初心者のクラシック

有名な曲からおすすめの曲まで、できるだけ初心者にも分かり易く紹介します。

調子のよい鍛冶屋  (ヘンデル作曲)

2009年04月30日 | ちょっとした曲
たまには、クラシック音楽を聴いてみてはいかがですか?

今日はヘンデル:調子のよい鍛冶屋です。

この曲は、現在はピアノで演奏されることが多い曲ですが、もともとは作曲家ヘンデルの時代に使われた楽器チェンバロのために作曲された曲のようで、
この曲だけではなく、「組曲」として他の曲と合わせて作曲されているようです。(全曲を聴いたことはありませんが)

タイトルの「調子のよい鍛冶屋」というのもヘンデルの死後、出版社によって名づけられたとされています。

いずれにせよ、いろいろややこしい話はさて置き、トントンと響くピアノはとてもテンポよく進み、スルスルと進んでいく曲はとても軽快にその音色を聴かせてくれます。



 低音の響きがひとつ、その後にテンポよく始まるメロディ。
 最初はゆっくりとしっかり刻まれるその音色ですが、
 しばらくすると、少しその調子が速くなり、トントンと進んでいきます。
 同じメロディを軽快に続けると、なんだかスッキリしますが、
 ちょっと早いかな?
 そして、今度はそのメロディの合間を縫うように音をちりばめてゆき、
 しっかりとした音を作り上げていきます。
 最後にはとても速いフレーズを見事に歌い上げ、
 ラストをきれいにまとめていきます。


CDでは、「珠玉のピアノ集」とか「ピアノ名曲集」みたいなものによく登場する作品です。それだけ、多くのピアニストや聴衆を引き付ける魅力をもった作品といえるのかもしれません。
ただ聴いてる分には、スラスラと軽快に進むフレーズがとても心地よく響きますが、結構速いフレーズなので、演奏するのは意外と難しそうですが実際はどうなんでしょう?

また、チェンバロによる曲という事が分かると、このメロディと合わせて、「組曲」の他の曲も聴いてみたくなりますね。


≪オススメCD≫
アントルモンの「ピアノ名曲集」でどうぞ
エリーゼのために?アントルモン/ピアノ名曲集
アントルモン(フィリップ)
ソニーレコード

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【コレってどんな曲】
喜:☆☆☆☆★
怒:★★★★★
哀:☆★★★★
楽:☆☆☆☆★


≪おすすめシチュエーション≫
トントンと調子のよい曲です。


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CMのクラシック(その39)

2009年04月28日 | CMのクラシック
たまには、クラシック音楽を聴いてみてはいかがですか?

今日はCMのクラシック(その39)です。

さてテレビでは連日たくさんのコマーシャルが流れていますが、そんなTVCMの中にもクラシック音楽は結構使われています。それをクラシック音楽と意識しなくても知らず知らずのうちに聴いてしまう愉快なメロディを思わず口ずさんでいる事もあるんじゃないでしょうか?

最近、あんまりクラシックの曲が使われている新作のCMが無いなぁなんて思っていると、たまたま見てた番組で、ポンポンと続けてやっていたので、「おお!待ってました!」とばかりにチェックしたので、またいくつか紹介してみます。

ポッカ:ふってふってゼリー
【曲目:弦楽五重奏曲作品11-5~第3楽章「メヌエット」:ボッケリーニ】(曲の記事はまだ書いてません)
髭男爵のふたりが登場し「ポッカふってふってゼリーって事はふって飲むんだろ?」と聞くと、「違いますよ男爵さま!ふってふって飲むんす!」
「だからふって飲むんだろ」・・・「違います・・・・」とお互いに繰り返し
最後は「どっちも一緒やないか~い」と言ってふたりで乾杯するCM。


スクウエアエニックス:メジャマジマーチ(任天堂wiiソフト)
【曲目:ボギー大佐:アルフォード】
メジャマジ・マーチ

スクウェア・エニックス

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ゲームに登場する動物のキャラクターたちがバトンを振りながら、
「♪サル、ゴリラ、チンパンジ~♪」と歌って行進する愉快なCM。
曲の記事にも書いてましたが、まさかCMで歌うとは・・・

出光:(日本の遺産 竹富島・オンネトー編)
【曲目:ピアノ協奏曲第5番「皇帝」~第2楽章:ベートーヴェン】
守りたいものがある・・・、沖縄県 珊瑚礁の島 竹富島。
大切にしたい風景に出会うと、アクセルをそっと戻したくなる・・・北海道 神秘の色彩湖 オントネー。
ふたつの風景の中を、車が静かにゆっくり走ると、ナレーションと字幕で表示されます。そして車は出光のスタンドへ・・・というCM。
CMではピアノとソロヴァイオリンの音になってました。

カルピス(カルピス物語篇)
【曲目:亡き王女のためのパヴァーヌ:ラヴェル】
幼稚園の先生に扮する長澤まさみさんに園児が「先生、カルピスつくって!」とかわいくおねがいすると、紙芝居風の寸劇がはじまり・・・「私は旅に出た・・・、牧場でうしさんのお乳をしぼり、そのまま工場へ・・・、90年もの間受け継いできた乳酸菌で私はカルピスを作りあげた・・・」と、熱く語って、カルピスに頬ずりしながら、「みんな、できたよ!」と微笑む。
園児たちは、「そこからじゃなくって!」とツッコむCM。
ほのぼのとするCMですが曲は、紙芝居風の映像のときに鼻歌風にメロディが流れるのと、その後園児たちのツッコミシーンには立て笛でコミカルアレンジで演奏。ちなみにカルピスのホームページでは、演奏が栗コーダーになってました。

※曲目のリンクはこのブログで書いた記事のページにつながります。


このブログの更新ペースからすると、だいたい5つから6つ間隔で「CMのクラシック」をお届けしていますが、前の「その38」から既に10こ以上経過しても、あまり見かけなかった新作のクラシックCM。
じゃぁ、またリニューアル編でもしないといけないかな?とか思った矢先に、ついに発見!あんまり意識してなかっただけなのかなぁ?なんて思ったりして。

【前回のCMのクラシック】

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【ブログパーツ情報】
5月は新緑の季節なので、緑のキャラクター「リデル」再登板です。(5月1日追記)


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クラシックのヴァヴィブヴェボ?

