルクラシック

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カラヤンが多いのかな?


改めていろいろ探してみると、クラシックCDってこんなにたくさんあるもんなんですね。この他にも様々なシリーズCDがありますから、インターネットとかお店で見てるだけでも、いろいろ欲しくなってしまうんですよねぇ~。
あー!この人の演奏でこの曲のCD出てるんだ!でも値段がなぁ~、こっちのCDの方が安いんだけど、この曲は前にも買って持ってるし・・・とかなんとか、
CD1枚買うのにいろいろ悩んでしまいます。

一応パノラマシリーズだけは、インスタントストアで紹介してみましたので、よかったらどうぞ。(見てるだけでも欲しくなってしまうので要注意!!)
◆初心者のためのシリーズクラシックCDストア◆


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