函館市とどほっけ村

法華宗の日持上人にまつわる伝説のムラ・椴法華。
目の前の太平洋からのメッセージです。

外国人に積極的に話しかけた

2024年08月29日 07時34分07秒 | えいこう語る

▼8月に76歳を迎えた私は、妻と二人で人口700人余りの漁業の地域で、小さなレストランを切り盛りしている。

▼20年前に函館市と市町村合併し、今は函館市となったが、合併したからと言って距離がちじまったわけではない。田舎は田舎だ。

▼海岸沿いの国道に、ぽつんと一軒というような状態で店があるが、近年外国人の観光客が来店してくる。

▼私が生まれてこの方、私の田舎に世界各国の人がやってくるなんてことは、考えられないことだった。

▼カナダ・米国・豪州・オランダ・ドイツ・フランス、東南アジアと、様々な外国人が来店してくる。

▼始めは対応ができなく慌てていたが、外国人は笑顔がよい。なので最近は私も妻もちょっぴり慣れてきた。

▼先日厨房に引っ込んでいる妻も、積極的に話していた。ほとんど日本語だったが、ちょっぴり伝わっているように見えた。

▼外人観光客はほとんど英語を話す。だが今の私たち夫婦の英語能力は、中・高校で習った単語の多くを忘れている。

▼それでも外国人来店が一般的になってきた最近は「どこの国からですか」「観光ですか」「日本は初めてですか」程度は、話すことができるようになった。

▼来店中はもっと話をし、日本の良さを強調したいのに、そんな能力は全くない。店を出る時は「サンキュー」というぐらいが精一杯だ。

▼せっかく日本の片田舎まで来ていただいているのに、こんな程度では「おもてなし日本」として、恥ずかしいことではないかと、常々思っている。

▼数年前には、外国人観光客と接するための講座にも、夫婦で参加してきたこともある。でも実際に接すると眩暈を覚えると妻は言う。


▼先日、イタリア人の夫婦がやってきた。英語は通じたので、そこで思いっきり話しかけようという気が、突然わいてきた。

▼何時も黙っているだけでは、せっかく入店していただいたのに申し訳ない。さらにこのまま話しかけないでいると、いつまでたっても英語が上達しないという思いが、突然背中を押されるように、生じたからだ。

▼店の外には、ハーレーのバイクが2台置いてある。日本人ライダーのものとは思われないような、ちょっぴり派手なかっこよさだった。私はその夫婦が乗ってきたに違いないと思った。

▼その時店の中には、日本人夫婦と小学生の女の子の家族がいた。ご主人は陽に焼けているので、てっきりサーフィンをしに来たと思っていた。

▼バイクのナンバーは「函館ナンバー」だった。そこでちょっぴり親しみを感じたので、「函館ナンバーですが、函館にお住まいですか」と尋ねた。

▼その夫婦は「何のことかわからない」というジェスチャーをした。そして翻訳機能のついているスマホを出して、それに話しかけるるように言われた。

▼「自分たちは白い車に乗って来て、店の前の海岸に駐車している」という。私は生まれて初めて、積極的に外国人に話しかけてみたが、なんとそのバイクは日本人家族が乗ってきたものだった。

▼私は勇気を振り絞り、外国人との積極的会話を試みた。だが積極的に勘違いをしてしまったのだ。「アイム、ソーリー」だ。イタリア人夫婦はやさしく笑っていた。

▼北海道は年々外国人観光客が増えている。先日世界的半導体工場のラピダスが千歳市に進出してくるので、その説明会に参加してきた。

▼世界中の研究者や技術者が大勢集まってくる。仕事休みには北海道各地を観光する。その時、地域のすばらしさを伝えることができるように、英会話を覚えることが北海道民に必要なことだといわれた。

▼英会話だって単語さえ覚えれば、あとは積極性と情熱さえあれば通じる。地球人であれば、英語ぐらいは会話できないと通用しない時代になったのかを、いまさらながら実感した?今回の出来事だった。

▼今年の猛暑も、間もなくそんなことがあったかと思うくらいの、厳しい冬が待っているに違いない。

▼76歳の北海道の冬、そして春までの休業期間は、英単語の勉強に励もうと思う。そして、ちょっぴり地球人たる自覚を持った、田舎の夫婦でいたいと思う。

▼戦後80年の来年は、積極的に外国人と会話する。できれば【戦争のない世界にしよう】と、世界の人たちと、シンパシーできるように。