2009年04月27日 | どれにしよう?
たまには、クラシック音楽を聴いてみてはいかがですか?

今日は、クラシックのヴァヴィブヴェボ?です。

毎回、思いつきでいろんな事を書いてるこのブログ。今更こんなヘンテコな記事を書いても、普段からご愛読頂いているみなさんなら、「またか…、」くらいで流してもらえれば幸いなんですが・・・。

そんな感じで今日のお話は、
クラシック音楽は作曲家や楽器、曲目などによくこんなカタカナ表記がされる事が多い事は既にみなさん御承知の事でしょう。(ヴァ・ヴィ・ヴェ・ヴォみたいなの)

たとえば、ベートーヴェンだったり、ヴァイオリンソナタだったり・・・

パソコンで打つのも結構苦労しますが、それでもわざわざ「ヴェ」とか「ヴァ」とか書いてあったりするんですね。(自分も使ってますケド)

別に会話をする分には、ベートーベンやバイオリン(「ベ」「バ」)でも、もちろん問題なく通じますし、普通に発音すれば自然に出てくるのはむしろ、この「ベ」「バ」の音のはずです。
逆に「ヴェ」とか「ヴァ」とかの発音を出そうとして、中学時代に習った英語みたいに、会話中にわざわざ下くちびるを軽く噛んでこんな発音をしようものなら、

「なに?!アノ人・・・、ちょっとくらいクラシック聴くからって、何かちょっと調子に乗ってるんじゃない?」なんて話にもなりかねない!?(ちょっと言い過ぎか?)
にしても、クラシック音楽がまた「お高くとまって」とか言って、世間から敬遠される原因にもなり兼ねない!?

なので、話し言葉としては特に気にする必要はないんでしょうが、ブログとかなんとかで、文字に起こすとたいていの場合は、この「ヴァ・ヴェ・ヴォ」になってしまうんですねぇ。


思い起こせば、このブログを書き始めた当初、ちょっと悩んでたんですね。一応ブログタイトルが「初心者のクラシック」なので、極力普通の言葉で分かるように書こう!と思って、「ベートー(ヴェ)ン」っていうのもちょっとどうかな?とか思った事があったんですが、当時、記事に載せるCDを探そうと思ってアマゾンで「ベートー(ベ)ン」を検索すると、やたらCDの検索数が少ない・・・?

あら??やっぱりアマゾンでもクラシックCDはそんなに在庫が無いのかな?と最初は思っていたんですが、・・・そうじゃない。
「ベートー(ヴェ)ン」で検索しないといけなかったんですね!!
ちなみに今でもアマゾンでトップから「ベートー(ベ)ン」を検索すると、その数は1552コ(クラシック音楽)そして、「ベートー(ヴェ)ン」で検索すると、5931コ(クラシック音楽)とその数にはかなりの差が発生してしまう。

さすがにアマゾンで紹介するんだったら、これじゃイカン!と思って極力「ヴェ」の字を使って書くようにしましたが・・・、

最近のGoogle検索だと、仮に「ベートー(ベ)ン」と入力しても「もしかして、ベートーヴェン?」と聞き返してくれるので、検索にはそれほど苦労しないようですが・・・、

それにしても、クラシック音楽にはこの手の名前が多い気がする。
ざっと挙げてみても・・・
ヴィヴァルディ、ベートーヴェン、ヴェルディ、ドヴォルザーク、ラヴェル、ストラヴィンスキー、ショスタコーヴィチ・・・。
かなり多い。

さすがにこれら全部の名前を検索して比べるのは面倒くさくなってきたので、実際の結果は分かりませんが、おそらくその検索数にいくらかの違いは出る事でしょう。


まぁ、日本人からすればいずれも外国人の名前なので、アルファベットのつづりをカタカナ表記をしたときの、表現の違いという事にはなるんでしょうが、ちょっとした違いでも検索文字によって結果が異なるのは当然と言えば当然なんでしょうけど、
「ベ」で探して見つからなかったものが、「ヴェ」に変えて探すだけで見つかったという事があったらマズイので、一応ブログでも気をつけて書くようにしてるという話なんですね。日本語ってムズカシー!(というのはまた別の話だと思いますが)

加えて、このカタカナ表記が名前の一文字目にくる作曲家「ヴィヴァルディ」や「ヴェルディ」なんかは、ちょっと注意が必要なのかも?パソコン検索もそうですが、CD店に出かけても、作曲家が「アルファベット順」に並んでいれば問題ありませんが、「アイウエオ順」に並んでいるとただでさえ濁点で始まる作曲家なのに、ハ行とア行の両方を探す必要がありそうかも?!

そして、更に作曲家名で言えば、ややこしいのが「ラヴェル」。クラシック音楽として、それらのサイト内検索なら問題ないでしょうが、普通のサイトで「ラベル」と検索すると、シールとかマークみたいな、糊で貼りつけるほうの“ラベル”がヒットしてしまう事もありますよね、
まぁ、モノが全然違いますから、これは探した時に一発で分かるでしょうし、それほど問題にはならないでしょうが・・・、

加えて、まぎらわしいつながりでいくと「リスト」もそうかも?!これについては蛇足なのでこれ以上言いませんが、
この他にもカタカナ違いのいろんな間違いネタは結構あるんでしょう。

≪学習漫画≫
ちなみにこちらは「ベートーベン」
ベートーベン―楽聖とよばれた大作曲家 (学習漫画 世界の伝記)
比留間 五月,よしかわ 進
集英社

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そんな感じで今日もグダグダで、ダラダラと書いてしまいましたが、早い話が名前のつづりに「V」の字がついてる人ってことなんですケド。
そして、既に多くのCDを買い揃えた、そこそこ熱心なクラシックファンの方なら、「クラシックあるあるネタ」として軽く流せる笑い話程度なんでしょうが、
一応、クラシック初心者の方にはちょっと注意が居るのかも??というくらいのお話なので、よければ参考にしてみてください。(って言うほど参考になりそうな事を書いてませんが)


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ピアノソナタ第7番    (ベート―ヴェン作曲)

2009年04月26日 | ベートーヴェン
たまには、クラシック音楽を聴いてみてはいかがですか?

今日はベートーヴェン:ピアノソナタ第7番です。

この曲はベートーヴェンのピアノソナタでも初期の作品になりますが、この後に作曲された、有名な第8番の「悲愴ソナタ」を前に、第2楽章では、その片鱗を少し匂わせるような雰囲気を持っていますが、
全体的には、やや軽めの印象を受けます。軽快に進めるリズムとテンポがそんな印象をもたらしているのかもしれませんが、
それでも、しっかりとした足取りが心地よくもあり、ズッシリと聴かせる部分もあったりと、やはりベートーヴェンの持ち味がいろいろと味わえる一曲です。



 第1楽章:トントントン!と心地よく階段を上って行くように軽快なリズムで
 始まると、小刻みなリズムになだらかなメロディが掛け合い、
 なめらかなフレーズが転がっていきます。
 高音が可愛らしく響いたかと思うと、低音がドシドシと入ったり、
 その都度細かく切り替えながら、軽やかに曲を進めていきます。
 後半は低音で勢いをつけてその上に高音が軽やかに弾むように、両者の
 コンビネーションがくりかえされていきます。
 そして、しっかりとした足取りでラストを飾ります。

 第2楽章:重たく疲れたような和音が響くと、ポツリ、ポツリと歩を進めるように
 ゆっくりとした、悲しげなメロディが響きます。
 低音のメロディに、時折入る高い音がグッと息を飲むような、ドキッとする
 雰囲気を奏でていきます。
 静かな曲調にひと際響く高音が、グサッと刺さるように悲しい音色を聴かせます。
 低音がリズムを取り始めてどうにかそれを流そうとしますが、
 低音のリズムは次第に力が入り、高音のメロディは締め付けられるように
 小さく身を潜めるようにも聴こえてきます。
 次第に高音のメロディも主張を強めていきますが、聴けば聴くほど、その
 悲しい旋律が深く刻み込まれていくようです。
 そして、最後は寂しくひっそりと静まり返り、高音のフレーズを少し聴かせると、
 ポツリと終わっていきます。

 第3楽章:ゆったりと、こころ落ち着くなごやかなメロディが軽やかに始まります。
 低音から少し跳ね上がると、中音から高音へ、少しずつ音を重ねていきます。
 そして、今度は低音から、中音、高音へと、そのフレーズを追いかけるように
 ゆっくりと曲を聴かせます。
 急にリズムが速くなると、少し明るい表情にも聴こえてきます。
 しかしすぐにピタッと元の早さに戻り、またゆっくりとフレーズを追いかけて
 静かに終わっていきます。
 
 第4楽章:アレ?何!?と聴き返すようなフレーズで始まり、ようやく確認が
 できたかと思うと、一気に転がりだすようなメロディが始まります。
 軽快なフレーズをとめどなく始めたかと思うと、
 しばらくして、またアレ?と振り返るようにテンポが一瞬止まります。
 そして、また軽やかに転がりだします。
 こんな感じで何度か立ち止まって確認するようなフレーズを挟みながらも、
 一度進みだすとある程度までは進んで、また確認。
 ちょっと進んでは立ち止まり、が少しコミカルに聴こえますが、
 飛び石をピョンピョンと跳ねるように進むメロディはとても軽快に響きます。
 最後は輝くようなフレーズを聴かせて、無事に最期まで転がりこんで、
 ぴったりと静かに終わります。


とても面白い曲ですね。最初は軽やかに始まったかと思うと、第2楽章では少し悲しくなり、このままいつものベートーヴェン節が始まるかと思いきや、第3楽章ではなだらかに、第4楽章は、なんだか手探りで前に進むような、ちょっと終わり方は拍子抜けする感もありますが・・・、
力が入るところはしっかり入っていますが、終わり方も含めて、ちょっとすかされたような雰囲気が、なんとも特徴的な一曲かもしれません。

≪オススメCD≫
アラウで聴いたんですが、見つけやすかったのがこのCD。
ベートーヴェン:ピアノソナタ第1番&第7番
リヒテル(スヴィヤトスラフ)
EMIミュージック・ジャパン

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【コレってどんな曲】
喜:☆☆☆★★
怒:☆☆☆★★
哀:☆☆☆☆★
楽:☆☆☆★★


≪おすすめシチュエーション≫
深い味わいをサラッと聴かせるといったところでしょうか?



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ヴァイオリン協奏曲第1番    (ブルッフ作曲)

2009年04月22日 | その他の作曲家
たまには、クラシック音楽を聴いてみてはいかがですか?

今日はブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第1番です。

ブルッフというと、一般にはあまり馴染みのない作曲家ですが、このヴァイオリン協奏曲が1867年に完成すると、ヴァイオリニストのヨーゼフ・ヨアヒムに献呈されます。

そしてこのヨアヒムはドヴォルザークやシューマンからもヴァイオリン協奏曲の献呈を受けるほど、当時でも名演奏者だったようです。

そう言うと少しイメージが湧いてくるでしょうか?曲調は第1楽章が激しく険しい表情から、第2楽章ではしっとりと聴かせ、第3楽章で明るく華やかに盛り上がる、という典型的なつくりですが、それでも、それぞれに渾身の想いが込められたようなこの曲は聴き応えも十分に味わえる一曲だと思います。




 第1楽章:ティンパニの小さなドラムロールが響き、クラリネットが
 ゆっくりとした音色を聴かせると、
 低音から始まるヴァイオリンソロがゆっくりと高音へとフレーズをたどります。
 ヴァイオリンがそのソロを静かに歌い上げると、オーケストラはそれを
 待ち構えていたかのように大きく始まります。
 ティンパニのリズムに険しく刻まれるヴァイオリンの音色は鋭く
 睨みつけるかのような表情に思えます。
 しかし、突如として肩の力が抜けたようにふわりと美しいフレーズに変わると、
 芯の通った輝くような音色をまっすぐ聴かせていきます。
 そして、また険しい表情に戻り、オーケストラと共に苦難の渦中へと
 巻き込まれるようにダイナミックな演奏が展開されていきます。
 それが終わると、最初のクラリネットからヴァイオリンソロへ、
 オーケストラが大きく盛り上がり、やや明るい兆しが見えてくると、静かになり
 そのまま第2楽章へ
 
 第2楽章:しっとりとしたヴァイオリンソロが流れると、チェロの静かな伴奏もあってか、
 漂うように滑らかに響くヴァイオリンが、なめらかにそのメロディを奏でます。
 少し悲しげな表情で長いフレーズを聴かせると、伸びやかなその音色には
 自然に力が込められていくように、力強く美しく響いていきます。
 何かを必死でこらえるように、グッと拳を握り締めながらも、決して弱音を
 見せまいと、何度もグッと息を飲むような迫真の思いを込めるように
 そのメロディを聴かせます。
 ひとりさびしく響く、そんなヴァイオリンの音色に気を使ったのか、
 チェロが優しく声を掛けますが、
 なんでもないとばかりに、何度もそれを振りほどくヴァイオリン、
 しかし、それに気付いた他の弦楽器もどうしたのか?とヴァイオリンの
 周りに集まってくると、トランペットとティンパニが大きく響くと同時に
 それまで抑えていたものが一気にあふれるように、まぶたから頬を伝う一筋の
 光が・・・、
 再びヴァイオリンソロが響くと、とてもスッキリとした表情で
 何か涙を拭いた跡が少し見え隠れするような、そんな表情でしょうか?
 後悔はない、そんな思いを込めるように力強く響かせると
 そのまま静かに終わっていきます。

 第3楽章:じわじわと弦楽器が静かに盛り上げていくと、
 明るく弾けるようなヴァイオリンが笑顔を振りまくように飛び跳ねます。
 オーケストラも大きく入ると、それを祝福するように華やかに響きます。
 スラリと華麗に舞うヴァイオリン、クルクルと流麗なターンを描くように
 その喜びを表現すると、
 今度は低音からにじみ出る笑顔を抑えるように、丁寧にうやうやしく
 お辞儀をしたかと思うと、
 やはりその喜びを隠せずに明るくふるまっていきます。
 弦楽器が盛り上げていくと、更に盛り上がるヴァイオリン。
 華やかに刻み、なめらかにフレーズを聴かせながらバシッ!とポーズを決めて
 終わります。
 

一般的にはそれほど有名な曲とは言えないかもしれませんが、演奏機会も多く、クラシックファンなら必見(聴)の一曲です。
まだ、聴いたことのない人には是非オススメです。ヴァイオリンの様々な表情が存分に発揮されるこの曲は、そのテクニックもさることながら、力強い響きがどの場面でもグッと感じさせる一曲です。

≪オススメCD≫
パールマンでどうぞ
ベートーヴェン&ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲
パールマン(イツァーク)
EMIミュージック・ジャパン

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【コレってどんな曲】
喜:☆☆☆★★ →第3楽章
怒:☆☆☆☆★ →第1楽章
哀:☆☆☆☆★ →第2楽章
楽:☆☆☆★★

≪おすすめシチュエーション≫
渾身のヴァイオリン協奏曲です。


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交響曲第89番

2009年04月21日 | ハイドン
たまには、クラシック音楽を聴いてみてはいかがですか?

今日はハイドン:交響曲第89番です。

この曲は1787年にハイドンの「交響曲第88番“V字”」とセットで作曲された曲ですが、「第88番」に比べると演奏頻度も少なく、その評価も低いとの事ですが、それは、作曲にかける時間も少なかった事と、ハイドンの他の曲からの「転用」をしている事にも関係があるようです。

・・・、確かにそう言われると、二つを聴き比べてそんな気がしないでもないですが・・・、
それでも、まぁ自称“聴くだけクラシックファン”の我々からすれば、そこまで研究家目線で曲を聴きこなしている訳ではないので・・・、

個人的には「いつものハイドンの明るくさわやかな交響曲のひとつ」という感じですが(そっちの方が返って失礼かも?!)
まあ、いずれにせよ、スッキリと聴ける一曲なので、初心者でもスムーズに聴ける曲なんだと思います。

ちなみに、当時の一般的なオーケストラ編成からトランペットとティパニが入っていない事もこの曲の特徴のひとつのようです。(だから“手抜き”と言われてしまう?!)



 第1楽章:サクサクっと始まる弦楽器のフレーズが心地よく刻まれると、
 リズムも軽やかにフルートがふわりと浮かび華やかなメロディが広がっていきます。
 流麗な弦楽器のメロディがなめらかに流れると、さっぱりとした気分になります。
 オーボエ、フルートを交えながらスッキリとまとめていきます。
 最初のサクサクのフレーズを何度か挟みながら曲を進めると、
 後半では、やや険しい表情になりますが、やはり、フルート、オーボエ、ファゴット
 などの木管楽器が軽やかなフレーズを奏でると、
 陽気なリズムが軽快に流れてさっぱりと終わります。

 第2楽章:フルートのやわらかいフレーズがふんわりと流れると、
 オーボエがそのフレーズをゆっくりと追いかけます。
 フルート、オーボエが交互に投げかけると、ファゴットもやさしくリズムを刻みます。
 お母さんがゆっくりと話すと、子供がそれを真似てゆっくりとくりかえすように
 のどかで、やさしい雰囲気が伝わってきます。
 途中では、子供がダダをこねたのかすこしむずかったような音になり、
 ファゴットがへりくつをこねたような響きが聴こえますが、
 弦楽器がそれをなだめるように、やさしく言って聴かせると、
 また、見なれた元のやわらかいフレーズに戻り何事もなかったかのように
 サラリと終わっていきます。

 第3楽章:ホルンの音色がやわらかく響くと、フルートがちょこまかとした
 リズムで、その後を追います。
 サクサクと刻むリズムに木管楽器とホルンが交りながら、曲を進め、
 ゆっくりとしたフルートがソロも控えめに、周りがそれをサポートしながら
 サクッと終わります。
 
 第4楽章:弦楽器が愉快なフレーズを奏でると、明るい曲が流れていきます。
 陽気なメロディにオーボエやファゴットが調子を合せて、はやし立てるように
 からめながら、明るい曲調が続きます。
 弦楽器が騒がしくなり、やや険しいクライマックスを迎えると、
 最後は「トン、トン、トン!」とノックでもするようなフレーズを
 弦楽器から各種木管楽器を渡り歩いて、賑やかに最期をまとめます。


この曲を聴くと、昔NHK-FMでやっていた番組「おしゃべりクラシック」(司会:渡辺徹さん)で「似てるねコーナー」みたいなやつがあって、
「♪しょ、しょ、しょ~じょ~じ、しょじょ~じの庭は~♪」の曲の冒頭と似てますね。というハガキが読まれて、この曲と、「しょじょじの曲?!」が流れて、
「確かにちょっと似てるかも?」と思った記憶がありますが、
それ以来、この曲を聴くとどうしても「しょじょじ」がすぐに浮かんでしまいますが、フラッシュバックとまでは言わないものの、そういう事ってありますよね。(無いかな?!)

≪オススメCD≫
ハイドン:交響曲第88番&第89番&第90番
ベーム(カール)
ユニバーサル ミュージック クラシック

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【コレってどんな曲】
喜:☆☆☆☆★
怒:☆☆★★★
哀:☆★★★★
楽:☆☆☆☆★

≪おすすめシチュエーション≫
スッキリ朗らかに聴けます。


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歌劇「イタリアのトルコ人」序曲  (ロッシーニ作曲)

2009年04月18日 | 序曲と前奏曲
たまには、クラシック音楽を聴いてみてはいかがですか?

今日はロッシーニ:歌劇「イタリアのトルコ人」序曲です。

1814年に作曲されたこの曲は、以前ロッシーニが作曲した「アルジェのイタリア女」とそのタイトルが、どことなく似てる…?、という事もあり、第1幕が終わると観客は早々に席を立ったとか、立たなかったとか。

ちなみに物語のあらすじは…、舞台はナポリの港街。ジプシー娘のザイーダは恋人だったトルコのセリム王子と別れた事を嘆いている。
そこへジェローニオが、妻フィオリッラの浮気を相談にくると、ザイーダはからかい半分で彼を追い返す。
ある日フィオッリラが散歩していると、港に船が到着し、セリム王子が現れる。2人はお互いに一目惚れをして、フィオリッラはセリムを自宅に招くが、当然いい気がしない夫ジェローニオ。しかし気弱な夫は王子にも気を使ってしまう。

セリム王子が、フィオッリラを口説くと、さすがに夫も憤慨するが、フィオリッラが夫をなだめて、その場をどうにかやりぬける。
セリム王子はフィオリッラとトルコへ逃避行を図るべく港で彼女を待っていると、そこに現れたのが元恋人のザイーダ。2人は再開を喜び合うが、今度はそこへ当然フィオリッラが登場。女性2人はセリム王子をめぐって火花を飛び散らす。

セリム王子は、フィオリッラをどうしても連れ帰りたく、夫ジェローニオを訪ね、トルコの習慣で妻を買い取ると提案し、さもなくば連れ去る(誘拐する)とまで詰め寄ります。

仮面舞踏会に乗じてフィオリッラを連れ去ろうと画策するセリム王子。一方ジェローニオもザイーダと手を組み、フィオリッラとセリムと同じ格好をして仮面舞踏会に参加してそれを阻もうと計画。
結局、セリム王子は間違えてザイーダの手を取って愛を誓うのでした。
諦めきれなかったフィオッリラはセリム王子を追って港に向かいますが、港で待っていた夫ジェローニオに会うと、浮気を後悔して夫の元に戻り、めでたしめでたし、となります。

実際には、もっと登場人物がいてややこしい展開になるんですが、長いので、これでもかなり省略してあります。



 ファゴットがテクテク歩きだすように始まると、弦楽器とティパニ(大太鼓)が
 盛り上がって一区切りを入れます。
 やがて、ホルンのソロが始まると、のどかでゆったりとしたその響きに、
 弦楽器がリズムをつけていきます。
 リズムがだんだん大きくなり盛り上がっていき、また小さくおさまると、
 今度は弦楽器の軽やかに弾むようなリズムが楽しく響きます。
 陽気なリズムに弾むティンパニ!流れるメロディを聴くとウキウキしてきます。
 クラリネットからオーボエが駆け上り、弦楽器が高鳴ると、
 トランペットも軽やかに舞うようなこの響き。
 弦楽器は勢いをつけて盛り上がっていきます。そして今度は
 オーボエからフルートが駆け上り、弦楽器が高鳴ると、
 トランペットも華やかに舞いあがる響きを聴かせます。
 弦楽器がクライマックスに向けて盛り上がり、華麗に聴かせると、
 堂々と曲を終わります。 


明るく楽しく愉快に聴ける曲です。物語はちょっとややこしい展開ですが、曲の雰囲気を考えると、結構面白いお話かも?

≪オススメCD≫
この中にあります
ロッシーニ:序曲集
セル(ジョージ)
ソニーレコード

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【コレってどんな曲】
喜:☆☆☆☆☆
怒:☆★★★★
哀:★★★★★
楽:☆☆☆☆★


≪おすすめシチュエーション≫
元気一杯に楽しく聴ける曲です。


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無伴奏ヴァイオリンソナタ第1番

2009年04月16日 | バッハ
たまには、クラシック音楽を聴いてみてはいかがですか?

今日はバッハ:無伴奏ヴァイオリンソナタ第1番です。

この曲は、「無伴奏ヴァイオリンのソナタとパルティータ」という全部で6曲からなるシリーズのうちの一曲です。それぞれ「ソナタ」と「パルティータ」が、それぞれ第3番まであります。

そして、今日紹介するのが、その第1番です。
普通の「ヴァイオリンソナタ」の場合はたいてい、ヴァイオリンソロにピアノ伴奏がつきますが、この曲の場合、タイトルにも「無伴奏」とあるように、ピアノ無しのヴァイオリンだけの演奏になります。(パルティータも同様)

ヴァイオリン1台でリズム、メロディ、ハーモニーの一人三役みたいな事をしていますから、この音の感覚に慣れるまで若干時間が居る曲かもしれません。

ただ、透きとおるようなヴァイオリンの音色がまっすぐ響くこの曲なので、単純に聴けば「スッキりと美しい曲」として聴けると思います。
また、ヴァイオリン1台だけなので、フルオーケストラとは違ったソロの迫力も十分に伝わってくる一曲といえるのかもしれません。




 第1楽章:ゆっくりと入る和音の中から、ひとつ抜けた音がまっすぐに伸びると、
 その音は、しなだれるように悲しいメロディを奏でていきます。
 他の音で和音の伴奏を入れながら、ただ切々と歌うように静かに真剣な表情で
 しずしずと語っていきます。

 第2楽章:楽器は1台のはずなのに、初めのメロディを追いかけるような低音の
 フレーズ。まるで2台のヴァイオリンがそのフレーズを掛け合うような響きが、
 淡々と、切々と重なっていきます。
 特に速いフレーズという訳ではありませんが、しっかりとした響きを刻む
 低音と、高音の響きが交互に響くと絶妙なコンビネーションがぴったりと息を
 合わせたようにしっかりと響きます。

 第3楽章:低音のフレーズがゆっくりと入ると、その上に高音のフレーズが
 ゆっくりと重なっていきます。
 やや、落ち着いた面持ちのフレーズがなめらかに響くと、
 やはり、どこか影のあるうつろな表情にも聴こえてきます。
 伸びやかにふくらむその音に、もうひとつの音が重なると、一瞬少しだけ
 宙に浮いたような感覚が、ふわりと響く、そんな曲です。
 
 第4楽章:小走りなフレーズがはじまると、最初はひとつだった音が次第に
 ふたつに分かれていくようなそんな感覚を覚えます。
 何度もくりかえすようなフレーズが重なる度に、くりかえされる度に、
 脳裏に焼きつけられるように響きます。
 まるで、こだまするように響く音色が鮮やかに響くと、
 最後はそれをきっちりと締めくくるような長い和音で終わります。



ヴァイオリンオンリーの一曲なので、演奏者の特徴が伝わりやすい一曲なのかもしれません。(といってもシェリングしか聴いたことないんですが…)
はじめて、この曲を聴いたときは「ヴァイオリン一台」というかなり“まれ”な演奏スタイルも手伝ってか、その音色に引き込まれるように釘付けになって聴いていましが、ちょっとでも油断すると、「アレ?どこからそう来て、今こうなったんだけか?」と、聴いていても“おいてけぼり”をくったようにも感じてしまう事もありましたが、
この曲自体も、演奏者も含めて特徴的な一曲(全6曲)といえると思います。


≪オススメCD≫
たいていのCDは2枚組全6曲のものが多いみたいです。
バッハ:無伴奏ヴァイオリンソナタとパルティータ(全6曲)
シェリング(ヘンリク)
ユニバーサル ミュージック クラシック

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【コレってどんな曲】
喜:☆★★★★
怒:☆☆★★★
哀:☆☆☆★★ →真☆☆☆☆☆
楽:★★★★★


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一本勝負!の一曲


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オーケストラって何ですか?  「N響アワー」から

2009年04月14日 | テレビでクラシック
たまには、テレビでクラシック音楽を聴いてみてはいかがですか?

今日は「N響アワー」から“オーケストラって何ですか”です。

「テレビでクラシック」というカテゴリーを作ってから早数年。ドラマやアニメで放送される「のだめカンタービレ」などを中心にお送りしてきたこのブログ。

クラシックのコンサートはおろか、CDすら一度も聴いた事がない人でも、「あなたの知ってるクラシックのテレビ番組は?」と聞かれば、間違いなくこの番組の名前を答えてくれるハズでしょう!

ブログでもいつか紹介しよう、と思いながらも時は流れ・・・、何回か録画して特徴をつかんでから、どんな角度で紹介しようかと思っていたら、テレビ番組表を見ると「オーケストラって何ですか」というこのサブタイトル。時は春!番組改編のこの時期に改めてスタートするためのこの企画に乗ってみよう!という事で、今日は「N響アワー」を紹介してみます。

既にご存じの方も多いこの番組ですが、この番組を語る上で外せないのが「池辺晋一郎さん」作曲家として多くの作品を手掛け、ウィキペディアを覗くと、その音楽を手掛けたからなのか?大河ドラマや朝ドラにも出演した事がある多彩な才能を発揮するこの人。吹奏楽コンクールの課題曲も作曲しているので、そちらをご存じの方も多いハズ!

しかし!!チャンネルを合わせてもリニューアルした「N響アワー」に彼の姿は無かった・・・!ニュースですよコレは!マジですか!ホントですか!!!
(この話は後にするとして、まずは番組紹介・・・)

【N響アワー】
放送局 :NHK教育テレビ
放送日時:毎週日曜PM9:00~(5週目はオーケストラの森)
司会  :西村朗 岩槻里子
演奏  :もちろんNHK交響楽団


番組オープニングとしてシューマンの「ライン交響曲」のテーマが流れて現れた司会の二人は・・・、西村朗さん(作曲家)と岩槻里子アナウンサー。

そしてこの日のテーマは「オーケストラって何ですか?」ということで、番組でも4月を迎えて原点に返って、まずはオーケストラについての素朴な疑問に応えよう!ということのようです。

そして、まずは西村さんの考える「オーケストラの3つ条件」というフリップが登場。
①管楽器と弦楽器がある
②あらゆる音域をカバーする
③2人以上で弾くパートがある

そして岩槻アナが質問
「では、何人いれはオーケストラと言えるんでしょうか?」
これに対して、
「NHK交響楽団の場合は105名の正団員がいますね。但し、場合によってはこれより少ない人数で演奏することも、多い人数で演奏する事もあります。」

そこで、まずは時代をさかのぼって、モーツァルトの時代(18世紀後半ごろ)の編成は…、
弦楽器(ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバス)に加え管楽器はホルン、オーボエ、ファゴットの3種類しかない。
小編成ですが、色彩豊かな表情を聴かせます。と紹介。
では、その編成の曲を聴いてみましょう~ということで曲へ。
~~~~~~~~~~
モーツァルト:交響曲第25番から第4楽章
ウラディーミル・アシュケナージ指揮 NHK交響楽団
           ~~~~~~~~

そして次の質問。
岩槻アナ「リコーダー(立て笛)はどうしてオーケストラに含まれないんでしょうか?」
西村さん「オーケストラは大編成ですから、音が小さいと存在感が無くなってしまうんですね。」
岩槻アナ「じゃあオーケストラの楽器はどうやって決まるんですか?」
西村さん「管楽器はその音色の持ち味や、音量も当然ですが、・・・オーケストラは時代を経て様々な楽器を加えられたり外されたり、淘汰されながら決まっていくんですね。」
そして、リコーダーはリードの無い楽器としては、フルートやピッコロ等がその役割を果たしているそうです。

一方、オーケストラの編成はその後、
モーツァルトの時代から約50年後、ベルリオーズの時代は・・・、
弦楽器に加え、木管楽器の種類も増え、金管楽器、打楽器が登場。とにかくたくさん。
これら大編成のオーケストラは、ピアノの全音域をほぼカバーしています。
そして、オーケストラの編成が大規模になると、それまで、ピアノで曲想を考えて作曲していた作曲家たちも、オーケストラの個々の楽器の音をイメージして、その楽器を前提に曲を作るようになっていきます。
ベルリオーズなんかはその典型みたいなものですね~ということで曲へ
~~~~~~~~~~~
ベルリオーズ:幻想交響曲から第5楽章
小林研一郎指揮 NHK交響楽団
            ~~~~~~~~~~
            
ところで、オーケストラといえば管弦楽(管)(弦)といえば、日本の伝統音楽の雅楽も(管)(弦)を使っていますが、西洋のオーケストラの奏でる音とはかなり違ってますね。
それは・・・西洋のオーケストラがハーモニー(和音)で音楽を構成していますが、雅楽にはハーモニーが無い。旋律はあるけどハーモニーはない。雅楽は別ルールで旋律を重ねることで音楽を構成しているんですね。
(そして、雅楽のちょっとしたしくみやハーモニーの基音や倍音についての説明がありましたが、ちょっと難しかったので省略)
そして、オーケストラには雅楽には無い金管楽器がありますが、この金管楽器が発達すると、オーケストラの中でハーモニーを構成する重要な役割を果たしているんですね。
そんな金管楽器の重厚な音楽の例として、ブルックナーの交響曲第7番の映像が、1分ほど流れます。
資料映像が終わり、
ブルックナーの壮大なスケールもオーケストラの醍醐味ですが…、
ちょっと待てよ…、大編成の魅力もいいが、もう少し楽器の運用を考えなおしてみようとしたのがブラームスなんですね。
ブルックナーやワーグナーに比べると小編成の曲を書いた作曲家です。
たくさんの楽器を使うのもいいですが、限られた編成で“運用の妙”をうまく使ったのが、ブラームスの交響曲第1番ですね~ということで曲へ
~~~~~~~~~~~
ブラームス:交響曲第1番から第4楽章
ヘルベルト・ブロムシュテット指揮 NHK交響楽団
           ~~~~~~~~~~~~~
演奏が終わると、「量より質」ですね!とひとこと。

そして最後に「だん吉・直美のおまけコーナー!」じゃなかった(齢がバレるよ…)
【西村朗の今宵もカプリッチョ】のコーナーです。
テーマ「プルトとパート」
パガニーニのカプリスが軽やかに流れると、譜面台を前にヴァイオリンを持った2人。
「プルト」というのはドイツ語で譜面台のことを言うんですね。そして、ヴァイオリン等の弦楽器は、2人でひとつの譜面台を共有するんですね。そして、楽器を構えてみましょうか、(2人が演奏のふりをすると)隣同士の動きに気をつけながら、一人は、譜面のページをめくらないと、いけないんですね。
そして、それがコンサートマスターとペアの場合、コンサートマスターは他の楽器にも目配りしながら演奏する訳ですから、そのペアのひとりはそこにも気をつけなければいけません。
「だから、オーケストラの演奏というのはそうした小さな単位のチームワーク、コンビネーションが広がりとなって輪となって、大きな演奏、名演になっていくんですね。」

※曲目のリンクはこのブログで書いた記事のページにつながります。
※ちなみに、今回はビデオ録画しましたが、2人のコメント解説には一部省略と、その上で発生する独断と偏見の上に内容を編集してありますのでご了承ください。


こんな感じで、4月12日分の番組内容を紹介してみましたが・・・、番組改編期で、改めて紹介してみた「N響アワー」
これまでの放送だと、今回みたいにテーマを設定してその曲の一部をいくつか聴いていくパターンと、N響の定期演奏会から1時間に収まる曲をまるまる一曲放送するパターンもやってました。
そして、「N響アワー」のホームページを確認すると、今回がリニューアルしてからの2回目だったんですね!(見るまで知らんかった。)

そんな訳で、今回は「オーケストラって何?」というテーマでしたが、改めて友達から聞かれても、「知らないの?コレ」とか言って、普通にCDのジャケットに写ってる写真とか見せたりしてしまいそうですが、
「オーケストラの定義」を聴かれると、これだけいろいろ聴いたり紹介したりしてても、「・・・。」と、ちょっと困ってしまいますよね。
まぁNHKらしいと言えばらしいですが、まさか「雅楽」の話になるとは・・・。


そして、「後ほど」と言った池辺晋一郎は!と思ったそこのあなた!今回は想像以上に長くなってしまったので、彼についてはこの下にアップしましたので引き続きどうぞ。個別記事でアクセスの方は「前の記事」でどうぞ。



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「N響アワー」と池辺晋一郎

2009年04月13日 | テレビでクラシック
たまには、テレビでクラシック音楽を聴いてみてはいかがですか?

今日は「N響アワー」と池辺晋一郎です。

と、いう訳で、最初はリニューアルしたN響アワーの番組紹介のついでに、チョロッと紹介するつもりだった彼の話です。

と、言っても特別に思い入れのある訳ではありませんが・・・。
それにしても、N響アワーから彼が居なくなるとは、思いもよりませんでした。

だって、もう物心ついたころから、というか、N響アワーと言えばこの人が番組の代名詞みたいな感じになってましたから、かなりビックリしました。(体調でも悪いのかな?)

池辺晋一郎(作曲家)
ですが、改めて紹介するほどそれ以上知らないんですが、ネット検索すると、
交響曲、各種協奏曲、合唱曲を手掛け、受賞歴も多数。
と、言っても一回も聴いたことない・・・。
どちらかというと、大河ドラマ「独眼竜政宗」「八代将軍吉宗」ほかのテーマや“朝ドラ”「澪つくし」「君の名は」のテーマ曲を作曲した人…と言った方が、
「ああ!その曲の人!」とうなずいてもらえるかも。

そして、本題の「N響アワー」での活躍は・・・、
番組「N響アワー」は1980年から放送開始ですが、彼が司会を務めたのは1996年から今年の3月まで、10年以上に渡ってその任を果たしたことになりますが、スゴイですねぇ。N響アワーが30年近くやってたことも改めてビックリしましたが、その1/3を彼が務めていたとは・・・。なんだったら「池辺晋一郎のN響アワー」みたいに番組名を変更してもおかしくないんじゃないか(そりゃ言い過ぎだな、いいともじゃないし。)と思うほど。

個人的に印象に残っているのは、女優「壇ふみ」さんと2人で放送をしていた頃。壇ふみさんが「チャイさま!!」(チャイコフスキーのこと)と呼んでいたのを横でニコニコと微笑んで聞いていた池辺さん。

そして、「N響アワー」での彼を語る上で外せないのがあの「ダジャレ」でしょう。ほぼ、毎回欠かさず…と言ったら言い過ぎかもしれませんが、それくらい言っていたかも!?そんな彼のダジャレネタは・・・、見る度に毎度言ってるのにひとつも覚えてない!!(だってくだらないし…。)
その後も、池辺晋一郎さんは、十数年にわたり、番組改編期による、女性の司会者変更にも関わらず、彼女たちに、その持前のダジャレを披露していくのでした・・・。

そんな具合だったので、ブログをはじめてから「やっぱりこの番組はいつか紹介しないといけないなぁ・・」と思いつつ、ただ単に、「こんな番組です。」という紹介じゃぁ皆さん既にご承知のとおりですから、ヒネリが無いし、せっかくだったら、この池辺さんの「ダジャレ特集」として、番組を1ヶ月ほどリサーチして、○月○日、交響曲○番の解説中に「布団がふっとんだ!」と発言!みたいにすれば、その傾向から多少面白い話が書けるかな?と、思ったりもしたんですが、

いかんせん、ここまで番組について語ってるくせに、「N響アワー」は年間を通しても1回か2回見るかどうかというていたらく、(なんだよそれ!)いつもは「行列のできる○○」を見たりとか、ブログ書いてたりとか・・・、かと言って彼のダジャレをチェックするために、わざわざビデオに録るのも・・・ねぇ。

それでも、曲目解説時にはピアノをサラリと弾いて、熱く語る彼の姿はとても印象的でしたし、結構分かりやすかった・・・と思う。(言うほど番組見てないし)
加えて、番組内でも「さすが、いい事言うなぁ」と思った事もありましたが、肝心の内容を覚えてない・・・。

ああ、こんな事なら、もっとちゃんと見ておけばよかった…、今となっては後の祭り。でも、時として真実を知らない方が、「美しい思い出」としてこころにしまっておけるかも?!そう思うことにしよう。

※内容についてはウィキペディアの「池辺晋一郎」と「N響アワー」の頁を参照にしました。

≪池辺晋一郎≫
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結局,「池辺晋一郎を語る」みたいなテーマだったくせに、最後はグダグダで終わってしまいましたが、
壇ふみさんが出てた頃は月一回くらいで見てたような・・・、どうだったかなぁ。
最近に至ってはほとんど見てませんでしたが、
改めて番組を調べてみると、N響アワーって30年近く放送してたんですね。しかも結構見落としてましたが、教育テレビとは言え、時間帯で言えば日曜のゴールデンタイムに放送ですから、こりゃあっぱれ!スゴイ!

そして、今期からはリニューアルで西川朗さんが司会を務める事になりましたから、これを機会に改めてまた、見てみようかなぁ?とか思ったり、思わなかったり。



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